レスター、24-25シーズンの歩み。
第1節 トッテナム戦(H)
帰還を果たしたヴァーディの一撃で昇格組唯一の勝ち点確保
首位でチャンピオンシップを制し、プレミアへの1年復帰を果たすというミッションをコンプリートしたレスター。ポステコグルー政権2年目を迎えるトッテナムをホームに迎えて残留という新たなミッションに挑むシーズンが始まる。
ボールを持つのはトッテナム。2-3-5の形からポゼッションし、4-4-2で構えるレスターを押し込んでいく。3センターは2CHに加えて左のIHにウドジェが入るのが基本線ではあるが、マディソンにスイッチすることも。この辺りは流動性を持たせる形になっていた。
この左のIHがレスターの2トップの脇に立つことでトッテナムは攻撃の入り口を作れていた感があった。そういう意味ではむしろ、ここに入るのはウドジェよりもマディソンの方がしっくりくる。ここから同サイドを崩し切る、もしくは逆サイドに大きく展開することで攻撃のスイッチを入れていく。
ミドルゾーンからアタッキングサードに侵入するフェーズはとても良く整っていたトッテナムだが、仕上げの部分が心許ない。左の抜け出しではソンの精度がイマイチ。外すアクションはできているのだが、左足での折り返しが単調だったり、ダイレクトプレーのパスが繋がらなかったりなど、物足りなさが先行する。
マディソンのサイドチェンジを引き取った右サイドもクルゼフスキがいないこともあり、そこからボックス内に有効なクロスを入れることができなかった。そうした中で得たシュートのチャンスもことごとくハーマンセンの正面。チャンスを生かせない。
レスターは自陣深くまで下げられてしまうので前進はとても苦しい。右に流れたブオナノッテが根性で時間を作りにいくが、とてもゴールに近づけるまで持っていけるシーンはなし。陣地回復すら困難という感じであった。
しかしながら、トッテナムが攻めながらもリズムを崩す時間帯に突入したため、ここからどう転ぶかが非常に大事な25分過ぎ。スコアを動かしたのはトッテナム。お馴染みの2トップ脇を起点としたマディソンからボックスにクロス。ソランケで固定されたバックラインに遅れて突撃するという巧みさを見せたポロがトッテナムに今季初のゴールをもたらす。
レスターはプレスを強め、少しずつ高い位置からボールを奪えるように。しかしながら、奪った後のプレーの精度がついてこず。シュートはリードのロングシュート1つのみで前半を終えることとなった。
後半もボールを持つのはトッテナム。右サイドにマディソンが顔を出すなど、味を変えながら敵陣に迫っていく。押し込むことはできていた立ち上がりのトッテナムだがボックス内での急ぎすぎな選択が目立ち、レスターのシュートブロックにかかる場面もあった。
レスターも前プレスから少しずつ店舗を掴めるように。すると、早々に成功体験をゲット。一本道での苦しいカウンターになることが多かったが、左サイドにエンディディとクリスチャンセンが粘りを見せてクロスを入れると、最後は逆サイドからのクロスにフリーのヴァーディがゴール。試合を振り出しに戻す。
このゴールを機に前に出ていくレスター。エンディディが前プレに連動して圧力を高めると、トッテナムがこれに屈して自陣でのパスミスが増えるように。レスターはここから一気にチャンスを増やしゴールに迫っていくように。トッテナムはひっくり返せば敵陣に一気に侵入できるが、トッテナム一色という前半のムードとは明らかに違う展開になった。
ベンタンクールの負傷、そして両チーム合わせて6枚の交代で試合は80分を前にリセット。ベリヴァルが左右に流れながらボールに触り、トッテナムにリズムをもたらしたかのように見えたが、下手なロストからの大ピンチでヴィカーリオのお説教を招くと、レスターもチャンスを作れるように。
前半と異なり、終盤のもつれた展開でスコアを引き戻したレスターが引き分けをもぎ取ることに成功。昇格組の中で唯一開幕戦で勝ち点を取ることとなった。
ひとこと
前半に複数リードを取れなかったトッテナム。時間が立つにつれて落ち着いて対応するレスターのバックスが印象的だった。
試合結果
2024.8.19
プレミアリーグ 第1節
レスター 1-1 トッテナム
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:57′ ヴァーディ
TOT:29‘ ポロ
主審:クリス・カバナフ
第2節 フラム戦(A)
赤いロンドンからの贈り物が今季初勝利をもたらす
パリーニャの売却資金を堅実なセンターラインの補強に回し、移籍市場ではかなり存在感を見せているフラム。ベルゲ、アンデルセンなどこの試合には間に合わなかったが、新しいユニット構築が楽しみになるマーケットを過ごしている。
ゆったりとボールを持ちたいフラムに対して、レスターは前からのチェイシングでスタート。しかしながら、GKとCBで後方の幅を取るビルドアップを行っていたフラムは冷静にこれを回避。レスターのプレス隊に高い位置からボールを奪うことを諦めさせて、サイドから押し込んでいく。
どちらかといえば、左サイドに偏りを見せた攻撃だったといえるだろう。アンカーのルキッチが後方で支援し、ロビンソン、スミス・ロウ、イウォビの3枚がトライアングルから抜け出してのクロスを狙っていく。
押し込まれることとなったレスターはやはり今日もブオナノッテが頼みの綱。中央で相手を背負いながらボールを受けて反転しながらゴールに迫っていく。
だが、対照的にSHのプレーの粗さは目に付いた。雑なプレー選択からあっさりとボールを失うことでブオナノッテの努力を水の泡にしている感があった。
自陣からのポゼッションも3-2-5に変形し、フラムに対して悪いかみ合わせを誘発する。しかし、ボールを手早く動かすことができず、同サイドに圧縮したフラムにあっさりと押しつぶされてしまうこととなる。
先制点は試合の流れに沿って生まれる。ムニスのボールキープからトラオレがピッチの横断に成功すると、左サイドから攻撃を完結させたのはスミス・ロウ。近年の不振からようやく一歩を踏み出すことができたゴールでホームの観客へのあいさつに成功する。
その後もフラムのポゼッションの術中にハマるなど苦しいレスターであったが、ファタウの陣地回復からもぎ取ったセットプレーをファエスがヘディングで叩き込む。これで何とか前半の内に試合を振り出しに戻すことに成功した。
しかしながら、迎えた後半も苦しいレスターの景色は変わらない。反撃に意気込むフラムはWGがガンガンスイッチを入れる高い位置からのプレスでレスターを追い込み、自陣からの脱出を許さない。前半に先制点の起点となったトラオレはハイプレスからもひっかけて決定機を生みだすなどとても生き生きしていた。
ボールをつなげないレスターはプレスでスイッチを入れたいが、出て行ったところをひっくり返されて失点。ロビンソン→イウォビの左サイドのコンビであっさりとレスターのゴールを陥れる。
以降もレスターのプレスは空転。終盤の選手交代でようやく推進力が生まれ、セットプレーからチャンスを作るが、これも仕留めることができず。終始優勢に試合を進めたフラムが順調に勝ち点を重ねた。
ひとこと
元アーセナルの選手が活躍して勝つのを見るのはとても気分がいいね。
試合結果
2024.8.24
プレミアリーグ 第2節
フラム 2-1 レスター
クレイヴン・コテージ
【得点者】
FUL:18’ スミス・ロウ, 70‘ イウォビ
LEI:38’ ファエス
主審:ダレン・ボンド
第3節 アストンビラ戦(H)
狙い通りのセットプレーで逃げ切り成功
レスターは好調だったトップ下のブオナノッテを外すMFの構成で挑む。おそらくは守備を意識したものだと考えられるが、それでも早々にCBの間をワトキンスに打ち破られるなど幸先のいいスタートとは言えなかった。
