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「Catch up Premier League」~Match week 12~ 2020.12.11-12.13

 さて今節も。

目次

①リーズ【14位】×ウェストハム【8位】

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■流れに乗れそうで乗れず

 立ち上がりの両チームの命運を分けたのはトランジッションの精度。先制点をゲットしたのはリーズ。切り替えの多い序盤戦において、リーズのCBのクーパーがボール奪取からCBの間をぱっくり割るスルーパスを披露。これをファビアンスキが引っかけてPKをゲットする。

 ウェストハムはこの試合で相当久しぶりの4バックを採用したが、4バックの距離感に慣れるまでの間に失点を喫してしまった。攻撃面においても1トップのアレとトップ下のベンラーマのコンビネーションは途上。ベンラーマはキープ力を見せる部分もあったが、総じて周りとの連携はまだ未整備。

 ただし、リーズもこの試合ではつなぎの局面でのミスが多い。ちょっとピッチが荒れ気味だったのでそこの影響はあったかも。アーセナル戦もピッチの悪さに苦労していたイメージがあるので環境が良くないとつなぎの局面でミスが出やすいのだろう。

 時間が経つにつれて、ウェストハムは相手にボールを持たせてのロングカウンターにシフト。とりあえずリーズに持たせて試合を落ち着かせてしまうというのは最近よく見るリーズ対策でもある。

 長いカウンターから相手を押し込む時間が増えていくウェストハム。1得点目と同じくセットプレーから追加点を取り逆転。セットプレーからの得点はすっかりウェストハムの得意分野。今季はサウサンプトンと同様に苦しい時のセットプレーの打開力がすさまじい。

 先制点を皮切りにリズムに乗れなかったリーズを尻目にウェストハムが得意分野に引き寄せて打開してしまったこの試合。先制点の殊勲のクーパーは決勝点の場面では競り合いに敗れるという浮き沈みの激しいパフォーマンスになってしまった。

試合結果
リーズ 1-2 ウェストハム
エランド・ロード
【得点者】
LEE:6′ クリヒ(PK)
WHM:25′ ソーチェク, 80′ オグボンナ
主審:マイケル・オリバー

②ウォルバーハンプトン【10位】×アストンビラ【12位】

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■終盤は荒れ模様、両軍退場者のウェスト・ミットランズダービー。

 4バックにした分、撤退守備の脆さが目立つウルブス。この試合でもアストンビラのサイドアタックに対して、序盤からやや後手を踏む場面が出てくる。特にアストンビラのストロングサイドである左を起点とした動きに対しては、ボールウォッチャーになる選手が多く、アーセナルファンの自分はアストンビラと対戦した時のアーセナルを思い出してしまった。

 ただ、アストンビラも崩しから先の攻め手が乏しくなっている感じ。この辺りは空いたところを見逃さずに正確に使えるバークリーの不在が効いている。さすがに単騎突破になるとグリーリッシュ以外はやや強引さが否めない。そうしているうちに攻撃を完結させられなくなってくるアストンビラ。

 そうなれば今度はウルブスが得意な土壌。ロングカウンターからダイレクトにエリア内を攻め落としにかかる機会が増える。アストンビラは早い攻撃を受けると弱いので、あまりこの状況は相性がよろしくない。前半の前半分はビラ、後ろ半分はウルブスのペースで進んだ試合だった。

 後半はだいぶ荒れ模様。小競り合いが徐々に増えてマイク・ディーンのカード乱発が目立つように。最終的には両チームとも1人ずつの退場者を出した。多分、モウチーニョはノリで退場させられた。ただし、決勝点につながるセメドが与えたPK判定は正確だった。前に入られて慌てて倒してしまうという典型的な遅れた対応だった。もったいない!途中出場のエル・ガジがこれを沈めて先に退場者を出したアストンビラが乱戦を制した。

試合結果
ウォルバーハンプトン 0-1 アストンビラ
ザ・ホーソンズ
【得点者】
AVL: 90+4′ エル・ガジ(PK)
主審:マイク・ディーン

③ニューカッスル【13位】×ウェストブロム【19位】

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■頼みの綱なしでも積極策に出るが

 前節の中止によって試合の間隔があいたニューカッスル。クラスター感染との報もあり、コンディション調整が難しかったことだろう。2週間ぶりに見たニューカッスルは直近よりもボール保持のこだわりが落ちたかつての姿に近いように見えた。もちろんこれは直近のメンバーやコンディションによるところも大きいはずなので、もう少し経過観察が必要である。

