Fixture
プレミアリーグ 第11節
2024.11.10
チェルシー(4位/5勝3分2敗/勝ち点18/得点20 失点12)
×
アーセナル(5位/5勝3分2敗/勝ち点18/得点17 失点11)
@スタンフォード・ブリッジ
戦績
過去の対戦成績
過去5年間の対戦でチェルシーの2勝、アーセナルの7勝、引き分けが2つ。
チェルシーホームでの成績
過去10回の対戦でチェルシーの3勝、アーセナルの3勝、引き分けが4つ。
Head-to-head from BBC sport
- 2021年8月のエミレーツでの勝利を除き、チェルシーは直近10試合の公式戦でのアーセナル戦で勝利がない(D2,L7)。
- 直近5試合のホームでのアーセナル戦でチェルシーは未勝利(D2,L3)。
- アーセナルは直近7試合のこのカードにおいて連続得点中。
スカッド情報
- コール・パーマーはユナイテッド戦の負傷からの復帰が期待される。
- 病気のため10月中旬から出場していないジェイドン・サンチョは起用可能。
- デクラン・ライスは当日判断。
- マーティン・ウーデゴールは起用可能。
- カイ・ハヴァーツ、ミケル・メリーノの状況も注視される。
- ラヒム・スターリングは契約により出場不可。
Match facts from BBC sport
- 開幕戦の敗戦以降、直近9試合のリーグ戦で1敗のみ(W5,D3)
- 直近25試合のプレミアにおける3つの敗戦はアーセナル、シティ、リバプール相手のもの。
- 10試合終了時の勝ち点18はマウリシオ・ポチェッティーノが指揮をしていた昨季よりも6ポイント多い。
- 2016年以来のホームゲームのリーグ戦で7試合連続失点となる可能性。
- PKを含むセットプレーから7点をとっており、リーグ最多。
- コール・パーマーは今季のリーグ戦で12得点に関与しておりリーグ最多タイ(7G,5A)。
- 今季は10試合で18ポイント。昨季は24、一昨期は27だった。
- 直近6試合のリーグ戦のうち4試合で先制点を奪われており、直近8試合の先制された試合において5回ポイントを落としている。
- 1994年8月以来のアウェイでの3試合連続無得点となる可能性。
- 2024年のロンドンダービーは6戦全勝。AGGは22-3であり、うち3試合は5得点以上での勝利。
- 欧州カップ戦直後のリーグ戦は直近26試合で1敗のみ(W19,D6)。
- ミケル・アルテタが指揮をとったチェルシーとのアウェイゲームは過去5試合で負けがない(W3,D2)。
予習
第8節 リバプール戦
第9節 ニューカッスル戦
第10節 マンチェスター・ユナイテッド戦
今季ここまでの道のり
予想スタメン
展望
一点突破の破壊力が光る
リーグ戦は直近3試合勝利はなし。アーセナルとしては苦しい局面に立たされている。苦しい局面のアーセナルのリーグ戦といえば、お馴染みのチェルシー戦である。
試合の間隔で言えば詰まっているのはチェルシーだが、日程面では明らかにアーセナルの方が不利と考えるべきだ。チェルシーはECLを総ターンオーバーで完全入れ替えを実施した一方、アーセナルはアウェイ連戦の4つ目。コンディション的にもギリギリの戦いになるはずだ。
今季のチェルシーはマレスカが新監督になり構築中。マレスカの印象としては割とかっちり仕組みを組みたがる監督なのだなという感じ。ベースとなるのは4-2-3-1からの3-2-5変形。シーズン序盤は右のSBのグストがアンカー役のカイセドに並ぶ形でCHとなり、もう1人のCHのエンソとパーマーが5のシャドー役を形成。このポジションの選手が上下動をしながらボールを引き出していく。
ただし、シーズン途中からはエンソに代わってラヴィアがCHとして定着。この変化をきっかけに3-2-5のポジションのバランスは微妙に変化。CHはそのままフラットな関係性を構築し、前節はSBが1列前に入ることで3-2-5を形成する。
3-2-5と言えば押し込んでなんぼというイメージではあるが、このチェルシーはあまりそういう感じはしない。フォロワーのチェルシーサポの誰かが「マレスカは押し込み切るのを好まない」みたいなことを言っていたけども、攻撃のメインストリームはまさしくこの言葉が象徴しているように思う。
