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「キーになる名古屋のプレスの形」~2022.3.12 J1 第4節 川崎フロンターレ×名古屋グランパス プレビュー

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第4節
2022.3.12
川崎フロンターレ(2位/3勝1分1敗/勝ち点10/得点9/失点7)
×
名古屋グランパス(6位/1勝1分0敗/勝ち点4/得点3/失点1)
@等々力陸上競技場

戦績

近年の対戦成績

 直近5年の対戦で川崎は6勝、名古屋は2勝、引き分けは3つ。

川崎ホームでの戦績

 直近10試合の対戦で川崎が8勝、名古屋が1勝、引き分けは1つ。

Head-to-head

<Head-to-head>
・直近の対戦成績では川崎が名古屋に3連勝中。
・直近10試合の当該カードでホームチームが負けたのは一度だけ(W6,D3)
・直近7試合の公式戦のホームの名古屋戦で川崎は無敗(W6,D1)
・直近3回の名古屋のリーグでの川崎戦の勝利はいずれもクリーンシート。

 昨年の対戦は序盤戦最大の天王山として迎えたゴールデンウィークの連戦。ホームもアウェイも共に川崎が勝利し、その後のリーグの主導権を握ることとなった。

 歴史的に見ても川崎はこのカードにおける勝率は非常に高い。特にホームになるとその勝率はさらに高まる。直近7試合の公式戦で6勝1分。リーグ戦では8年間で7勝1分となっており、最後の名古屋の等々力での勝利は降格した時よりも前の2012年である。

 名古屋が勝利をした時のスコアシートを見ると、クリーンシートが並んでいる。過去を遡ってみるとJリーグでの川崎戦勝利の計7試合中6試合はクリーンシートを達成した時の物。川崎を0に抑えることは名古屋にとって鬼門克服の第一歩となりそうだ。

スカッド情報

【川崎フロンターレ】

・FC東京戦で肩を負傷した車屋紳太郎は右肩関節脱臼により6-8週間の離脱。
・長期離脱中のジェジエウも引き続き欠場。
・浦和戦でふくらはぎの負傷で交代した登里享平はジョギングを開始。
・ベンチ外が続いている大島僚太は全体練習に参加。

【名古屋グランパス】

・鳥栖戦で負傷交代したチアゴは8針を縫う裂傷とのこと。
・長期離脱中の丸山祐市は未だメンバー入りができていない。

予想スタメン

Match facts

【川崎フロンターレ】

<川崎のMatch facts>
・直近4試合はいずれも複数得点。
・開幕5試合で7失点は鬼木監督就任以来最悪の数字。
・チームで受けた警告は10でリーグトップ。
・直近のホームでのリーグ戦では24戦無敗(W21,D3)
・ホームでのリーグ戦4連勝を狙う。
・小塚和季は直近3試合での途中出場で2アシストを記録。

 開幕戦のFC東京戦は苦しんではいたが何とかセットプレーからの先制弾で勝利。そこからは複数得点を4試合と得点にはひとまず苦しまないで済んでいる。だが、肝心の守備は苦戦。横浜FM戦の4失点など計7失点は5試合終了時点で鬼木監督史上最悪の数字だ。

 警告は10と1試合に2枚というハイペース。守備が機能しない弊害はここまで出ている。得意のホームで立て直したいところだ。

 キーマンになりうるのは徐々に存在感を高めている小塚。横にボールを動かしつつ、ラインの裏を高い精度の浮き球で狙える彼のスキルは貴重。名古屋の守備を崩す切り札になりうる。

【名古屋グランパス】

<名古屋のMatch facts>
・直近6試合の公式戦で1勝。
・直近3試合の公式戦で未勝利。得点は1。
・引き分け以上で5年連続のJ1での3戦無敗スタート。
・リーグ戦でのアウェイ開幕戦は直近4年負けなし(W3,D1)
・マテウスは直近4試合の等々力での試合で2得点1アシスト。
・酒井宣福は昨年の川崎戦で得点を決めている。

 昨年度から続けてみると直近6試合で勝利は1勝。ここ3試合勝ちなしで得点は1とやや苦しんでいる名古屋。カップ戦主体の変則的な日程になっていることや、コロナの影響でキャンプが一時中断したりなど、いくつか要因がある話のように思う。

