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「Catch up Premier League」~Match week 19~ 2021.1.16-1.18

目次

①ウォルバーハンプトン【14位】×ウェストブロム【19位】

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■甘さを突いた再逆転で初勝利を飾る

 直近の試合で全く勝てていない両チームの対戦。試合は早い段階でウェストブロムにPKが与えられるという意外な動きから。しかしながら、このシーンのウルブスの対応を見ればでこの結果はほぼ必然。DF-MF間のパスに対してウルブスはMFがラインを下げて守る。DFも当然それに伴いラインが下がる。ボール奪取の位置は深くなるので、カウンターのコストは高くなる。

 ウルブスはトラオレをはじめ脚力自慢がいるからそれでもいいのだけど、早い段階でカウンター時にロストすると陣形が整わないまま再度ゴールに近い位置で攻撃を食らうことになる。PKのシーンもこの一例で、MFがラインを下げて対応するのが間に合わなかったため、慌ててCBのボリーが出ていった結果のPKである。

 しかし、ウェストブロムも撤退時の守備はバタバタ。特にセットプレーのバタつきは目に余る。相手よりボールを先に触れない、クリアが甘いなどビックサムになってからも撤退してのロングボールに執着しない理由はここにあるのかと納得せざるを得なかった。ウルブスは保持は安定していたので試行回数を増やして前半の内に逆転することに成功する。

 だが、後半はウェストブロムが再逆転。ロングスローからアジャイが身体能力を活かして追いつくと、今度はコーディがPKを与える。やはり、CBが後手後手になっているんだろうなぁ。

 逆転で勢いに乗ったウェストブロムは徐々にクロスも跳ね返せるように。これもダービーの力なのだろうか。決してスマートな逃げ切りではなかったが、後半に行くにつれて自信を持って守れるようになっていたのも確か。ダービーを初勝利で飾ったアラダイスのチームは逆転残留へ勢いに乗っていけるだろうか。

試合結果
ウォルバーハンプトン 2-3 ウェストブロム
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:38′ シルバ, 43′ ボリー
WBA:8′(PK), 56′(PK) ペレイラ, 53′ アジャイ
主審:マイケル・オリバー

②リーズ【12位】×ブライトン【17位】

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■荒れたピッチで見せた一発回答

 両者ともボール保持に特色があるチーム。彼らにとってこの日のエランド・ロードの荒れたピッチはやりにくいことこの上なかっただろう。

 そんな中でもスキルを見せることができたのはブライトンの方である。ビルドアップでの相手のプレッシング回避はいつも通りお手の物。それに加えて、早い時間帯に先制点もゲットする。モペイの得点は溜める、追い越す、ラインで待つという3トップのピカイチの連携。結果的にこの日一番の効果的な崩しだったといえる。

 1週間休みがあったリーズだが、なかなかにコンディションが上がってこない。ブライトンの得点シーンのような連携は本来はリーズも得意なはず。しかしながら、その動きを見せる頻度がどうしても増えてこない。

 ブライトンのCBはスピードが足りない分、高い位置から相手を潰しにくる傾向がある。リーズとしてはワイドのCBを釣りだしてそこの裏を狙う動きを狙っていく。確かにこの動きは効果的だったのだが、彼らには一発でゴールを仕留められるほどの精度の高いストライカーはいない。

 ワイドのCBを釣りだせなければ、さすがにリーズは高さでは分が悪い。この日のリーズが勝ち点を得るには、もっと頻繁にハーフスペースを突きたかった。勝利には決定機の機会も質ももう一声といったところだろうか。逆にいつもはチャンスを量産しても得点につながらないブライトンは美しい崩しによる一発回答で勝利を呼び寄せることができた。

試合結果
リーズ 0-1 ブライトン
エランド・ロード
【得点者】
BRI:17′ モペイ
主審:ケビン・フレンド

③ウェストハム【7位】×バーンリー【16位】

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■このレベルでもミスになる

 ウェストハムはトップをアレからアントニオに戻して以降も4バックを継続。正直、アントニオがトップなら5-4-1でもいいと思うのだが、確かにバーンリー相手ならボールを持つ時間が長くなりそうなので4-2-3-1にする気持ちもわからなくはない。

