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「試練に立ち向かう準備」~2024.12.27 プレミアリーグ 第18節 アーセナル×イプスウィッチ プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第18節
2024.12.27
アーセナル(3位/9勝6分2敗/勝ち点33/得点34 失点16)
×
イプスウィッチ(19位/2勝6分9敗/勝ち点12/得点16 失点32)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 直近10試合の対戦でアーセナルの7勝、イプスウィッチの2勝、引き分けが1つ。

アーセナルホームでの戦績

 直近10試合でアーセナルの7勝、イプスウィッチの1勝、引き分けが2つ。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • アーセナルは1984年9月のポートマン・ロードでの2-1での敗戦以降、13試合リーグでのイプスウィッチ戦に負けなし。(W10,D3)
  • イプスウィッチがエミレーツに訪れたのは2011年のEFLカップ準決勝が最後。3-0で敗れ、トータルスコア3-1で敗退した。
  • イプスウィッチの最後のアウェイでのアーセナル戦勝利は1979年8月のハイバリー。2-0での勝利。

スカッド情報

Arsenal
  • ハムストリングの負傷をしたブカヨ・サカは数週間の離脱の見込み。
  • ラヒム・スターリングも膝の問題で欠場。
  • ベン・ホワイトと冨安健洋は長期離脱だが、オレクサンドル・ジンチェンコに復帰の可能性。
Ipswich
  • サム・モーシーは累積警告による1試合の出場停止でカルヴィン・フィリップスに先発の可能性。
  • リアム・デラップは出場停止から復帰、アクセル・トゥアンゼベ、ジョージ・ハースト、チドジー・オグベネは長期離脱。

Match facts from BBC sport

Arsenal
  • エミレーツでの直近11試合のリーグ戦では負けなし(W8,D3)。ホームで負けていないリーグ唯一のチーム。
  • 2021年11月以来のホームでのリーグ戦4試合連続クリーンシートを狙う。
  • 昇格組との直近19試合のリーグ戦は18勝。直近では8連勝中。ポイントを落としたのは2023年5月のフォレスト戦。
  • 直近4年のその年最後のリーグ戦で3勝。例外は昨季の大晦日のフラム戦。
  • ガブリエル・ジェズスは直近2試合の公式戦の出場で5得点。それ以前の45試合の出場と同じゴール数。
  • ジェズスが得点したプレミアの試合は負けがない(W56,D5)
  • ダビド・ラヤは49試合のアーセナルでのリーグ戦で22のクリーンシート。デイビッド・シーマンの記録した50試合でのクリーンシートのクラブ記録を破るまであと1つ。
Ipswich
  • 直近3試合のアウェイでのリーグ戦で2勝。それ以前の12試合では勝ちがなかった。
  • トップリーグにおいて、その日のトップ4にいるチームとのアウェイゲームは直近17試合勝ちがない。最後の勝利は1995年1月のリバプール戦。
  • 今季唯一のクリーンシートは9月のブライトン戦。
  • コナー・チャップリンはあと1ゴールでリーグでの50得点を記録。
  • ハリー・クラークとオマリ・ハッチンソンはどちらもアーセナルのアカデミー出身だが、どちらもトップチームでの出場経験はない。

予習

第15節 ボーンマス戦

第16節 ウォルバーハンプトン戦

第17節 ニューカッスル戦

準備中

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

得意パターンに持ち込めるか否か

 ボクシング・デーマッチとして迎える第17節。1日遅れの27日に開催されるのはホームのイプスウィッチ戦である。20年ぶりとなるプレミア復帰後、アーセナルとは初めての試合だ。

 イプスウィッチは非常に特徴的なチーム。きっちりと守るところから手堅く勝ち点を稼ぐのではなく、近年で言えばブレントフォードやリーズ、ルートンのように自分たちのスタイルを貫くことでプレミアにチャレンジするタイプのクラブといえるだろう。

 ルートンやブレントフォードのように、前線にターゲットマンがいるわけではない。もちろん、デラップという核はいるが、彼はどちらかというと裏への抜け出しで勝負するタイプ。長いボールを競り合う形でどこが相手でも明確にアドバンテージが取れるわけではない。

