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「強みと弱みがひしめくセットプレー」~2024.12.14 プレミアリーグ 第16節 アーセナル×エバートン プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第16節
2024.12.14
アーセナル(3位/8勝5分2敗/勝ち点29/得点29 失点15)
×
エバートン(15位/3勝5分6敗/勝ち点14/得点14 失点21)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去の対戦でアーセナルの5勝、エバートンの4勝、引き分けが1つ。

アーセナルホームでの戦績

 直近10回の対戦でアーセナルの9勝、エバートンの1勝。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • アーセナルはエバートン相手に102勝を挙げており、あるクラブの単一クラブ相手の勝利数としての英国記録。
  • プレミアにおけるエバートン戦での124得点は特定の相手に対するリーグハイの記録。
  • ショーン・ダイチのエバートンの監督としての初陣は2023年のホームのアーセナル戦で1-0での勝利。以降の3試合でエバートンはアーセナル戦で連敗中。
  • エバートンは32試合のアーセナルでのアウェイゲームで2勝しかしていない。

スカッド情報

Arsenal
  • ガブリエウ・マガリャンイス、リカルド・カラフィオーリ、オレクサンドル・ジンチェンコは評価の必要がある。
  • ユリエン・ティンバーにはスターター復帰の可能性。
Everton
  • ネイサン・パターソン、ユセフ・シェルミティ、アルマンド・ブロヤ、シェーマス・コールマンはトレーニングマッチに復帰。
  • ティム・イロエブナム、ジェームズ・ガーナーは長期離脱中。

Match facts from BBC sport

Arsenal
  • 15試合を終えた時点で勝ち点29。22-23は40だったし、23-24は36だった。
  • 1-0で敗れた2022年4月のサウサンプトンとのアウェイゲーム以降、土曜の現地15時KOの試合で負けがない。
  • 4月14日のアストンビラ戦以降、ホームでのリーグ戦は10試合迎えなし。トップリーグにおける無敗のストリークとして現在最も長いラン。
  • 2024年で86得点を挙げており、クラブ記録まであと3ゴール。
  • 直近3試合のプレミアでCKから4得点を挙げている。直近8つのエバートンの失点のうち、3つがCKからの失点。
  • 昨季の開幕以降、CKから23得点を決めている。CKからこの試合で得点をすれば初めて4試合連続で得点をしたことになる。
  • 11月の復帰以降、マーティン・ウーデゴールは17のチャンスクリエイトを作っておりリーグハイ。
  • ガブリエル・ジェズスは直近22試合の出場したプレミアで無得点。しかし、エバートンは8得点を決めている最も多くのゴールを決めている相手。
  • ミケル・アルテタが4敗しているエバートンよりも多く負けている相手はマンチェスター・シティとアストンビラだけ。
Everton
  • 直近10試合のプレミアで2敗のみ。
  • 今季のプレミアでの3勝は現在のプレミアのテーブルで17位、18位、19位の相手のもの。この3勝で今季の14得点のうち、8得点を決めている。
  • 5節以降は8失点でこの期間におけるリーグベスト。
  • 14得点のうち、8得点がセットプレーから。14-15のウェストブロム以降で最も高いセットプレーの得点割合。
  • この試合はショーン・ダイチの監督としての500試合目のリーグ戦。アーセナル戦では通算13敗しており、マンチェスター・シティに次いで多い。
  • 2020年12月のバーンリー時代の1-0の勝利がダイチのエミレーツ凱旋における唯一の白星。

予習

第12節 ブレントフォード戦

第13節 マンチェスター・ユナイテッド戦

第14節 ウォルバーハンプトン戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

勢いに乗るキャルバート=ルーウィン

 中2日連戦の2セット目に突入しているアーセナル。ホームに迎えるのはエバートン。ホームでの連戦で相性的には悪くないというのがなんとか救いになっているという感じである。

 ダイチのエバートンは昨季と大きく変化はない。4-2-3-1を採用し、攻守に強度の高い展開から相手を飲み込むことを狙っていく。

 攻撃においてはCFへのロングボールが軸。空中戦に近いキャルバート=ルーウィンとベトのどちらかがターゲットになり、彼らに向かってロングボールを蹴っていく。一瞬ベトがレギュラーを取りそうな勢いを見せたこともあったが、現状ではキャルバート=ルーウィンが再びレギュラーをがっちり掴んでいる。

 前節のウルブス戦では空中戦で猛威を振るっており、ジョゼ・サの飛び出しを上回る跳躍力でウルブスに悪夢を見せ続けた。フィーリングとしては悪くない流れでアーセナル戦に臨んでくるだろう。

