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「得意な舞台で『水曜日のフロンターレ』」~2020.7.8 J1 第3節 FC東京×川崎フロンターレ BBC風オカルトプレビュー

 このプレビューは対戦カードの過去の因縁やジンクスを掘り起こして、試合をより一層楽しむための物です。

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第3節
2020.7.4
FC東京(2位/勝ち点6/2勝0分0敗/得点4 失点1)
×
川崎フロンターレ(4位/勝ち点4/1勝1分0敗/得点2 失点1)
@味の素スタジアム

戦績

近年の対戦成績

図1

直近5年の対戦で川崎の8勝、FC東京の3勝、引き分けが2つ。

FC東京ホームでの対戦成績

図2

直近10回の対戦でFC東京が3勝、川崎が7勝。

Head-to-Head

<Head-to-Head①>
・直近3試合の川崎戦でFC東京は無得点。(290分)
・直近6試合の味の素スタジアムでの試合で、川崎は5勝を挙げている。
・味スタのクラシコでの引き分けは2005年が最後。直近16試合引き分けはない。
・シーズン1回目での対戦に限れば、直近8年でFC東京が5勝(D1L2)

 対戦成績を見れば、川崎の優位。特に味の素スタジアムでの成績がいいという外弁慶ぶりを発揮している。FC東京は直近3試合のクラシコで無得点。昨年も味スタで「首位叩き」の憂き目にあっており、苦手意識があるかもしれない。

 ただし、川崎がこの対戦で強さを発揮するのは特にリーグ後半の戦い。シーズン1回目の対戦に限れば、FC東京が一気に優位なスタッツになる。ちなみに味スタのクラシコは白黒付くのが通例。引き分けは2005年が最後である。

<Head-to-Head②>
・リーグ戦直近6試合で外国籍選手の得点はない。
・直近10試合の多摩川クラシコにおける味の素スタジアムでの1試合平均得点は3.7点、等々力での同データ(1.7得点)の2倍以上。
・水曜日の対戦は過去に2回。川崎の1勝1分で、いずれの試合もFC東京は得点を決めていない。

 両チームとも前線に外国籍選手を抱えているが、外国籍選手の得点は2017年のピーター・ウタカが最後。ちなみにカップ戦まで含めれば、エウシーニョがルヴァンカップで2ゴールを決めている。エウシーニョはクラシコがとても得意で通算5得点です。

 味スタクラシコは打ち合いになりがち。大量得点にまつわるエピソードは味スタで起こることが多い。逆に等々力はロースコアでの決着になりがちだ。ちなみに水曜日の対戦は過去に2回。いずれもFC東京は無得点で勝てていない。

スタメン予想

画像3

怪我人情報

【FC東京】

・前節負傷交代したディエゴ・オリベイラは軽傷との報道あり。多摩川クラシコの出場可否は不透明。

【川崎フロンターレ】

・昨年から離脱中の中村憲剛は部分合流との報道。
・小林悠は右ひざの出術で離脱中。

Match Facts

【FC東京】

<FC東京のMatch Facts①>
・リーグ戦開幕3連勝になれば2012年以来8年ぶり3回目
・リーグにおけるホーム開幕戦は直近10試合で1敗のみ(W6D3)

 開幕3連勝がかかった多摩川クラシコになる。2013年、2017年は2連勝を飾りながらも、3つ目でこけてしまった。一方でホームの開幕戦という観点で見れば相性は良好。天敵の川崎を退けて8年ぶりの好スタートを決めることができるだろうか。

<FC東京のMatch Facts②>
・公式戦で挙げた今季の8得点のうち、5得点は75分以降のもの。
・前半においては今季まだ得点も失点もない。
・今季のJ1全試合で発生した4つのPK判定のうち、2つはFC東京に与えられたもの。

 得失点の傾向は顕著で後半に失点も得点も集中している。今季の公式戦5試合においていまだに前半は全て0-0で折り返している。特に8得点中5得点を挙げている最終盤は要注意。

 PK2つはオープンスペースに走る外国人選手がその最終盤に得たものである。広いスペースが生まれやすい終盤は前輪駆動型のチーム特性が力を発揮しやすそうである。

<FC東京のMatch Facts③>
・直近5試合のホームゲームは無敗。
・直近9試合の味スタでのゲームでは複数失点がない

 ホームゲームは基本的には強い。昨年は公式戦すべてで敗戦が4試合。いずれも無得点で敗れているのが特徴である。敗れた試合でも0-1というスコアが非常に多く、複数失点が非常に少ない。

 とはいえ、味スタのクラシコはすでに述べたようにオープンな試合。昨年、味スタで複数得点を決めた上で勝利したのは川崎ただ1チームだけである。

<FC東京のMatch Facts④>
・ディエゴ・オリベイラは川崎相手に5ゴールを決めている。

 ディエゴ・オリベイラと聞けば、苦い顔をする川崎サポは多いだろう。何といっても等々力でのハットトリックの印象が強いはず。衝撃的なスコアでの敗戦も相まって強く脳裏に焼き付いているはずだ。