 ただ、バーンリーほどではないにせよウェストハムもボールを持ちながら相手を動かすのは苦手。構えた守備をどう崩すか?という所のソリューションがあまり豊富なチームではない。強いて言えばサイドからのクロスだが、単なるハイクロスに強いバーンリーにはさほど効果的ではない。

 しかし、この日はそのクロスで先制点をゲット。ボーウェンが逆サイドに流れたことでピーテルスを釣りだす。その釣りだしたファーサイドでアントニオがクロスを待ち構える形。パッと見た感じではターコウスキが被ってしまったのかな?と思ったのだが、ニアでベン・ミーがわずかに触ったせいで軌道が変わってしまっていた。まぁ、このレベルの物をミスというかは微妙なところだが、クロス対応という自分たちの土俵なのでバーンリーとしては許してはいけない類の失点だろう。

 点を取らなくてはいけなくなったバーンリーだが2トップに当ててSHで拾い前進という形以外では陣地回復が難しい。もっとも、そのやり方でより効果的に前進していたのはウェストハムの方。アントニオは単体でスピードもありバーンリーのDF陣を置き去りに出来る上、彼を追い越すアタッカーも豊富。

 よりDFを頻繁に脅かしたウェストハムの順当勝ちといっていいだろう。

試合結果
ウェストハム 1-0 バーンリー
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:9′ アントニオ
主審:クリス・カバナフ

④フルハム【18位】×チェルシー【9位】

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■勝ち点と共に積み重ねた不安

 前節と同じく、まずはフルハムは非保持の状況を許容するところから。解説の粕谷さんはこのやり方でも「フルハムは一発があるから」といっていたが、むしろ一発を感じさせたのはボールを保持しているチェルシーの方。

 チェルシーはゴールに至るまでのスイッチが限られている。ジルーへの楔はその1つでジエクのシュートに至ったシーンが代表例。逆に言うと、それ以外は内側で受ける選手を作れない大外のU字循環のボール回しになっていた。それでもロビンソンのサイドはやや判断を誤る頻度があり、そのサイドから抉るチャンスはチェルシーはあった。そもそも、抜き切らないでも決定機を埋めるジエクのクロスという武器もあるし。

 フルハムの決定機創出はむしろ理屈に適ったところから。チェルシーが強引に内側に縦パスを通そうとするところを中盤で狙い撃ち。そこからのショートカウンターでゴールに迫るシーンが数回あった。意外といけそうと思ったところでのロビンソンの一発退場である。

 この退場でフルハムは5バックを維持。中盤を削る選択をする。さすがに押し込まれるシーンはあったものの、70分周辺の時間を除けばチャンスを量産されることはそこまで多くはなかった。

 カウンターではフルハムにも好機はあり。1トップのカバレイロの体の向きをチェルシーのバックスが制限できないため、ここから許したくないサイドチェンジを許してしまう。

 マウントのゴールでこじ開けることには成功したチェルシー。しかし、急所をつけないボール回しにハイプレスの対応、さらにはカウンター潰しなど勝ち点と共に一抹の不安を感じる内容だったことは確かだ。

試合結果
フルハム 0-1 チェルシー
クレイブン・コテージ
【得点者】
CHE:78′ マウント
主審:ピーター・パンクス

⑤レスター【4位】×サウサンプトン【7位】

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■総力戦で問われた万能性

 非常に引き締まった好ゲームだったと思う。そして、お互いがお互いをリスペクトしているような入りだった。非保持側が保持側をプレスで追い詰めたら、保持側は安全第一で長いボールに方針転換。ショートパスを大事につなぐこともある両チームだが、ミスってショートカウンターを食らってしまったら元も子もないということだろう。どちらかと言えばサウサンプトンが保持の時間が長かった前半だったが、長いボールで安全運転を図ったのは両チームとも共通である。

 したがって、前進の手段は主に2パターン。1つは長いボールを使ってセカンドボールを拾うためのプレスからのショートカウンター。そして局面を一気に進める縦への長いパスである。そこで輝いたのは両チームの中盤を支える要である。19分、その直前にミスをしていたティーレマンスのしびれる縦パスで状況が一気に好転。40分のウォード=プラウズのパスも同様。ショートパスでのリスクがあるなら、刺すようなロングパスを決めてやろうということだろう。

