エバートンを真綿で締め上げて暫定首位奪取
24節の開幕はエティハドから。未消化分を勝てば首位に立つことができるシティはホームに降格圏で苦しむエバートンを迎えての一戦である。
エバートンの選択は4-4-2。ただし前線で残り気味のキャルバート=ルーウィンとは異なり、ハリソンは中盤をケアしがち。ロドリにマンツー気味ではあったが、流れ次第ではCHに受け渡すことも。エバートンの優先事項はまずはシティの中盤を消すことである。シティはアカンジを1列上げる3-2型でビルドアップを行っていく。
エバートンのミドルプレスのフィーリングは悪くなかった。特にエバートンの右サイド側の追い込み方は見事。ロドリに比べると細かな動き直しが少ないアカンジは捕まえやすく、選択肢を狭める形でホルダーを誘導しやすかった。
中央でフリーマンを作るためのパスワークはミスが出ていたシティ。カウンターを受けるシーンもあるが、前半のうちはディアスとアカンジが余裕を持って対応できるものばかりではあり、エバートンはミドルプレスで跳ね返せても得点の匂いはしない展開だった。
こじ開けたいシティはならばとサイドでドクにボールを渡す。ヤングとのダブルチームが基本線のエバートンだが、徐々にSBがサポート色を強めていく。特にストーンズ→ドクの対角パスは1stタッチでゴッドフリーを外すことができるなど手応えのあるものに。エバートンのボックス内の守備は基本的にはシュートブロックが間に合っていることが多かったが、少しずつドクの解放によりピンチに陥る。
30分が過ぎるとエバートンはカウンターの機会すら作れずに苦戦。救いだったのはシティが即時奪回以外のハイプレスに意欲的ではなかったこと。保持では休むことを許されていたエバートンだった。
終了間際のCK連打も凌ぎ切ったエバートン。ハーフタイムをスコアレスで迎えることに成功する。
後半、シティはアカンジ→ウォーカーの交代でロドリの相棒をアケに変更する。方向性としても左右にテンポよく動かしながら奥に入れるようになっていく。エバートンはファウルで止める機会が増えていく。
相変わらず前進の機会がないエバートン。苦しい状況は増すばかりのところにデ・ブライネが途中交代で降臨する。中央でのパス交換を駆使した密集打開でエバートンを窮地に追い込んでいく。
そして、セットプレーからようやくシティは先制。ファーでシュートの時を待ち構えていたハーランドが強振したシュートを撃ち抜いて、初めての枠内シュートで試合を動かす。
前に出て行かなくてはいけなかったエバートンは人数をかけて攻めていくが、これによって生まれた広大なスペースをハーランドがひっくり返す形でカウンターを完結。ブランスウェイトを吹っ飛ばして試合を決める。
長い追加タイムも無風で終わらせたシティ。順当な勝利で暫定首位に立ち、リバプールにプレッシャーをかけた。
ひとこと
枠内シュートがなかっただけでずっと首の皮一枚のブロックが続いていたエバートン。勝ち点を取る手段が正直あまり見えないくらい苦しい戦い方になっていた。
試合結果
2024.2.10
プレミアリーグ 第24節
マンチェスター・シティ 2-0 エバートン
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:71′ 85′ ハーランド
主審:ジョン・ブルックス