 事実、ディエゴ・オリベイラは川崎相手に5ゴール。これはG大阪、広島相手と並んで最多。完全に川崎はお得意様である。ただし、この5ゴールはいずれも柏に所属していた時に決めている。FC東京に移籍したからは依然無得点だ。

【川崎フロンターレ】

<川崎のMatch Facts①>
・アウェイでのリーグ戦は直近4試合負けなし。
・直近6年のアウェイ初戦は4勝。ただし、勝てなかった2試合はいずれもアウェイ初戦が第1節ではなかった年。

 昨夏を越えて以降はアウェイでは負けなし。リーグでこっぴどくやられた記憶が強い横浜FM、神戸は共に等々力での試合。アウェイの試合は好調だ。

 アウェイでのシーズン初戦も好調なのだが、第1節以外でアウェイ初戦を迎えると直近2試合は勝てていないのが気がかりだ。

<川崎のMatch Facts②>
・先制した試合は直近53試合で1敗(W40D12)。
・直近8試合の水曜日のリーグ戦は2勝のみ(D2L4)

 先制した試合での逆転負けは2018年4月のC大阪戦が最後。中断期間はあったとはいえ、2年以上負けていないことになる。逆に水曜開催のリーグ戦は苦手。先制点を得て、水曜日克服の足掛かりにしたいところだ。

<川崎のMatch Facts③>
・2017年以降、リーグにおける多摩川クラシコの川崎の得点者はすべて異なる。(谷口、知念、長谷川、小林、阿部、齋藤)
・長谷川竜也は直近3試合の公式戦で3ゴール。

 多摩川クラシコでは近年いい成績を残しているが、1試合どころか3年がかりで得点者がすべて異なるのが面白い。上記の機関の得点者6人のうち出場の可能性があるのは谷口、齋藤、長谷川だろうが、彼らが得点をすることはあるだろうか。

 ちなみに長谷川竜也は絶好調。昨季公式戦5ゴールだったが、今季はすでに3ゴール。対面する室屋成とのマッチアップはこの試合の大きな見どころになりそうだ。

おまけの展望

 FC東京×柏を見る時間があったので、簡単にポイントをいくつか。

① 守備低減したFC東京の前線の影響

 ざっくりFC東京のイメージを言うと「攻撃3人、守備7人」。レアンドロ、アダイウトン、オリベイラの3人は守備の負担は取り除かれている。4-3-3だったり、4-2-3-1だったり、4-4-2だったりいろいろ試しているが、どの形でも3人を同時起用をする限りは、川崎のSBは時間を与えられる展開になる。4-4-2でプレスバックするレアンドロはとりあえず戻っている感じが強く、そこにいる以上の意味はないように思えた。柏戦ではオリベイラの負傷で田川が入り、4-4-2でのサイドでの守備がやや強固になったものの、完成度としては昨年に及ばない印象が強く、加えて攻撃力もやや減る。

 長谷川×室屋のマッチアップも楽しみだが、レアンドロがいるサイドの山根、家長を中心に違いを作って押し込めるかが肝。中途半端に引っかけてしまえば、一転カウンターの餌食になるだけに、川崎の右、FC東京の左がサイド攻防のカギになりそうだ。

 川崎のビルドアップで注目なのは谷口とジェジエウ。今季のFC東京のやり方なら、間違いなく彼らがボールを持つ時間はあるはず。ビルドアップで変化をつけるサイドチェンジや楔にトライしている彼らの成果が早速見れる可能性もある。

② 動かないことでスペースを作りたい

 FC東京が柏戦で手を焼いていたのは江坂。引いて受ける江坂をFC東京が捕まえに行けなかったのは、エリアにとどまるオルンガによってDFラインの高さが決まってしまった部分が大きい。

 ダミアンはポストができないというわけではないものの、なるべくエリア内での仕事に集中させたいところ。あえて「動かない」ダミアンがFC東京のDFラインの高さを規定すれば、脇坂や家長が前を向いてプレーできるスペースを作れるはずだ。

③ 宮本恒靖的割り切りはある?

 連勝は続いているが、内容には歯がゆいものもあるというのがFC東京ファンの見立てのよう。「3:7」のサッカーもバランス的に最適なのか頭を悩ませていることがある。

 近年、川崎相手に最も割り切ったといっていいのはG大阪。川崎相手に固めたうえで強力な前線で対抗することによって、好成績を収めている。特性としては今季のFC東京も似ているだろう。

 ブロック守備の強度やロングカウンターの申し子である永井がフィットするかなど懸念はなくはないものの、属人的な部分で調整をすればスカッド的には「宮本恒靖的割り切り」をするのは可能。長谷川監督の決断は気になるところ。

 川崎側がボールを相手に渡す形もなくはないものの、引いて受けた場合のロングカウンターの強度がFC東京ほどないことや、そもそもドリブラーをブロックで受け止めきれるのか?という懸念がある。

 ハイプレスからショートカウンターという昨年の再現もなくはないが、過密日程+再開直後のコンディションでリスクは高い。中途半端になれば、FC東京のアタッカーが大好きな広いスペースが後方に広がることにもなる。

 攻守とボール保持のバランスを両監督がどこに見出すのかが気になるところだ。

参考
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
SANSPO.COM(https://www.sanspo.com/)

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