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「リーグフェーズ最大の山場」~2024.11.6 UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ 第4節 インテル×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第4節
2024.11.6
インテル(7位/2勝1分0敗/勝ち点7/得点5 失点0)
×
アーセナル(9位/2勝1分0敗/勝ち点7/得点3 失点0)
@スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ

戦績

過去の対戦成績

 過去2回の対戦でインテルの1勝、アーセナルの1勝。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • インテルとアーセナルは03-04のCLでのみ対戦しており、0-3と1-5でそれぞれアウェイチームが勝利している。
  • アーセナルは直近4試合のCLのイタリア遠征で無得点(D1,L3)。イタリアで最後に得点したアーセナルの選手は2008年のミラン戦でゴールを決めたエマニュエル・アデバヨール。
  • 今季のCLでインテルよりも多くのシュート(53)を受けているチームは5つしかないにもかかわらず、インテルは3つのクリーンシートを達成。欧州カップ戦においてインテルがここまでに4試合連続無失点を記録したことはない。
  • インテルは今季のCLにおいて最もスターターの11人の平均年齢が高いチーム(30歳139日)。彼らは30歳以上の選手に最も多くのプレータイムを与えているクラブでもある(1482分)
  • 今季のCLにおいてアーセナル(5)よりも多くの枠内シュートを受けているチームはアタランタ(4)だけ。アーセナルも3つのクリーンシートを記録している。4試合連続になれば2007年の11月以来。
  • 今季のCLにおけるアーセナルの3つのゴールはすべて前半に記録されたもの。後半におけるシュートは9本だけでこれより少ないのはスパルタ・プラハ(8)だけ。
  • ガブリエル・ジェズスは出場すればCLに50試合出場する43人目のブラジル人となる。直近のこの記録の達成者は2019年のアヤックス戦におけるトッテナム所属のルーカス・モウラであり、この試合でハットトリックを達成している。しかし、ジェズスは加入して初めの4試合で得点を決めた後、7試合連続でゴールがない。
  • ヤン・ゾマーはインテルで出場した10試合のCLの内、7試合でクリーンシートを達成。70%のクリーンシートは10試合以上出場したCLにおけるGKの中で歴史上もっとも高い数字。
  • ガブリエル・マルティネッリは今季のCLにおいてキャリー(5m以上ボールを運ぶ動き)から5つのチャンスクリエイトを達成しており、現時点でコンペティションハイ。マルティネッリはアーセナルにおいてカイ・ハヴァーツと並び、クラブハイの6つのチャンスクリエイトを記録しており、最も高いアシスト期待値(1.25)を記録している。
  • 3節終了時点でもっとも相手に多くのプレスをかけている選手はメフディ・タレミとカイ・ハヴァーツ(211)。ハヴァーツは敵陣でもっとも多くのプレスをかけた選手でもある(92)。

予習

セリエA 第9節 ユベントス戦

セリエA 第10節 エンポリ戦

セリエA 第11節 ヴェネツィア戦

予想スタメン

展望

万能型の優勝候補との大一番

 ここまで共に2勝1分。3試合を終えて無失点という両チームのビッグマッチである。リーグ戦では手負いのアーセナルにとっては非常にタフな一戦になる。

 インテルはリーグ戦では順調に勝利を重ねており、11試合で勝ち点は24。ナポリに次いで2位の位置につけている。

 あえて懸念を挙げるとすれば失点数だろうか。11試合終えて13という数字はすでに昨シーズン全体の半分以上。もっともこれは昨シーズンの22という数字が異次元なせいもあるが、リーグ全体で見ても失点数は7番目と少ない方ではない。先日もユベントスと4-4のド派手な撃ち合いをホームで行ったばっかりだ。

 とはいえ、基本的にはどの局面に関しても優秀な力を持っている万能型のチームである。昨季も何かを纏った感のあったアトレティコに敗れてしまったが、個人的には優勝候補として見ていたくらい力のあるチーム。間違いなく、ジュゼッペ・メアッツァでの一戦はこのリーグフェーズにおけるアーセナルの最大の壁となるだろう。

 インテルの最大の特徴はどの相手に対しても非常に制御された展開を好むこと。流れの中でプレスに出て行くことももちろんあるが、基本的には構えて相手を受け止めつつ、保持でもゆったりとした動かし方から攻略を探るチームである。

 5-3-2の前方の3-2ブロックは同サイドに追い込んで囲い込むのが非常にうまい。当然相手は2トップの脇にポイントを作って前進しようとなるが、特にインサイド側の縦パスへのガードが固く、安易に縦パスを通せばここからカウンターに打って出てくるチーム。考えなしにインサイドに入り込むのは危険である。

 中盤を動かそうとして、IHにつっかけるパターンを作ろうとしても中盤のスライド+CFのプレスバックでスムーズに埋めるアクションを行う。ブロックを組んだ状態から相手のチームが何かを引き起こすのは正直に言って難しい感じがする。

