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「コパアメリカ2021ハイライト」~Quarter-final ペルー×パラグアイ~ 2021.7.2

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■因果と運の第1試合

 決勝トーナメントの第一ラウンドは伏兵同士の一戦。保持の巧さを見せたペルーと、手堅さで挑んだパラグアイの対決である。

 序盤は試合は全く落ち着かなかった。立ち上がりから6分でファウルは8回。この数字だけでピッチ上のバタバタ感が伝わってくるようである。試合はどちらのものともいえなかった。どちらかと言えば、これに困ったのはペルーだろう。グループステージの4-2-3-1から変更した4-1-4-1の形は彼らの得意な保持にやや傾倒したフォーメーションだろう。彼らは保持の時間を長くして、試合の展開を落ち着かせたかったはずだ。

 それが叶わなくておいしかったパラグアイが先制。セットプレーから高さのミスマッチを利用して叩きこむ。落ち着かない展開の中で試合の主導権もなんとか握っていたといっていいだろう。特に刺さったのはカルドソ・ルセーナとビジャサンティのCHコンビの防波堤。ここがボール回収の起点となり、ショートカウンターの発動元となる。保持の部分でもサンチェスが中盤に下がり、安定化を図るパラグアイだった。

 一方のペルーもパラグアイの中盤の防波堤さえ越えればチャンスは引き寄せられていた。頻度こそ少ないものの、サイドから突破したカリージョからラパドゥーラの得点で追いつく。ペルーの真骨頂だったのは2点目。縦に間を揺さぶりながら、間受けで楔を引き出しパスをつないだビューティフルゴール。彼らの良さが詰まった逆転弾となった。

 いいスタートを切ったものの、逆転まで許してしまったパラグアイ。前半終了間際にはきわどい判定でゴメスがレッドカードを受けるなど、やや恵まれない形で前半を終える。

 後半は割り切ったパラグアイがショートパスとロングパスを織り交ぜながらガンガン前進。振り切った形でぺルーに圧力をかけていく。すると、前半と同じくセットプレーから同点。パラグアイ、これくらいできるなら11人の時からやればよかったのにな。

 数的優位を得たペルーは2トップに切り替えて前線の枚数を増やす。しかし、これが逆効果。間受けのパスのつなぎの連続が見られなくなり、持ち味であるショートパスでの崩しが見られなくなってしまう。サッカーって難しいね。

 パラグアイの猛攻も落ち着き、互角の展開になった後半で得点を得たのはペルー。リフレクションというやや幸運な形で勝ち越し点をゲットする。これで10人相手に逃げ切れると思いきや、85分にカリージョが退場してペルーも10人に。割り切って2トップにして放り込みを始めるパラグアイに主導権が移る。

    同点ゴールとなるロングボールを落として粘ったサムディオの投入は効いた。サムディオの落としを受けたサイドは直前にカリージョが退場しているサイド。こういう因果はあるあるである。

 10人同士の3-3という死闘で迎えたPK戦。互いに決まらないヒリヒリする展開が続く中で勝利したのはペルー。展開が二転三転する難しい試合を制し、ベスト8に進出した。

試合結果
ペルー 3-3(PK:4-3) パラグアイ
エスタディオ・オリンピコ・ペドロ・ルドビコ
【得点者】
PER:21′ ゴメス(OG),40′ ラパドゥーラ,80‘ ジョトゥン
PAR:11′ ゴメス, 54’ アロンソ, 90‘ アバロス
主審:エステバン・オストジッチ

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