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「Catch up Premier League」~Match week 23~ 2021.2.6-2.7

目次

①アストンビラ【9位】×アーセナル【10位】

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■望まない展開、できないスピードアップ

 前節は9人でウルブスに敗れて久々となるシーズンダブルを食らってしまったアーセナル。今節は同じミッドランズで同じく負ければ久しぶりのシーズンダブルを記録することになるアストンビラが対戦相手だ。

 直近の流れを考えれば粘りながら先制点を何としても確保したいはずのアーセナルだが、試合展開は安易なミスからアストンビラに先制点を与えてしまうという真逆な展開に。

 だが、アストンビラもサウサンプトン戦で見せた4-4ブロックの中央に急に縦パスに通されまくる問題が継続して発生。トーマスとラカゼットを中心にアーセナルに縦パスを通されて前進する場面が目立った。

   しかし、アーセナルはそこからのスピードアップが難しい。出し手と受け手の息が合わないスルーパスにはどこかちぐはぐさを感じた。ボールを回す側からするとピッチの具合が悪いのかいつもより浮き球を選択する機会が多かった影響もちくはぐさにつながっていたのかもしれない。対照的に、速い攻撃を封じるミングスやターゲットなどアストンビラの選手たちの奮闘が光った。

 新戦力のウーデゴールはチームの救世主にはなれず。それでもボールには絡んだが精度や連携にもう1つ難があるウィリアンや、シュート機会がなくほぼ存在感がなかったオーバメヤンに比べれば、交代選手の中では光るパフォーマンスだったとは言えるだろう。

試合結果
アストンビラ 1-0 アーセナル
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:2′ ワトキンス
主審:クリス・カバナフ

②バーンリー【17位】×ブライトン【15位】

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■アンフィールドより苦しいターフ・ムーア

 前節はアンフィールドでリバプールを撃破したブライトン。リバプール相手にも果敢に保持を挑むようなチームなので、当然バーンリー相手にもボールを持つことになる。3バックが2トップ相手に数的優位を活かしてのボール保持は非常に安定感があった。

 アンフィールドでの試合で披露したバーンのWBという作戦はこの試合でも継続。ただ、この起用はどちらかと言えばシステムの利を生かした継続というよりも、マーチとランプティという両WBを負傷で欠いているからという色が強い気が。

    実際、ボール保持は安定しているものの、大外から押し下げるムーブがないために、いつもに比べれば攻撃に推進力をだせず。中央が堅いバーンリー相手に2トップにボールを預けなければスピードアップも難しかった。それだけにセットプレーから先制点を獲得したのは大きかっただろう。

 バーンリーを最近見てて思うのだが、結構個人個人を見ていると懐が深くてなかなかボールを取られない選手が多い。スペースがあるところという条件付きではあるものの普通にうまい。特に中盤の選手たちはキープ力があり、なかなか1対1では取れない状況が続いたブライトンだった。

 後半は波状攻撃にあう機会が多かったブライトン。スペースさえあればシュートとクロスというゴールに向かう選択肢を躊躇なく取れるバーンリーにはだいぶ手を焼く。同点ゴールのシーンもまさにその波状攻撃からであった。

 試合終盤までバーンリーはブライトン相手に主導権を握り続ける。タイスコアとは言えリバプールに堂々と渡り合った後、バーンリーに手を焼くというのはいかにも今季のプレミアリーグ。ブライトンの苦戦は激しいリーグの競争力を象徴していた。

試合結果
バーンリー 1-1 ブライトン
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:54′ グズムンドソン
BRI:36′ ダンク
主審:アンソニー・テイラー

③ニューカッスル【16位】×サウサンプトン【12位】

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■南野初得点の裏で起こったミスマッチと前提の崩壊

 リバプールよりやってきた南野拓実のサウサンプトンのデビュー戦ということで注目度が高くなったこの試合。ウォルコットに続いてアームストロングの負傷離脱で層が薄くなったSHとしての先発起用となった。早速結果を出したのは非常に大きい。あいさつ代わりの初得点もマーク。相手のDF陣を出し抜いてのワンタッチから強烈なシュートを天井に突き刺した。