 一方、崩しのキーマンであるペレイラを前節一発退場で失ったウェストブロム。こちらもスタイルの踏襲は?と思ったのだが、ペレイラ不在でもしっかりとつなぐ5-2-1-2を継続する腹積もりのようだ。ボール保持の機会が多かったのはホームのウェストブロムの方であった。

 いつもに比べれば各駅停車なウェストブロムのボール保持だが、それでも大外WBの攻め上がりなどの幅を使った攻撃やインサイドハーフの攻め上がり等でPA内に厚みを持たせることには成功していた。4バックということもありニューカッスルは特に横幅を使った攻撃には苦労していた。実際に同点弾になったフーロンの攻め上がりもルイスの対応が遅れてしまったところから。このシーンはルイス個人の油断に見えるが、横幅を使った攻撃がニューカッスルに効いていたのは確かだった。

 ただ、ウェストブロムが保持を頑張るのはおそらくもう1つ理由があるはず。脆い守備陣を覆い隠すためと要素は大いにあるはずだろう。特に、スピード勝負を挑まれると最終ラインは脆い。ボール保持こそ重要度は下がったものの、カウンターのソリッドさは健在。ウィルソンとジョエリントンが旗手となるボール運びを止めるにはスピードとパワーが要求されるが、この日のウェストブロムにはそれがなかった。アルミロンが奪い取った先制点に加えて、最後はサイドのクロスを久々の出場になったゲイルが叩き込む。

 頼みの綱であるペレイラなしでも積極策に挑んだウェストブロム。しかし、オールドスタイルのニューカッスルを前にその目論見は外れた格好になってしまった。

試合結果
ニューカッスル 2-1 ウェストブロム
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:1′ アルミロン, 82′ ゲイル
WBA:50′ フーロン
主審:ダレン・イングランド

④マンチェスター・ユナイテッド【6位】×マンチェスター・シティ【7位】

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■ダービーが輝かせる『やればできる子』

 やっと終わったCLの激戦。GSの結果では明暗が分かれた両チーム。消耗が激しい両雄がいきなり因縁のダービーを戦うことになるのだから非常に忙しい。ダービーという舞台装置を使ってもなお、両チームのテンションが高い試合を見るのはコンディション的には難しかったかもしれない。

 それでもどちらかといえば、相手を意識した対策を組むことができていたのはユナイテッドの方か。中央の起点であるフェルナンジーニョとロドリをラッシュフォードとブルーノ・フェルナンデスでふさぐ。最終ラインからトップまでの縦の幅はコンパクトでシティの間受けを許さない。カンセロにはワン=ビサカが積極的に出てくるなど、縦への楔を潰す意識は強かった。

 ポグバはロシアW杯を見る限り、守備のタスクを与えてもできないことはない選手(テンションに大きく左右されるけど)。ダービーの舞台が効果を大きな最も与えたのはポグバだったかもしれない。

 それに比べるとややシティはエネルギーが乏しかった。ユナイテッドの間受け封じを受けて、デ・ブライネが本来受けたい位置で受けることはできず。天敵・ワン=ビサカが高い位置で出ていったこともあり、スターリングがリンデロフを引き付けるシーンは出てきていたが、スターリングはここで絶対的な違いを見せることはできず。

 シティらしくないのは、このリンデロフが出てきたスペースを活用することができないこと。今季の課題であるサイドアタッカーの単騎頼みになってしまう攻撃はダービーでも変わらずで、グアルディオラは年末年始でこの課題に向き合わなくてはいけないかもしれない。

 プレスも高い位置まで出ていくものの、CHの押し上げが乏しくここは起動力的に全体を押し上げるスペックがやや不足。決して手段が豊富ではないユナイテッドのビルドアップを封じることができなかった。

 とはいえ、ユナイテッドも決め手には欠ける。ポグバ、ブルーノ・フェルナンデスの長いパスは陣地回復には役立っていたものの、前線にタメを作ることができないので、直接ゴールを向かうパスが通らない限りチャンスにならない。試合のテンポが上がらなかったこともあり、そういうパスを通すチャンスもそんなに来なかったのはユナイテッドにとっては不運だった。