 その分、効いているのはライン間でのレシーブである。2列目の面々は幅を取って正対して勝負するというよりもライン間に陣取って、縦パスを受けて狭いスペースで前を向く。チャップリン、ハッチンソン、スモディクスといった2列目の主力たちはいずれもこのスキルを完備。

 ライン間で前を向く状況さえ作ればこのチームは何でもできる。そこからの加速で相手の守備者を置いていくことが出来るアジリティはさすが。前さえ向ければ当然デラップの裏抜けも効いてくることになる。基本的には3-2-5のフォーメーションから2列目がインサイドに絞りつつ、ライン間で前を向き、ここから一気に加速するというのが得意パターンだ。

 前線のデラップは左右に流れながら裏への駆け引きで勝負ができる。ややゴールから角度があるコースを好む傾向にあるが、左右に広いシュートレンジと並走する相手に対して前に入るスキルの高さは折り紙付きであり、効率よくフィニッシュやラストパスまで結びつけることが出来ている印象だ。

 総じて、前線の選手は馬力があり、選手交代がなくとも展開さえ向けば割と試合の中のどんな時間でもペースを引き戻せるポテンシャルがある。ほとばしるエネルギーで道を切り開く場面もあるイメージだ。

 守備に関しては基本的には前からのプレスが優先。4-4-2の陣形をベースに相手を高い位置から追い回していく。DFラインは割とフラットに保つなど、前6枚で方向を誘導しようとする意識は高い。その分、左右のスライドに対して特に2列目は横方向に大きく動くことも。試合によるがSHが相手のCHをケアできるくらいには絞っていることも多い。

 リトリートが完了すればCHがポケットを埋めるなど、オーソドックスな4-4-2から5レーンに対応するための変形も行っていく。ただし、サイドは基本的には前に残るタスクが重めなので、そこまで守備の負荷はかけていない印象だ。

 ブロック守備は最低限の約束事をベースにしつつ、高い位置からボール奪取を原則とする。あくまで長所を押し出すためのプランニングが先行しているというチームだ。

前に楽をさせられるか

 前節出場停止となったデラップに代わり、この試合ではCHのカユステが欠場。イプスウィッチは3-2-5変形をベースに、自陣である程度ボールを動かしながら受けることでプレス隊をおびき寄せ、ライン間にパスを刺すプランを構築している。

 そのため、低い位置のボール回しに対してプレスをどこまでかけるかは難しいところ。GKのムリッチはリスクをかけてたまにとんでもない地雷パス(前節の3点目など)を付けてしまうことがあったりなど、やりたいことのスケールは大きい一方でミスも多い選手。ハイプレスで狙ううま味はある。

 その一方で前節のパレスとの一戦は反省の要素もある。1失点目はハヴァーツ、ウーデゴールのIHコンビが前に出て行きすぎてしまい、アンカーのトーマスの脇がスカスカになる言う現象も。パレスではサールが使ったこのスペースはまさしくイプスウィッチの大好物でもある。ライン間に入り込むことで加速する彼らにこのスペースを与えるリスクを背負うならば、それなりに前から潰せる公算は欲しい。それがサカ不在のフロントラインに可能かどうかがポイントになるだろう。

 プレスで出て行っている時を除けば、基本的には4-4-2のCHは後方の2列目を捕まえることを狙いたい。イプスウィッチのライン間攻略は前を向くまでの過程は割と選手個人に丸投げになるので、前を向かせないままライン間をコンパクトに挟み込むことが出来れば理想ということになる。

 保持ではやはり前誘導を外すことが優先になるだろう。イプスウィッチ相手の攻撃を意識する場合はまずは相手を自軍側に引き寄せつつ、敵陣をスピーディにする意識は持っておきたい。サカがある程度の期間離脱するのだとしたら、手前で前線の負荷を追う形でプレスの引き寄せ→スピードアップで解決策を探れるかどうかは非常に大きなポイントになる。

 枚数を過剰にかけてくるわけではないが、サイドに選択肢を狭めてくるイプスウィッチの守備の方向性はプレスを引き寄せつつ、後方のスペースを狙うというこの試合で試したいことにぴったりマッチするはず。エース不在期間の第1戦として、この試練に立ち向かう準備ができていることを示すための一戦にしたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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