 ただし、先にこの試合で注目を集めたのは2か月半ぶりに先発復帰を果たしたサン=マクシマン。長いボールでの裏取りから一気にサウサンプトンのDFラインを押し下げると、南野と同じくこちらもレンタル移籍からの初出場となったウィロックへのアシストを披露した。この試合の前線+中盤は攻撃面を考えれば今のスカッドではベストなメンバーといえるかもしれない。攻撃の活性化はメンバーが戻ってきたこと、さらに言えばグレアム・ジョーンズのコーチ就任によるものだろうか。

 サウサンプトンはこういったネガトラの局面にはもともと弱いものの、同サイドのステーフェンスのポジショニングには違和感あり。簡単に裏をとられてしまい、失点に直結してしまう。2失点目も直接原因ではないものの、きっかけはこのサイドの裏から。後半にベドナレクと位置を変えたのはこの辺りが理由かもしれない。

 後半に入ると負傷者(この試合のニューカッスルの交代選手は全て負傷によるものだった)と退場者で9人で戦う羽目になったニューカッスル。2点を追うサウサンプトンはウォード=プラウズの直接FKで1点差に迫るものの、そこからを攻めあぐねて結局は敗北。9人の相手を攻め落とせなかった原因はいくつかあるが、1つは雨によるピッチの悪化。サウサンプトンの攻撃は中央でのショートパスでの連携が主体。その攻撃を繰り出したいエリアが水が浮いてボールが止まってしまう状況になってしまったのは辛かった。

 ただ、その攻撃におけるコンセプトでのミスマッチを差し引いても、前半の3失点目は許容できない。攻撃を完結することでSBの上がったスペースやバックラインの機動力の低さを覆っていくという前提がくつがえりつつあるのは懸念。このゴールでリーグ戦直近4試合で17失点目。それ以前の18試合を20失点で抑えたセインツは立て直しが効くだろうか。

試合結果
ニューカッスル 3-2 サウサンプトン
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:16′ ウィロック, 26′ 45+4′ アルミロン
SOU:30′ 南野, 48′ ウォード=プラウズ
主審:クレイグ・ポーソン

④フルハム【18位】×ウェストハム【5位】

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■選手交代で崩れたバランス、決め手に欠けた痛み分け。

 いかにも連戦の最後という感じの試合だった。両チームとも切り替えが遅く、トランジッション時のプレスを起動するにも一苦労という感じ。ボール保持で主導権を握ったのはホームのフルハムの方。ウェストハムはMFラインの手前のボールホルダーには常にプレッシャーをかけ続ける選択はできないので、フルハムのCHはパスコースを選び放題だった。

 フルハムはプレッシャーが強まれば、保持の位置を落として2トップの脇から運んでいくイメージ。特に右サイドの低い位置をCHが取った場合は3バックの右に入ったテイテイがSBのように振舞うことで高い位置に出ていく。テイテイが高い位置を取る時はコルドバ=リードが内側に入るため、CHが落ちてもポジションのバランスは変わらない。レミナがこの辺りは味方に指示を出しながらポジションバランスを調整していた。

 しかしながら、前線の連携がこの日はイマイチ。ルックマンは前半戦のようなキレがない。ロフタス=チークとカバレイロのコンビはスルーパスを出すタイミングが合わず、何度も裏抜けで決定機を作るチャンスをフイにした。

 一方のウェストハムもアントニオが体を張る以外はラインを押し下げる手段がない。ひとたび押し下げればクレスウェルのクロスやセットプレーを軸にチャンスを作れるのだが、この日は機会が不十分。74分にアントニオを下げた時点で詰みだった。

 フルハムは勝てる手ごたえがあったのだろう。後ろの選手に代えてミトロビッチやマジャを投入するパワープレーに出たのだが、バランスが悪くなり攻撃の形が何もない状態になったのはとても切ない。もう一押しが効かなかったフルハム。上位勢に勝ち点3を掴む機会を逃した格好になった。

試合結果
フルハム 0-0 ウェストハム
クレイブン・コテージ
主審:マイク・ディーン

⑤マンチェスター・ユナイテッド【2位】×エバートン【7位】

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■サッカーは難しい

 このフォーメーション表のエバートンの並びはチームの形を正しく表現できていない。ハメスがトップ下の位置にスライドするのが正しい並びといえるだろう。

 ベースとしてはエバートンの戦い方はリーズ戦のマンマーク色の濃いやり方を踏襲したものである。ただ、①ハメスがトップ下の位置でタフな相手であるポグバを監視していたこと、②マン・ユナイテッドのキーマンであるルーク・ショウのマークが遅れやすくなること、③リーズ戦と同じくリシャルリソンの人へのマークの色が薄いことなど問題点が多い守備の局面だった。