 共に決め手に欠いたダービー。内容的にはCLの舞台から姿を消したユナイテッドの方が明るい材料がありそうだったが。

試合結果
マンチェスター・ユナイテッド 0-0 マンチェスター・シティ
オールド・トラフォード
主審:クリス・カバナフ

⑤エバートン【9位】×チェルシー【3位】

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■欠点も欠場もプラスに転じるアンチェロッティの一手

 両SBの長期離脱に伴いエバートンは3-4-3を取り組み始めた。しかし、広範囲に動き回るCHを中心にスペース管理が成立せずに間を通されまくるという難点に直面、失点を重ねることになる。この試合ではその3-4-3を棚上げ。4-3-3にシフトする。

 配置だけではなくこの試合ではやり方を変えたアンチェロッティ。間を空けてしまうならということでマンマーク色を強めるスタンスでチェルシーのボール保持に対抗する。このやり方が非常に効いた。ボール保持の際のチェルシーの難点はインサイドハーフより前の選手の崩しにおける役割がぼやけやすいこと。ジルーとインサイドハーフの連携は十分なのだが、ジエフ不在のWGの両雄が内外ともにふわふわしていること。

 降りるマウントやコバチッチにもアンカーのカンテにも影のようにまとわりつくエバートンを前にチェルシーはサイドに迂回するしかなかった。そうなるとチェルシーの攻め手はSBのオーバーラップが必須となる。エバートンの攻撃の狙いはまさにここ。SB裏のスペースを活用し、イウォビのキープ力で味方を押し上げてリシャルリソンの突破で仕上げる。オフサイドで取り消しされたPK獲得シーンもチルウェルのオーバーラップしたところからである。

 キャルバート=ルーウィンへのロングボールも十分に効くのもチェルシーにとっては厄介。競り合いをフィフティーに持っていったキャルバート=ルーウィンへの対応に慌てたメンディはやや軽率なPKを献上してしまった。

 長いシンプルなボールと直線的な攻撃を活かした形ならば、大きな展開に必要なハメスの欠場も、オーバーラップのタイミングが絶妙なSBの不在も覆い隠せる。むしろ、運動量勝負になるこのやり方においてはハメスの不在もプラスに転じることができている。

 スペースを管理できないからこそ、そしてスターが不在だからこそのアンチェロッティの一手。パワープレー体制の2トップにしてなおアタッキングサードの攻めの手段がハッキリしなかったチェルシーよりもこの日は一枚上をいっていた。

試合結果
エバートン 1-0 チェルシー
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:22′ シグルズソン(PK)
主審:ジョナサン・モス

⑥サウサンプトン【5位】×シェフィールド・ユナイテッド【20位】

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■確固たる差。聖者たちは次のステップへ?

 開始15分そこそこで両チームの間にはかなりの出来の差が見えたし、この試合は一方的な展開になるかもしれないという予感があった。優位に立っていたのはセインツ。プレスに行けずにミドルゾーンに構えるブレイズを尻目にゲームを支配する。ボールホルダーにプレッシャーがかかっておらず、最終ラインは裏にスペースを残す。となると、セインツは当然裏を積極的に狙っていく。

 FWの2枚だけでなくウォルコットも当然最終ラインとの駆け引きを始めるように。DFラインの統率は正直取れていないブレイズはこの裏抜けにひたすら苦労し続けてしまう。確かにバックラインを下げて待ち受ける構えでも、CKからのセットプレーの恐怖は常に付きまとう。サウサンプトン相手には受け切れないという判断なのかもしれない。失点シーンを見れば「それは確かにそうだね」と納得してしまうのが切ないところ。

 セインツはカウンター良し、押し込んで良しとこの試合ではブレイズを圧倒。いい時間帯はあっても、1つ石に躓いてしまえば、あれよあれよと流れを手放してしまうのがハーゼンヒュットルのセインツの特徴であったが、この試合ではその顔とは無縁。一回り成熟して大人になった感のあるチームは相手が不調のブレイズだからこそだろうか。次節のアーセナルも絶不調。エミレーツも平定して成長の証明はできるだろうか。

試合結果
サウサンプトン 3-0 シェフィールド・ユナイテッド
セント・メリーズ・パーク
【得点者】
SOU:34′ アダムス, 62′ アームストロング, 83′ レドモンド
主審:アンディ・マドレー

