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「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 European qualifiers」~Group B Match week 8~ 2021.10.12

 10月シリーズ後編!

目次

①コソボ×ジョージア

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■終盤に食らったしっぺ返し

 ボール保持の主導権を握ったのはコソボ。シャドーがやや絞り気味の3-4-3で構えるジョージアに対して、大外のSBを安全地帯にしながら前進していく。

 コソボが狙っていたのはサイドの裏のスペース。WBとワイドのCBのギャップを突くようなフリーランで相手をサイドから押し下げる形でPAに迫っていく。

 しかし、試合は早々にジョージアが先制。問題なく処理できるボールだったのだが、GKのムリッチがまさかのファンブル。ジョージアにプレゼントの形で先制点を与えてしまう。

 失点後も変わらず前進し続けることが出来ていたコソボであったが、最後のPAのところでジョージアの守備はエリア内に人数を揃えることが出来ており、なかなかクロスが有効打にはならない。38分にようやく相手を外したクロスからコソボは決定機を得るが、これはギオルベリジェがスーパークリア。コソボは同点のチャンスを逃す。

 それでも、前半終了間際に実直に押し込み続けたコソボにはご褒美が与えられる。左サイドからの侵入でフリーになったハリミに対応が遅れたジョージア。カシアがこれにアフタータックルをかましてしまいPKに。前半のうちになんとか同点に追いついたコソボだった。

 しかし、試合はジョージアが勝利をモノにする。コソボは守備時に相手のシャドーとWBを自軍のWGとSBがマンマークで見る形で守っていた。だが、終盤の守備→攻撃への移行のところでコソボの左のSBであるアリティが前に運ぶ際にロスト。再びエリア内にあげられたクロスに合わせたのは彼がマーカーとして監視していたダヴィダシュヴィリだった。

 思えば前半のコソボのPKはジョージアの守備後の脱出が甘くなってしまったところに付け込んだもの。後半にジョージアと同じミスをしてしまったコソボには痛いしっぺ返しが受けた形での敗戦になってしまった。

Pick up player:グラム・ギオルベリジェ(GEO)
 さすがに押し込まれる展開は楽ではなかったので、38分にスーパークリアをかましたのはでかかった。

試合結果
2021.10.12
カタールW杯欧州予選 第8節
コソボ 1-2 ジョージア
ファディルボクリ・スタジアム
【得点者】
KOS:45‘(PK) ムリキ
GEO:11‘ オクリアシュヴィリ, 82’ ダヴィダシュヴィリ
主審:パベル・ラコウスキー

②スウェーデン×ギリシャ

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■あと一歩で呼び覚まされたDNA

 グループBのここから先を大きく占う重要な一戦である。首位のスペインを1試合消化試合が少ない状況で追うスウェーデンは勝てば首位に返り咲き。10月終わりで首位に君臨すればスペイン戦は引き分けで首位通過がぐっと近づくことになる。

 一方のギリシャはここで置いていかれるようだとプレーオフの出場権は大きく遠のく。9月はこのスウェーデン戦に勝利し突破の望みをつないだが、勝ち点の現状を見ると再び勝利の必要がある舞台となっている。

 試合は意外にも序盤から一方的な展開だった。相手を圧倒していたのはアウェイのギリシャ。平常運転といえば平常運転なのだが、ギリシャの5バックはバッチリスウェーデンの保持における3-2-5可変にマッチ。スウェーデンは後方のズレを使っていくというよりはとりあえず前線に預けてもらってあとはなんとでも!という色が強いので、こうしてガッツリ人を捕まえられると苦しくなる。

 攻撃においてもギリシャはスウェーデンの難点をよくわかっていた。まずは奥行きを使うスピードでカウンターから縦に早い勝負を挑む。仮に急げない状況だったら中央を経由するサイドチェンジを駆使しながら相手の4-4ブロックの外側にいるWBにボールを届ける。特に左のWBであるギアンヌリスがフリーになることが多く、ここをボールの落ちつけどころとしてうまく活用していた。

 PAまでボールを運ぶだけでなく、PAから先のエリア内のデュエルでも優勢だったギリシャ。数回バーに阻まれるなど本当にゴールまであと少しのところだった。

 しかし、あと一歩で手をこまねいているうちにスウェーデンは一気にカタを付ける。5バックで5トップへの変形をとがめるというのはあくまで個々人のマッチアップで守備側がある程度計算が立つ前提が必要。そこを破ったのがイサクだった。体の入れ替えだけで対面のマヴロバノスからPKを得ると、これをフォルスベリが決めて先制。

 さらに、長いボールへの目測を誤ったギリシャの隙を突いたイサクが自身で決定的な追加点を決める。こうなるとスウェーデンは強い。『あとは守るだけ』という状況になったスウェーデンの強固さはまさしくDNAといった感じ。

 あと一歩を踏み出せないでいるうちに、DFラインのミスからDNAを呼び起こしてしまったギリシャにとってはW杯出場が大きく遠のく一敗に。逆にスウェーデンは本戦ストレートインに向けて有利な立場で残り2節に臨むことが出来る。

Pick up player:アレクサンデル・イサク(SWE)
 2試合連続で選んでいるのは知っている。それでも今日はこの人しかいない。違いをみせなければ4-4-2で守り切る展開もなかった。消える展開の中であきらめずに後半も好機を狙って結果につなげたしぶとさも好印象。

試合結果
2021.10.12
カタールW杯欧州予選 第8節
スウェーデン 2-0 ギリシャ
フレンズ・アレナ
【得点者】
SWE:59‘(PK) フォルスベリ, 69’ イサク
主審:トビアス・スチュイラー

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