 ①と②は連携している話。ハメスが中央にいるため、左右はアシンメトリーな状態になる。3センターの一角のドゥクレが出ていかなくてはいけない状況が②を誘発してる。おそらくドゥクレの行動範囲の広さを活かして右サイドのローラー作戦をしたいのかな?と思ったけど、ショウへのマークが遅くなりやすくなってしまっており、十分に機能していたとはいいがたい。

 ③に関してはおそらく速い攻撃の運び役としてリシャルリソンを前に残したかったのかもしれない。しかし、彼が前残りする分、エバートンの左サイドは慢性的な人手不足になっていた。マン・ユナイテッドの前半の2得点はいずれもリシャルリソンが戻り切れなかったところで生まれた数的不利から。クロスもブルーノ・フェルナンデスのシュートも素晴らしかったが、根っこにはエバートンの守備の人数の足りなさがあるように思えた。

 この日のエバートンはファストブレイクを狙っていた節があるので、攻撃面では逆にマン・ユナイテッドのサイドの裏は狙い目。アンドレ・ゴメスを中心に縦に長いパスでエバートンは一気に押し返す動きを狙う。1点目はまさにこの動きが実ったもの。それでも縦に速くないハメスを攻撃面で起用するメリットは?と思ってしまったのだが、その理由を証明する初めてのチャンスを得点シーンにしてしまうのだから驚きである。ちょっと、わからないよね。サッカー、めっちゃムズイ。

 最後の最後にマン・ユナイテッドが追いつかれるという展開も含めて、なかなかに不思議に満ちた試合。いやー、サッカーホントムズイ。

試合結果
マンチェスター・ユナイテッド 3-3 エバートン
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:24′ カバーニ, 45′ フェルナンデス, 70′ マクトミネイ
EVE:49′ ドゥクレ, 52′ ハメス, 90+5′ キャルバート=ルーウィン
主審:ジョナサン・モス

⑥トッテナム【8位】×ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン【19位】

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■やっぱりケイン、知ってたよ

 ケインが負傷で欠場していた2試合で無得点での連敗。モウリーニョがケイン不在の解決策を見つける前に、とっととケインは帰ってきた。予定よりも早く。

 もっともウェストブロムはケインが出てこようが、出てきまいがやり方を変えることはないだろう。4-1-4-1で構えて迎え撃ち、少しでも0-0の時間を延ばす。それがウェストブロムのプランである。

 したがってトッテナムはウェストブロムのブロック攻略に挑む必要がある。3センターでスパーズのトップ下+2CHを封じたかったウェストブロム。盤面上は噛み合って可能だが、スパーズはSHが内側に寄ったり、ケインが降りてきたりなどでウェストブロムの3センターの周りに余剰人員を置く。

 ケインはやはりさすがに間受けのスキル。ボールを引き出すのが抜群でエンドンベレもホイビュアもやりやすそうだった。周りのオフザボールの動きも明らかに良くなっているように見える。やっぱり動きの原動力には期待感が大事なのだと思う。ここ2試合見られなかった縦パスからのスピードアップを1人で蘇らせてしまうのだから恐ろしい男だ。

 スパーズの2得点は共にオフザボールの動きがキーになる。ケインの先制点はデイビスの内側へのランがウェストブロムの陣形をゆがめたし、2得点目はラメラのクロスオーバーがソンへのラストパスの道を拓いた。

 一方のウェストブロムは新加入のディアーニュが空中戦で脅威になり続けるものの、動き直しの緻密さに欠けるのがもったいない。そこの部分にもう少し注意を払えれば2回のネットを揺らした機会は得点に代わっていたかもしれない。とはいえ動きの重さで言えばこの試合は選手よりも監督だろう。先取点を許してからは打つ手なし。アラダイスは後半追加タイムにスローインでおどけてみせるのが唯一の見せ場。それでは降格圏のチームがスパーズに一泡吹かせるのは厳しいだろう。

試合結果
トッテナム 2-0 ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:54′ ケイン, 58′ ソン
主審:スチュアート・アットウィル