⑦クリスタル・パレス【11位】×トッテナム【1位】

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■今日は『当たり!』の4-4-2

 ノースロンドンダービーでふがいないライバルを叩きのめしたトッテナム、1人少ないウェストブロムを完膚なきまでにボコボコにしたクリスタル・パレス。共に前節快勝をキメたチームのロンドンダービーとなる。

 試合はそんな絶好調同士のチームのイケイケの試合!というわけではなく、なかなかに堅い立ち上がりで始まった。クリスタル・パレスのこの日のCHはマッカーサーとミリボイェビッチ。硬質なキャラクターの両者を軸としてクリスタル・パレスはコンパクトな4-4-2を敷く。日によって完成度がまちまちなことがあるクリスタル・パレスのブロックだが、この日は当たりの日といっていいだろう。

 スパーズは強固な4-4-2を前にケインとエンドンベレで中央に起点が作れずにハードモード。もちろん、ソンで裏も狙うのだが、ゴールを陥れるまではいかなかった。遅攻でより重要な役割を担うのはSB。速攻で大体の攻撃を完結させていたここ数試合と比べてとりわけレギロンは出番が格段に増えた。が、決定的な仕事をするには至らず。

 そうなるとスパーズは遠くから一発を狙わないといけない。それが出来るのが今のスパーズの好調さ。ケインが無回転でグアイタの裏をかくシュート。バウンドも含めて、グアイタは相当処理しずらかったと思う。

 後半は互いにトーンダウンしてまったりとした展開が続く。ビハインドのクリスタル・パレスはCHをよりビルドアップの貢献度が高いリーデヴァルドにチェンジ。前半と異なる味で勝負に出る。

 トッテナムが苦しんだのはファウルトラブルである。退場の恐れはなかったものの、ザハをクリーンに止められないことで危険な位置でのFKがかさばりクリスタル・パレスにチャンスを与える。そしてそのうちの一本が同点につながることに。エゼのクロスから最後に押し込んだのは縁の下の力持ちのシュラップ。

 終盤はトッテナムが攻めに転じるが、先制点のリベンジに燃えるグアイタが立ちはだかる。マン・オブ・ザ・ウィークでもいいくらいのパフォーマンスでトッテナムのチャンスをすべて無効化し、パレスに勝ち点1をもたらした。

試合結果
クリスタル・パレス 1-1 トッテナム
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:81′ シュラップ
TOT:27′ ケイン 
主審:ケビン・フレンド

⑧フルハム【17位】×リバプール【2位】

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■『驚き』ではなく『妥当さ』で王者からポイント奪取

 レスター相手には高い位置でのブロックを組んでのショートカウンターで撃退したものの、シティ相手にはそれが通用しなかったフルハム。押し込まれてしまうと苦しい状況になるのは明らかなのでミドルブロックということだろう。

 リバプールを相手にしてもスタンスは同じ。むしろ、4-4-2気味のブロックで受ける立ち上がりは前節の失敗があってなお強気の姿勢が見て取れた。受けに回ってしんどそうだったのはむしろリバプールの方。最終ラインのコントロールがしっちゃかめっちゃかで、フルハムには何度も最終ラインの裏を使われてしまっていた。

 したがってフルハムの先制点は必然。チャンスを作る機会もフルハムの方が多く、この試合の展開だけ見れば彼らが先制することは不思議ではなかった。

 ハーフタイムに負傷したマティプを南野に交代するといよいよ本職CBが不在になったリバプールが前に出てくる。ビハインドに受け切れない状況とくれば前に出ていくしかないだろう。間には南野とフィルミーノ、ワイドにはSBとケアすべきところが増えたフルハムは徐々にプレス隊のラインを下げて後ろに重心をかけていく。

 フルハムはエリア内専制守備モードになる時間があまりにも早かった。30分間も引きこもって耐えるほど彼らは強固なチームではない。そして引きながらもズルの一手で追加点を取れるチームでもない。アレオラがセービングでチームを救うのも限界。とはいえ、彼らの時間帯で得点を奪っていたこともあり、フルハムは王者相手に勝ち点ゲットに成功。苦しい戦いが続くシーズンだが、ひとまずクレイブン・コテージに集ったファンの溜飲が下がった戦いになった。

