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「サイドから溶かせ」~2019.3.31 J1 第5節 松本山雅FC×川崎フロンターレ プレビュー

全文無料で見れます。

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第5節
松本山雅FC(12位/勝ち点4/1勝1分2敗/得点2 失点3)
×
川崎フロンターレ(13位/勝ち点3/0勝3分1敗/得点3 失点4)
@松本平広域公園総合球技場 サンプロ アルウィン

戦績

過去の対戦

画像1

過去の対戦は2回のみ。川崎の2勝。

Head-to-Head

Head-to-Head①
【公式戦での対戦成績】
・公式戦における両チームの対戦は2015年のJ1リーグの2回のみ。
・その過去2回の対戦はいずれも川崎が勝利。

 今回の対戦は3回目の対戦というわけで、いつもよりデータを抜き出す量はとても少ない。ので楽は楽なのだが、どれを抽出しようかが非常に迷うところだった。前置きはともかく、過去の対戦は2回だけ。2015年のJ1での対戦は川崎がダブルを達成している。最後の対戦となったアルウィンどのゲームのスタメンで今でも松本に在籍しているのは飯田と田中、そして出戻りの岩上と村山の4名。川崎サイドも同じく4名で大島、谷口、中村、新井だ。4年前のこの試合は田坂祐介がボーフムから復帰後初ゴールを決めた試合。青天の霹靂だったレナトの電撃退団のショックを和らげるゴールだったことをよく覚えている。

Head-to-Head②
【前回対戦時からの変化】
・2試合で両軍合計6ゴールが生まれているが、スコアラーのうち現在も同じチームに所属しているのは谷口彰悟のみ。

 前回対戦している部分から選手変わりましたよねっていうデータアゲイン。谷口を除けばゴールを決めた選手で所属している選手はいません!っていう。正直Head-to-Headでこれ以上喋れることがないんだぜ!!

【松本山雅】

選手情報

・反町監督は広島戦から選手の入れ替えを示唆。

Match Facts

山雅のMatch Facts①
【直近のホームゲーム成績】
・ホームでのリーグ戦は直近9戦で2勝のみ(D4L3)
・直近5試合のリーグでのホームゲームにおいて、得点は1つのみ。

 4節まで終了した今季のリーグ戦で松本のホームゲームは第3節の浦和戦のみ。というわけで上のデータはほぼ2部のもの。玉乃さんが松本戦の解説を担当した際に、「老後松本市に隠居したい」というほどのアルウィンのファンの熱気と、昇格したことを考えるとアルウィンは要塞かと思っていたんだけど、意外とそうでもない。停滞の要因になっているのは得点力。複数得点は昨季ラスト15試合で2回だけということで、ホームアウェイ問わず得点力には苦しんでいる。今季もリーグ戦では複数得点はここまでなし。直近220分はゴールなしだ。

山雅のMatch Facts②
【やっぱり要塞?】
・しかしながら、昨季終盤は6試合連続ホームではクリーンシート。直近のホームの浦和戦まで627分無失点だった。

 じゃあなんで昇格したんだよ!という問いに対する答えがこれである。勝ち点を重ねまくってはいないが、なかなか与えもしなかった昨シーズン。ちなみに浦和戦の失点はPKによるものだったので流れの中では600分以上連続無失点継続中。ちなみに最後にアルウィンで流れの中から得点したのは横浜FC。神奈川県のチームですね・・・!

山雅のMatch Facts③
【VS神奈川勢】
・J1において神奈川県のチームに勝利したことはない(D2L4)。

 そんな中で神奈川県のチームとのデータを引っ張り出してみた。特段横浜FCとの成績は悪くなかったけども、J1に昇格した15年に戦った湘南、横浜FM、川崎との3チームとの6試合では未勝利。日曜日に勝利をすればクラブ史上初めて1部で神奈川のチーム撃破となる。

