■掛け値無しでの大活躍で大暴れの三笘薫
勝ち点的にはついに危険水域に入り始めたウルブス。暫定監督のデイビスでの続投から、ロペテギの正式就任(ビザの関係で11/14から)に切り替えることに。ウルブスはここが踏ん張りどころ。逆にブライトンは前節のチェルシー戦でようやくデ・ゼルビ政権初勝利。この勢いに乗って一気に巻き返しを測りたいところだ。
試合はブライトンの保持からスタート。ウルブスは中盤がプレスに出てくることもなく、バックラインがストレスなくボールを持てる状況だった。縦パスを入れては戻しつつ縦に揺さぶりをかけながら様子を見ているブライトン。決して無理はせずにどうなるかの流れを注視している印象だ。
例外だったのは三笘。反転しながら積極的にウルブスの守備陣相手に前を向くトライをし続けていた。ブライトンの中でも少し異質の存在である。
先制点への道を切り拓いたのはその三笘。左サイドからマーカーと正対するとPA内のトロサールに横パス、この落としをララーナが決めて先制点をゲット。異質な三笘が起点となり、先制点を奪う。
三笘だけでなく、エストゥピニャンも含めた左サイドのユニットは攻撃では好調を維持しているが、自陣での守備に回ると脆さがある。それが象徴されたのがウルブスの同点ゴールのシーン。出て行き過ぎてしまうエストゥピニャンが縦パスを跳ね返しきれず裏をとられてしまう。カバーの遅れたダンクと前方からプレスバックする三笘は間に合わず、ゲデスが同点ゴールを生み出す。
このブライトンの左サイドの難は2失点目でも。今度は早い段階で左サイドのカバーに出て行ったダンクがハンドの反則を犯し、PKを献上してしまう。これをネベスが決めてウルブスはリードを奪う。
リードされた状態をひっくり返したのはまたしても三笘。右サイドからのクロスを合わせて、セメドの上からヘディングを叩きプレミア初ゴールをゲットし、同点に追いつく。さらには前半終了間際にドリブルでセメドから一発退場をもぎ取ってみせる。
同点ゴールと数的優位が前半のうちにもたらされたブライトン。ウルブスは4-4-1でロングカウンターに集中。途中からアダマ・トラオレを投入し、ロングカウンターの専制守備に走った感があった。
相手が10人ということもあり、崩す機会は十分にあったブライトン。左右にボールを動かしながら三笘とマーチを軸に、大外から相手にちょっかいをかけていく。だが、時間が経過してもなかなか決定的な3点目を決めることができない。
残り時間が少なくなる中で試合を決めたのはブライトンの左サイド。すなわち、またしても三笘である。Jリーグを見ていた人ならお馴染みのタッチするたび加速するドリブルでエンドラインを抉ると、ウンダフへパスを送り、最後はグロス。左で作って右で壊す形でウルブスを最後に仕留めてみせる。
最初から最後まで大暴れだった三笘は明らかに勝利の立役者。掛け値なしの大活躍でブライトンを連勝に導いてみせた。
試合結果
2022.11.5
プレミアリーグ 第15節
ウォルバーハンプトン 2-3 ブライトン
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:12′ ゲデス, 35′(PK) ネベス
BHA.:10′ ララーナ, 44′ 三笘, 83′ グロス
主審:グラハム・スコット