試合結果
フルハム 1-1 リバプール
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:25′ コルドバ=リード
LIV:79′ サラー(PK)
主審:アンドレ・マリナー

⑨アーセナル【15位】×バーンリー【18位】

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■『失敗』より気になる『回避』

 確かにノースロンドンダービーに比べれば、チャンスはあったかもしれない。ただ、おそらくそれは好調で首位のトッテナムから降格圏のバーンリーに変わった要因が大きいだろう。根本的な課題である、中央を使えずに同サイドでの攻撃に固執してクロスを跳ね返されるという流れは大きくは変わらなかった。

 CHは中央から逃げていっているため、中央での寄与はなし。トーマスのようにアドリブで中央を切り拓く動きもないので、低い位置での中央で受ける動きが効く頻度は相変わらず少なかった。

 問題は成功率の低さというよりも中央に挑む姿勢のなさだ。トッテナム相手に中央を避けてサイドから深い位置まで押し込んで、カウンター対策にする(それでもやられたが)というのは理屈ではわからなくはない。ただ、今節の相手はバーンリー。彼らをナメているわけではないが、チームをいい流れに乗せたいこのタイミングでバーンリーを相手にしても相変わらず中央に積極的にボールを入れていかない姿勢ならば、どの相手にも怖気づいているかそもそもそのパスを入れることを重要視していないかのどちらかだろう。

 サイドが出口になることが分かっていたとしても中央での起点のあるなしではそのあとの攻略の難易度は段違いであるはず。繰り返しになるが、失敗するというよりもそもそもその姿勢が見られないことがアーセナルファンとしては不安である。

    ジャカの退場が全てを台無しにしたかどうかはわからない。彼がいたら間違いなくこじ開けられたと胸を張れるほど今のチームに自信はない。それはそれとしてぺぺの出場停止処分が明ける前に、またしても試合中の愚かな行為で退場者が出るとは空いた口が塞がらない。喉元過ぎればどころか、まだ飲み込む前だというのに。それも、デビューしたての若手ではなくアームバンドを巻く格の選手が。本当に情けない。

 『アルテタは理想が高すぎるのでは?』という指摘もあるが、自分には今のアーセナルは全く異なるところを目指しているかのように見える。ノースロンドンダービーを「選手たちは私の要求したことをすべてやった」と評したアルテタの言葉はチームを軟着陸させるクッション的な発言かと思っていた。が、バーンリー戦を見る限り先の言葉は本心かもしれない。そして、その理想を追ったとて今のチームのブレーキを動かす力にならない。この試合で分かったことはそんなところだろうか。

試合結果
アーセナル 0-1 バーンリー
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
BUR:73′ OG
主審:グラハム・スコット

⑩レスター【4位】×ブライトン【16位】

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■やむを得ないではどうしようもない

 今季5バックを主体で戦ってきたブライトンだが、この試合では4バックを選択。おそらく、これはランプティという5バックのキーマンが不在ということによるやむを得ない事情によるものだと推察する。

 試合を紐解いてみるとやはりブライトンの大外の選手不在が大きかった。レスターの両WBであるオルブライトンとジャスティンが余るので、レスターの攻撃の起点はここから。最終ラインを押し下げるムーブでバイタルに隙を作るとマディソンのミドルで仕留める。

 ブライトンはCBタイプの選手を4枚並べていることもあり、サイドのスピード不足が顕著。少しラインを上げると、裏抜け勝負で後手に回ってしまい、追加点はそこから奪われることに。前半のうちに決定的な3点目を奪ったレスターが試合を一気に決めてしまった。

 ブライトン側もカウンターからのラインブレイクなど全くチャンスがなかったわけではない。ウェルベックとモペイ、マーチのコンビネーションはこの日も見事だった。しかし、シュートを決める力が高くない彼らにとってはレスターよりも限られた機会でチャンスを決めることができなかった。

 構造的に殴られると持ち味の攻撃機会の多さの部分はどうしても出せない。ブライトンのやむを得ない状況でのシフトチェンジはレスターには通用しなかったようだ。

試合結果
レスター 3-0 ブライトン
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:27′ 44′ マディソン, 41′ ヴァーディ
主審:マーティン・アトキンソン

   おしまいじゃ!!

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