Fixture
プレミアリーグ 第26節
2024.2.24
アーセナル(3位/17勝4分4敗/勝ち点55/得点58 失点22)
×
ニューカッスル(8位/11勝4分10敗/勝ち点37/得点53 失点41)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去5年間の対戦でアーセナルの8勝、ニューカッスルの2勝、引き分けが1つ。
アーセナルホームでの成績
過去10回の対戦でアーセナルの9勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
- アーセナルはホームでのニューカッスルとのリーグ戦で11戦無敗。昨季のスコアレスドローでホームでの10連勝はストップ。
- 直近8試合のエミレーツでのリーグ戦でニューカッスルは得点を挙げることができていない。
- しかしながら、アーセナルは直近4試合のホームとアウェイのリーグ戦のうち3試合で無得点。それ以前の27試合と同じ数字。
- ニューカッスルが勝利すれば1994-95以来のシーズンダブル。
スカッド情報
- 10月から太腿の負傷で離脱していたトーマス・パーティに復帰の可能性。
- ガブリエル・ジェズスとオレクサンドル・ジンチェンコに復帰が迫る一方で、ふくらはぎの負傷を抱える冨安健洋はまだ復帰未定。
- ファビアン・シェアは手首の負傷から回復して起用可能。
- アレクサンドル・イサクとジョー・ウィロックはトレーニングに復帰済み。しかし、カラム・ウィルソン、エリオット・アンダーソン、ジョエリントンは引き続き離脱中。
Match facts from BBC sport
- クラブ史上初めてのその年のリーグ戦での5連勝スタート。
- ミッドウィークの欧州カップ戦直後のリーグ戦は20戦無敗(W16,D4)
- 2022年以来初めてのリーグ戦3試合連続クリーンシートを狙う。
- ブカヨ・サカは直近4試合のプレミアリーグ出場で6得点。今季頭の20試合と同じ数字。
- サカは2015年のオリビエ・ジルー以来初めてのリーグ戦5試合連続で得点した選手になる可能性。
- レアンドロ・トロサールは直近5試合のリーグ戦出場で4得点。直近3試合はいずれも得点を決めている。
- 直近4試合のリーグ戦では無敗。それ以前の4試合は全敗。
- チャンピオンシップにいた2010年以来初めての公式戦でのアウェイゲーム5連勝の可能性。プレミアのクラブとしては1994年以来のこと。
- アウェイでのリーグ戦では連勝。それ以前の14試合のリーグ戦での勝利数と同じ(D4,L8)
- 12月7日のマルティン・ドゥブラーフカの今季リーグ戦初出場以来27失点を喫しており、リーグハイの失点数を記録している。
- エディ・ハウにとって次の勝利はプレミアリーグ100勝目となる。
- アンソニー・ゴードンは94-95シーズンのピーター・ビアズリー以来初めての同一シーズンのプレミアでホームとアウェイでゴールを記録した選手になる可能性。
予習
第23節 ルートン・タウン戦
第24節 ノッティンガム・フォレスト戦
第25節 ボーンマス戦
今季ここまでの道のり
予想スタメン
展望
ソリッドから殴り合いへのスタイル移行
水曜にポルトガルでCLのノックアウトラウンドの洗礼を受けたアーセナル。幸か不幸かそのショックに浸る間もなく中2日でプレミアリーグがやってくる。土曜のナイターという珍しい時間帯に開催されるのはホームのニューカッスル戦である。
アーセナルもタフな台所事情が予想される試合ではあるが、ニューカッスルもかなり厳しい状況なのは同じ。ジョエリントン、ウィルソンといった主力は不在が確定。イサクとウィロックには復帰の可能性が残されているようだが、前節のボーンマス戦の試合終了時にはシェアがメディカルスタッフと話し込む姿が見られるなど、不穏な空気が流れていた。だが、こちらは出場可能な見込みということだ。
ニューカッスルはリーグ戦4戦無敗。4連敗というトンネルを越えてからは一見順調に勝ち点を積んでいるようにも見える。だが、この期間は負けてはいないとはいえ失点は9。第17節のフラム戦以降、8試合連続で失点を喫しており、うち6試合は複数失点を喫しているなどかなり出入りが多くなってしまっている印象である。