一方のビラも中央封鎖には後手に回るように。オナナが警告を受けるなどこちらも順調とは言えないスタートだった。ともに保持には3-2-5に変形するチームが4-4-2を相手にとって動かすという流れは基本的には保持側が優勢だった。
そうした中で試合を動かしたのはセットプレー。FKからのデザインされたニアへの走り込みから最後はオナナがゴールを決める。明らかにビラはニアに走り込む準備はしており、ウィンクスは再三対応を確認していたのだが、トーレスにスクリーンを決められてしまい、あっさりと走り込みを許してしまったのが切ない。ハーマンセンにバチくそ怒られていた。
相手を保持から動かすという手段に関してはビラの方が基本的には上だったように思える。レスターは外から押し下げるための手段が欠如していたし、失点後にハイプレスに出ていくレスターへの対応も落ち着いていた。先制点の場面に引き続き、ライン間のラムジーは引き続き猛威を振るっていた。
後半は主導権を握ったのはレスター。ボールを持って押し込むところから試合を支配していく。前半は刺さらなかったハイプレスも後半の頭はかなり刺さるように。覚悟を持ったプレスに対して、ビラはかなりバタバタする入りとなった。
流れが変わったのはバークリーの投入だろう。いそうでいない司令塔タイプのCHを投入することで幅広く動かしながらレスターのプレスを回避することに成功。左サイドからの仕掛けでデュランがゴールを決めてリードを広げる。開幕戦のゴールにそっくりの形からまたしてもデュランが決めて見せた。
苦しんでいたレスターはこちらも交代で入ったブオナノッテが豪快なシュートを突き刺す。これで1点差まで強めることに成功した。
しかしながら、反撃もここまで。交代選手が攻撃を活性化した後半だったが、前半のセットプレーでのリードを守り切ったアストンビラが勝利を挙げた。
ひとこと
セットプレー対応、わかっていてもやられてしまうのはなかなかに切ない。
試合結果
2024.8.31
プレミアリーグ 第3節
レスター 1-2 アストンビラ
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:73′ ブオナノッテ
AVL:28′ オナナ, 63′ デュラン
主審:デビッド・クート
第4節 クリスタル・パレス戦(A)
交代策が実って薄氷のドロー
今季ここまで勝ちがない両チーム。特にホームのパレスは期待が大きいシーズンだっただけに早く初勝利を手にしたいところである。
ボールを持つのはレスター。パレスはマテタが中盤をケアするなど、バックスには無理にプレスにいかないスタートとなった。レスターは左サイドのコンビネーションからサイドの奥を取りに行く。奪われるとすぐにハイプレスでボールを奪い返しにいくなど、立ち上がりはかなり積極的な姿勢が見えた。
序盤の流れが落ち着くとレスターも4-2-3-1のブロックを組み、ヴァーディを前残しすることでパレスとレスターはそれぞれ交互に保持から解決策を探る流れに。パレスの保持で少し気になったのはウォートン。中央で浮く機会が瞬間的に訪れるのだが、なかなかその機会に効果的な配球を見せることができない。周りとの連携の話もあるので、彼だけの責任ではないかもしれないけども。
流れの中から迎えた決定機は両チームに訪れたが、これを決めるか決めないかで明暗はくっきり。左サイドを壊したパレスは逆サイドに余ったムニョスが決定機を迎えるが、ファエスが体を張ってのセーブ。ゴールを許さない。
すると直後に中盤でのボール奪取からエンディディのラストパスを受けたヴァーディが裏抜けから先制。職人芸と言える一撃で試合を動かす。
先制点以降はパレスの方がややボールを持つ機会が多くなる。大外のWBを生かしつつニアの裏抜け、そして逆の大外など広く使いながらチャンスを狙っていくが、ネットを揺らせないままハーフタイムを迎える。
後半は立ち上がりにスコアが動く展開。先にゴールを奪ったのはマヴィディディ。クリアし損ねたところを仕留めて中押しのゴールを決める。
だが、すぐにパレスもやり返し。左サイドから精度抜群のクロスを入れたミッチェルに応えたマテタがネットを揺らして後半早々の失点を帳消しにする。
1ゴールずつを分け合った両チームは再びフラットな展開に。ボールを持ちながら解決策を探るのが多かったのはパレスなので前半の終盤の流れに戻ったといってもいいだろう。後半頭に入ったヒューズは左右に散らす展開力で存在感を発揮。レスターを押し下げることに貢献する。
押し切りたいパレスは鎌田の投入から4-4-2にシフト。一方のレスターはコーディを組み込んでの5バックで逃げ切り態勢を構築する。
方向性は打ち出された展開で成果を得たのはパレス。鎌田のスルーパスを収めたエンケティアの落としにサールが入り込んでPKを獲得。PKを与えてしまったのがコーディというのはなかなかに切ないところである。
土壇場のPKで追いついたパレス。レスターはすんでのところで今季初勝利を逃してしまうこととなった。
ひとこと
パレス、勝ち点を取れたことは良かったけども、昨季の良かった時期のフォームに全く戻ってこれない感じが気になるところ。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
クリスタル・パレス 2-2 レスター
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:47′ 90+2′(PK) マテタ
LEI:21′ ヴァーディ, 46′ マヴィディディ
主審:トニー・ハリントン
第5節 エバートン戦(H)
沼生活は終わらない
ここまで未勝利が続いている両軍の一戦。勝った方が未勝利沼から抜け出すことができるし、負ければ相手を勢いづかせることに繋がってしまうという重要な試合だ。
序盤からボールを動かす立場になったのはホームのレスター。3-2-5もしくは2-3-5と後方の陣形を変えながら、エバートンの4-4-2のブロックに向かっていく。陣形自体はズレも作れているし、そこまで悪くはないのだけども、いかんせんショートパスの強さの加減がバグっており、受け手のコントロールが乱れることもしばしば。狙ったようにズレを使える展開ではなかったのが悔やまれる。
それでもインサイドにパスを差し込むことが出来れば、そこから左右にボールを動かすことが出来るレスター。真ん中のポイント作りが深さの伴った前進の可否に関わってくる。
一方のエバートンはシンプルにサイドの裏から反撃。インサイドに絞ったり、あるいは高い位置を取ったりなど、持ち場を離れることの多いレスターのSBの背後を主にマクニールが使うところから少ない手数で陣地回復。敵陣に入ってブロック守備を組まれたら左右のサイドから旋回で攻撃に打って出る。
先制したのはエバートン。左サイドの攻撃が有効打に斜めに入り込んだエンジアイを捕まえることが出来ず、レスターはヤングのスルーパスを通すことを許してしまう。このまま、エンジアイが先制ゴールをゲット。レスターはあっさり入れ替わられたジャスティンとあっさりインサイドを捨てたファエスの連携が致命傷となった。
30分以降は雨が強まり、試合はシンプルな手数で前進をすることが出来るエバートンペースに。レスターは失点前後から少しずつ苦しい展開に追い込まれていく。
後半もレスターはボールを動かしていくスタート。後半開始を遅らせた判断にも関わらず、雨は結構降っている様子だったが、前半よりは動かせているのを見るといくばくかはましだったのかもしれない。
レスターは左サイドからマヴィディディを軸に旋回を仕掛けていく立ち上がりに。この辺りは前半のエバートンのゴールをリスペクトしているかのような似ている崩し。エバートンもこれに対抗するようにサイドからボールを動かしながら、ズレを作りに行く。
後半の中盤は互角に組みあい、攻撃の機会は均等に与えられていたが、どちらもゴールにたどり着くことはできず。試合はゴールチャンスのない膠着した展開になる。
