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「連覇してやったぜ」〜川崎フロンターレ 個人レビュー2021-GK&DF編

今年もこの時期だね!早速いってみよう!

目次

【GK】

1 チョン・ソンリョン

■PKの機会がやたら多かったです

 加入6年目を迎えた今季も川崎のゴールマウスは彼のものだった。春先に少し負傷離脱した以外は今季も通年でレギュラーを獲得。退場はおろか、遅延による警告すらないという聖人ぶりで今年も川崎を最後方から引き締めた。

 安定したシュートストップでハイラインの裏を目立ったミスなくカバーし、高い貢献度を誇り続けるソンリョン。先日のJ1ドラフトでも指名がなかったりなど、割と過小評価されている嫌いがあるが、そういった人に指摘されるビルドアップの関与すら年々上達していってるといっていいだろう。

 あえて弱点を挙げるとするのならば、今年はPK戦をやたら経験させられてしまったことだろう。近年のPK戦は明らかに運要素が減っており、データ勝負の要素が増えている。PK戦が多かったということはそれだけ相手に研究材料を与えているということ。今年最後の試合となった大分戦では明らかにソンリョンの癖を見抜いたキックをする選手が多かった。割とバレてしまっている感が否めない。

 それでもPKは要素の一つに過ぎない。ピッチ内はもちろんピッチ外でも副キャプテンとしてチームを牽引。すっかり川崎の重鎮として君臨。

 ベストイレブンは毎年ランゲラクとの一騎打ちになるのももはや年末おなじみの光景。来年はランゲラクに持って行かれたベストGKの称号を取り返す一年にしたいところ。

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まけへんで。

24 安藤駿介

 ■5季ぶりの出場はならずとも

 2016年以来の公式戦の出場は今年もなし。精神的支柱としての存在感は言うまでもないだろうが、今年も公式戦のピッチに立つことはなかった。

 同じく川崎で出番のないまま大分で花開いた高木を見ると思うところがあってもおかしくはないはず。それでも川崎に残り続けてくれるのは感謝しかない。

 彼に出番がないということは怪我人が出ずに川崎がうまくいっていることの証拠でもあるのだけど、出番がないのは切ないという状況でもある。活躍の機会が見られればいいのだが。

27 丹野研太

■九州に強いので奉りたい

 春先にソンリョンの不在を埋めてリーグ戦5試合に出場。新井と同じくバッチリいつでも準備ができている2ndGKとして信頼できるはたらきを見せた。

『今季の川崎は九州勢に弱い』という印象があるだろうが、丹野がGKを務めた試合は実は全勝。大分、福岡、鳥栖という2021年の川崎にとって憎き九州3兄弟にすべてリーグ戦で勝利を経験している。

 来年の九州シリーズはおそらく気合が入るだろうが、丹野を大明神として奉りながら厄払いをしつつ九州勢に全勝を果たしたいところである。

40 イ・キョンテ

■キョンキョンのプレーは見れないのか?

 たんちゃん、あんちゃん、そしてキョンキョンとやたら可愛いあだ名がつきがちなGKチームの末っ子。どうやら今年で兵役のためお別れっぽい。プレーを見られずにお別れは至極残念である。

 まだ未婚とのことだが、異性のグッとくる仕草が『 雨の時に傘じゃなくてバッグで雨よけしてる時』というだいぶ特殊な癖を持っている。そんな奴いるのか。

 あと、『過去の自分にひとこと』の項では『ビットコイン買っておけ』というメッセージを残している彼がここ最近の暴落でビットコインを買う勇気が湧いたのかを帰国前に誰か聞いておいてほしい。韓国でも元気でね!!!

【DF】

2 登里享平

■副キャプテンとしての責務を内外で示す

 昨年末の負傷により出遅れたシーズンとなったが、本格フィット後には昨季に続いて安定したパフォーマンスを披露。序盤戦を除けば大きな怪我もなく1年間コンスタントに活躍することが出来た選手である。

 縦関係の相棒となる左のWGは長谷川、三笘、宮城、マルシーニョと非常に入れ替わりの多い1年となったが、どの組み合わせでも短い期間で特徴に合わせたお膳立てが出来るのはさすが。特に新加入のマルシーニョが早い段階でフィットできたのは後方に登里が控えていたことが大きな要因の一つといえそう。

 サイズと決定力の低さを除けば弱点らしい弱点のない選手で、点が欲しい時の左SBの一番手は彼で不動といっていい地位を築きあげている。

 想像ではあるがピッチの外では中村憲剛不在元年ということを彼なりに意識した1年ではないだろうか。ファウルをした味方に謝るように促したり、観客の審判へのヤジをとがめたりなど無歓声下だからこそ知ることが出来た登里の振る舞いは彼なりに中村憲剛後の川崎をどう引き継ぐかを考えた故の行動に思える。