強度抜群、ソリッドな守備と出足のいいプレッシング、そして鋭いカウンターをベースにした質実剛健なスタイルがニューカッスルの持ち味。今季のセント・ジェームズ・パークではその持ち味をアーセナルも存分に味わうことになった。
しかしながら、その持ち味は少しずつ変質しているように思う。持ち味が強度というベクトルは特に変わってはいない。攻撃に関しては非常にその鋭さをきっちりと出せていると言っていいだろう。
だが、今のニューカッスルの強度はそのほとんどがポジトラに集約されている。その一方でネガトラの出足は悪く、相手の攻撃に対して後手を踏むことも多くない。自分たちのポジトラの鋭さが作り出したハイテンポの土壌において、相手のカウンターへの対応に苦慮することはよくある。前節のボーンマス、そしてルートン、フォレストとの試合でも勝敗に関わらず、制御不能なハイテンポにおいて失点やピンチをあっさりと招いている。
端的にいえば、これこそニューカッスルが多くの失点と無敗を両立している理由だろう。強度と精度を伴ったポジトラから多くの得点を生み出している一方で、ハイテンポなカウンターを受け止められる守備の強度は有していない。単純に相手よりも多くの得点を決めてしまえば負けることはないだろう。
ソリッドで質実剛健なスタイルから、殴り合い上等のオープンなスタイルに。望んだ変化ではないのかもしれないが、これが現状のニューカッスルである。
どこまで乗っかるかのさじ加減
アーセナルからすれば正念場の一戦だろう。なかなかスカッドは充実しない中で試合は押し寄せてくる。欧州カップ戦後のリーグ戦もホームのニューカッスル戦も相性はいいとはいえ、現実的に中2日でハードなゲームを連戦するのだからしんどいのは間違い無いだろう。とはいえ、怪我人に苦しんでいるのはアーセナルだけではない。リバプールもまた青息吐息のやりくりで勝ち点を積み重ねているのだ。自分たちもついていかなければならない。
ざっくりというとアーセナルのプランはニューカッスルのハイテンポな形に乗っかるか、あるいは自分たちに有利なクローズドな形に持ち込むかの2つに大別できるだろう。
中盤の間延びを許容するスタイルでも勝機はなくはないだろう。直近の試合こそ無得点ではあったが、国内ではアーセナルの得点力は絶好調。その得点の多くが鋭いカウンターから挙げたものである。無得点に終わったがCLのポルト戦はここ数ヶ月で戦った中でも指折りのクローズドな土俵に持ち込んできたチーム。旧スタイルのニューカッスルが出てきたら厄介ではあるが、新スタイルのオープンに持ち込むニューカッスルであれば、アーセナルには鋭いカウンターを放つチャンスが出てくるはずだ。
とはいえ、両チームの間にはコンディションの差がある。ホームで戦えるとはいえ、オープンな戦いを長時間続ければニューカッスルが上回ることは十分にあり得るだろう。特にイサクが復帰してくるのであれば厄介。負傷明けでもコンディションを落とすタイプではないし、フィニッシュの鋭さは折り紙つき。リバプール戦、マンチェスター・シティ戦の2つの試合で見せたゴールはどちらも一級品。ということはビッグマッチでの実績も十分にあるということになる。
体力面を考えれば押し込みながら勝負をすることのほうがベター。しかしながら、崩し切るところの難しさを考えると、できればいいところどりをしたい。じっくりと自陣でのポゼッションで中盤の間延びを誘う擬似カウンターで自分たちだけでオープンな展開を作り出していきたいところ。
特に狙い目になりそうなのはニューカッスルの中盤の連携面。最近のニューカッスルは得点面の強化を意識してか、アンカーをマイリー、IHをギマランイスとしている。もちろん、ギマランイスが潰しに来るのは怖さがあるが、後方に構えるマイリーは流石にギマランイスほどのカバー範囲はない。マイリーのカバー範囲を広げることができれば中盤にスペースはできるはず。そうなれば、ポルト戦では不発だったCFのトロサールにも復活の機運が見られるはずだ。