要所を助けたリュディガーのヘッド
CLのRound 16という関門を無事に通過したマドリー。一安心で再びリーガのタイトルに向けて気持ちを切り替えた戦いに臨むことになる。
立ち上がりからボールを持つのはマドリー。セルタの5-3-2はミドルブロック。マドリーは噛み合わせ的に浮いているサイドからボールを持つ。その文脈からマドリーはIH、WG、SBが位置交換をしつつ、セルタのサイドに穴を開けながらボールを動かしていく。
マドリーの狙いはポケット付近。ハーフスペースで裏を取る形を作ることである。ここからGKとDFの間に入っていくような鋭いクロスを入れることが最終目的。速いグラウンダーのクロスはDFにとって対応は難しく、高さがないマドリーのアタッカー陣でも合わせやすい。そうしたクロスを入れるためにサイドできっちりと崩すことが目的になっていた。
押し込む形が多かったマドリーはセットプレーから先制。リュディガーのパワーヘッドからのこぼれ球を押し込んだヴィニシウスがマドリーにゴールをもたらす。
セルタも機会は少ないながら保持に回れば悪くないパフォーマンス。GKと2CB、もしくは3CBでマドリーのWG役のヴィニシウスの背後を取りながら右サイドでポイントを作りながら前進。逆に左サイドはラーセンが流れることでバスケスの背後を一発で取る流れを作っていく。
前半の終盤には押し込むフェーズもちらほら。左右に出ていっていい潰しを見せたかと思いきや、ファウルを立て続けに取られたカマヴィンガがフラストレーションを溜めたところで前半は幕を閉じた。
後半にボールを持つスタートとなったのはセルタ。サイドで溜まったスペースをストライカーに預けるという形の繋ぎ方でボックス内にボールを届けることができていた。
一方のマドリーの後半はカウンターをベースに。左のヴィニシウスの速攻はカード覚悟で止めるセルタの徹底マークに遭っていたが、右のロドリゴとバルベルデのコンビなど左右からの攻め手で少しずつゴールに近づいていく。
マドリーにとってはやや停滞した展開を動かしたのはまたしてもリュディガーのヘディング。パワーで押し切る形で強引に試合を動かす。記録上はオウンゴールになっているけども。88分にもオウンゴールを誘発するなど、後半はマドリーはオウンゴールで追加点。点差と展開がそぐっていないという意味でも少し不思議な後半となった。
内容以上にマドリーがハッピームードで試合をしめくくれたのはひとえに4点目のスコアラーによるところが大きい。度重なる怪我に泣かされたギュレルの初ゴールがこの試合のトリ。テクニシャンらしい柔らかいタッチで見事にゴールを沈めてみせた。
終わってみればマドリーは大量4得点での勝利。CL後の難しい試合を完璧なスコアで克服した。
ひとこと
しんどい試合はセットプレーで楽にする。いかにも強いチームのサッカーの教科書に書いてありそうな文言。
試合結果
2024.3.10
ラ・リーガ
第28節
レアル・マドリー 4-0 セルタ
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:21′ ヴィニシウス, 80′ グアイタ(OG), 88′ ドミンゲス(OG), 90+4′ ギュレル
主審:メレーロ・ロペス
