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「先手必勝の構えで」~2023.12.17 プレミアリーグ 第17節 アーセナル×ブライトン プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第17節
2023.12.17
アーセナル(2位/11勝3分2敗/勝ち点36/得点33 失点15)
×
ブライトン(8位/7勝5分4敗/勝ち点/得点33 失点28)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年の対戦でアーセナルの3勝、ブライトンの5勝、引き分けが3つ。

アーセナルホームでの成績

過去10回の対戦でアーセナルの4勝、ブライトンの4勝、引き分けが2つ。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • ブライトンは直近12試合のプレミアでのアーセナル戦で5勝4敗。アーセナル相手に勝ち越しているチームはマンチェスター・ユナイテッドとリバプールだけ。
  • ブライトンは直近3試合のエミレーツでの遠征で全勝。昨季はEFLカップでも3-1で勝利を挙げている。

スカッド情報

Arsenal
  • ガブリエル・マルティネッリは病欠したミッドウィークからカムバック予定。
  • エミール・スミス・ロウは復帰済みだが、モハメド・エルネニーはPSV戦でハムストリングを負傷して離脱。
Brighton
  • アンス・ファティ、パヴィス・エストゥピニャン、タリク・ランプティー、ジュリオ・エンシソ、ソリー・マーチは離脱中。

Match facts from BBC sport

Arsenal
  • 5月のブライトン戦以来プレミアのホームゲームでは12試合負けなし(W10,D2)
  • その週末にトップハーフにいるチームとの対戦では6試合中4試合(W2,D2,L2)でポイントを落としている。
  • 32試合のプレミアでのホームゲームにおいてクリーンシートは6つ。
  • チェルシーに並び、6つのPK獲得はリーグハイ。
  • ブカヨ・サカは直近11試合のエミレーツでの試合で13点に絡んでいる(8G,5A)
Brighton
  • 開幕6戦で15ポイントを獲得したが、以降の10試合で11ポイントにとどまっている。
  • EL直後の試合においては5試合中4試合でポイントを落としている(W1,D3,L1)
  • 32試合のプレミアの直近での試合で得点中。リーグの歴史におけるクラブハイ。
  • 直近20試合のプレミアでの試合でクリーンシートがなく、あと1試合でクラブ記録に並ぶ。
  • ロベルト・デ・ゼルビはアストンビラのロン・アトキンソンとチェルシーのフース・ヒディングに続き、プレミアでの最初の2試合のアーセナルとのアウェイゲームを勝利した3番目の監督になる可能性がある。
  • パスカル・グロスは直近4試合のプレミア出場で5ゴールに関与(1G.4A)

予習

第14節 チェルシー戦

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第15節 ブレントフォード戦

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第16節 バーンリー戦

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予想スタメン

展望

自分達が動くことに軸足を

 ポッター→デ・ゼルビとバトンをつなぎながら少ない予算でプレミアリーグの中で確固たる地位を築いているブライトン。今季はついに欧州カップ戦にも活躍の舞台を広げ、木曜にはマルセイユを下して首位でラウンド16への進出を決めている。

 しかしながら、今季は週に2回の試合と主力の流出という2つの側面で苦しいシーズンになっているのも事実。デ・ゼルビ就任以降、明らかに一番シビアな戦力のやりくりを強いられている。

 負傷に関しては特定のポジションに偏りが見られるのがつらいところ。特に苦しんでいるのはSB。エストゥピニャンやランプティは長めの負傷が多く、フェルトマンやミルナーなどはあまり多くのプレータイムを与えるに至っていない。結果的にグロスのようなマルチプレイヤーにこのポジションを託すことになっている。

 グロスがSBをやること自体は彼の幅広いスキルであれば問題ないのだが、今季のブライトンに照らし合わせるとCHに彼をおいて柱としたいような部分がある。グロスがあらゆるところにおけることで逆に生じる弊害もあり、昨季からマック=アリスターとカイセドの2枚看板が抜けた中盤はいまだにあらゆる組み合わせを試している状態だ。

 その中でも手ごたえをつかみつつあるのはバレバだろう。リバプール戦で鮮烈なデビューを飾ったMFはそれ以降もコンスタントにプレータイムを掴み、レギュラーとして定着している。今のブライトンのCHの1stチョイスを挙げろと言われたら自分はギルモアかグロスとバレバを組ませることを選ぶだろう。

 ただ、ブライトンの顔として君臨した前任者に比べればまだまだ存在感は足りない。低い位置でのCHのプレス耐性や、「そんなコース空いていたの?」という縦パスはブライトンの旗印。この部分を昨季のクオリティに並ぶところまで引き上げる作業は一朝一夕では難しい。CFとその裏を取るWGを使った奥行きのある攻撃は今季のブライトンではそこまで見られていない。

 結果的にその負荷はWGにしわ寄せとして言っている感がある。一手に負荷を引き受けている三笘に「とりあえず預けよう!」というのはブライトンが今季困った時の定番と化しており、三笘頼みの攻め手だらけになる日も珍しいことではない。

 三笘からすれば負荷をシェアできる逆サイドのマーチもいなければ、同サイドで後方から支援役をしてくれるエストゥピニャンもいないという苦しい状況。それでも何とかしていたが、代表活動に週2でのプレーが続けばクオリティは落ちない方がおかしい。アジアカップの後を見据えても、三笘に負荷をかけ続けるモデルを持続するには無理がある。