 ピッチ内外で重要な役割を果たした登里。表で見せる三枚目の表情とは裏腹に、年々彼の両肩が背負うチームでの役割は重くなっているといっていいだろう。

 とにかくシュートチャンスを外しまくるというのが玉に瑕。ゲームでは点が取れることが分かったので有吉ぃぃeeeee!に定期的に出ながら得点感覚を磨きつつ、日向坂のメンバーを川崎のイベントに呼び込む活動をしてほしい。

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 ノボリがシュートを外したところをみる丹生ちゃんはこんな感じ。

4 ジェジエウ

■無謀に見えてそうでもない

 新川崎山脈の一角は今季も通年を通して躍動。相手のアタッカーの前に立ちはだかりながら何度もチャンスの芽を摘んでいた。

    ボール保持のところはまだまだ課題があるものの、左に寄りがちなシミッチがアンカーに入った際には積極的な持ち上がりも披露。彼にあえてボールを持たせるような守り方をしてくるチームもあったが、試行錯誤しながら打開しようとする姿は鬼木監督の求めている要素であると思う。

 ボールを奪った後の持ち上がりは一見無鉄砲でギャグっぽく見えるものの、ホルダーに必要なサポートだったりとか、相手の戻りが遅れている分、一気に持ちあがっちゃった方がいい場面だったりするので、結構盤面的に理に適っていることも多かったように思う。来季以降も続けてほしい部分である。

 使い詰めしすぎるとパフォーマンスが落ちる懸念も鬼木監督が開幕からCBの積極的なターンオーバーを実施したことおかげで例年よりも顕在化せず。それでも負傷者が出まくってしまったな夏の悪夢はもう諦めるしかない。

 優勝が決まった後の鳥栖戦では途中交代から前十字靭帯損傷と側副靭帯損傷の大けが。おそらく来季の開幕には間に合わないことは確実だろう。持ち味のスピードにも影響が出かねない負傷であるが、本人が川崎での復帰に非常に前向きなコメントを残しているのはポジティブ。『強くなって帰ってくる』という言葉を信じ、優勝に大きく貢献したチームの柱の帰還を待ちたい。ってか写真だけ見ると普通にブラジルでオフ満喫しているマンにしか見えないのはなんでだよ。

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 元気そうなのはなにより

5 谷口彰悟

■対外的に評価を高めた1年

 今ではすっかりおなじみとなった川崎の大卒リクルート偏重という近年の流れの走りである谷口。今年も主将兼イケメンとしてチームを牽引した。川崎的ミスターコンステンシ―と勝手にこちらで命名している谷口だが、今季は例年よりも欠場が多いシーズンだった。

 大きかったのは清水戦での負傷。毎年この記事では欠かさず熊本の両親に感謝するほど丈夫な体な谷口なのだが、今季は珍しくまとまった期間での離脱を経験することになった。負傷のうちに敗退が決まってしまったカップ戦には忸怩たる思いを抱えていたに違いない。

 一方で出場している際のパフォーマンスは例年にも増して安定感があった。毎年2,3試合はちょっと疲れている?みたいな出来の日があったのが通例なのだが、今季は目立ってパフォーマンスが悪い試合がパッと思いつかないくらい。

    全試合出場が叶わなくてもCBとしてベストイレブンに入ることが出来たり、日本代表に継続的に呼ばれるようになったりなど対外的にもパフォーマンスが認められた年といっていいだろう。

 完全にモノにしたとは言えないが、対角へのフィードなど新しい武器への挑戦も見られる。まだまだ成長できることを示し続けた谷口の2021年は歩みを止めなかった鬼木フロンターレの体現したものといえる。

 憲剛の映画では普通にいいことを言っていたのだが、めっちゃ姿勢を正しながら微動だにせず答えていたのでまじめなAIロボットみたいになっていたのには少し笑ってしまった。

 『クイズ!正解は一年後』に自分が出場できるならば『今年結婚しそうな芸能人』として書きたいくらいには結婚秒読み感があるのだけど、なかなか結婚はしない。焦らし上手なのはわかっているけど、そろそろ川崎サポが総出で小姑になりかねないのでフライデーを通じての結婚発表を来年にはしてほしいところである。

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こういうフライデーもある。

7 車屋紳太郎

■特性を活かした役割で存在感アップ

 CBに本格回帰したシーズンとしてはなかなかの結果を残せたのではないだろうか。CBは積極的なターンオーバーを敷くという鬼木監督の方針も相まって開幕からコンスタントに出番を重ねることに成功した車屋。左サイドに高さが欲しい場合におけるクローザーとしても起用され、開幕から最終ラインのマルチなバックアッパーとして重宝されていた。

 レギュラー格のCBとして唯一のレフティーという持ち味を生かし、持ち上がっての縦パスや左サイドへの展開など谷口にはないビルドアップの長所を見せることが出来た。対人守備も例年よりも安定。ポジショニングの難もいくばくか減り、存在感を見せたシーズンといっていいだろう。

 少し気になったのはクローザーとしてはややリスクを取りがちなプレー選択か。試合終盤に不要なオーバーラップのせいでボールの預けどころがなくなったり、カウンターを食らう時に人が足りなくなったりした場面は散見された。このあたりはもう少しバランス感覚を養いながら試合の流れに沿ったプレーを選べるようになると、より安定感は増してくるはずである。

 ダミアンの得点王がかかったG大阪戦のラストプレーではだれもがCKから誰もがダミアンに合わせてくると思ったボールをバッチリ合わせてダメ押しとなる点をゲット。ほぼ全員がダミアンを見ていたため、めっちゃ『おお!そっちなんか!』という感じになったのはいかにも車屋らしいエピソードではある。

 終盤にはお弁当屋さんという強力なパートナーも参上した車屋。役割と可能性を広げた今季以上に円熟味を増したプレーを来季も期待したい。

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 まだ食べていない。食べたい。

13 山根視来

■試練の2年目は代表で風格がアップ!

