Fixture
プレミアリーグ 第12節
2024.11.23
アーセナル(4位/5勝4分2敗/勝ち点19/得点18 失点12)
×
ノッティンガム・フォレスト(5位/5勝4分2敗/勝ち点19/得点15 失点10)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でアーセナルの7勝、フォレストの3勝。
アーセナルホームでの戦績
過去10回の対戦でアーセナルの6勝、引き分けが4つ。
Head-to-head from BBC sport
- フォレストはアーセナル相手の14回のプレミアで2勝のみ。1996年と2023年でどちらもホームゲーム。
- 1989年のハイバリーで勝利して以降、フォレストは13試合のアーセナルとの公式戦のアウェイゲームで未勝利。
- アーセナルは昨季、ホームとアウェイで共に2-1でシーズンダブル。ブカヨ・サカとタイウォ・アウォニイが両試合とも得点を挙げている。
スカッド情報
- ベン・ホワイトは膝の手術を行い、数ヶ月の離脱が見込まれる。
- 代表戦で負傷したレアンドロ・トロサールは評価予定。デクラン・ライスとブカヨ・サカも同様。
- キーラン・ティアニーはハムストリングの負傷から5ヶ月ぶりにトレーニングに復帰。
- ヌーノは数名の選手をマネジメントする必要がある旨を述べたが詳細は不明。
- イブラヒム・サンガレ、ダニーロは長期離脱中。
Match facts from BBC sport
- 直近7試合の公式戦で2勝のみ。
- 勝てなければミケル・アルテタ指揮下での2回目の5試合リーグ戦未勝利。1回目は2020年の11月から12月の7戦未勝利でうち1つはホームでヌーノ・エスピリト・サントのウルブスに1-2で敗北した試合も含まれている。
- アルテタの公式戦250試合目の指揮となる試合。このクラブにおいてこの記録を達成したのは10人目であり、146勝はその中でも最多。50試合以上指揮した監督の中で勝率58.6%も最高の数字。
- 対戦時にトップ6にいるチームとの試合はここまで4試合ともリードをしたにも関わらず、引き分けに終わっている。
- 直近7試合のリーグ戦で11失点でクリーンシートはなし。2024年の初めの22試合では失点は10で14のクリーンシートを記録していた。
- プレミアで記録したカイ・ハヴァーツとブカヨ・サカの7得点はいずれもエミレーツで記録されたもの。
- ガブリエル・ジェズスは1月30日のフォレスト戦以降、19試合のプレミアの出場で得点を決められていない。
- ラヒム・スターリングは過去4試合のフォレスト戦で4ゴール。
- 94年,95年に達成した開幕からのアウェイ無敗記録に並ぶ6試合負けなしを達成する可能性。
- 4月のエバートン戦での0-2以降、7試合連続でアウェイでの負けはない。
- 2022年の昇格以降、初めの36試合のアウェイゲームにおいて勝利したのは3勝のみ。
- 直近15試合のロンドンでの試合で唯一勝利したのは昨年9月に1-0で勝利したチェルシー戦。
- 11試合のリーグ戦のうち、10試合で先制点を得ており、ビハインドの時間は102分34秒でリーグ最少。
- 10失点はリバプールに次いで2番目に少ない。クリーンシートは4つで昨季の記録にすでに並んでいる。
- タイウォ・アウォニィは直近14試合のリーグ戦でゴールを決めていないが、直近3試合のアーセナル戦で得点を挙げている。
- クリス・ウッドは24得点であと1ゴールでフォレストにおけるプレミアのトップスコアラーになる。
- ウッドはヌーノ就任以降の27試合で19得点。うち、12得点を13試合のアウェイゲームで記録。この期間においてウッドよりも得点を挙げているのはエーリング・ハーランド(25)とコール・パルマー(23)だけ。
- しかし、ウッドは11回のアーセナルとの対戦で1得点。エミレーツでは5試合で得点を挙げたことがない。
予習
第9節 レスター戦
第10節 ウェストハム戦
第11節 ニューカッスル戦
今季ここまでの道のり
予想スタメン
展望
武器の確立が他局面で戦える自信に
CL抽選のタイミングで、スケジュールを見た時に「11月の代表戦を超えればなんとかなるはず!」という印象を持ったことをよく覚えている。痛手を負いながらもなんとか11月の代表ウィークにたどり着いたアーセナル。しかしながら、待ち構えているのは5位に君臨するフォレスト。日程が決まった当時と比べると、明らかに逞しくなった印象のダークホースが代表ウィーク明けのアーセナルの相手だ。
フォレストのベースとなるのは4-4-2。快進撃の原動力となっているのは低い位置で組まれたブロック守備である。きっちりとスペースを消すローラインを基軸にボックス内をCBで固める。特徴的なのは2列目の4人をナローにすることで中央の縦パスのコースを閉じるアクションを見せることである。
