Fixture
プレミアリーグ 第2節
2023.8.21
クリスタル・パレス(5位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点1 失点0)
×
アーセナル(4位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点2 失点1)
@セルハースト・パーク
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でクリスタル・パレスの2勝、アーセナルの3勝、引き分けが5つ。
セルハースト・パークでの成績
過去10回の対戦でクリスタル・パレスの2勝、アーセナルの7勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
- パレスは23試合のホームのアーセナルとのリーグ戦で3勝(D8,L12)。そのうち2勝がプレミアリーグになってから挙げたもの。
- アーセナルは昨シーズンこのカードでダブルを達成。ホームで4-1、アウェイで0-2。
スカッド情報
- シェフィールド・ユナイテッド戦で足を引きずっていたマーク・グエヒは起用可能。
- ミカエル・オリースはハムストリングの負傷で離脱中。マーク・ヒューズとマテウス・フランサも引き続き欠場。
- ユリエン・ティンバーは膝の怪我で長期離脱の見込み。
- オレクサンドル・ジンチェンコはふくらはぎの負傷から回復。
Match facts from BBC sport
- 2回目のトップリーグでの開幕連勝を狙う。1回目はロイ・ホジソン1次政権の20-21。
- プレミアでのホーム開幕戦は過去14回で1勝のみ(D3,L10)。
- しかし、ホジソンの帰還以降、ホームでのリーグ戦は負けなし(W3,D2)
- オドソンヌ・エドゥアールはパレス史上2人目の開幕2戦連続ゴールを狙う。1人目は20-21のウィルフリード・ザハ。
- ホジソンはワトフォードとパレスでミケル・アルテタとのアーセナルと4回対戦し未勝利(D2,L2)。
- 昨季のロンドンダービーは12戦無敗(W10,D2)。1シーズンにおけるロンドンダービーの勝利数の記録を樹立した。
- 昨季のアウェイでの成績はリーグトップ。57ポイントのうち39ポイントを手にした。
- アウェイでの10個のクリーンシートもリーグ最多。他のチームは6より多くクリーンシートを記録していない。
- アルテタ就任以降、月曜のアウェイゲームは4戦全敗。そのうちの1つは2022年3月のセルハースト・パークでの0-3での敗戦。
- 最後の月曜におけるアウェイゲームの勝利は2019年12月のウェストハム戦。指揮をとっていたのは暫定監督であるフレディ・リュングベリ。
- ブカヨ・サカは95-97年にポール・マーソンが樹立したプレミアリーグの82試合連続出場のクラブ記録に王手。
予習
第1節 シェフィールド・ユナイテッド戦
今季ここまでの道のり
予想スタメン
展望
オールドファッションな基準を満たすのか
たまたまなのだが、第2節の対戦カードは開幕節同じ結果だったチーム同士の組み合わせが多い。延期するルートン・タウン×バーンリーも含めれば、10試合中6試合が同じ結果の対戦である。
セルハースト・パークにおけるこの試合もそのうちの1つ。クリスタル・パレスとアーセナルは開幕連勝をかけたロンドンダービーに挑むことになる。
パレスの前節の相手は昇格組のシェフィールド・ユナイテッド。アーセナルとはだいぶ傾向の違うチームなのでどこまで参考になるかはわからないが、この試合しか材料がないので少しプレイバックしよう。
開始の数分以外はほとんどパレスがボールを持つ展開だった。CHだったレルマとドゥクレは縦関係を形成。後方を務めるのはボーンマスから移籍してきたレルマの方が多かった。
低い位置にいないCHは高い位置まで積極的に出ていく形。中盤よりも手前のフェーズにおいては比較的ボールの近くに人を集めながらナローなスペースを生み出しては前進をしていく。
ブレイズは後方の5枚と前方の5枚が分断されつつ、前の5枚が3-2だったり2-3だったりに変形する布陣だった。ラインを上げたい意識はあったのでホルダーを捕まえようとはしていたブレイズだったが、枚数を合わせる意識はないので、どこかが人が足りないケースが多く、パレスはショートパスでそのスペースを作り出しながら前進をしていく。
ある程度前進することができたらそこからはダイナミックさが重視。これはパレスのCHのキャラクターによるものだろう。手数をかける攻撃はそこまで得意ではなく、前にスペースができたらまずは運び、推進力を前面に押し出す格好である。ブレイズ相手のゴールもレルマのキャリーがトリガーになっていた。
敵陣に迫ったところで手詰まりになるとCBのアンデルセンが1列前に出てホルダーをサポートする。これで左右の展開を手助け。サイド攻撃の出口となるのはエドゥアール。サイドからのクロスと彼の相手を外すアクションの掛け合わせからフリーになってシュートを狙っていく。
エドゥアール自体のコンディションは悪くはなさそうだが、エリア内のターゲットが彼一人になるケースが多いのと、ザハやオリーズといった大外の攻め手の基準点がなかったことから、やや単調な感じもする。チャンスメイクはエゼに負荷がかなりかかっている。
アーセナル戦ではこの日見られなかった部分も当然重要になるだろう。1つ目は撤退守備の精度のところ。パレスは持たれる展開にはアレルギーはないだろうが、バックラインは4枚。昨季のアーセナルの5枚ベースの攻めにはあまり相性がいいとは言えない。持たせてしのぐ形ではシティやアーセナルに後手を踏んでいるだけに、この形で耐えられるブロック強度なのかどうか。
もう1つはロングカウンターである。撤退守備をベースに出来るのは迫力があるロングカウンターがセットでついてくるから。オリーズ、ザハがいない状態で撤退守備の相棒となるロングカウンターの威力を担保できるのかは疑問が残るところでもある。
フィニッシュの形以前に推進力が足りていないのであれば、アーセナル相手にワンサイドで押し込まれる展開もあり得る。オールドファッションなパレスの持ち味を今年もきちんと持ち合わせているのかどうか。その部分が問われる開幕戦になるだろう。
3-1-6を見てみたい理由
まず、アーセナルに関して確かめておきたいのはフォレスト戦で見せた3-1-6の立ち位置である。極端に引く相手に対するオプションなのか、あるいは単純にこれが23-24の基本システムなのか、その点を見極めるには試合のサンプルが必要だ。
先ほども述べたが、パレスは基本的には4バック。前方の枚数は5枚でも十分にズレを作ることができる。おそらく、CBのキャラクター的にはフォレストよりはパレスの方がボールを持つ機会が少しは多くなるだろう。そういう相手にも同じ形を使うのかどうかはポイントの1つになる。
アーセナルの内部の事情で言えばティンバーの負傷は見逃せない影響になるだろう。フルトレーニングに復帰したジンチェンコが起用された場合は後方の守備の強度が担保できるのか。あるいは前節のように冨安を起用した場合は、左サイドの攻撃のサイクルを維持できるのか?などのポイントは今後を見据えても確認しておくべきである。
いわば、どちらのチームにとってもベースシステムの強度を確認するような試合になるのではないか。個人的にはアーセナルは3-1-6の形はこの試合でも見ておきたい。バックラインが4枚の相手に対してハヴァーツとエンケティアの併用は相手のCBの横幅を固定するようなイメージができる。
そうなれば、おそらくハーフスペースかバイタルのどちらかを相手のCHが守り切れないはずであり、撤退守備の攻略がしやすくなるのではないか?ブロックを組む守備相手の新たな攻略レパートリーを加えることができれば、万々歳の一戦になるだろう。