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「強度を上げて楽をする」~2024.9.28 プレミアリーグ 第6節 アーセナル×レスター プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第6節
2024.9.28
アーセナル(4位/3勝2分0敗/勝ち点11/得点8 失点3)
×
レスター(15位/0勝3分2敗/勝ち点3/得点6 失点8)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去の10回の対戦でアーセナルの6勝、レスターの3勝、引き分けが1つ。

アーセナルホームでの戦績

 直近10回の対戦でアーセナルの8勝、レスターの1勝、引き分けが1つ。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • アーセナルは直近34試合のプレミアでのレスター戦で21勝(D8,L5)
  • 直近の対戦である22-23ではアーセナルがホームで4-2、アウェイで1-0でダブルを達成。いずれの試合もガブリエル・マルティネッリが得点を挙げている。
  • 2020年のジェイミー・ヴァーディのゴールで勝利したエミレーツでの試合以降、レスターはアーセナル戦で5連敗中。
  • 2020年のエミレーツでの勝利はレスターにとって、直近の公式戦30試合で唯一のアウェイでのアーセナル戦の勝利。

スカッド情報

Arsenal
  • 筋肉の問題を抱えているダビド・ラヤは状況を今後注視する。
  • マルティン・ウーデゴール、ミケル・メリーノは欠場。
Leicester
  • 足首の負傷をしているヤニク・ヴェスターゴーアは欠場。長期離脱中のパトソン・ダカも欠場。

Match facts from BBC sport

Arsenal
  • 今季のリーグ戦は5戦3勝。勝てなかったブライトンとマンチェスター・シティの2試合はいずれもリードしている状況での退場者からポイントを落とす展開。
  • 昇格組との直近17試合の対戦で16勝。この間のAGGは25-4。唯一の敗戦は2023年5月に0-1で敗れたフォレスト戦。
  • カイ・ハヴァーツがゴールを決めれば19-20のピエール=エメリク・オーバメヤン以降、アーセナルで初めて開幕3試合のホームゲームで得点した選手となる。
  • ガブリエウ・マガリャンイスは直近2試合の得点を含め、プレミアで16得点。加入した2020年以降のリーグ戦で11得点のクヌト・ズマを上回り、最もリーグで得点を挙げているDF。
  • ガブリエル・ジェズスは8試合のレスター戦の出場で7得点を挙げている。
Leicester
  • プレミアにおいて開幕5試合のリーグ戦で勝利がなかったのは3回目。過去2回の94-95と22-23はいずれも降格している。
  • トップリーグにおける直近28試合のクリーンシートは2023年5月のニューカッスル戦の1試合だけ。
  • 直近21試合のプレミアにおけるロンドンのゲームのうち、20試合で得点を挙げている。しかし、唯一の例外は2022年5月に2-0で敗れたエミレーツ。
  • スティーブ・クーパーは直近18試合のリーグ戦で1勝しかしておらず、アウェイでの30試合においても2勝のみ(D8,L20)
  • ジェイミー・ヴァーディはプレミアでのアーセナル戦で11得点を挙げており、最も多くのゴールを決めている相手。アーセナル目線でもこれより多く得点を決めている選手はハリー・ケイン(14)とウェイン・ルーニー(11)だけ。
  • ステフィー・マヴィディディはクラブ史上初めて先発した初め3試合のプレミアリーグで得点を決める選手になる可能性。2試合連続は1995年のマーク・ロビンスに次いで2人目。

予習

第3節 アストンビラ戦

第4節 クリスタル・パレス戦

第5節 エバートン戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

保持型の収支はまだ整っていない

 非常にハードな開幕5戦をなんとか無敗で凌ぎ切ったアーセナル。ここからは昇格組とのホームでの連戦に挑むことになる。今季初めての昇格組としての対戦相手となるのはレスターである。

 アーセナルファンからするとヴァーディを生かしたロングカウンターのイメージが強いかもしれないが、今季のレスターはショートパスからの組み立てが中心となるチーム。自陣から2-3-5、もしくは3-2-5の陣形を組むことで相手のプレスを外しながら前にボールを進めて行くのが理想。ヴァーディの裏抜けは主役というよりはアクセントとして攻撃を際立たせる隠し味くらいの頻度でしか登場しない。それでもゴールを決めているのはさすがではあるが。

