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「我らルヴァンの王様なり」〜川崎フロンターレ 個人レビュー2019-GK&DF編-

さぁ、今年もこの時期だね!早速いってみよう!

目次

【GK】

1 チョン・ソンリョン

 今季も川崎のゴールマウスを守った守護神。
昨季に続いてチームに安定をもたらすセービングで、川崎の最終ラインを引き締めた。

   というのがここ数年のソンリョンの紹介文のお決まりパターンだったのだが、今年はこの文面をそのまま採用してしまうのは乱暴かもしれない。従来の課題だった守備範囲の狭さに加えて、強みだったシュートストップにも陰りが見えてくるなどシーズン中盤に不調に陥ってしまった。

   25節に正GKを明け渡すとそこからはベンチ生活が続くことに。カップ戦ファイナルの大舞台にも出場はできなかった。ソンリョンのファンであるSHISHAMOの宮崎さんも悲しい気持ちだろう。紅白の出場予想からの落選と合わせてダブルパンチである。元気出して。

 33節に復帰の機会を与えられたものの、相手は横浜FM。決定的なシュートストップを見せるなど、しっかり準備してきたのは感じられたものの、本来の課題である守備範囲の狭さが露骨に出てしまう相手ということで「ぐぬぬ、4失点」と微妙な感じになってしまったのは否めない。

 来季の去就は不透明。ソンリョンクラスのGKが通年でベンチを受け入れるのは難しいだろうし、川崎としてもさすがに控えのGKに1億円の年俸を払うのはしんどいはず。
 
 ここからカムバックは起こるだろうか。

21 新井章太

   名第2GKは今年も健在。という文もここ数年お決まりのように新井の紹介で使ってきたが、これもふさわしくないはずである。突如不振に陥ったソンリョンに代わり、9月以降に正守護神を務めることに。たぐいまれなる反応速度や守備範囲の広さで存在感を見せると、レギュラーの座をがっちりつかんだ。

   リーグ戦でも活躍をみせたが、なんといっても今季の新井のハイライトはルヴァンカップファイナルだろう。

   あの試合のエモポイントは数えきれないほど多かったけど、新井のPKストップで決着したというのはエモバロメーターが振り切れすぎである。詳しくは上のレビューにめっちゃ書いた。

   課題をあげるならばCKでのハイボールの飛び出しには若干の不安がある。守備範囲を広げるトライ中なのだろうが、広島戦などはなかなか飛び出しの距離感をつかめていないように思えた。

   来季は当然通年での正GK争いにトライ!かと思いきや退団報道が出てしまっている。これで退団しなければなんだったんだってくらいの記念撮影風景が出ているので、おそらく退団は不可避なのだろう。お犬様の下で夢をかなえるのを応援します!


24 安藤駿介

   今季の出場はなし。ファンからの人気は非常に根強い選手だが、普段麻生にはいかない上に、ファイフロが映らない地域に住んでおり、ファン感も行けなかった自分に安藤について今季書けることがないぜ!すまん!

23 藤嶋栄介

 山口からレンタルでやってきたGK。新体制発表会見でがっちりファンのハートをつかむスピーチを披露。本人も認めるように見た目は奈良にそっくりである。しかし、シーズン途中で今季絶望の大怪我である。ラルフも出場機会を得られずに苦しんでいたし、新体制発表会でファンのハートをつかむスピーチを見せるとアレなことになってしまうというジンクスができたら厄介である。とはいえ、まずは怪我を治すところから。ピッチに帰ってくる日を待ちたい。

36 馬渡洋樹

    GK4人体制が基本の川崎において、藤嶋の負傷において急遽愛媛から呼び寄せられた。アンケートを見る限り、パントキックを武器としていたり、憧れの選手にエデルソンをあげているため、足元には自信のあるタイプなのかもしれないがそれ以上はわからない!見た目はめっちゃさわやかイケメンである。1人でも珍しい馬渡を和洋セットで獲得するというJクラブ史上初の偉業獲得に大きな貢献を果たした。来季はどうなるんだ!


【DF】

2 登里享平

 讃岐のジャックナイフは完全に1人ポジショナル君に変貌を遂げた感がある。相手に合わせて内側絞ったり、大外を回ったりなどレーンの棲み分けがうまく、サイドアタッカーを助ける場面は今年も多かった。昨年から続いている確変状態は未だに続いているといっていいはずだ。マジでどこで習ったんだろう。

 加えて大きな怪我がなかったことも今季は評価ポイント。怪我に泣かされ続けた選手だけにここまでコンスタントに稼働できたことは非常に意義がある。

 プレー以外ではチームメイトにいい言葉をかける役割も果たしており、ルヴァンカップでPK戦に臨む新井に「ここで止めたらストーリー完成だな」というニクイことを言って、新井を奮い立てせたりしている。完全な助演男優賞であり、いつ三谷幸喜から声がかかっても問題ないはずだ。なんとなく本人も演技が好きそうに見えるのは、本人のチャントの原曲にもなっている狩野英孝のせいだと思う。

