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「ミッドランズで借りを返す」~2021.2.6 プレミアリーグ 第23節 アストンビラ×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第23節
2021.2.6
アストンビラ(9位/10勝2分8敗/勝ち点32/得点35 失点24)
×
アーセナル(10位/9勝4分9敗/勝ち点31/得点27 失点22)
@ビラ・パーク

戦績

近年の対戦成績

図1

直近10戦でアストンビラの3勝、アーセナルの7勝。

ビラホームでの対戦成績

図2

直近10試合でアストンビラの1勝、アーセナルの6勝、引き分けが3つ。

Head-to-head from BBC sport

・初戦を3-0で制したアストンビラには92-93以来のシーズンダブルの可能性。
・93年以降アーセナルはアストンビラ相手にリーグ戦3連敗を記録していない。

スカッド情報

【Aston Villa】

・新たな負傷者はなし。バートランド・トラオレ、トレゼゲ、モーガン・サンソンは全て起用が可能。

Arsenal

・ダビド・ルイスとベルント・レノは前節の退場により1試合の出場停止。
・そのため先発マウスはアレックス・ルナルソンかマット・ライアンのいずれかになる。後者は尻の負傷を抱えている。

Match facts from BBC sport

【Aston Villa】

・直近6試合のリーグ戦で4敗。それ以前の18試合と同じ数。
・2月のプレミアでの直近18試合で16敗。敗戦を免れたのは勝利した2016年のノリッジ戦と引き分けた2014年のカーディフ戦。
・昨シーズンの勝ち点35まであと3で並ぶ。
・11勝目を挙げれば直近10年のプレミアでクラブベスト。
・ジャックグリーリッシュは20試合の出場で16得点に関与(6G10A)。単一シーズンにおけるキャリアハイをすでに更新。
・オリー・ワトキンスが得点すれば2011年のダレン・ベント以来のホーム戦3試合連続ゴール。

Arsenal

・火曜日のウルブス戦の敗戦で7戦連続の無敗がストップ(W5,D2)
・火曜日の2失点はそれ以前の7試合での失点と同じ数。
・直近4試合のアウェイでのリーグ戦で9得点。
・スパーズと並び、シティに次いでリーグに2番目に少ない失点。
・2019年12月のアルテタ就任以降9人の退場者。この期間のどのチームよりも5人以上多い。
・ニコラ・ペペが得点すれば2015年のオリビエ・ジルー以来のリーグ戦のアウェイゲーム4試合連続得点者に。

予想スタメン

画像3

展望

■サウサンプトン戦の反省

 今季は中堅チームの躍進が目立ったプレミアリーグ。しかし、欧州カップのグループステージが終わり、プレミアのみの過密スケジュールが始まると、徐々にクラブのスカッドの格差がパフォーマンスに現れてきたように思える。

 だが、アストンビラは開幕時からほぼ固定メンバーで戦ってきたにも関わらず、大きなパフォーマンスの低下が見られないチーム。もちろん、リバプール戦で見せたようなインパクト溢れる目の覚めるようなゴールラッシュで連勝街道を走りまくっているわけではないし、むしろ直近の星取りはよろしくない。しかしながら内容を見ると実直でどのチームにとっても倒すのが難しい相手である。

 今の順位は9位だが、仮、未消化分の2試合で勝利(相手はトッテナムとエバートンなので簡単ではないが)すれば、4位に2ポイント差の5位とCL出場権も狙えるほどの順位に位置している。未勝利が徐々に増えてきているアーセナルにとっては連戦の最後に厄介な相手が待ち受けているといっていいだろう。

 アストンビラは直近でフォーメーションをマイナーチェンジしている。その発端になったのが2試合前のサウサンプトン戦だ。セットしている状態では比較的中央を中心に堅さがあるブロックを敷くアストンビラだが、この試合では内側に絞るサウサンプトンのSHに苦戦。4-2-3-1の2列目を越されるパスをバシバシ通されていた。ハーフスペースだけでなく、CH間のど真ん中をかち割られるシーンもしばしば。非常に彼ららしくない試合運びだった。でも勝ったんだけどね。

 「勝ったけどもやられてしまった」という思いはスミスの中にあったのだろう。その次の試合ではここまではトップ下に固定していたバークリーをスリーセンターの一角に加える4-1-4-1でウェストハムに挑んだ。フォーメーションの変更により目的である中央への楔を塞ぐことはある程度達成された。その一方で中央とサイドのバランスや、スライドのタイミングなどの粗が見られたのも事実だ。

■SBがチームを助けられるか

 どのフォーメーションでこようとアストンビラの攻略法は同じ。ブロックを組ませる前に最終ラインを背走させることだ。どのチームでも当然この状況は守備側にとって難しい対応になるのだが、特にアストンビラはセットした守備の強度に比べて背走してからブロックが整うまでの時間がかかるチーム。基本的にはロングカウンターから手早く攻める形を作りたいところである。

 ボール保持で時間を与えられた場合はフォーメーションに合わせて縦パスの受け手を作り、最終ラインの手前からスピードアップして一気に攻め落とすのが理想。

 ウェストハムには3-1で敗れているため、前節の戦い方を踏襲するかどうかは怪しいが、4-1-4-1で来た場合はサイドバックの動きが肝になるはず。おそらくこの場合、CBは楽々ボールを運ぶことができる代わりにライン間のパスコースはない。

画像5

 したがって、2列目より後方の選手がどれだけ相手に動きを攻められるかがカギになる。まだ、不慣れなこの形では人についていく形が多い。SBはWGに合わせたポジショニングで前進の手助けをしたい。出場停止のルイスに代わって先発が予想されるマガリャンイスはセドリックとの連携が未知数。ここのパスコースがどこまで効くかはポイントになりそうだ。

画像4

 4-4-2で来た場合はよりシンプル。サウサンプトンのようにまずは中央をかち割ることを狙うこと。ゴールへの最短距離は中央なので、できるできないは別としてまず狙うことが大事。中央のラカゼットに加えて、絞って働けるペペとサカの両WG。そしてトーマスの鋭進力あるドリブルなど一時期に比べて武器は増えた。相手の注目が中央に集まればジャカを中心に大外を揺さぶるやり方に切り替えていきたい。

■借りは同じ土地で返す

 守備においては当然グリーリッシュが最大の警戒相手になる。だが、最も気にしなくてはいけないのは彼個人ではなく、左サイドに流れることが多いバークリーやワトキンスとの連携。彼らでつくり、右でフィニッシュするパターンが多い。トラオレなどPAに入ってくる逆サイドのSHには絞って対応することが求められる。左サイドのクロス対応は前節危ないシーンも多く見られた部分。早速試されることになるだろう。

 もっともそれ以上に気を付けるべきはクロスが上がった後よりもその手前の部分。彼らの機動力あるポジションの入れ替わりについていけず、振り回されてしまうとスペースを埋めるのがどうしても間に合わなくなる。

 アーセナルにとってこのポジションの入れ替わりが最もうまくいかなかったのは何を隠そうこのアストンビラ戦だ。大外でグリーリッシュにホールディングが対応するというスピードのミスマッチを何度も食らったし、止まるグリーリッシュに合わせて動くビラの選手に後手を踏み続けた。

 あの時に比べればアーセナルのチーム状態ははるかにいい。ホームでの3-0を食らった悔しいビラ戦や、前節2人退場したウルブス戦など何かとミッドランズのチームに苦しめられてきた今シーズン。悔しい思いが多かった今季のミッドランズ勢との対戦のうっ憤をビラ・パークで晴らしたいところである。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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