 そんなチャンスが限られた状況での先制点はレスターに。パスを受けながら対面するスティーブンスにわずかな隙を見出したマディソンが思い切り振り切って角度のないところから打ち込む。均衡した試合を強引に動かすスーパープレーだった。

 前に出なくてはいけないサウサンプトンだったが、こういうジリジリした展開はどちらかと言うとレスターの方が経験豊富だろうか。特にアダムスが退いてからはその傾向が顕著だった。そして、レスターに長いボールを活かすことができるヴァーディがいるのも大きい。攻めあぐねるサウサンプトンを尻目にレスターがロングカウンターから決定機を作る展開が続いていく。

 攻守切り替えがスリリングな展開だった試合が決着したのは後半追加タイム。再び輝きを放ったティーレマンスのスルーパスから仕上げはバーンズ。万能性で言えばプレミア随一のレスターが好ゲームを制し、上位追走に成功した。

試合結果
レスター 2-0 サウサンプトン
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:37′ マディソン, 90+5′ バーンズ
主審:スチュアート・アットウィル

⑥シェフィールド・ユナイテッド【20位】×トッテナム【6位】

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■『スーパーだった』だけじゃない

 直近のトッテナムのいいところを挙げなさいといわれれば、先制点をスムーズに取れることである。リーグ戦では3試合連続先制点をゲットしており、そのいずれも30分までに記録しているもの。先手を取ってまずは相手に一泡を吹かせるというところまでは安定して試合をしている。

 実際、この試合でもこのお決まりの展開は発動。5分でオーリエがセットプレーから先制点をとり、いつも通り相手チームより先に発進するスパーズであった。

 では課題は何だろうか。プレミアリーグにおける直近9得点のうち8得点は前半に挙げたもの。引き分けは追いつかれたものばかり。試合を決めるコントロールや定まらなかったり、追加点が決まらなかったりすることが明らかな課題である。

 58分にあらゆるところに顔をだしてチャンス作りに奮闘していたマクゴールドリックが1点差となる追撃弾を決めてからはそこが問われる展開になった。それに対して解決策を出したのはエンドンベレのスーパーゴール。控え選手での活性化というもう1つの課題は残しているが、ひとまず主力で中押しして試合を決定づけられたことは明るい材料だ。

 ブレイズは2、3失点共にノーウッドのコントロールが甘くなったところを裏返されてからのカウンター。焦れずに少ない点差で試合を進めたかったはずのブレイズにとっては致命的なミスといえる。

 スパーズが得意な展開とはいえ奪取からのカウンターというトランジッションの流れは見事。モウリーニョはエンドンベレのパフォーマンスを「ゴール以外の部分の貢献にも満足している」といっていた。ゴールこそスーパーだったが、あのシーンは前線の守備からのトランジッションという土台があったからこそ。『スーパーだから』以外の部分も多い見られたエンドンベレの得点だった。

試合結果
シェフィールド・ユナイテッド 1-3 トッテナム
ブラモール・レーン
【得点者】
SHU:59′ マクゴールドリック
TOT: 5′ オーリエ, 40′ ケイン, 62′ エンドンベレ
主審:アンドレ・マリナー

⑦リバプール【2位】×マンチェスター・ユナイテッド【1位】

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■守備で魅せる首位攻防戦

 序盤にボール保持でリズムをつかんだのはリバプール。積極的に出てきたマンチェスター・ユナイテッドのプレスを1つずつ外して前進していく。中でも存在感を放っていたのはチアゴ。正確無比な長短なパスでボールの収めどころとして段違いのスキルを披露。SBとの連携は課題。オーバーラップのタイミングが合わずにパスがズレてしまうパターンが見られた。

 対するマンチェスター・ユナイテッドは後半に活路。ブルーノ・フェルナンデスを軸に後半のカウンター攻勢でゴールに迫る。ボール保持においてはルーク・ショウのオフザボールの動きが相変わらずキレキレだった。

 しかし、この試合の主役は攻撃陣ではなく守備陣である。両チームのバックスは非常に際立っていた。ルーク・ショウは攻撃だけでなく守備においてもサラーを完封。リバプールが得意なサイドからのクロスもマグワイアとリンデロフでほぼ無力化していた。

 一方のリバプールもファビーニョを中心に最後の部分で粘りを見せる。終盤に迎えたあわやという場面でことごとく読みの鋭さで救ったのはアリソン。判断の早さと驚異的な反応速度でユナイテッドに得点を許さなかった。

