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「Catch up Premier League」~2022.10.15 プレミアリーグ 第11節 レスター×クリスタル・パレス ハイライト

■保持での手打ちが光る前半の応酬

 衝撃的なアマーティのバックパスミスや、両チームの立ち上がりの落ち着かない中盤でのロストの繰り返しを見れば「あれ、これアレな感じの試合?」と思うのも無理はない。少なくとも、立ち上がりはバタバタしており、両チームとも試合を掴みきれないまま展開がふわふわ宙を浮いていた。

 試合が引き締まったのはどちらのチームもある程度保持で解決策を見つけることができたからである。先に落ち付け所を見つけたのはパレスだった。4-1-4-1からデューズバリー=ホールが高い位置に出ていく4-4-2に変形するレスターの守備を利用。デューズバリー=ホールが前に出ていくことで空きやすいスマレ周辺のスペースに縦パスを刺していく。

 アンデルセンは抜け目なくパスを刺していき、エゼとシュラップのIHがそのパスを引き出す。パレスの保持はこのバックラインからIHの縦パスで攻撃のスイッチが入るように。

 しかし、レスターは中盤を前に出していくプレスを諦めず。その前がかりな姿勢に応えたのがバックライン。前節はオーバーフローしていたファエスは前向きに狙いどころを定めたボールハントで活躍。高いラインを維持する貢献を見せていた。

 もう1人、重要だったのはカスターニュ。キーマンのザハを徹底的に封じることでパレスのフィニッシュの精度を鈍らせることに成功する。パレスはエゼがザハにきつくマークがきている状況をうまく活用。ザハとレーンを変えて大外でフリーで受けたり、ザハに2枚マークがきていることを利用してミドルを放ったりしていた。

 序盤はバタバタ気味のボール回しが目立ったレスターだが、ティーレマンスが徐々に真価を発揮することで反撃に出る。バックライン付近に降りると、横の大きな展開でエドゥアールの1stプレスを外す。これによって持ち運びができるファエスの前のスペースを開けることができたレスター。シュラップを中盤から引っ張り出すと、そのズレを利用して左サイドからいい形の前進を重ねていく。

 パレスがシュラップを早めに出して4-4-2気味にするタイミングを早くすると、今度はティーレマンス自らがライン間に縦パスを刺す。右サイドから絞ったマディソンがその受け手に。保持における打開と対応力は近年薄れていたロジャーズのチームらしいものであり、とても優れた修正だったといえるだろう。スコアこそ動かないが見応えのある前半だった。

 後半は前半に比べるとややレスターよりのペースで流れた形なのかなと思う。バーンズが裏への駆け引きを見せるようになれば、パレスのバックラインは決めうちで前に出て行った潰しをするわけにはいかず。こうした駆け引きも含めて、徐々にレスターが敵陣深くまで入り込む。

 パレスは後半最初の交代でドゥクレとミッチェルという前半に負傷の素振りを見せていた面々を下げる。代わりに入った2人はやや安定感にかけるパフォーマンス。ミリボイェビッチは早々に入れ替わられてしまい、リーデヴァルドはSBという不慣れなポジションに収まる。対面がマディソンということもあり、リーデヴァルドをボール保持の起点として使うアイデアは面白かったが、いささか不安定感が否めない。

 エドゥアールのタイミングを外した形での決定機などパレスにもチャンスはあったが、より得点の匂いがしたのはレスター。バーンズとダカのワンツーでの抜け出しや、入り込むマディソンなどシュートを打つ機会は十分に作ることができていた。

 しかしながら、最後まで仕留めることができなかったレスター。決めきれなかったマディソンが審判を見ながらのシミュレーションで次節累積警告で不在になるというなんとも力が抜ける幕切れで、試合は幕を閉じることとなった。

試合結果
2022.10.15
プレミアリーグ 第11節
レスター 0-0 クリスタル・パレス
キング・パワー・スタジアム
主審:アンディ・マドレー

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