リードしているエバートンとしてはうってつけの展開ではあったが、終盤のセットプレーでレスターは追いつくことに成功する。何とか巻き返したいエバートンだが、前節以前と同じ追いつかれる展開に意気消沈気味。終盤のレスターも精度が足りず、押し込む状況で勝ち越しゴールを決めることはできなかった。
未勝利対決は勝者不在。両チームの沼生活はまだまだ続くこととなる。
ひとこと
エバートン、らしくない勝ち点の落とし方が続いており心配。毎試合リードは取れているのだけども
試合結果
2024.9.21
プレミアリーグ 第5節
レスター 1-1 エバートン
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:73′ マヴィディディ
EVE:12′ エンジアイ
主審:ダレン・イングランド
第6節 アーセナル戦(A)
間に合った決勝弾
レビューはこちら。
激戦を終えた開幕5試合に別れを告げて、アーセナルはここから昇格組とのホームでの連戦がスタート。まずはレスターとのホームゲームに挑む。
レスターはアーセナルにボールを持たせてOKというスタンス。4-4-2でトップの守備の基準点を中盤に置くことでミドルゾーンに構えながら勝負をかけるという形だった。
アーセナルはサイドから敵陣攻略を狙う流れ。大外のWGにはダブルチームに行く決まりがあったこの日のレスターに対して、アーセナルは両方のSBを高い位置にサポートに回すことで対抗。右のサカにはティンバーが追い越しや手前のサポート役として顔を覗かせていたし、左ではカラフィオーリがマルティネッリのサポートに加えて、中盤での組み立てにも参加。多彩な役割を果たしながら攻撃のメカニズムを回す。
後方ではサリバのデュエルでヴァーディを潰すことで反撃の芽を摘み取る。奪ったあとは素早く縦につけることで攻撃の起点として活用していた。ここのボール奪取からアーセナルは先制。素早いティンバーのオーバーラップからの折り返しをマルティネッリが仕留める。
以降もペースはアーセナル。レスターの起点を潰しつつ、自陣で相手の中盤を引き出すポゼッションから縦にパスを差し込んでいく。サイドでのユニット攻撃は相変わらず好調。前半の追加タイムにマルティネッリがトロサールにアシストを決めてセーフティリードを手にしてハーフタイムを迎える。
後半、1stプレーでレスターは流れを変えることに成功。ヴァーディがサリバとのマッチアップでファウルをもぎ取り、FKからジャスティンが追撃弾を手にする。
アーセナルは右サイドからの陣地回復で流れを引き戻しにいく。押し込むところまで持っていったアーセナルだが、ハーマンセンの活躍とンディディのサイドの守備の加勢により決定打を欠く展開に。
すると、スーパーゴールでレスターは振り出しに戻すことに成功。左サイドからのクロスをまたしてもジャスティンが振り切って、アーセナルの守備陣を棒立ちにさせた。
終盤はアーセナルが勝ち越し弾を挙げられるかが争点。ヌワネリの入った右サイドから縦横に揺さぶる展開を作りながら時間との勝負に挑む。
タイムレースはセットプレーで決着。CKからファーのトロサールがオウンゴールを誘発してギリギリで勝ち越しに成功。最後はおまけの4点目も決めて、終わってみれば2点差でアーセナルが勝利を収めた。
ひとこと
競り合いにはなったが、内容的にはサイドの攻撃ユニットの構築が進んだ感があったので悪くないアーセナルだった。
試合結果
2024.9.28
プレミアリーグ 第6節
アーセナル 4-2 レスター
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:20′ マルティネッリ, 45+1′ トロサール, 90+4′ ンディディ(OG), 90+9′ ハヴァーツ
LEI:47′ 63′ ジャスティン
主審:サム・バロット
第7節 ボーンマス戦(H)
ブロック攻略合戦を制したブオナノッテ
はっきりしていたのはどちらのチームもボールをきっちり持つことに労力を使うというスタンス。そして、守備に回った際には無理に敵陣からのプレスにはいかず、構えて守る姿勢を維持しているということである。
ということで試合は保持側がどのようにブロックを切り崩すかに焦点が当たっているかのような展開。押し込む機会が多かったのはボーンマスの方だったが、先制点を手にしたのはホームのレスター。この日は右サイドでの起用となったブオナノッテがパス交換からボックス内への侵入に成功。素晴らしいゴールを入れ込んで試合を動かして見せる。
追いかけるボーンマスは攻勢に出る。前線がフリーレーン化することで縦横無尽のオフザボールからチャンスを作りに行きたいところ。エヴァニウソンとクリスティが流れる左サイドの方が有力だったといえるだろう。だが、レスターの中盤の食らいつきもさすが。ンディディが最終ラインに入り込むアクションを見せるなど、中盤からの加勢からチャンスを潰していく。
ただ、押し込まれるレスターはロングボールでの起点づくりが効いていた。中央にボールを収めることが出来ることで左右のサイドアタックもより効率的な状況を用意できるように。お馴染みのヴァーディの裏抜けだけではなく、マヴィディディへのロングボールも効果的な一手になっていた。
後半は縦に速い展開からのガチンコ勝負でスタート。優位に立ったのはボーンマス。プレスを強めて高い位置から追い込んでいくことでレスターの保持の機会を制限。まずは押しこむ状況を安定的に作ることで攻める土台を作り上げる。
2列目の配置換えなど、押し込んだ際のアクセントも充分につけることができたボーンマス。ついにFKからネットを揺らすことに成功するが、これはボールに競りかけたエヴァニウソンがオフサイド。
ボールの軌道はゴールに向かっているのでエヴァニウソンが触らなければ・・・とも思うかもしれないが、エヴァニウソンがボールにアプローチしていなければ、ハーマンセンはより迷う要素が少ない状態でボールに向かうことが出来たので、そこは難しいところ。オフサイドの本質が~みたいことを言っている人もたまにどこかで見かけたりするけども、この場面はオフサイドってよくできているなと感心したくなる場面だった。
終盤まで積極的に攻め続けたボーンマスであったが、水際対応を続けたレスターをこじ開けることはできず。最後まで何とかしのいだレスターは昇格組で今季初めての勝利というご褒美を手にした。
ひとこと
ブオナノッテのゴール、スーパー。もっと使えよ。
試合結果
2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
レスター 1-0 ボーンマス
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:16‘ ブオナノッテ
主審:ダレン・ボンド
第8節 サウサンプトン戦(A)
サイドのマッチアップの変化がゲームチェンジャーに
昇格組同士の一戦。今季初勝利を狙うサウサンプトンに対して、すでに1勝目を手にしたレスターという構図の試合だ。
ボールを持つのはサウサンプトン。後方を3バック気味の組み立てに。菅原をサイドに押し出す形でディブリングとの連携を活かしていく。レスターはバックスを無理に追いかけることはせずにカウンター勝負。セットプレーを奪うことでチャンスを狙っていく。
ボールを持つサウサンプトン、カウンターのレスターという構図で結果を出したのはホームチーム。ダウンズのクイックリスタートから抜け出したウォーカー=ピータースのところからアーチャーが先制ゴールを決める。先制点以降も左サイドのウォーカー=ピータースは起点になり続けるなど継続的に攻撃のポイントになっていた。
一方のレスターもカウンターから反撃。サウサンプトンが引いて受ける姿勢が増えるなど押し込む状況を作れるように。全体が押し下げる中でマヴィディディやエル=カンヌスなど2列目の降りるアクションから打開策を探りにいく。