山雅のMatch Facts④
【対川崎戦個人成績】
・守田達弥は対川崎戦で4戦3敗。

 クラブ同士の対戦がないなら、個人でのそれぞれのクラブに対する戦績はどうかな?と思って探したデータである。守田の対川崎戦はすべて新潟時代のものだ。ちなみに地味に対川崎戦の成績が良かったのは古巣対決となるエドゥアルド。柏時代に彼が先発した試合は2戦2勝。同じく古巣対決となるパウリーニョは1回だけ経験のある川崎戦でゴールを決めている。彼らの恩返しはあるだろうか。ちなみに松本の選手の中で川崎戦の経験が最も多いのは22戦の田中隼磨だった。

山雅のMatch Facts⑤
【反町監督の対川崎戦成績】
・反町監督は川崎相手の公式戦19戦で12勝7敗。しかし、7敗のうち6敗は直近8試合で喫したもの。

 最後は反町監督の対川崎の成績。数字だけ見ると川崎キラーっぽいが、これは計11試合で10勝を挙げたJ2新潟時代の貯金がほとんど。J1では同じく新潟時代の05年が唯一の勝利で以降のリーグ戦では5連敗中。ここ5試合はいずれも複数失点を喫していて、合計失点は18とコンスタントに失点を重ねている様子がわかる。

【川崎フロンターレ】

選手情報

・小林悠、守田英正が練習復帰。阿部浩之は起用可能の見込み。
・馬渡和彰は3週間の離脱。

Match Facts

川崎のMatch Facts①
【前年王者の成績】
・前年王者が開幕4戦未勝利は23年ぶりのこと

 前年王者はやっちまっているのである。勝てないのである。開幕して4試合勝ちなしというのは96年以来23年ぶりのこと。この時の前年王者は横浜マリノスということで、ここも神奈川でリンクしている。この年のマリノスは開幕5連敗で8位に終わっている。

川崎のMatch Facts②
【序盤戦の成績】
・開幕4試合のリーグ戦で勝利がないのは13年以来6年ぶり。
・3月の公式戦は直近15試合で4勝のみ(D6L5)。

 13年の川崎も開幕から4戦未勝利である。この年の5戦目はBMWスタジアムでの湘南ベルマーレとの一戦。昇格組とのアウェイゲームというシチュエーションはその時と同じ。2節目のプレビューから書き続けている3月の公式戦は苦手というデータは来年以降も使いまわしができそうである。

川崎のMatch Facts③
【無得点試合】
・公式戦2試合連続無得点になれば18年5月以来のこと。

 今年のフロンターレは得点が取れない。上で紹介したように松本はロースコア決着が多いチーム。流れの中ではマリノス戦以外の3試合で無得点のフロンターレだが、アルウィンで得点は挙げられるだろうか?

川崎のMatch Facts④
【VS昇格組】
・昇格組とのアウェイゲームは直近12試合で4勝(D4L4)

 4年分を遡ってみるとイマイチな成績だが、近年は対昇格組には悪くない成績。昨年は2勝1分で負けなしで、17年の唯一の黒星はJ1常連のC大阪であるので、ここ2年は許容。ひどかったのは15-16年で昇格組とのアウェイゲームは6戦で1勝2分3敗。昇格組にやさしいフロンターレである。しかし、この2年で唯一勝利を挙げているのがアルウィンでの松本戦だ。

川崎のMatch Facts⑤
【中断明け】
・中断明けのリーグ戦は直近10試合で8勝。

 中断明けはかなりの好成績だった。直近3年間の中断明けのリーグ戦14試合で負けたのは2つだけ(W11D1L2)である。ちなみに負けたのは広島と磐田でどちらもホームゲーム。中断明けのアウェイゲームはここ3年間負けなしなのだ。

川崎のMatch Facts⑥
【対松本個人成績】
・鈴木雄斗はキャリアで出場した5試合の松本戦で敗れている。

 「いいデータが続いた!もっと!」と勢いに乗ってきたところで、とんでもないデータを引っ張り出してきてしまった感。前節でJ1初スタメンを飾った鈴木雄斗は山形と水戸で出場した松本戦は5戦全敗。そんなにかよ!「馬渡の怪我さえなければ!」と思ったそこのあなた。安心してほしい。そんな馬渡もJ2時代に出場した松本戦は3戦全敗です。うちの右サイドバックの対松本戦の戦績は2人合わせて8戦全敗です。なんでやねん。逆に3試合出た松本戦にすべて勝っているのは舞行龍ジェームス。過去の勝敗だけでいえば彼の先発推奨だけど・・・。