 0-0とはいえ締まった好ゲーム。首位攻防戦にふさわしい両チームの維持が垣間見えた一戦だった。

試合結果
リバプール 0-0 マンチェスター・ユナイテッド
アンフィールド
主審:ポール・ティアニー

⑧マンチェスター・シティ【3位】×クリスタル・パレス【13位】

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■戻ってきた当たり前、選ばせての前進で快勝

 ようやくらしさを取り戻してきたマンチェスター・シティ。4-2-3-1から4-3-3に戻ったフォーメーション。相手の1stプレスラインを超えるところにカンセロを置くことで1stプレスをかわす。カンセロはこの試合はいなかったけどね。ジンチェンコだったけどね。そこから内側と外側にそれぞれ受け手をおいて、加速できる選択肢を模索していく。ということがチームとして共有されたのがざっくりとした変更点だろうか。

 クリスタル・パレスは中盤の枚数をいつもより厚くして迎え撃つ。3センターで内側のレーンはそんなに簡単に使わせないよ!という流れ。それもオーソドックスな対応といえそうである。一方でトップの枚数は薄くなるので、1stプレスの脇からはどうぞお好きに運んでください!という状況になる。

 シティは両サイドの大外にきっちり選手を配置。同サイドに大外の選択肢を置くことに加えて、さらに逆サイドの大外にも選手を置くことで相手の横幅をコンパクトに保つことを許さない。1トップ脇からボールを運ぶ以上、ホルダーにプレッシャーがかかりにくいのは仕様である。

 最近は5レーン云々といってもただレーンに立つだけの定点攻撃ではうまくいかないことが多い。他の選手との入れ替わりを頻発することが肝要。ギュンドアンやベルナルドの重要度が上がっているのはこのあたりだろう。カンセロほど3次元なパスを出せないジンチェンコは受け方で勝負しなければいけないはずである。この辺りの連携もスムーズになってきたため、ボール保持における安定感は増している印象だ。

 クリスタル・パレスはこのやり方以外になかったに違いない。ただ、3センターは過負荷。ビハインドを背負うとなると前に出ていかざるを得なくなることも踏まえると徐々に状況は悪くなっていった。1人でなんとかできるザハもいなければ苦しいのは仕方がない。

 ただ、セットプレーからの失点は多すぎる。ここまでいかれてしまうと撤退守備でなんとかしようというチームの設計がそもそも怪しい。個人個人のデュエルでやられるなら百歩譲って仕方ないのだけど、1失点目のような勝手にセットプレーが終わったかのようなポジション取りで自動的にシティに数的優位ができる!みたいなことはなくさないと、強豪相手に勝ち点を奪うハードルは一気に上がってしまう。

試合結果
マンチェスター・シティ 4-0 クリスタル・パレス
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:27′ 68′ ストーンズ, 56′ ギュンドアン, 88′ スターリング
主審:リー・メイソン

⑨アーセナル【11位】×ニューカッスル【15位】

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■あと一息を克服した新戦力

 先制点さえ取れれば楽な展開に持って行けそうだったアーセナル。緩慢なニューカッスルの前線のプレス隊を尻目に簡単に両サイドから前進。前節のクリスタル・パレス戦で課題だったビルドアップからの幅取りでニューカッスルを攻め立てる。

 押し込んだ状況でのアタッキングサードでのもう一味が足りない状況が続くアーセナルにとって救世主になったのはフレッシュな戦力たち。ロングカウンターに推進力を持たらすトーマスの存在はアーセナルにダイナミックさを与えた。

 3点目のアシストを決めたセドリックはビルドアップにおいても貢献。オーバーラップ時の攻撃の精度に難があるベジェリンに対してレギュラー争いの名乗りを上げた格好だ。

 ニューカッスルはまたしても無得点。これでリーグ戦は5試合で1得点のみに。キャロルやウィルソンへのロングボールを軸に反攻を試みるも、高さに強いアーセナル相手では得点の匂いはしなかった。ようやくトレーニング復帰との報が入ったサン=マクシマンの奮闘をやはり待たねばならないのだろうか。

試合結果
アーセナル 3-0 ニューカッスル
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:50′ 77′ オーバメヤン, 61′ サカ
主審: デビット・クーテ

   おしまいじゃ!!

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