 自陣でのショートパスの安定感は怪しいものがある。パスの強弱が適切ではなく、ややポゼッションは時限爆弾気味。特に相手からのプレスが強くなった際にはなかなか思うようにボールを進めることができない。

 よって、前に時間を送るような後方のボール保持になることは稀である。そうした中で開幕直後に存在感を見せたのはブオナノッテ。ブライトンから借り受けた有望株は背負った状態からの強引な反転でボールを前に進めることができるパワーを持っている。

 だが、そのブオナノッテはなぜか序列を落としてしまっている。理由は不明だが、考えられるとしたらプレッシングを重視するということなのだろう。ンディディを登用するという方向性を見た上での結果論だが。

 守備を意識したくなる気持ちはわからなくはない。レスターのボールの失い方はいいとは言えないし、即時奪回に成功しなかった場合はカウンターから一気に崩壊するような守備の局面を迎えることもある。それを防ぐためにも高い位置から即時奪回ができるようなキャラクターの選手をトップ下で使いたいのかもしれない。

 保持時にはインサイドへの絞りや高い位置へのオーバーラップ等SBが大きく移動するため、保持でロストした際のCBのカバー範囲は必然的に広い。そのために引き起こされるエラーもかなりある印象だ。セットプレーでの守備も含めてGKのハーマンセンが声を張り上げて味方を叱責するシーンはかなり頻繁に見る。

 ここまでのシーズンはチームの志向する保持からボールを動かして行くというスタイルが終始とマッチしない印象。攻め切るという観点でも、そこからひっくり返されて守備で危険な局面を迎えるという観点でも収支を合わせることができていないというのがレスターのここまでである。

ここからの3試合を見据えた展開に持ち込めるのが理想

 カラバオカップのボルトン戦では若手の登用、序列が上がっていないシニア選手のプレータイム確保、そして主力のプレータイムの軽減。結果を含めて完璧なミッドウィークを過ごすことができた。

 その一方でスカッド事情は苦しくなる一方。欠場選手の復帰はもう少し待たなくてはいけないしラヤ、ホワイト、ティンバーの状態も危ぶまれている。ここからのホーム連戦は出れるメンバーにはフル稼働してもらう必要があるだろう。

 そのため、レスター戦では勝利も当然のことならば、理想としては負荷が少ない90分を過ごすことが二次的な目標になる。早い時間で得点を重ね、終盤は強度の低い展開を過ごすことができれば、パリ戦に向けたプレータイム管理も可能になるだろう。

 矛盾しているようだが、レスター戦を強度の低い展開にするためにはキレのいいトランジッションで序盤から圧倒するのが最善策のように思える。前から枚数を合わせるプレスを仕掛ければ、ロングボールを蹴られたしてもガブリエウとサリバに託すことでなんとかなるはず。シティ戦では収支が合わなかった前からのプレッシングだが、あのチームは例外。前から出て行くことでペースを握る成功体験をこの試合ではものにしたい。

 ボールを奪った後のポジティブトランジッションにおけるポイントはSBの裏を取るアクションである。先に挙げたように攻撃時にはレスターのSBはかなり自由に動き回る。トップの選手はサイドの裏を取ることでレスターのCBを動かすことはできるだろう。外に開くCFに合わせるようにWGやIHにはボックスに侵入していきたい。レスターのCB、特にファエスはマークの優先度をつけるのが苦手なため、外へのマークには釣られる可能性は十分にある。

 トランジッションの初手でサイドの裏を突くことで、相手の守備の基準をバグらせる。これが攻撃の方向性として真っ先に狙いたい部分である。

 定点攻撃においてはサイドのユニットの構築を進めたい。押し込む機会が少なかったシティ戦や下部カテゴリーのボルトン戦では測れなかった部分はあるだろう。左サイドではカラフィオーリを組み込んだ攻撃パターンが期待できる。

 右サイドではウーデゴールだけではなくホワイトを失うシチュエーションも想定される。できれば三人称の攻撃で坂を中心に外と中の両面でのルートを開拓する新ユニットの連携がみたい。

 プレス、ポジトラ、そしてサイド攻撃を成立させるオフザボール。序盤で強度を上げることで90分を通じた時に楽ができる試合ができるような結果が理想。仮にここで苦戦を強いられれば、CLのパリ戦にも影響が及ぶことになる。レスター戦はここからの3試合を占う重要なリーグ戦になるだろう。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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