3 奈良竜樹

 登里とは対照的に引き続き怪我に泣かされたシーズンになってしまった。開幕戦こそあわや退場というパフォーマンスだったものの、序盤戦は踏ん張りながら谷口とともになんとか最終ラインで奮闘し、勝てないけれども負けない川崎を演出した。終盤戦に復帰して好パフォーマンスを見せたものの、山村の台頭もあり出場機会はそこまで増えなかった。

 ポテンシャルには疑いの余地はないものの、山村や谷口と違い、CB専業ということもあり去就に関しては若干不安な面は残る。ベンチ入りの頻度を見てもジェジエウとの序列は流動的な印象。現行路線の継続ならば来季は今まで以上にCBの足元は求められるはず。一撃必殺のタッチダウンパスにはすでにトライして結果を出していただけに、ジャブを打ちつつ相手を動かすことができる緩急をつけた配球ができれば、CB争いでもアドバンテージを握れる存在である。とか言っていたら、すでにクラブに退団の意思を伝えたとの噂も!マジか!

4 ジェジエウ

 加入の発表があったのはいいものの、影も形も見えず、もはや本当に獲ったのか?存在しているのか?という疑念が徐々に出てきたタイミングで、奈良の負傷をきっかけとなり、ホーム仙台戦でデビュー。強靭なフィジカルとスピードを兼ね備えていて、読みも優れているプレーを継続的に披露したことで株が急上昇。一気に心をつかまれたと同時に「なんで今まで使わなかったんや」という思いで心がいっぱいになったファンも非常に多いのではないか。CBのやりくりに困っていたACLでジェジエウを登録外にしたのは今季トップクラスのチョンボである。

 緩やかにパフォーマンスが落ちてきたタイミングで、負傷となりシーズンが実質終了してしまったのは切ない。監督が続投ならば、ストッパーでカバーリングもいけるジェジエウの存在は不可欠だろうが、買い取り手続きまでは踏み切るかどうか。

 ピッチの外ではインタビュアーに「かわいい」という日本語を教えられて、目の前の女性ファンに「めっちゃかわいい」といわせられそうになる流れを作られたものの。「彼女に見られたら怒られる」とピッチ外でも完璧なリスク管理を披露した。「俺は絶対炎上するからSNSやらない」といっていた〇ットさんとか、加入前のインスタで川崎までの道のりを乗っけちゃう〇イネルさんとか、リリース前の退団選手の惜別の様子をアップしてしまった〇イオさんとは違って、ジェジエウはSNSをやっても平気だと思います。

5 谷口彰悟

 立てばイケメン、座ってもイケメン、失点してもなおイケメンでおなじみのミスター安定感。しかし、今年はどこかいつもと違う様子が多かったシーズンだった。谷口の特徴といえば、まず川崎らしからぬ怪我への強さなのだが、今季は序盤に負傷による離脱を経験。まぁ負傷は不可抗力もあるし、仕方のないところ。ただ、シーズンに2回も退場するとは驚いた。特にアウェイ名古屋戦での退場劇は、冷静さを欠いたもので非常に彼らしくない振る舞いだった。

 ショートパスで起点として機能する場面は例年よりも少なく、シーズン終盤はルヴァンカップで一発退場やら、倉田を無理やりたたき起こした疑惑で無駄に叩かれたり、さらにはお友達のモデルさんの新CMがのっぴきならない事情でお蔵入りになってしまうなど秋冬は若干散々な感じに。

 それでも、奈良、ジェジエウ、車屋、山村と目まぐるしく変わる相棒をよそにコンスタントな出場を続けたのは評価されるべきであるし、ルヴァンカップの退場劇を「(名古屋戦の反省を生かして)退場に抗議して、登里にベンチからの指示を聞いてくる時間を稼いだ。」とかケロッと言ってしまうあたりはただものではない。おそらく頭がめちゃめちゃいい。あの大舞台で以前の退場から学んだ教訓を実践できるという時点でかしこである。そういう意味では谷口らしい退場劇ではあった。

    そんな川崎の知性である谷口ならば、今季の苦戦を必ずや自分の糧にしてくれるはず。仮に求められるプレーが変わっても順応できるはずだ。新しいことにもチャレンジして、一回り成長した選手になることを期待したいところである。

7 車屋紳太郎

 本人としては今季をどうとらえているのだろうか。はたから見れば今季も昨季に続いて苦しいシーズンだったと思う。前の選手に合わせてプレーできる登里と比較すると、若干プレーが一辺倒に。シーズン途中から内に入る動きも徐々に増やしてはきたものの、外側に張ればクロスの精度が伴わず、内側に入っても効果的なプレーはできなかった。