 ただ、もともとは開幕ダッシュは比較的得意なチームでもある。この試合に引き分け以上で5年連続J1での3戦負けなしスタートを決めることができる。ただし、最後にJ1で開幕3戦無敗を逃した2016年は3節目で等々力の川崎に当たって敗れている。アウェイ開幕節となるこの試合ではその思い出を塗り替えることができるだろうか。

 川崎にはいいイメージを持っている選手は多い。横浜FM時代から天敵だったマテウスは昨年も驚異的な直接FKを決めているし、鳥栖からやってきた酒井や仙頭は昨シーズン川崎に勝利を挙げている。川崎撃破の経験を持つアタッカー陣を軸に鬼門克服を狙いたいところだ。

予習

第1節 神戸戦

第3節 鳥栖戦

展望

■手堅さはピッチの上でも

 マッシモ・フィッカデンティから長谷川健太というJリーグで実績を有する監督同士の手堅いリレーを行った名古屋。1試合消化が少ない2戦を終わった段階であるが、1勝1分とまずは順調な滑り出しといっていい結果だろう。補強に関しても酒井、仙頭、レオ・シルバというJ1ですでに実績のある面々を中心としたものである。いろいろ手堅い。

 コロナの集団感染でキャンプが止まった影響はどこまであるかはわからないが、現状ではプレーの内容を見てみても目新しいことに取り組むというよりは手堅さ重視の色が濃い。オーソドックスにきちんとやるべきことをやる!という傾向が試合の内容にも見て取れる。

 バックラインからの組み立ては2CB+2CHのコンビネーションが軸。CHはプレス隊の横と間に入るために動き回ることはあるが、数の理屈とか相手をずらしてどうこうといったボールの動かし方はそこまでしない。

 2CB+2CH以外の選手でビルドアップに関与することがあるのは右のSBである宮原。枚数調整役として、サイドの逃げ場を作るのは彼の役目である。トップ下に入る仙頭はどこまでボールに触りにくるかをまだ探り中という感じ。高いボールスキルがビルドアップのなかで開花させている感じは今のところはない。

 ただ、方針としてはそもそもチームとしてそこまでショートパスでのビルドアップは重視をしていないように見える。ボール回しで詰まりそうになったら、最前線の酒井へ迷わず蹴り込むというムーブは徹底されており、ロングキックを多用するのがここまでの傾向だ。

 アタッキングサードにおいても酒井へのクロスは特に遅攻における大きな武器。SHの相馬とマテウスは攻撃においては縦に速くも幅も取れる頼もしい2人である。特にフィニッシャーとしての関与がより期待出来て、サイドからの高いクロス精度が伴うマテウスはすでに川崎ファンならば十分に脅威を知っている相手である。

 守備に関しては2トップを形成する酒井と仙頭がアンカーを受け渡しながらバックラインにプレスをかける。よって、極端にハイプレス志向が強いというわけではない。中盤からプレスに出ていくのはSHの役割。ボールサイドのSHがSBにプレスをかける役割を行う形で3人目のプレス隊に加わる。レオ・シルバと稲垣という運動量のあるCHコンビは自身が3枚目として前にプレスにいくというよりも出ていったサイドのカバーを行うことが多い。

 バックラインの面々も高い位置に出てくることが多く、縦パスへの強気のチャレンジは問題なくできる。中谷はここ数年のこの部分の成長が代表招集にもつながっているように思う。よって、高いラインでも十分に勝負は出来るだろう。

 過度なハイラインで攻め立てることは多くはないが、ミドルゾーンで我慢できる4-4-2での守備といえるだろう。

■CHの判断に迷いを与えたい

 G大阪戦での最大の課題は『スーパーカップで露呈したプレス回避のスキルが未解決だったこと』である。スーパーカップでの課題に再度ぶつかったということは、現状では2CB+アンカーをリスクをかけて同時にけしてくるやり方をしてくる相手には現状の解決策はないということである。個人的には解決策はGKを積極的にビルドアップに絡めるしかないんじゃない?と思うのだが、そうした振る舞いはここまで見せることはしてきていない。