押し下げられると少し苦しいサウサンプトンだったが、そういう状況で存在感を出したのはまたしてもウォーカー=ピータース。左サイドからの1on1の突破でアリボの追加点をアシストする。
押し込む構図を作りながら痛恨の失点をしてしまったレスター。引き続き2列目が狭いところから打開をしようとするが、スコアを動かすことはできず。試合はサウサンプトンのリードでハーフタイムを迎える。
後半も先制点以降と構図は同じ。レスターが押し込みながらサウサンプトンが一発を狙う形。サウサンプトンのゴールに迫る姿勢は前半と変化はなし。ファエスがあわやオウンゴールという対応を見せるなど不安定さを見せるレスターだった。
しかし、そうした不安定さの流れを変えたのがファイアーフォーメーションへの変更。SBにファタウをコンバートしたクーパーの一手。中央に絞って狭いエリアで仕事をしたい2列目をそのままに大外で1on1ができるファタウを置くことでレスターは攻撃力を増す。サウサンプトンは菅原の負傷交代でWBにフレイザーを起用せざるを得なかったのも手痛かった。
大外からの仕掛けでブオナノッテの追撃弾を手にする原動力となると、2点目ではクロスに飛び込むアクションでフレイザーのDOGSOを誘発。同点ゴールにつながるPKとともに数的優位を確保する。
以降もサイドからファーへのクロスを狙うことで決勝点を狙うレスター。4-4-1でなんとか耐えようとするサウサンプトンだったが、最後はセットプレーで決壊。アイェウのミドルがネットを揺らしたのは98分のことだった。
ひとこと
フレイザーの交代とファタウの登場が完全にゲームチェンジャーとなった。
試合結果
2024.10.19
プレミアリーグ 第8節
サウサンプトン 2-3 レスター
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
SOU:8‘ アーチャー, 28’ アリボ
LEI:64‘ ブオナノッテ, 74’(PK) ヴァーディ, 90+8‘ アイェウ
主審:アンソニー・テイラー
第9節 ノッティンガム・フォレスト戦(H)
変則日程のフォレストが連勝を重ねる
プレミアでは珍しいフライデーナイトの一戦。特に月曜日にリーグ戦を行ったフォレストにとっては2週続けて変則的な日程での試合ということになる。
ボールを持つ流れになったのはホームのレスター。RSBで久しぶりの先発となったリカルド・ペレイラがインサイドに絞り、アンカー役のウィンクスの隣に並び立つ。3-2-5の形からフォレストの4-4-2に対してギャップを作りにいく。
フォレストのSHはレスターの3の外側についていくアクションを見せたので4-2-4っぽくなることもしばしば。レスターの狙いはこのSHの背後をとり、フォレストのCHを左右にスライドさせて、その背中を2列目で撮ること。より具体的にはフォレストから見て右サイド側にスライドすることが多かったドミンゲスの背中をブオナノッテが取る形だった。
ブオナノッテがボールを受けるとレスターの攻撃は一気に加速。ここからゴールを狙える。
カウンターがベースとなるフォレストの攻撃。縦横無尽に動くアンダーソンの好調さは前節をキープという感じではあったが、サイドから裏をとるスピード勝負はやや大雑把な感も否めない。
それでもレスターの雑さに救われてフォレストは先制点をゲット。サイドからのクロスの二次攻撃をイエーツがミドルで沈めてゴールを奪う。ハーマンセンが激怒したように、明らかにジャスティンの拙いクリアが招いた人災による失点であった。
しかし、すぐにレスターは同点。中盤のパス交換から4-2-4になったフォレストを背走させると、左サイドからのクロスをヴァーディが仕留める。ややフォレストからすると自陣側に戻りながらの対応となったが、最終的にはヴァーディが2枚のマークを外しており、この辺りはさすがのスキルと言っていいだろう。
前半の残りはレスターペース。押し込んでいきつつ、ファーを狙ったクロスでフォレストを苦しめ続ける。フォレストは守備の前後分断感が足を引っ張っている感があった。
しかし、後半早々にフォレストは勝ち越し。左サイドに抜けるアンダーソンからウッドがゴールを決める。またしてもレスターはボックス内のもっさりとした対応が目立つ失点シーンとなった。
失点したレスターは左のハーフスペースをヴァーディが強襲するも、自陣での守備の不安定さが先立つプレーが目立つなど、前半よりも苦しい展開となる。案の定、60分にはフォレストの追加点。自陣からのフィード一発に抜け出すという芸当をウッドにやってのけられてしまい、あっさりとリードされてしまう。
以降はフォレストがきっちりと試合をコントロール。後半を終始優勢に進めたフォレストが連勝を飾った。
ひとこと
ギブス=ホワイトがいなくなっても連勝を重ねられるのは強い。
試合結果
2024.10.25
プレミアリーグ 第9節
レスター 1-3 ノッティンガム・フォレスト
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:23’ ヴァーディ
NFO:16‘ イエーツ, 47‘ 60’ ウッド
主審:クレイグ・ポーソン
第10節 イプスウィッチ戦(A)
立ちはだかるATのアイェウが眼前の勝利を盗む
昇格組同士の一戦。いまだに勝利を得ることができていないイプスウィッチにとってはまたとないチャンスだろう。
立ち上がりにボールを握ったのはレスター。中盤でフリーの選手を作るパスワークから奥をとるヴァーディを終点に攻撃を完結させにいく。
しかし、徐々にイプスウィッチはポゼッションを回復。ハイプレスで支配力を高めようとしたレスターの前がかりの守備をひっくり返し、中盤の背後の縦パスから前進のきっかけを掴むと、敵陣でのプレータイムを増やしていく。ハッチンソンが軸となった右サイドからのミドルを中心にレスターベースは15-20分くらいを目処にひっくり返る。
こうなるとレスターはカウンターからチャンスを探っていきたいところではあるが、なかなか押し返すきっかけを作ることはできず。こちらもハイプレスに出て行ったタイミングでハイプレスの強度を高めたイプスウィッチに苦しみ、ロングボールから起点を作ることができない。
ただし、イプスウィッチももう一歩敵陣に入り込む強度を生み出すことができず。試合はスコアレスのままハーフタイムを迎えることとなった。
後半、まずはレスターは前半の頭のように保持から展開を持ってこようとする。左右に動かしてイプスウィッチのプレスを回避し、背後を取るアクションからイプスウィッチのDFラインを押し下げる。少しずつペースを握ることで前半終盤の流れをひっくり返そうという意欲は垣間見えた。
しかしながら、この状況をぶっ潰すことに成功したイプスウィッチ。右サイドからの進撃に成功すると、左サイドで待ち構えていたデイビスがスーパーボレー。戦慄の一撃で試合をリードする。
得点直後もレスターにペースを渡さず、展開をキープしたイプスウィッチ。しかしながら、フィリップスが2回目の警告で退場。10人での戦いを強いられることに。
これで一気にレスターは押し込む機会を得ることになる。10人のイプスウィッチはなんとか耐えたい展開が続くが、得意ではないラインを下げる展開を強いられる。
バックスを下げてアタッカーを入れるというプランを構築するのは数的優位ならでは。大外に起点を作りつつ、ボックス内の枚数を増やすことで少しずつ圧力を高めていく。
殊勲の同点ゴールはまたしても追加タイムのアイェウ。ヴァーディとのワンツーで滑らかにボックス内に入っていくと、技ありのゴールで試合を振り出しに戻す。
またしても眼前で勝利を逃したイプスウィッチ。プレミア初勝利はお預けとなった。
ひとこと