 流れの中からハイプレスに出て行く際も陣形はコンパクト。前がかりになったからといって簡単に隙を作ることはできない。出て行く頻度は多くはないが、出て行ったときにミスらずにプレーできるのは強みでもある。

 保持においては低い位置からボールを左右に動かしながら攻略の術を探っていく。相手を無効化するプレスは非常に得意で、シティ相手にも即時奪回を交わしてのロングカウンターに打って出ることが出来る。

 バックスの枚数調整及び前方への送り込みがポゼッションの肝。ワイドのCBには攻撃参加が許容されている。右サイドはIHのバレッラもしくはアンカーのジエリンスキが右のCBの位置に落ちることもしばしば。その代わりとしてRCBのパヴァールが中盤に顔を出すのが強みである。

 3バックの右に落ちる選手は大外のダンフリースを使った裏抜け、CFへの斜めの楔、そしてインサイドに入り込むRCBの3つの選択肢からパスを狙うことが出来る。相手のCBを放っておくならば、テュラムかダンフリースが裏抜けをして縦にまずは引き延ばす作業を行う。

 すると、相手チームは徐々に降りてくるバレッラやジエリンスキを放置できなくなるので、全体が間延びしてラウタロへの縦パスが入りやすくなるという算段である。ラウタロとテュラムの2トップの万能性は非常に厄介。ライン間で前を向いてチャンスメイクもできるし、裏抜けからのスペースメイクという地道な仕事も得意である。

 左サイドはよりアナーキー。バストーニはアーセナルで言えばカラフィオーリのように非常に柔軟に高い位置を取るし、ディマルコはさらに攻撃的にボックス内に入り込んでいく局面が目立つ。列落ちのアクションは少なく、後方のバストーニの運ぶアクションを信頼した前がかりの仕様となっている。

 前線とWB、そしてIHのムヒタリアン、バレッラ、フラッテージはスピードもあり、カウンターから素早く相手を陥れることも可能。どのような盤面でも極端に苦手な局面は見受けられず、崩すのも守るのも厄介な強敵ということで間違いないだろう。

サイドでの対応で上回れるか

 勝ち点の算段的には敵地であれば正直引き分けでもOKであるが、ビハインドになると直近のアーセナルのコンディションを織り込んでも難しい展開にはなるだろうし、後半戦のポット3,4でアーセナルは難敵を多く引いてしまったというくじ運の悪さもある。点を取るプランはなるべく持っておきたい。

 当たり前の話であるが、トランジッションの成分が高ければよりチャンスは作りやすくなる。直近のリーグ戦であるヴェネツィア戦は多くの時間ではチャンスをあまり作らせない完勝ではあったが、後半の中盤のWBの走り合いでのチャンスメイクは互角であり、サイドからヴェネツィアに攻め込まれる場面もあった。

 基本的にはインテルは静的に試合をコントロールすることが多いチームなので、だらっとサイドでの走力勝負に持ち込まれるのはあまり得意ではないのかもしれない。もっとも、アウェイでの強敵とのリーグ戦の間にインテル戦をぶち込まれたアーセナルにとっては、そうした消耗戦に持ち込むのは現実的ではないかもしれないが。

 仮にインテル戦らしい静的な局面に持っていかれるとしてもサイドは打開の切り札になるだろう。インテルが大外にダブルチームをつけるプランを組んでくるかはわからないが、1on1であればアーセナルのWGには十分な勝機がある。

 ただ、インテル側も何も手当てがないということは考えにくく、ワイドのCBは少なくともカバーの意識は持っているはず。アーセナルのWGに対峙するWBのカバーに入るインテルのCBを戸惑わせる動きを周りの選手には期待したい。具体的にはハーフスペースの裏抜けである。毎回言っているのでまたかよという感じはするかもしれないが、毎回やってほしいことなので仕方がない。

 特にカラフィオーリがいない左サイドは改善策が欲しいところ。ウーデゴールがベンチ入りするかは不明だが、右サイドはホワイトがSBとしてフルタイム戦えるのであれば少し景色も違ってくるだろう。ハヴァーツへのロングボールは、横に動きながらマーカーをあいまいにして少しでも混乱を招く工夫を挟み込みたい。

 守備においてはやはり大外の裏抜け対応とライン間をコンパクトにしないことが重要。両サイドの馬力は非常に強力であり、右のダンフリースはわかっていても止めにくいタイプ。おそらくは代表の同僚であるティンバーが対峙することになると思うが、加速させる前に処理したいところ。空中戦も含めてタフなプレイヤーだ。

 ライン間に関しては前節ウィロックを逃がしてしまったライスの不在をどう埋めるか。対面で先発が予想されるムヒタリアンは背負ってロングボールを受ける強さはないものの、細かい動き直しからわずかなギャップを作るのがうまい。トーマスのコンディションは重要なファクターになる。

 ピッチ内での停滞に加えて、ピッチ外では体制の変化が起こっているアーセナル。苦しい流れではあるが、雑音を払拭するには結果を出すしかない。まずは代表ウィーク突入までのアウェイ連戦を乗り切りたいところだろう。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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