 CHのスキルとWGへの依存度という2つの課題に対しての改善については直近で取り組みが行われている。ここ2試合はビルドアップでバレバが最終ラインに落ちる3-2-5がテストされているのである。

 ブライトンは後方からのビルドアップに自信があるチームとしてはCHが立ち位置を守り、中盤から動かないことに特徴があるチーム。自分たちが動くのではなく、縦パスの出し入れで相手を動かすことで穴を開けるチームである。

 そのプレーモデルが成り立たないため、ひとまずは構造でズレを作る。自分たちがズレる側に回ったというのがこの2試合の解釈である。

 3-2-5になると中央での崩しは互いの距離感が近くなり、細かいパスワークでの中央の打開が可能になる。さらにはサイドの押し上げも効くため、WGの孤立も防ぎやすい。エストゥピニャンがいなければ孤立していた三笘がグロスというパートナーと共に攻撃を仕掛けることができていたのが2節前のブレントフォード戦になる。今のブライトンが抱える課題を棚上げするためにズレを進んで作るというのがブライトンの直近に挑んでいるモデルとなる。

 非保持においては4-4-2がベース。リバプール戦など序盤戦は昨季のアーセナル戦のようにオールコートマンツーを見せる試合もあったが、蓄積疲労がたまっている直近においてはそうした振る舞いはあまり見られない。

 今回もELで全力を尽くした後の中2日ということを踏まえれば、ここまで極端な片道切符の方策は取ってこないのではないか。それでも高い位置から相手を捕まえることはしてくるはず。アーセナルからすれば、比較的プレッシャーの軽い最終ラインからのパスワークで一つずつ相手を外していきたいところだ。

MFタイプゆえの攻略法

 まずはアーセナルとしてはブライトンの出方をうかがいたい。彼らが保持時にサリーをするかどうかは見ておきたいところである。サリーする場合は相当な勝算がない限りついていかないのがベター。中盤中央にスペースをあえて渡すとスティールやダンクに縦パスを刺す余裕を与えてしまうことになる。ララーナやグロスにDF-MF間でボールを受けられてしまうと、一気に攻撃は加速することになる。三笘やアディングラをスピードに乗せてしまうと厳しいものがある。

 逆に2CB-2CHの従来型で組み立てる場合はCHには厳しくプレッシャーをかけてショートカウンターを狙っていきたいところ。この部分でのミスは昨季以上に多い。ただし、SBがMF型なことを生かした2-3型になると、CHの脇から運ばれてしまうので要注意。この辺りはサイドの選手が警戒をしたいところ。

 バーンリー、ブレントフォードなどサリーした相手は4-4-2。アーセナルも大枠としては4-4-2での非保持ととらえられないこともないため、この辺りは焼き直しで対応してくる可能性は十分にあるだろう。

 アタッキングサードにおいては三笘のところが一番の重要ポイント。グロスのヘルプを使ったところから同サイドの奥、CFの収めどころとなるジョアン・ペドロの横パス、そして逆サイド裏へのクロスが三笘を使った攻撃の出口としては考えられる。

 対面するホワイトのコンディションも大事だが、きっちり味方を使えるという三笘の強みを考えればこうした要素にも気を払う必要はある。同サイドのウーデゴールはきっちり戻ることが求められるし、得点に直結しやすいファーサイドの裏へのクロスへの対策も重要。ジンチェンコは空中戦こそ弱くはないが、クロスのターゲットを逃がすことがあるので、ここは警戒したい部分である。

 保持においてはまずは定点攻撃では後方から外しに行くことが基本になる。先に述べたようにオールコートマンツーはしてこないだろうからGKとCBからいつも通り時間を前に送るビルドアップを心掛けたい。

 ポジトラの際はSBが高い位置を取っていることが基本になるため、手早く敵陣への侵入を心掛けたいところ。サイドに流れたりスピードに乗った選手の対応はダンクもファン・ヘッケも得意ではなく、ファウルで止めたり、PKを献上することも珍しくはない。このあたりを誘発するようにカウンターはスピーディに完結させたいところだ。

 左右のSBにはMFタイプが入ることも珍しくないため、WGでの1on1は勝負をかけるイメージは沸きやすい相手。シティがドクでミルナー相手に集中砲火を行ったことは記憶に新しい。

 WGは空中戦のターゲットとして収めどころとしても機能することが求められる。ラインを上げてくるのは間違いないので、ラヤの配球をベースに少ない手数で攻略していくパターンも見ておきたいところだ。

 少し縦に速いアバウトな展開になるかもしれないが、フィットネス面ではアーセナルに優位があるはず。この辺りは遠慮なくいきたい。ただし、昨季ブライトンに敗れた際もスカッドの余裕は明らかにアーセナルがある状態だった。今季で言えば怪我人が溢れていたニューカッスル相手にも手痛い目を浴びている。

 90分あるからという考え方ではなく先手必勝で畳みかけるプランで飲み込みたいところ。後ろに1週間の余裕があり、前には勝ち抜けが決まっているCLしかなかったアーセナルからすればこの一戦に入魂してクオリティを見せつける90分にしたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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