 ただ、チームとしても彼をどう使うか?が定まらなかった部分はある。昨季以前からプレーすることも珍しくはなかったCBはともかくとして、レギュラーが定まらないRSBへのコンバートも今季は経験。めちゃめちゃ効果的だったぜ!とは言えないものの、ストッパー役として他のRSBとは異なる強みを見せることで一定期間ポジションを守った。今年はチームとして非常に苦しんだシーズンだったが、車屋のRSB起用はチームの苦しみを象徴するようなトピックスだったと思う。チームとしてこの判断が長い目でみてどうだったか?という話はあるけども、コンバートに最低限の仕事を果たしたという意味では選手としてはやれることをやったという気はする。

 とはいえ、昨季の彼個人の課題は据え置き状態なのは厳しい。川崎が大きく変わるか、彼自身が新しい地を求めるかでもしない限りはここからワンランク上の成長は見えない気もしないでもない。もちろん、川崎で活躍する車屋が見れるのが一番なのだが。

17 馬渡和彰

 上にも挙げた通り、今季の川崎の苦しみの象徴になったのはRSB。エウシーニョが抜けたレギュラー候補の一員として新加入で入ってきたのが馬渡である。神戸戦で見せた超絶FKや上がっていった時の迫力はさすがだったし、見た目も端正でイケメンぞろいの川崎の中でもちょっと悪めなイケメンという新しい立ち位置をモノにしたりしていた。僕の友人のアウトロー男子好き川崎サポのハートもがっちりわしづかみにしていました。新体制発表会で結婚指輪を見た時の彼女の落胆ぶりといったらすごいものだったぜ。

 しかしながら、サイドの崩しにおいて周りと間が合わなかったり、対人の守備でもろさを露呈してしまったり、クロスの絞りが甘かったりなど課題を露呈したのも確かである。そして何より痛いのは、その改善の機会を多くの怪我で失ってしまった感があることである。

   28歳と意外と高齢なので、彼にとって川崎で残された時間があるかは非常に微妙なところである。むー、多分もっといろいろできる選手だと思うんだよなぁ。

26 マギーニョ

 ブラジル人の穴はブラジル人で!という発想のもと、脱エウシーニョを狙う川崎が目を付けたSBのレギュラー候補の2人目。ゼロックスでデビューを飾り、リーグの開幕戦でもスタメンをゲットしたまではよかったものの、徐々に出番は限られたものになり、リーグ出場は1桁という非常に寂しい結果に終わってしまった。

 高い位置を取ってサイドから抉ることはできるし、ロスト後の即時奪回の意識も悪くない。相手のクロスに対して絞る意識は同ポジションの馬渡よりは上だし、90分間ガス欠しない体力も魅力。ただ、いかんせん守備でボールに引っ張られるあまり、裏のスペースのケアが甘くなる機会は非常に多かったのは残念。裏ケアで無双できるジェジエウとのコンビなら悪くないかもしれないが、ジェジエウの怪我もあり、そのコンビを成熟させる期間も設けることができなかった。

 半期に一度、劇場型の勝利を演出することがあるところは愛されポイント。大分戦では給水タイムで「前半は我慢。しっかり守って後半につなげよう」という指示を受けた直後にするする前線に上がっていきゴールを決めたし、広島戦では失点につながる大ポカをかました直後に自ら攻めあがっていきミドルを叩きこむという芸当を披露。リーグ戦での逆転勝ちがなく「等々力劇場」を失った今季の川崎の中で「マギーニョ劇場」を演出するお祭り男でもある。

 馬渡と同じく、ポテンシャルは確かなものがある。今の川崎には最終局面に関われるSBは必須で、そういう意味では7試合の先発で2ゴール1アシストという結果は悪くない。ただ、外国人枠の問題もあり客観的にとらえると去就は非常に微妙なところ。来年も劇場が見たいです・・・、

29 舞行龍ジェームズ

 「DF陣は顔面偏差値が大事」をモットーする川崎の強化部に目をつけられて去年新潟からやってきたイケメン。スーツを着た時のかっこよさといったらため息が出るほどである。なお、このエピソードは昨年の使いまわし。ということはすなわち、今年それを塗り替えるほどのトピックがなかったことの裏返しである。切ないぜ。

 奈良の負傷とジェジエウの登録漏れで序盤戦にACLで出場機会を獲得。やわらかくレンジのあるフィードは今までの川崎の最終ラインにはない武器で、個人的にはとても好みだった。不運だったのは出場機会がそのフィードよりも最後の局面での粘り強さが求められるACLだったことである。強みと弱みを両方見せたACLでのグループステージが終了すると、リーグ戦でのジェジエウの台頭もあり出場機会は激減。夏に新潟に帰って行ってしまった。寂しい気持ちもあるが、出場機会を失ったときに欲しいといってくれる古巣がいるのは幸せなことでもある。とりさわさんは喜んでいたのでまぁよしとしよう。元気でな!!

つづく!

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