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「負荷とトライのにらめっこ」~2023.10.20 J1 第30節 川崎フロンターレ×アビスパ福岡 プレビュー

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第30節
2023.10.20
川崎フロンターレ(9位/11勝6分12敗/勝ち点39/得点39/失点39)
×
アビスパ福岡(8位/13勝6分10敗/勝ち点45/得点30/失点31)
@等々力陸上競技場

戦績

近年の対戦成績

直近10戦で川崎の6勝、福岡の3勝、引き分けが1つ。

川崎ホームでの戦績

直近10戦で川崎の9勝、福岡の1勝。

Head-to-head

Head-to-head
  • 公式戦では川崎が福岡に4連勝中。今年の2回の対戦はいずれも川崎が勝利している。
  • 直近3回の対戦はいずれも川崎が3得点以上を挙げている。
  • しかしながら、直近3試合の福岡はいずれも川崎はクリーンシートを達成できていない。
  • 福岡が最後に等々力のリーグ戦で勝利したのは2000年が最後。
    • 以降は川崎の11連勝。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • 右下腿三頭筋肉離れで離脱中の大島僚太はランニングをスタート。
  • 長期離脱中のジェジエウはフルトレーニングに合流。
  • 佐々木旭は左ハムストリングの肉離れで離脱。
  • 車屋紳太郎は左脛骨骨挫傷で離脱。
アビスパ福岡
  • 佐藤凌我は左膝前十字靭帯損傷及び左膝外側半月板損傷で長期離脱。
  • ルキアンは左太もも裏の肉離れで帰国して治療。
  • 井上聖也は両前腕骨幹部の骨折で離脱。
  • 平塚悠知はルヴァンカップ名古屋戦1stレグで負傷交代。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 公式戦直近6試合で5勝。うち4試合がクリーンシート。
  • しかしながら、敗れた試合は直近のホームでのリーグ戦。敗れれば連敗となる。
  • 直近8試合のリーグ戦の勝利はすべてクリーンシート。
    • この間失点した試合は3分8敗。
  • 勝てば今季初めてのリーグ戦ダブル達成。
    • 残りのリーグ戦はすべて前半戦で勝利したチーム。
  • レアンドロ・ダミアンは先発出場した公式戦直近3試合で2得点。
  • マルシーニョが得点を挙げたリーグ戦は9連勝中。
アビスパ福岡
  • 公式戦直近4試合中、3試合でクリーンシート。
    • 唯一の失点した試合は川崎に4失点した天皇杯準決勝。
  • リーグ戦は直近4試合で負けなし(W3,D1)
  • 関東勢とのリーグ戦は直近5試合負けなし(W4,D1)
  • 2021年に記録したJ1でのクラブ最多勝ち点記録に9ポイントで並ぶ。
  • 鶴野怜樹は出場した川崎戦で2試合いずれも得点を挙げている。
    • 43分間の出場で2得点を記録。
  • 金森健志は川崎戦で3得点を挙げており、J1所属チームの中で最も多くの得点を決めている対戦相手。
    • いずれも福岡所属の選手としてのゴール。
    • しかし、出場した10試合の川崎戦で勝利したのは1回だけ。

予習

天皇杯 準決勝 川崎戦

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展望

方向性発掘もセットで

 およそ2週間前に天皇杯の準決勝で対戦した川崎と福岡。天皇杯では敗れてしまった福岡だったが、ルヴァンカップのファイナルの切符を手にして等々力に帰還。よって、この試合は国内カップ戦のファイナリスト同士の一戦である。

 前提として述べておきたいのは、福岡は今現在国内で最もタフな日程を強いられているチームだということ。前回の天皇杯から今回のリーグ戦までは13日で4試合。川崎、名古屋、名古屋、川崎である。負傷者が少なくなく、そもそもの層も厚いとは言えない福岡は連戦の終わりと位置付けられるこの試合に何を優先してメンバーを送り込んでくるかは読みにくい。

 名古屋とのルヴァンカップ2試合で福岡が主導権を握ることができた理由はプレッシングからDFラインの時間を奪うことができていたから、特にユンカーがおらず、名古屋の前線にボールの収めどころがなかった1stレグの前半の苦戦は顕著。福岡は名古屋のバックラインに圧をかけて、ロングボールを蹴らせて回収から二次攻撃につなげる形で、名古屋を押し込み続けていた。

 なお、1stレグの前半の福岡は天皇杯から10人のメンバーを入れ替えていた。それでも前からのプレッシングはインストールされていたので、おそらくこの部分は先に述べたローテの影響はあまり効いてこないと予測を立てることができる。