⑦ウォルバーハンプトン【14位】×レスター【3位】

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■レジェンド健在、ヒーロー不在

 トッテナムがケイン不在という課題に取り組んでいるのならば、レスターはヴァーディ不在という課題に取り組んでいる。彼らが出した答えはテンポを上げたファストブレイクで点を取るというものだった。リーズ戦は相手の得意分野の土俵で敗北。フルハムはペースに巻き込めなかったものの、ミスから仕留めて勝利した。

 今節のウルブスはローライン撤退でテンポを作るのが難しい相手。ブロック崩しに挑むレスターであった。プレッシャーが低い位置になっているため、前節同様長いレンジのパスを繰り出すチョーダリーは生き生きしていた。一方でSHのドリブルを起点をした細かいパスがつながることはなかった。1人が仕掛けた時の他の選手の動きが好調時に比べて甘く、ドリブルをドリブル以上のものに昇華できずに停滞した。

 一方のウルブスは思ったよりもポゼッションからの攻撃がうまくいっていた。中央でサイドチェンジの起点になれるCHに対してレスターがプレッシャーをかけることができずに左右の幅を使った攻撃を展開。1人は必ず抜けるネトと、ジャスティン相手に優位に立ったトラオレが両サイドのデュエルを制しチャンスメイク。カットインからマイナスのクロスでミドルシュートを狙うが、シュートはなかなか枠に飛ばない。

 苦しい空気を変えたのはオルブライトンとヴァーディという途中交代で入った2人のレジェンド。前線の動きが増えたレスターはスポットに落とすように蹴るロングボールを軸にウルブスを押し返す。だが、シュートを決めてヒーローになるものは現れず。ウルブス側も途中交代のファビオ・シルバが決定的なシーンを迎えるものの、枠には飛ばず。

 両チームのストライカーにはこの試合を決めるヒーローのチャンスがあったものの、それを活かせる選手は試合終了の笛が鳴るまで現れることはなかった。

試合結果
ウォルバーハンプトン 0-0 レスター
モリニュー・スタジアム
主審:マーティン・アトキンソン

⑧リバプール【4位】×マンチェスター・シティ【1位】

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■対応の変化はシステムの変化ではない気がしている

 詳しい話をこの分量ですると混乱するだけなので、上で見てください。試合としては最終ラインのプレス回避と前線からのプレッシングの応酬といえる90分だったということになるのではないか。

 前半は共に保持側はその部分で優勢に立っていた。シティは3-2,4-1,2-3と後方のビルドアップの形を使い分けることでリバプールのプレスを後退させたし、リバプールはCBのアングルづくりとボール保持に寄った人選(チアゴ、カーティス・ジョーンズ)だったIHのボールの引き出し方で勝負。25分以降の前半はシティを押し込みながら試合を進めた。

 終盤に試合を決めたのはそのボール保持の部分。チアゴとジョーンズを共に下げたリバプールに対して真綿を締めるような距離の詰め方で選択肢を奪ってアリソンに2つのミスを誘発された。リバプールとしては蹴ればいいのだけど、シティのDFの出来を考えるとそれだけでは不十分だったのも確か。リバプールも今のスカッドならつなぐことにこだわったほうがいいというのもわかるので難しいところ。でも、このミスを許してくれるレベルの試合じゃなかった。

 この場面もそうなのだが、この試合は相手の変化に対して修正するスピードが異常だった。相手の変更に対しては10分もあれば対応しちゃうのが、最近の欧州リーグのイメージ。でも、この試合では1プレー、2プレーで対応がどんどん変わっていった感じ。システムを変えるというよりも、ある基準の中でプレーしていて、同じ基準の中で相手に対応しているように見えた。その中で相手が変わったのだから変わるのは当然でしょ?みたいな。多少の変化が相手に起こった際に対応できるような基準があらかじめ選手にインストールされているということなのだろうな。

 もう少し雑談。どちらのチームも同サイドに密集して相手を閉じ込めるというコンセプトの中で薄いサイドに展開できることは非常に稀。特に中盤より前のボールホルダーには前を向く隙すら与えられず、持ち出すようにコントロールすればすぐに相手にボールを狩られる試合だった。

    そのため、ノーステップで距離を出せるキックを蹴れるロドリやチアゴは非常に重宝された。スペースがない高次元の試合でトメルケールが隆盛になるのか、動的成分を増やして立ち位置は出たり入ったりをより繰り返すものになっていくのかは注視していきたい。こういうのを見たいならCLが向いているんだろうなぁ。