相手が10人だからこそ、打つことができた大胆なやり方が同点ゴールを生んだのはイプスウィッチにとっては切ない。
試合結果
2024.11.2
プレミアリーグ 第10節
イプスウィッチ 1-1 レスター
ポートマン・ロード
【得点者】
IPS:55’ デイビス
LEI:90+4‘ アイェウ
主審:ティム・ロビンソン
第11節 マンチェスター・ユナイテッド戦(A)
左サイドの詰まりを解消し、ファン・ニステルローイの最後を飾る
高い位置から相手を捕まえにいく積極的なスタートとなったのはレスター。ユナイテッドのバックスに対してプレスをかけていく。ただし、プレスの足枷になったのはトップの役割。アイェウ、エンディディの2人はユナイテッドの中盤をケアしつつ、前に出ていく役割になっていたのでユナイテッドのCBを捕まえきれないことも。
特に浮くことが多かったのはリサンドロ・マルティネス。中盤とCBを往復するレスターの2トップを尻目に、外側で受けることでキャリーに成功する。割を食ったのはブオナノッテ。自分の前に登場するマルティネスとマーカーのマズラヴィの葛藤に悩まされる場面が出てくるように。
よって、徐々にレスターはバックラインにプレスにいかない場面を作るように。そうなると、今度はレスターの保持に悪影響が出てくる。ボール奪取位置が後ろになるため、ヴァーディ抜きで前進するにはなかなかにしんどいものがある。
なんとか左のファタウとアイェウの裏抜けから敵陣でプレーするチャンスを作るレスター。だが、先制点はマンチェスター・ユナイテッド。ディアロが陣地回復に成功したところからの流れで左サイドを攻略。左サイドで相手の目先を変えるアシストも披露。ブルーノのミドルのコースを埋めるべき、スマレはディアロに釣り出されることとなった。
ユナイテッドは後方の左サイドからのキャリーは安定していたが、前線ではやや動き出しのところが噛み合わない感があった。それでもその左サイドから追加点をゲット。2人のCBを惹きつけたホイルンドの背後から出てきたブルーノがオウンゴールを誘発する。
レスターは1-0の段階でアイェウとンディディがデ・リフトを挟み撃ちにすることで大チャンスを作り出す。だが、この前半唯一の決定機はオナナが落ち着いて対応。レスターは前半にスコアを動かすことができなかった。
後半はレスターの保持が中心となってスタート。右サイドから横断する形からチャンスを狙っていく。だが、左サイドで横断を完了させてもなかなかそこから仕上げることができない。
一方のユナイテッドは左サイドからのカウンターが中心。だが、パスのズレやコントロールの甘さから十分なチャンスに持っていくことができない。
チャンスを作れない状況が続く後半。どちらもチャンスを作れないならば、リードしている方が有利である。結果を出したのもユナイテッド。左に入ったガルナチョがミドルで仕上げて追加点。ようやく外から得点に絡んだガルナチョによって、試合は完全に決定づけられてしまった。
すでに勝敗は決していることを悟っているのか、追加点以降は何も起きない状態で試合はそのまま終了。ユナイテッドがファン・ニステルローイの指揮最終試合を白星で飾った。
ひとこと
ようやく、ユナイテッドは2桁得点に到達。アモリム就任で欧州カップ戦出場権争いに食い込めるか。
試合結果
2024.11.10
プレミアリーグ 第11節
マンチェスター・ユナイテッド 3-0 レスター
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:17′ ブルーノ・フェルナンデス, 38′ クリスチャンセン(OG), 82′ ガルナチョ
主審:ピーター・バンクス
第12節 チェルシー戦(H)
3-1-6による支配力アップで古巣凱旋を飾る勝利
年内最後の代表ウィーク明けはマレスカのキング・パワー・スタジアム帰還からスタート。チェルシーが先陣を切って昇格組のレスターと相対する一戦だ。
序盤からこの試合のチェルシーには変化が見えた。後方の陣形は3-1型。カイセドをアンカーにして、3人のCBキャラクターを並べる形に。明確にカイセドの相棒は定めず、降りるパルマーなどその前にいる2列目やジャクソンが柔軟に中央のスペースを使うイメージとなった。このポジションバランスとネト→フェリックスの入れ替えの相関についてはもう少し見たいところである。
攻撃のルートとして増えたのはサイドからのワンツーを活かしての抜け出し。ワイドの選手をフェリックスやエンソがサポートすることで抜け出すアクションを生み出し、速いクロスで折り返す形を延々と狙うのがこの日のチェルシーのスタンス。オフサイドに終わったが、マドゥエケがネットを揺らしたシーンなどは方向性をきっちり示すタイプの崩しだ。
守備でもエンソが明確に1列前にいるなど、ハイプレスでレスターのショートパスを封殺。二次攻撃においては左のククレジャ、バディアシルを軸に出足の良さを活かしたボール奪取で波状攻撃に繋げる。攻守において、より支配的に攻撃を進めるテストのように見受けられた。
狙い通り、20分まではチェルシーは完全にレスターに息をさせないままの展開。ファエスとのタイマンに勝利したジャクソンが先制弾をもたらすなど、ここまでは完璧な流れと言っていいだろう。
レスターは20分過ぎから少しずつボールを持てるように。特に効いていたのは左のエル・カンヌス。時には2人に囲まれながらもボールを逃すことで苦しい展開の中からチャンスを作りだす。チェルシーはこちらのサイドの相手の囲み方に少し甘さが見られた。
20分のカウンターを機にボールを持つ時間を作れるようになったレスター。エル・カンヌスとヴァーディが時間を作りつつ、敵陣に攻め込む機会を増やす。非保持でも4-4-2からエル・カンヌスが1列前に入ることでチェルシーの3バックを捕まえる形をとる。強気の守備に中盤も連動して応答。高い位置でのボール奪取が見られるように。
それでも時折見られる軽いパスや繋げそうな時間帯にもゴールキックをいきなり蹴り出すハーマンセンのプレー選択などでリズムを掴みきれず。ボールを奪った後のチェルシーのファストブレイクも刺さる寸前までは行ったが、リードをさらに広げられないままハーフタイムを迎える。
後半、チェルシーはハイプレスに出ていく前半と同じスタート。レスターも前半に怪しさを見せていたチェルシーの右の守備ブロックを重点的に狙うことで対抗する。チェルシーはクリスチャンセンをどう捕まえるかに難儀するが、クリスチャンセンもまたボールプレイヤーではないので、特に与えられた時間を使うことができずに悩ましいという流れだった。
時間が経つとチェルシーは保持の時間を取り戻すように。だが、攻撃の本命はレスターのパスワークを引っ掛けてのカウンター。ホルダーの横にサポートをつけて追い越すことの積み重ねで前に進もうとするレスターに対して、ボールを奪って一気に前に進んでいく。出口になっているのは中央のフェリックスと右のマドゥエケが多かった。
押し込む機会を増やすチェルシーは順当に追加点。左のククレジャのクロスの溢れにボックスに入り込んでいたエンソが押し込んでゴール。今季初ゴールを決める。
選手交代で店じまいを図るチェルシーに対して、レスターは交代で入ったマヴィディディを軸になんとか攻め筋を探っていく。その攻め筋探しが実ったのは後半AT。リードへのラストパスを通してラヴィアのファウルを誘発する。このファウルで得たPKをアイェウが仕留めて1点差に。アイェウはこれで今季あげた3得点が全て後半ATに記録したものだ。
しかし、反撃もここまで。チェルシーは複数得点のリードをきっちり活かしての逃げ切り勝利。マレスカの古巣凱旋試合を飾った。
ひとこと
チェルシーの3-1-6は狙いと人選がマッチしていて面白かったが、さすがにカイセドの負担が重たい気もする。ただ、支配力を高めるという一手としては有効だと思うので、少なくともこの試合くらい力量差があるチームに対しては悪くないオプションになる可能性がある。