予想スタメン

画像2

展望

 松本の試合としてサンプリングしたのは大分戦。対ボールを持ちたいチームという大枠は同じということで抽出。後で時間があったら浦和戦も見てみたい。

 まずは松本のボール保持時について。最終ラインからのロングボールはプレッシャーをかけられたら蹴りだす感じ。G大阪と同じでボールの失い方を大事にしている印象を受けた。狙いとしてよく見られたのはWBのアーリークロス。比較的浅い位置からPA内に放り込まれるクロスに対して数枚のターゲットが前線にいる。特に気にしたいのはセットプレーの流れで前残りをすることが多い服部。彼が前線にいるときは彼に向けたクロスが飛んでくる確率が高い。松本の前線はそのこぼれ球を押し込んでやろうと虎視眈々と狙っているだろう。スローインをコーナーキックのような軌道に変えてしまう、岩上のロングスローも要警戒だ。
 非保持時の川崎はまず相手のWBへ誰がつくのかをはっきりさせたいところ。鹿島戦では内田に、G大阪戦では藤春にしてやられたように、相手のSBに対する川崎のSHの守備は不安要素。ビハインドになったらどうするのかまでは、大分戦でそういう局面がなかったので見ていない!

 松本の非保持時の感想としては、守備時の各選手の動く範囲が大きい。特に前線。シャドーの前田とセルジーニョは気合でサイドに流れたり、プレスバックしたりしていた。シャドーの片方はブロック守備にも参加して、自陣撤退時は5-3で守るイメージ。カウンターとして2枚を前線に残す。ブロック守備に参加する役割は前田よりセルジーニョの方が多かった。

 相手陣にボールがあるときは基本的にはプレスで強襲する。前の3枚に加えて、ボランチの2枚も積極的に前に来る。川崎としてはCHまでプレスに来ることを想定すべき。大島が復帰していれば問題ないだろうが、田中や山村、今季は判断に迷いがみられる守田や先発予想も出てるカイオがこのプレスをかわし切れるかどうか。

画像3

 松本のプレスで気になったのは、積極的に前に来るFW3枚とボランチ2枚に対して、後ろは若干連動が弱いこと。CHでプロテクトされている中央部は問題ないが、WBの迎撃は低い位置で行うことが多く、WBとシャドーの間はスペースが空きやすかった。余談だけど、大分はこういうところをミドルパスとかでもっとつけるとよかったなと思いました。

 さて、サイドの低い位置を使ったボール運びというのは、今季の川崎の課題である。この部分のSBの連携が悪い。特に4人がすでに試された右SBは連携に難を残している。最も組み立てへの貢献度が高かった馬渡は離脱中であり、選択は難しい。守田は中盤起用の可能性が高く、マギーニョはボールを受けるところ難があり、鈴木はボールを出すところで難がある。正直に言えばだれでも一長一短。ただ、現状の川崎の最終局面の崩しの質を考えると5バックを正面突破できるとは思えない。したがってこの位置に松本のCHなりWBなりをおびき寄せて、中央や最終ラインの枚数を減らすのは肝要である。川崎のCHが流れてもいいけど、SBにも顔を出してもらって最終局面の負荷をなるべく軽くしたいところ。

画像4

 奈良クラブのGMである林舞輝さんが「5バックは溶かすように攻略する。」と言っていた。対松本戦において5バックを溶かすカギはSBにあるはずだ。松本の最終ラインは前には強いが、横の連携に関してはやや難がある。空いているスペースでボールを持つことで最終ラインから相手を引っ張り出して、空いたDF間を抜けられれば得点を取るチャンスは大いにある。
僕たちに!得点を!見せてくれますように!

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