試合結果
リバプール 1-4 マンチェスター・シティ
アンフィールド
【得点者】
LIV:63′(PK) サラー
Man City:49′ 73′ ギュンドアン, 76′ スターリング, 83′ フォーデン
主審: マイケル・オリバー

⑨シェフィールド・ユナイテッド【20位】×チェルシー【6位】

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■同胞を救った勝ち点3の立役者、本領発揮までもう一歩。

 徐々に大枠が見えてきた感のあるチェルシー。少なくとも今季のCLはこれをベースに戦うということなのだろうなという一貫性のあるやり方を示しているのがここまでのトゥヘルである。

 3トップは基本的には裏を狙うことを優先。だが、この試合のジルーのように純粋なCFが起用された際は降りてくる役割を担うことが多い。ただ、全体的な方針としては全員が引いて受けようとするくらいならば、かぶっても裏を狙うということを優先したいのだろう。相手の陣形を縦に伸ばすアプローチがチェルシーの軸。この日で言えばジルーが引く役割を担う分、左のWBのチルウェルは高い位置を取ることが多かった。

 ブレイズは前節のスパーズと同じく、ジョルジーニョとコバチッチを囲むようにして攻撃の加速を防ぐ。したがってチェルシーの前線とブレイズのバックスの上下動の駆け引きの勝負になる。その勝負に勝ったのが先制点のシーン。やっと、チェルシーの理想的な形での得点が入ったといえるだろう。

 先制点が入ったことでこの後は余裕を持って試合を進められると思いきや、リュディガーの致命的なミスで同点に追いつかれる。これを救ったのは同じドイツ代表のストライカー。同じく、相手の致命的なミスをかっさらいPK奪取につなげる。ヴェルナーは攻撃時にパスがカットされた後の守備に備えるスピードが非常に早い。1得点目のアシストも然り、徐々にチームへの貢献度は上がってきている。あとは得点だけ。新体制になっての復調をアピールするのにはもう一歩だ。

試合結果
シェフィールド・ユナイテッド 1-2 チェルシー
ブラモール・レーン
【得点者】
SHU:55′(OG) リュディガー
CHE:43′ マウント, 58′(PK) ジョルジーニョ
主審:ケビン・フレンド

⑩リーズ【11位】×クリスタル・パレス【13位】

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■やっぱりらしさは大事

 相手陣に押し込みながらハイプレスでボールを奪取。そこから縦に速くフィニッシュまで持ち込んでいく。リーズが得た先制点は非常に彼ららしい立ち上がりといえるだろう。ここ数試合ホームゲームではらしさを出せなかったリーズにとっては理想的なゲームのスタートとなった。

 エランド・ロードのピッチの悪さは相変わらず。それでもリーズはアーリークロスを積極的に活用することでクリスタル・パレスの大外に起点を作って攻め込むことで主導権を握っていく。ラフィーニャの質的優位はすっかりリーズのトレードマーク。ビッグクラブからの注目度も高まっているという噂の夏の新戦力はチャンスメイクでの存在感を日に日に増している。

 一方のクリスタル・パレスはらしくないローテーション攻撃を繰りだす。特に積極的に選手間の立ち位置を変えていたのが左サイド。この日は左のサイドハーフに入ったファン・アーンホルトが内に絞り、いつもは低い位置でフリーダムに動くリーデヴァルドが左サイドの高い位置まで出ていくことが多かった。

 この意図がさっぱりわからない。どう考えてもファン・アーンホルトは左サイドで張ったほうが特長が出やすい選手だと思うし、リーデヴァルドはもう少し低い位置で攻撃に絡む役割の方が適しているように思う。ローテーションを行うにしてももう少し選手の特性に合わせないと効果が出てこないのかなと思った。左サイドは守備も機能しなくなってしまって散々な仕上がりだった。

 らしい得点で先手を奪ったリーズに、らしくないアレンジで良さが全くでなかったクリスタル・パレス。結果も内容も対照的な両チームの対戦になった。

試合結果
リーズ 2-0 クリスタル・パレス
エランド・ロード
【得点者】
LEE:3′ ハリソン, 52′ バンフォード
主審:アンドレ・マリナー

   おしまいじゃ!!

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