攻撃のきっかけになるのは前の5枚、特にCFのジャクソンかシャドーの一角のパーマーがライン間に立った際に彼らに入る縦パスである。この場所で受けた彼らがポストで味方がフリーになるパスを供給する、もしくは自らが前を向くことができればここから一気にチャンスを作ることができる。
反転されるほどスペースを作る相手であれば、チェルシーはここをきっかけに大量に得点を稼げる力があるチーム。ウェストハムなどはその典型であり、スペース管理の甘さが浮き出てあっさりと敗れた。縦への鋭さを出すことができた時の決定力はさすが。そして、どんな相手でも大体はこの攻撃が通用する時間帯を作ることはできる。
ただ、チームとしてはやや一点突破寄りなのは否めない。押し込んでの攻撃という意味ではまだ完成度は限られている。特に両WGを生かした攻撃の構築に関しては途上となっている。右のマドゥエケはアイソ気味に攻撃を完結させる役割にまだ苦しんでいる印象があるし、左はそもそもSBも含めて選手のスクリーニングが続いている感がある。
そういう意味では試合を支配する力という部分では不足感があり、どんな相手でも主導権を握られる試合が出ている印象。例えば、序盤戦のウルブス戦は大量得点で勝った試合であるが、ウルブスが攻勢に出た時間には痛い目に遭っている。速い攻撃で広い範囲をカバーする対応に関してはバックスには不安点が残る。
非保持では4-4-2がベースとなる。現状ではどう守るか?のところはまだ固まっていない感じもある。仕上げで縦に速い展開を好むこともあるし、前線が深追いする影響で間延びすることもあり、FW-MFの領域はコンパクトに守ることはできていない。
ジャクソンとパーマーの両名を起点とする攻撃から一気に得点までたどり着くことができるかどうか。現状のチェルシーの勝利のポイントはここに集約されている。
WGに舞台を整えられるか?
というわけで今のチェルシーはパーマーとジャクソンへの依存度がとても高い。なので、当然パーマーが出場できるかどうかはチェルシーの勝利の可能性を大きく左右する。反転して前に進むというきっかけのところもそうだが、攻撃を仕上げるという意味合いでもパーマーが果たす役割は大きい。
ライン間に降りてくる選手を封鎖できるかどうかという点ではアーセナルはCBとCHの連携が効くかが重要。この試合ではライスの出場が不透明ではあるが、ライスがニューカッスル戦の水準にあるのであれば背後の封鎖は難しい。パーマーを逃して一気に加速させることになるだろう。この点は個人のパフォーマンス向上に期待するしかない。SBはおそらくティンバーとホワイトで目処が立つので、CHにトーマスをスライドすることができるのは朗報だろう。
瞬間的な出力で言えば驚異的な相手ではある一方で、相性で言えばインテルやニューカッスルといった堅さをベースにするチームというわけではないのでやりやすさも出てくる可能性はある。直近2試合の5バックを切り崩す展開とは少し違う流れになると予想する。
そのため、サイド攻撃にも活路が見える可能性もある。5バックでなければニアでのサポートは手薄な可能性もあるし、SHのキャラクター的にダブルチームへのこだわりはインテルやニューカッスルよりは薄いはず。この点を利用し、WGを活用した攻撃の優位をより鮮明にしたい。
できれば、左サイドのCHはハーフスペースの裏抜けの頻度を増やしたいところ。おそらく右はウーデゴールの復帰でこの点は解消傾向にあると思われるが、左サイドはカラフィオーリの復帰に時間がかかる分、既存戦力の奮起には期待したいところ。特にメリーノにはハーフスペースの突撃の頻度を増やしたい。
WGにいい形でボールを渡すにはFW-MFを手前に引き寄せることで間延びを誘発したいところ。1stプレスラインをクリーンに通過し、トーマスやティンバーが前を向くことができればサカやマルティネッリに入るボールは良化する。WGの前と後ろを強化できるかどうかが未勝利脱出の鍵になるだろう。