試合結果
2024.11.23
プレミアリーグ 第12節
レスター 1-2 チェルシー
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:90+5′(PK) アイェウ
CHE:15‘ ジャクソン, 75′ エンソ
主審:アンディ・マドレー
第13節 ブレントフォード戦(A)
度重なるラインコントロールのミス
あっという間にクーパーを解任に踏み切ったレスター。新監督就任が決まったファン・ニステルローイがスタンドで見つめる中、ブレントフォードとの一戦に挑む。
ボールを持つアクションを見せたのはブレントフォード。GKをCBで挟む形でボールを動かしていく。レスターはこのタイミングで3-4-3を採用。なぜ、わざわざプレスをしにくいフォーメーションを採用したのかはわからないが、高い位置からのプレスでシンプルに噛み合わずに苦戦。レスターはCHが前に出ていくプレスを行っていくが、枚数を合わせない分、ブレントフォードは自由にボールを持つことができた。
優勢なのは左右に揺さぶることができたブレントフォード。敵陣深い位置まで進むと押し込みながら攻略を探っていく。押し込まれるレスターはボールを奪うことができても推進力を出せず、反撃のきっかけを掴むことができない。
だが、その劣勢の中でレスターは先制ゴールをゲット。左サイドから抜け出したヴァーディの折り返しをブオナノッテが仕留めて先制する。ブレントフォードは不調のピノックが簡単に入れ替わられたことが失点の引き金になってしまった。
だが、間髪入れずにブレントフォードは同点ゴールをゲット。ダムズゴーのスルーパスから左サイドに突撃したシャーデがゴールを仕留める。レスターはファエスのラインコントロールがぐちゃぐちゃでオフサイドを取ることができなかった。
さらにその5分後にブレントフォードが追加点。またしてもダムズゴーの左右への揺さぶりからレスターを追い詰め、勝ち越しゴールを決める。
この失点の対応でレスターはオコリがハーマンセンと衝突し負傷交代するなど踏んだり蹴ったり。さらには前半終了間際にはまたしてもファエスがラインを見出し、シャーデが追加点を決める。
リードをしているブレントフォードは後半も強気のプラン。敵陣でプレスにトライするレスターをものともせず、ポゼッションで跳ね返しに成功。強度の高いプレス合戦の応酬となる。
そしてまたしてもファエスがゴールに繋がるミスを犯してしまう。ブレントフォードはシャーデがハットトリックとなる4点目を仕留め、試合を完全に終わらせる。
狙いが見えない3バックとエラーが続く最終ライン。スタンドで観戦しているファン・ニステルローイが片付けなければいけない課題が多いことがよくわかる90分だった。
ひとこと
シャーデ、ハットトリックおめでとう。
試合結果
2024.11.30
プレミアリーグ 第13節
ブレントフォード 4-1 レスター
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:24’ ウィサ, 29‘ 45+8‘ 59‘ シャーデ
LEI:21‘ ブオナノッテ
主審:マイケル・オリバー
第14節 ウェストハム戦(H)
獅子奮迅のハーマンセンが新体制に初勝利をプレゼント
ついにファン・ニステルローイが就任を果たしたレスター。スタンドで見守っていた前節は惨敗だったが、ベンチに入る初戦となる今節は結果が欲しいところだろう。
雲行きが怪しくなっているロペテギが率いるウェストハムは高い位置からのチェイシングでスタート。だが、レスターはこれをあっさりとひっくり返して先制ゴールをゲット。ヴァーディが抜け出しからわずか2分でゴールを奪い、あっという間にファン・ニステルローイに就任初ゴールをプレゼントする。
ウェストハムは3-2-5で保持をベースに反撃。先制点を奪って以降も中盤が積極的に食いついてくるレスターを動かしながら反撃に打って出る。
押し込んだ後も手応えはあり。サイドからボーウェンの抜け出しからチャンスを作っていく。しかしながら、GKのハーマンセンが大活躍。ファインセーブの連発でウェストハムのチャンスを積んでいく。
レスターも攻撃に出れば悪くはない。左サイドのタメを軸にカウンターを打ち込むことができており、サイド攻撃自体は機能していた。
時間の経過とともにハーマンセンの仕事は増えるばかり。押し込む局面を増やし、レスターの反撃の機会をどんどん塗りつぶしていく形でウェストハムは攻勢を強めていく。が、打開ができないままハーフタイムを迎える。
後半もボールを持つのはウェストハム。サリーして3バックに変形することでポゼッションをさらに安定させていく。
前半よりはポゼッションを阻害することができるようになったレスター。2人投入の直後に追加点をゲット。ブオナノッテのサイドチェンジを使ったところから最後はエル・カンヌスが仕上げて追加点を奪う。
ようやく押し込むフェーズが安定するようになってウェストハム。セットプレーも含めて決定機を量産するが、またしても立ちはだかるのはハーマンセン。ファインセーブでウェストハムの反撃を許さない。
ロングカウンターの負荷が高まるレスターは途中投入のダカが仕上げの3点目をゲット。左サイドからのカウンター独走で対面のCBをおいていき、嬉しい復活ゴールを手にした。
ウェストハムはフュルクルクが終了間際にゴールを決めるが、3失点での敗北。ファン・ニステルローイの初陣となったレスターが勝利を飾った。
ひとこと
レスターは勝利したものの、バカスカピンチを迎えていたので前途洋々の船出というわけではなさそうだ。
試合結果
2024.12.3
プレミアリーグ 第14節
レスター 3-1 ウェストハム
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:2‘ ヴァーディ, 61′ エル・カンヌス, 90′ ダカ
WHU:90+3′ フュルクルク
主審:ジョシュ・スミス
第15節 ブライトン戦(H)
提示したクローズ策が裏目に
就任初戦でウェストハムに勝利を果たしたファン・ニステルローイのレスター。今節もブライトン相手にポゼッションで真正面から組み合うスタートに。
基本的なフォーメーションは3-2-5。ブライトンの4-4-2にズレを作りつつ、ライン間の2列目の選手に届けることを狙う。ブライトンは4-4-2の陣形を大きくと崩さずにジリジリとプレスを行う。
今季は試験色も強かったブライトンの保持だったが、今節も仕組みは面白かった。3バックへの変形は片側のSBを押し上げる形。序盤はエストゥピニャンが高い位置を取る役だったように見えたが、ランプティ―が押しあがるケースも見られた。
駆け上がるSBを変えるのはなかなかない発想な気もするが、この2人のSBの特徴を生かすのであればそれが一番いい気もする。ボールサイドのSHは内側に絞ってIH化するなど、3-1-4-2のフォーメーションを左右でキャストを変えながらやって言った印象だ。
ボールを持つ時間を徐々に長くしていくブライトン。保持で押し下げる動きとセットでハイプレスをしかけ、レスターの綱渡りのポゼッションを咎めていく。
すると37分にランプティが先制ゴールをゲット。上下動を繰り返していたSBが均衡をこじ開けることに成功する。
後半のレスターはもう1回保持ベースで展開を整えに行く。前半はハイプレスでの転覆を狙っていたブライトンだったが、後半は冷静に構えて受けることでカウンター主体のスタイルに切り替える。
少し気になったのは動かすターンになると前半のようなオートマチックなボールの動かし方がブライトンの保持から消えてしまったこと。それでもレスターのハイプレスに捕まるわけではないし、カウンターでスピードをアップ出来れば特に問題はなかったようだが。