 よって、高い位置からのプレッシングは金曜日に川崎が対応しなければいけない状況になる。天皇杯の準決勝において川崎が福岡に苦しめられた時間帯はまさしくこのプレスが効いていた時間帯。特に山村の対角プレスという蔚山戦で広いスペースへの逃げ道として機能していたルートが封鎖されたことで、縦にしか逃げ道がなくなってしまったのが痛かった。

 天皇杯を見る限り、川崎にはいくつか改善できる要素はありそうではある。一つ目はIHとの関係性。左CBで山村を起用するという前提に立つならば、福岡の前線が再び右足側から切る形でプレスに出てくることは十分に想定可能である。

 福岡のプレスは山村-登里のパスコースを縦に誘導することに注力していたので、それを裏切るように内側でポイントを作りたい。もちろん、受けたIHがターンできれば最高だが、無理でも逆サイドに逃がせればOK。アンカーにポストで落とすか、インサイドへの絞りの感覚が冴えている山根に振る形で展開できれば理想だ。

 あるいはGKを使ったビルドアップも積極的に活用してもよい。福岡はGKまでプレスに出てくるスタンスも見せてくるチームだが、連戦が続くチームの前線がどこまでハードワークができるかは怪しい。そうした運動量の側面で揺さぶりをかける意味でも勇気をもってGKを活用できれば、プレスを回避できる可能性は高まる。

 もちろん、名古屋が1stレグにてユンカー投入で巻き返したように、前線にターゲットマンを配置する形も有効だ。天皇杯の後半はダミアンと家長が効いたことからもこの形の実効性はすでに証明済みといえるだろう。

 だが、ダミアンや家長を使っての形はそれなりに見えたところもあるので、川崎からすれば前線に速めにボールを入れるプランを使うのであればほかのテーマを持っておきたい感はある。例えば、ゴミスを中心とした連携の熟成や、マルチなポジションで運動量も充分に担保できる宮代の生かし方を模索するなど、新しい方向性発掘と掛け合わせて使いたい手段だ。

 ダミアン、家長を外した際の前進の形の構築やまだゴールがないゴミスに得点が生まれるなど、少し切り口を変えながらトライをしていきたいところだ。

ゴミスの孤立防止とリトリートを両立できれば…

 非保持においても無理にこの試合にフォーカスしすぎる必要はないだろう。マルシーニョや家長に自陣まできっちりと戻る負荷を強いるのは、この試合ではなく火曜に行うべきである。

 よって、前線は守備の負荷をそれなりに免除するか、あるいは自陣まで戻るような動きまで担保できるポテンシャルを持っている選手を起用するかの2択である。予想スタメンでは戻ることができる選手を並べてみた。

宮代や瀬川が先発した場合は自陣での守備と敵陣への侵入の両立が求められることになる。特に宮代はゴミスを孤立させずに守備のタスクをこなすことができれば、残りのシーズンのプレータイムは増えることは請け合いだろう。

 福岡の保持に対しては、紺野を軸に右サイドからシャドーを追い越すアクションを使った攻撃はしてくるはず。縦に抜けるWBを使うか、あるいは紺野のカットインを使うかの2択から守備に対応を迫ってくる。

 両睨みをするためにはシンプルに5バックにしてしまうか、IHもしくはWGが最終ラインを埋める形をとるのがいいだろう。5バックも悪くはないが、左CBの適任が思い当たらないのが気になるポイント。そういう状況下であたまからこの形を使うとは思えないので、予想スタメンは戻れるWGになっている。

 ちなみにサイドチェンジからWBの推進力を使う形はパトゥム戦でも問われる可能性が高い部分だったりする。サイドチェンジのスキル感もWBの突破力も福岡に対して、大きく優れているわけではなさそうなので、川崎としては福岡戦でサイドチェンジへのスピード感は慣れておきたいところだ。

 この試合のテーマをまとめると、狭いスペースに圧縮してくる福岡のプレスを回避したビルドアップの構築、ゴミスを軸とした連携の熟成。前が空いたWBへの攻め上がりの対抗策がポイントになるだろう。

 なりふり構わずすべての方策を使うというよりは、トライと勝つことを両立させることを狙いたい。負けたからどうこうという状況ではないのだけれども、勝ってトライすることは明らかに好循環を回すことにつながるし、試行錯誤にも前向きに臨むことができる。中断前の連勝でつないだいい感触を手放さないように丁寧に90分を過ごしたい。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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