このスタンスの徹底はなかなかのもの。エランガ、ハドソン=オドイと行ったWG型のタイプも別にルーズな守備をするわけではないが、強豪相手の勝負手としては4人のMFタイプを2列目に並べることで中央のクローズを徹底することもある。
アンフィールドで勝利をしたリバプール戦はまさしくこのスタンス。中央を完全に閉じるジリジリした展開に引き込んでから、交代で登場したWG型を生かしたカウンターで仕留めるという展開だった。
ただし、リバプールを打ち破るのであれば中央だけでなくサイドでも迎撃をする必要がある。その点で活躍するのが対人スキルの高いSBである。先に述べたようにフォレストの2列目はナローで中央を閉じる分、大外のフォローには行きにくい。逆に言えば、割とSBはWGとのデュエルに信頼を置かれているということになる。
右のSBのアイナはその点で非常に優秀。単騎で相手をきっちり止めるストッパー能力の高さは先に挙げているフォレストのメカニズムの構築にも大きく貢献している。これによりCBはインサイドをきっちりと固めればOKということに。ムリージョ、ミレンコビッチといったファイターたちはボックス内でクロスの跳ね返しにフォーカスすることができている。
基本的に序盤戦はローブロック+ロングカウンターというチームであったが、徐々にプレスに出て行ったり、あるいは保持で崩したりなど多局面で相手を上回ることもちらほら。ウェストハム相手に全ての局面で完成度の差を見せつけるくらいには仕上がっているチームである。これもまた、まずは1つ目の武器であるきっちりと固めるというところが機能しているからこそだろう。
アタッカーは個人の依存度が下がっているのも魅力。昨季まではいないと迫力が足りなかったギブス・ホワイトやアウォニィの不在も見事にアンダーソンやウッドの暗躍でカバー。特にウッドはウィサと並び、決定的な仕事をコンスタントに果たすことができるいぶし銀ストライカーだ。
左サイドのブラッシュアップが伸びしろ
フォレストにどう勝つのか?も大事なファクターなのだが、ここからのアーセナルをまずはまとめてどのように進むかを考えたい。基本的にはここまでのアーセナルの感想はここに書いた。
読むのがめんどいぜ!という人のために説明すると、今のアーセナルは「主導権を握ることが得点につながる」というチームであり、その順序が逆転しにくいのが弱みという話をこの記事ではしている。そして、今夏の補強も主導権を握るための幅を広げるための補強が主になっており、何かを引き起こせる異分子のような存在は緊急獲得となったスターリングを除けば存在しないということである。
というわけで今というか、今季のアーセナルには近道はない。勝利を得るためには長い時間主導権を握り、相手に対して適切な攻撃を続けなければいけないということである。
その点でSBの選べる幅が狭まっているのが辛いところ。今季のSBは常に誰かしらが離脱しており、その時に起用できるメンバーをそのまま置く以外にできることがないケースもしばしばである。ただ、多彩なSBはそれぞれ微妙にキャラクターが異なっており、その時々で必要としたい選手が微妙に変わりやすい。その点で、SBを選ぶのではなく当てはめるスカッド運用になってしまっているのは辛いところがある。
アルテタのプレスカンファレンスを聞く限り、冨安とホワイトはしばらく離脱になるので、SBの1stチョイスはしばらくティンバーとカラフィオーリということになるだろう。この両翼は比較的幅が利く組み合わせ。彼らがサイド攻撃に華を添えてアーセナルのアタッキングサードを効率化してほしいところ。
この試合においてはウチに絞りがちなSHとの駆け引きになるだろう。外に開くアクションを効果的に織り交ぜながら、相手の2列目と能動的な駆け引きをしながら崩すきっかけを作りたいところ。
特に左サイドは更なるブラッシュアップを求めたい。中断直前はメリーノのフィット感が高まり、冬の活躍に期待が持てる出来であった。もちろん、マルティネッリのファーへのクロスも攻撃の有用な手段だと考えているのだけども、ニアゾーンをつく攻撃のバリエーションを増やしたい。シンプルなポケット攻略の数量確保でまた違う崩しの道も見えてくることになるはずだ。
今季は得意のドバイキャンプも使えないスケジュールなので、試合をやりながら連携を高めていくしかない。右はウーデゴールの帰還によってある程度計算は立つはず。左のブラッシュアップがチームとしての冬の伸び代になるだろう。
まずは難敵相手にサイド攻略を実直に。ポケット侵入とファークロスで相手のCBを横に揺さぶる形を作り、ボックス内での迎撃に少しでも集中できない材料を与えたいところだ。