そして、交代で入ったミンテがカウンターで追加点をゲット。切り返しを繰り返したところでのミドルでリードを広げる。以降もカウンターでミンテは決定機を迎えるなど、完全にペースはブライトン側にあった。
だが、ボビー・リードのディフレクトをヴァーディが冷静に仕留めると空気は一変。ブライトンはイゴールを投入し、5バックに移行。守り切る意思をはっきりと提示する。
しかしながら、このイゴールの不用意なキャリーが悲劇を招く。エラーをすかさず仕留めたボビー・リードにより、試合は同点に。下位相手との戦績に課題を残すブライトンはまたしても住んでのところで昇格組から勝ち点を取り逃してしまうこととなった。
ひとこと
レスター、割と攻守に見ていられるチームになってきたようにみえるが。
試合結果
2024.12.8
プレミアリーグ 第15節
レスター 2-2 ブライトン
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:86′ ヴァーディ, 90+1′ リード
BHA:37‘ ランプティ, 79′ ミンテ
主審:スチュアート・アットウェル
第16節 ニューカッスル戦(A)
新監督就任はここからが勝負
ファン・ニステルローイ就任以降、無敗が続くレスター。前節はブライトンに終了間際の2得点で一気に引き分けに持ち込み、驚きの勝ち点奪取を記録。今節も難所であるセント・ジェームズ・パークでの一戦だ。
ボールを持つ役割となっていたのはニューカッスル。いつもよりも近い距離でボールを動かしながら、サイドから丁寧に壊しに行くトライを敢行。少し保持局面がラフになっていた感があったので、意識づけの意味合いがもしかしたら強いのかもしれない。
一方のレスターはカウンターからのマヴィディディなどの前線の選手に素早く預ける形が主流。だが、基本的にはニューカッスルの圧力に苦戦が目立つ保持局面だった。ボールをつなぐ余裕はなく、前に当てても収まらない。いつもより距離の近いニューカッスルのボール回しに翻弄される場面もあり、なかなかプレスに行けない状況が続く。
ようやく、チョーダリーが相手の中盤の逆を取る形でボールを受ける場面もあったが、そうした場面は稀。敵陣でもショートパスでナローなスペースを崩しにかかるニューカッスルは依然として優位。セットプレーからマーフィーが仕留めて試合を動かす。
依然としてレスターは状況に対する解決策が見つからない苦しい展開。テンポ的に飲まれている感があり、ショートパスもとがめられてしまい、押し込まれている状況からの打開策もない。中盤でフリーマンを作りながら裏にガンガン入れてくるニューカッスルに翻弄される前半となった。
後半の頭は怒涛のニューカッスルのゴールショー。まずは完璧なセットプレーから。ファーのゴードンの折り返しをギマランイスが豪快にぶち込むことで後半早々にリードを広げる
さらには畳みかけるようにイサクが3点目をゲット。ややシュート機会を逃す期間が増えているエースの一撃で3点差。実質試合はこのゴールで決まりだろう。だが、手を緩めないニューカッスルは60分に絶好調のマーフィーが追加点を奪う。
たまらず、5バックに移行するレスター。実質的な白旗宣言だろう。これ以上は得点を許さないことを優先するプランで何とか踏みとどまるプランを組む。
十分に得点を決めたニューカッスルはその後のんびりとプレーする算段を付けることに成功。監督交代直後のレスターに冷や水をぶっかけての快勝で順当に勝ち点を積み重ねた。
ひとこと
ファン・ニステルローイのここまでのいい流れはすこし止まってしまった感がある。勝負はここから。
試合結果
2024.12.14
プレミアリーグ 第16節
ニューカッスル 4-0 レスター
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:30’ 60‘ マーフィー, 47’ ギマランイス, 50‘ イサク
主審:トーマス・ブラモール
第17節 ウォルバーハンプトン戦(H)
ファジーなロングボールが解決策として上回る
前節はセント・ジェームズ・パークで完全に制圧されてしまったレスター。ファン・ニステルローイ就任以降、初の黒星からのリカバリーを図るための節となる。今節はホームにウォルバーハンプトンを迎えての一戦だ。
レスターのボール保持は3-2-5と3-1-6の合いの子という感じのスタート。まずはきっちりとウルブスの2トップの脇を取ることで前進のルートを確実に抑えていく。
フリーの選手を作ることができたら、当然最後の仕上げはヴァーディの抜け出し。ジョゼ・サにはギリギリの対応を強いることができていた。ただし、ウルブスも動き回るレスターの選手に対して人についていくことはできていたので、クリーンにヴァーディに背後を取られる頻度自体はそこまで多くなかった。
ウルブスの保持は3バックベース。2トップの脇に立つ形でボールを持つ。ショートパスへの偏重はそこまででもなく、ロングボールをベースとした前線へのフィードが多めの展開だった。
どちらのコンセプトもはっきりしていたが、結果を出したのはウルブス。後方からのややファジーなロングボールから先制ゴールをゲット。味方と重ねるような抜け出しで奥行きを作ったゲデスが角度のあるところからゴールを決める。
このフィードはレスターに対して効果が抜群。下がった前線の選手もフィードを蹴っ飛ばしていたのでおそらく狙いだったのだろう。後方からのフィードからさらに追加点。ドハーティからのリカルド・ゴメスのゴールで2点目を奪う。
エル・カンヌスとマヴィディディの左サイドからショートパスで繋ぎながら反撃を狙いたいレスターだが、さらにゴールを決めたのはウルブス。またしてもゲデスがサイドの裏を取ると、折り返しをクーニャが仕留めて前半で3点のリードを確保する。
後半、レスターは保持での機会を増やしつつ、ウルブスのブロック守備に対しての解決策を模索していく。生命線の左サイドからの解決を狙っていくが、なかなか相手を剥がすところまでは至らない。
ウルブスは後半はそこまで強引にゴールを狙いに行かない攻め筋。ゆったりとボールを回していく形で時間を使っていく。そうした中で前半に見せた裏への駆け引きを時折見せていく。
終盤にのびのびとした攻撃を見せていたのはウルブス。ファストブレイクを中心に交代選手が追加点を狙う流れから再び鋭さが出てくるように。
更なるゴールこそ決めることができなかったウルブスだったが、この試合は完勝。レスターは前節に続く大敗となった。
ひとこと
前線のプレーの引き出しの差がそのまま点差に繋がった感があった。
試合結果
2024.12.22
プレミアリーグ 第17節
レスター 0-3 ウォルバーハンプトン
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
WOL:19‘ ゲデス, 36’ リカルド・ゴメス, 44‘ クーニャ
主審:アンソニー・テイラー
第18節 リバプール戦(A)
順当な逆転勝利で首位固め
レスターは慎重な入り。無理にバックラインからプレスにいかず、スタート位置を中盤に設定。リバプールの保持に対してある程度自由を与える。
リバプールのパスワークはレスターの2トップ脇にSBを置くことでスタート。ロバートソン、アレクサンダー=アーノルドからボールを動かしていく。狙いとなったのはサイドの裏のスペース。やや外循環の印象はあったが、きっちりと押し下げることはできていた。
一方のレスターも保持に回ればCBからボールを動かしていくなど、保持で時間を作りながらリバプールの攻撃を和らげていく。もっとも、防御のためだけでなく、この保持はきっちりと攻撃にもなっていた。先制点は前半6分。左サイドのマヴィディディのクロスからアイェウがゴールを決める。