 昨年、ほぼほぼフルシーズン稼働しつづけたタフガイは今年もフル稼働。昨季に引き続き、今季もバックアッパーは実質不在という形のシーズンインとなったが、丈夫さは健在。2シーズンを通して酷使され続けてもほとんどパフォーマンスを落とすことはなかった。

 今年は代表招集にもすっかりおなじみになるなど風格すら感じられる一年に。代表に選ばれたことは明らかにパフォーマンスにも好影響を及ぼしており、持ち前の高い位置まで出ていってのボール奪取には磨きがかかった印象。チャレンジングなスタイルを年間を通して貫きながらも警告が1枚もないというのだから、驚愕のパフォーマンスといっていいだろう。MVP候補に推す人がいても不思議ではない。

 攻撃においては相手のSB-CBの間を通すような深さを作るパスが増えた印象。特にこのパスはダミアンとの相性がよく鹿島戦のように決定的なアシストとなることも多かった。逆サイドの登里もそうだが、アシストという目に見える数値が残せるSBとして川崎では不動の地位を築いている。

 というわけでほとんど完璧な一年だったのだが、あえてうまくいかなかったことを挙げるとするならば天皇杯でのPK失敗と13番だからという理由で着させられたゴルゴ13の仮装くらいだろう。いくら何でも目が可愛すぎるので、あのゴルゴじゃ人は殺せないでしょ!!

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 PKは打ち抜けませんでした・・・

15 イサカゼイン

■まずはアグレッシブさが見たい

 超過密日程だった2020年は代表期間中にも試合があるというシーズン。代表に出張に行った山根の代わりとして出番を与えられたことは幸運だった。しかしながら、その出番を活かせたとは言い難い。

 確かに川崎のSBはオーバーラップのタイミングが非常に難しい。初めから完璧にできる山根がすごいのである。だけども、もう少しアタッカー色の強いプレイヤーらしいアグレッシブさは見たかったところ。裏は多少バックスにカバーさせてでも攻撃の持ち味を発揮できればもう少し出番は増えただろう。

 象徴的だったのはルヴァンカップの浦和戦。ワンテンポ遅れて突っ込んでしまった明本へのタックルで警告を受けると一気にプレーが消極的になってしまった。残念なことだが、あのワンプレーで今季のイサカゼインは終わってしまったと言ってもいいだろう。

 来季は横浜FCへのレンタルが噂されている。まずは持ち味を取り戻すこと。のびのびプレーできれば道は拓けるはず。きっかけを掴むための2022年にしたいところだ。

26 神谷凱士

■下馬評はどこへ!

 今年の期待株!という開幕前の下馬評は何処へやら。シーズンが始まってみれば影も形も見えない時期が続いていしまい、イサカゼイン以上に存在感のないシーズンになってしまった。国内でのプレータイムはわずか数分だけ。ビルドアップに存在感を出せるレフティーってめっちゃ需要ありそうなのに!!

 昨年に引き続き今年もアンケートで『親戚にオリンピック選手がいます』を連呼しているけど、今年の東京五輪には出場したのか気になるところ。来年はこの項目が『東京五輪でメダルを獲った』とか『北京五輪に出場が決まりました』とかになっていることを願ってやまない。

 だけども、通例に従えば大卒3年目はレンタルが濃厚といえるだろう。まずは出番をもらえるクラブへ。出番がなければ始まらない。ゼインと同じく自己研鑽の2022年になりそうだ。

30 田邉秀斗

■大一番でのデビューは悪くはなかった

 シズガクからやってきた高卒ルーキーはルヴァンカップ浦和戦の2ndレグという突破がかかった大一番でデビューを果たす。その試合では運ぼうという意志を見せることはできた一方で、その先のプレーの質が追いついていない印象。

 江坂と小泉という時間をくれないプレス隊だったことも相まって落ち着いてビルドアップすることができなかったことも彼にとっては不運だった。

 限られた時間で結果を出すのはハードなことだが、プレータイムを与えてもらっているうちはまだ期待の若手止まり。来季のバックラインの編成はまだ不透明だが、次は降りてきたチャンスを逃さない準備を欠かさないようにしたいところ。

 ネギが大嫌いということで大のネギ党の自分とは仲良くなれなさそうなのは残念。もし、一緒にラーメンを食べに行く機会があればネギをこっちのどんぶりに移してほしい。

   つづく!

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