 セットプレーで言えばお馴染みのファーサイドに待ち構えるターコウスキも大きな武器。直接得点につながる脅威を見せている。上のMatch factsで触れられている通り、今季のリーグ戦での得点は14得点中8得点がセットプレー絡みであり、得点パターンとしての依存度はアーセナル以上となっている。高さで優位を取れるかは非常に重要だ。

 トップ下のキャラクターにより、攻撃のテイストはだいぶ変化する。ドゥクレであればダイレクトなプレーからボックス内での強度の高いプレーで一気にフィニッシュまで持っていくし、マクニールであればライン間でボールを引き出しつつ、ミドルシュートやラストパスを狙っていく。人選によって攻撃の方向性は変わるので守備側は警戒の方向性を見極める必要がある。

 守備は高い位置からのチェイシングが増えている分、出来の幅が広がっている感がある。敵陣から脱出を許さない圧力の高さが刺されば自分たちのペースに持ち込める感があるし、そこを脱出されてしまえば相手に主導権は持っていかれがち。

 もっとも、CHはオナナが退団してなおアスリート能力の高い選手を揃えており、2列目のプレスバックも献身的。わかっていてもなかなか脱出するのが難しい類の寄せの速さがあることは警戒するべきだろう。

 後方のブロックで言えばようやくブランスウェイトがフルフィットした感があるのが大きい。ターコウスキとのコンビ定着が直近での失点の少なさに結びついているのは間違いないだろう。高い位置からチェイスするという方向性を後方で支えられるCBの存在はチームのスタイルを左右する。

 バックスの中で攻撃のアクセントになっているのはヤング。右のSBとしての出番が多いヤングは試合終盤でもオーバーラップからのクロスで得点につながるチャンスメイクも。前節では甘々の壁を作ったウルブスの守備陣を嘲笑うかのように直接FKを決めている。勢い的には怖い存在となっている。

前がかりなうちに先制点を奪うのが理想

 まずはコンディション面だろう。どちらにしろ1週間空くことになっているのでマージーサイドダービーの中止の影響はそこまでないと思うが、やはりアーセナル側の中2日での3試合目という点は見逃すことができない。この2試合はDF陣を中心にやりくりがきつく、ターンオーバーの隙は少なめ。前線と中盤はそれでもサカを除けばそれなりにプレータイムのシェアはできているなという感じだろう。

 相手はロングボールを主体としたプランを組んでいるのでCBのプレーの頻度は増えるはず。そういう点でガブリエウの復帰の可能性が示唆されていることは大きい。

 セットプレーに関して言えば、アーセナルは強みでもある一方で弱みでもある。エバートンの得点源となっている分、警戒は引き上げる必要があるだろう。先に挙げたファーのターコウスキを狙う傾向はあるので、ここにマーカーをきっちり置けるかどうか。この点でもガブリエウの復帰の有無は重要になるだろう。

 もっとも、セットプレーが強みにもかかわらず、失点も多いのはエバートンも同じ。アーセナルも容赦なくセットプレーを狙っていきたいところ。どちらのセットプレーに関わらずワンプレーずつ緊張感が走る試合になるはずだ。

 オープンプレーにおいては、エバートンの2列目の守備の貢献度は高いので押し込んでも左右のサイドの封鎖はお手のものだろう。WGへのダブルチームをはじめとして、ブロックを組まれると面倒な相手になるだろう。単純なクロスを入れるだけでは跳ね返されてしまうので、大外2枚を引き付けたところからポケット、ペナ角、バイタルを使い分けつつ、ニアサイドできっちりと揺さぶりをかけたいところである。

 アーセナルの左サイドは対面のSBがヤングである分、対人守備では怪しさがあるのは確か。1on1でアドバンテージを握りたいのでマルティネッリの方が人選としてはベターだろうか。ファークロスだけではなく、相手を抜き去ったり、ニアに走り込む味方を使いマイナスのクロスを入れるなど高さに頼らない形を模索したい。

 そういう意味ではエバートンがハイプレスに来てくれる展開の方が望ましいところ。最終的にはブロック重視になると思うが、おそらく序盤は高い位置からチェイスに来てくれると思うので、その時間の間に得点を決められれば楽になる。序盤の数手で早い時間に先制点を奪うことでタフな展開に陥ることは避けられれば最高だ。

 ここを超えることができればカラバオカップ。メジャーなコンペティションの連戦に一息を入れることができる。連戦の最後に激しい肉弾戦が控えているというのは正直面倒なことこの上ないが、リバプールとチェルシーについていくためにも勝ち点3確保はマストの一戦となる。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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