追いかける展開になったリバプール。外循環を強いられる展開の中でもサラーの存在は別格。外からクロスや1枚を剥がすドリブルでチャンスを作っていく。外にチャンスをつくればインサイドに徐々にスペースは空いてくる。
レスターも保持に回れば軽いパスワークでチャンスを作るが、やはり時間の経過とともに負荷は上がってきた印象。サラーにはダブルチームにつく必要が出てくれば、当然先制点の起点となったマヴィディディも攻撃に参加するのが難しくなっていく。
ハイプレスをひっくり返す形のファストブレイクが増えてきたリバプール。前半終了間際の同点ゴールもこのファストブレイクからガクポのカットインに対してはきっちりブロックを組んでいればよりシュートに対して寄せることはできたかもしれない。それにしても素晴らしいミドルだった。
同点ゴールの勢いのまま後半のリバプールは猛攻。狙いとしたのは右サイドのハーフスペース。この位置に中盤の選手が入り込むことでチャンスを構築していく。開始直後にフラフェンベルフが決定機を演出すると、勝ち越しゴールのきっかけとなったところではマック=アリスターの侵入からカーティスが決める。
加速するきっかけを掴むことができないレスターに対して、リバプールは余裕の表情。ハイプレスはいなし、敵陣では対角パスからDFラインの背後を取る形からレスターのブロックにダメージを与えていく。
リバプールのミドルブロックに対して、レスターは中盤から加速することができず。反撃のきっかけすら与えられないまま時間だけがすぎていく。
終盤にはお馴染みのサラーの一撃でダメ押し。失点もなんのその、リバプールは安心して見られる逆転ゴールでレスターを下し首位を固めた。
ひとこと
まぁ、失点してもそんなに負ける気はしなかったというのが正直なところだった。
試合結果
2024.12.26
プレミアリーグ 第18節
リバプール 3-1 レスター
アンフィールド
【得点者】
LIV:45+1′ ガクポ, 49′ ジョーンズ, 82′ サラー
LEI:6′ アイェウ
主審:ダレン・ボンド
第19節 マンチェスター・シティ戦(A)
らしさは拭えずもマカティーは輝く
力ない連敗が続いているシティ。そろそろ勝利が欲しいところで迎えるはレスター。相手的にもそろそろ勝利が欲しい一戦である。
シティは3-2-5でのスタート。ルイスが絞ってアンカーの脇に立つ。左に立ったサヴィーニョは今日も攻撃の切り込み隊長を担う序盤戦だった。シティは左サイドを押し込んでいくが、ハーフスペースを広げて、カバーに入れそうなウィンクスを連れ出すところまではできていたが、そのスペースを活用するところまでは進むことができなかった。
立ち上がりから決定機を作っていたシティだったが、順風満帆とはいいがたいスタート。ハイプレスに出ていく姿勢を見せるのだが、このプレスは前線が連動しきらず。レスターを追い込めているのに、1人のサボりや一歩の差で捕まえきれずにカウンターを許してしまう。
レスターは左のハーフスペースで付近を主戦場にするトップ下のエル・カンヌスを使いつつ、左右の裏抜けもしくはヴァーディの一発の裏取りからチャンスメイク。シティのがばがばのプレスの網目を抜けてクリーンなチャンスを作る。
危ういシーンを作られたシティだが、何とか先制点をゲット。ルイスの助けを借りて、ライン間に侵入したフォーデンのミドルから先制。こぼれをサヴィーニョが押し込んでリーグ戦初ゴールを決める。
シティは保持で落ち着く流れを作るが、ボールを奪われるといちいち自陣まで運ばれてしまう。時間の経過とともに存在感を増していたのはマヴィディディ。左サイドをポイントを作りつつ、ボックス内に。シティの怪しい守備対応は先制後も続き、なんとかリードを保ってハーフタイムを迎えることとなった。
後半も試合の展開は同じ。だらっと保持の時間が続くのではなく、ある程度のところで奪われてしまい、そこから攻め込まれる時間も。悪い意味で最近のシティっぽい試合運びという感じで細かいことは期待できないなという感じだった。
レスターは緩さから抜け出せないシティを尻目に前進。中盤を引き出してはその背後に進むことでもぎ取るという展開を作り、決定的なチャンスを作っていく。しかし、レスターはこの流れに乗れず追いつくための機会をふいにしてしまう。
すると、このだらっとした流れで輝いたのは途中交代で右サイドに入ったのはマカティー。大外から相手を剥がしてインサイドにボールをつけると、最後は左サイドからのクロスをハーランドが仕留めてゴール。あまりにも大きな追加点が入る。
以降も右サイドからクロスをあげるなどチャンスは作れていたレスター。だが、ゴールを破ることはできず。ついにシティはトンネルを脱出。プレミアリーグ5試合ぶりの勝利を挙げた。
ひとこと
ひとまず脱出はしたがシティは課題の残る勝利となった。
試合結果
2024.12.29
プレミアリーグ 第19節
レスター 0-2 マンチェスター・シティ
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
Man City:21′ サヴィーニョ, 74′ ハーランド
主審:マイケル・オリバー
第20節 アストンビラ戦(A)
テイストを変えたバークリーが後半に試合を動かす
監督交代も落ち着き、再び勝利が遠い時期に入ったファン・ニステルローイのレスター。今節は9位から上位を狙って勝利を重ねたいアストンビラのホームに乗り込んでの一戦となる。
序盤からボールを持ったのはホームのアストンビラ。中盤での守備をスタート地点とするレスターに対して、一方的にポゼッションをしていく展開に。レスターも保持に回れば3-2-5からポゼッションをしていくが、機会の点では明らかにアストンビラの方が多い展開だった。
ただ、クリティカルな崩しがあったかどうかは難しいところ。ビラのポゼッションはU字が基本であり、レスターのブロックの中に入っていく手段構築に苦労した感がある。前半の終盤にはカマラとティーレマンス主導で右サイドの攻略に挑んでおり、これはそれなりに手応えがあったが、ここに行き着くまでは安定したポゼッションに上乗せするものがなかった。
レスターも問題点は似ていて安定感のあるポゼッションに上乗せするものがなかなかなかった。ビラのような前に多くの人数をかける攻撃をするチームが相手ならば、本来であればライン間の2列目が前を向き、そこからのカウンターというのを狙っていきたいところだろうが、そうした馬力を出すことができずに苦戦。互いに得点のきっかけを掴めないままハーフタイムを迎える。
後半も同じく互いに保持のターンが長い展開。サイドから決め手を作れずに苦戦する。そうした中で少しテイストの違うトライに挑んでいたのはバークリー。インサイドに入り込むような突撃を見せて、押し込む局面にアクセントをつける。
先制ゴールを決めたのはそのバークリー。セットプレーから続く攻撃の最後をシュートで締めて後半にようやくリードを奪う。
しかし、レスターもワンチャンスから同点。ワトキンスの雑なパスをカットしてからのカウンターで背後をとってクロスまで。逆サイドのマヴィディディまでボールを届けてスピーディな攻撃を完結させる。
だが、ビラは保持から攻撃を組み直すと、交代で入ったマートセンが直後に大仕事。左サイドでのパスカットから攻勢に転じ、いきなり勝ち越しゴールをお膳立てして見せた。
終盤は反撃のきっかけを掴むことができなかったレスター。接戦に持ち込むが勝ち点を得ることはできなかった。
ひとこと
内容からすると正直よく接戦に持ち込んだなという感想で、なかなかレスターは厳しい内容だった。
試合結果
2025.1.4
プレミアリーグ 第20節
アストンビラ 2-1 レスター
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:58‘ バークリー, 76‘ ベイリー
LEI:63’ マヴィディディ
主審:ジャレット・ジレット