再起をかけたリーグ戦で返り討ちに
CLではラツィオにまさかの敗戦を喫してしまったバイエルン。レバークーゼンとの首位攻防戦に敗れた直後ということも相まって、トゥヘルへのプレッシャーは増すばかりである。
ボーフムとのアウェイゲームは当然バイエルンがボールを持つ流れになると思われたが、思ったよりもバイエルンはスマートに前進できないなというのが感想としては先に来る。ボーフムは3トップと３センターがボールサイドに流れることを意識していたので、その部分をきっちり回避するのに苦戦していた印象である。
奪ったら素早くサイドの裏につけていくというボーフムの割り切ったやり方にもバイエルンは手を焼いていた。見かねたケインがボールを受けに３列目まで降りてくると、ようやくボール保持は安定した。
押し込む機会を得るようになったバイエルンはセットプレーから先制。ムシアラが押し込んでリードを奪う。直後にもムシアラが抜け出したケインに決定機を演出するなどチャンスメイクのフィーリングが徐々にあってくる
そこに立ちはだかったのが浅野。カウンターで割り切る形は彼にとっては十八番だろう。ルジアとの壁パスからバイエルンの左サイドを切り裂くと、最後は寄せてくるデ・リフトを交わすようなシュートで同点ゴールをゲット。またしてもノイアーの牙城を破り、試合を振り出しに戻す。
反撃に出たいバイエルンだがなかなかボールタッチがおぼつかないバイエルン。薄いサイドを作って押し下げることを頑張っていきたいところだが、中盤でのパスワークが不安定。特にムシアラは見たことないレベルのボールタッチの悪さだった。この時間帯から雨風が強まっていたように見えたので、そうした環境要因もあるかもしれない。
いずれにしても全く前を向くことができなくなったバイエルンは中盤中央でボーフムの３センターに延々と捕まり続ける。すると、セットプレーからボーフムが逆転。シュロッターベックのヘディングから前半のうちに逆転に成功する。
後半も流れは同じ。ボーフムは中央をきっちり固めることでバイエルンの反撃を阻害。広がるバックラインから攻略を狙うバイエルンを浅野がオフサイドになりながらもひっくり返すという流れはいかにも前半の展開を汲んでいるという感じだった。
押し込むフェーズが続くバイエルンだったが、なんとCLに続き自陣での守備時にウパメカノが２枚目の警告を受けて退場+PK献上。ラツィオ戦に続く退場+PK献上でボーフムに決定的な３点目を与えてしまう。
以降はサネ、テルといったアタッカー陣が根性で何枚も引きちぎる！というプランから反撃を企てたバイエルン。なんとかケインがもう1点を返すが、10人ということもありボーフムを十分な圧力で押し下げ続けることはできなかった。
結局逃げ切りを許してしまったバイエルン。反撃の契機にするはずだったリーグ戦で返り討ちに遭ってしまった。
ひとこと
浅野を見ていると難しくてもシュートで切り拓けることもあるよなと思う。もちろん、それだけじゃないのだけども。
試合結果
2024.2.18
ブンデスリーガ
第22節
ボーフム 3-2 バイエルン
ヴォノヴィア・ルール・スタディオン
【得点者】
BOF:38‘ 浅野拓磨, 44’ シュロッターベック, 78‘(PK) シュテーガー
BAY:14‘ ムシアラ, 87‘ ケイン
主審:ダニエル・シュラーガー