    ということで川崎にとって、もっとも大きなファクターは名古屋の出方である。先に紹介した名古屋のプレスは2トップがアンカーを受け渡すというものであり、G大阪のプレッシングとは異なる。だが、名古屋は鳥栖戦の後半のようにテンポが速くなった展開においては、2トップのCBのプレスに合わせて、レオ・シルバが前に出てくるパターンも見せている。

 そもそも名古屋はポテンシャルとしては前線がプレスが耐えうる走力を持っているチーム。酒井、仙頭、稲垣、レオ・シルバの4人はG大阪よりも明らかに長い時間ハイプレスをかけるのに適している顔ぶれといっていいだろう。

 鳥栖戦の後半、名古屋のSHはレオ・シルバや稲垣が出ていったスペースを埋めるというよりも自身のマーカーであるSBにプレスをかけに行って、より時間を奪う方に傾いていた。後半のみという時間限定型のテンポアップゆえの決断かもしれない。

    仮に、試合開始からより長い時間のプランとして考えるならば、SHに長澤を置き、浦和の伊藤やG大阪の山本のようにCH兼SHとして振る舞わせる形も十分にあるだろう。このG大阪型のプランを長い時間やられてしまった場合は正直名古屋ペースになることは避けられないように思う。というわけで名古屋がスタンダートなプレスで来るか、2CBとアンカーを同時に消しに来るかの選択が個人的にはこの試合の最大のポイントと断言できる。

 逆に、アンカーを2トップが受け渡す従来の名古屋式で来た場合には川崎には十分にチャンスがある。中盤2枚のプレスはこの形でも強烈だが、後追いになってプレスがむしろ後方の穴をあけてしまうケースも多い。レオ・シルバと稲垣のコンビは結成からまだ日も浅く、連携面ではまだ途上。鳥栖戦では2人の判断がずれるシーンも散見された。

 例えば、降りていく選手ついていく稲垣と裏抜けを警戒して後ろに下がるレオ・シルバの判断にズレて、大きくスペースが空いた中央から相手に簡単に前進を許してしまったりとか。川崎的に応用すると以下のシーンのようになる。

 中盤にスペースができる一因としては、名古屋のバックラインが裏抜けを警戒しラインを下げてしまうため、MF-FWの距離が長くなってしまうことが挙げられる。縦方向の間延びでCHが出ていくコストが上がってしまうパターンである。

 そのためには前線のオフザボールの動きは不可欠。川崎はこの部分はむしろ積極的に取り組んでいる部分といえるだろう。WGには幅取だけでなく、抜け出して最終ラインを揺さぶる動きを求めたい。それが結果的にビルドアップ隊を助けることになるだろう。

 名古屋はアンカー受け渡し型の場合、川崎はバックラインが相手を引き付け、前線が最終ラインを下げるアクションをする。この組み合わせで名古屋の陣形を縦に引き伸ばし、稲垣とレオ・シルバの判断エラーを引き起こしたいところだ。

 守備においてはプレスで1枚ずつ剥がされる心配よりも局地戦の脅威への対策が気になる相手である。もっとも、重要なマッチアップは酒井だろう。彼へのロングボールやクロスに川崎のバックスが対応できるかは非常に大きなポイントになる。特に、昨年鳥栖とのアウェイゲームでコテンパンにやられた山村にとっては大きなリベンジの機会。高さだけでなく、機動力も十分な難敵に雪辱を果たせるだろうか。

 マテウスとのマッチアップが予想される佐々木にとっては大きな試練となる。スピード、プレーのバリエーションなどJでもトップクラスのWGにどのように対峙するか、真価が問われる一戦となるだろう。

 チームとして避けたいパターンはG大阪戦の1失点目の形。谷口のクリアを山本にミドルで沈められた形だ。名古屋にはミドルのマエストロである稲垣がいる。同じパターンでチャンスを与えることはもはや致死性のミスである。

 CBはクリアは無理せずサイドかエンドに。そして、ボールサイドと逆側のIHやSBは必ず絞ること。押し込まれた時はバイタルを空けずに丁寧にスライドをしながらピンチをしのぎたいところだ。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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