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「4大会同時進行」~2025.1.12 FA Cup 3回戦 アーセナル×マンチェスター・ユナイテッド プレビュー

目次

Fixture

FA Cup 3回戦
2025.1.12
アーセナル
×
マンチェスター・ユナイテッド
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でアーセナルの7勝、マンチェスター・ユナイテッドの2勝、引き分けが2つ。

アーセナルホームでの戦績

 過去10試合でアーセナルが6勝、マンチェスター・ユナイテッドが2勝、引き分けが2つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • リプレイと2nd legを除き、16回目のFA杯での対戦。この大会においてはエバートン×リバプール(19回)に次いで多い。
  • 3回戦での対戦は史上初。アーセナル×チェルシー、チェルシー×リバプール、チェルシー×マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー×トッテナム、リバプール×マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・ユナイテッド×サウサンプトンに続き、1925-26シーズンに現行フォーマットになって以降、トップリーグのクラブが出場する6つのラウンド全てで開催された7つ目の対戦カードとなる。
  • アーセナルはFAカップのタイトルホルダーを過去6回の対戦で全て撃破。最近では19-20の準決勝のシティ戦の勝利がこれに当たる。しかし、ユナイテッドはアーセナルとの直近4試合のうち3試合で勝利をしており、前回の対戦となった2019年3月のエミレーツでの一戦でも勝っている。
  • マンチェスター・ユナイテッドはFAカップにおいてアーセナルを最も多く敗退(8回)に追い込んでいるチーム。その一方でアーセナルはマンチェスター・ユナイテッドをFAカップで最も多く敗退(7回)に追い込んでいるチーム。
  • アーセナルは直近3試合のFAカップ3回戦で2回敗れている。それ以前の25年では1回だけだった。2年連続になれば95~96年以来のこと。
  • マンチェスター・ユナイテッドは13-14シーズンのスウォンジー戦以降、直近10年間の3回戦を全て突破している。そのうち、9試合ではクリーンシートを達成。

予習

第18節 ウォルバーハンプトン戦

第19節 ニューカッスル戦

第20節 リバプール戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

再び転換点を狙う

 無敗だったアモリムのユナイテッドが初めて躓いたのがアーセナル戦。そこからの公式戦8戦で5敗を喫するなど、前回のアーセナル戦はユナイテッドの苦しみが始まる明らかな転換点となっていた。

 マンチェスター・ダービーこそ勝利したが、内容に目を向ければ不甲斐ないライバルに助けられた感もあり、勢いに乗るきっかけになっていたかは正直微妙。よって、それ以降の4つの公式戦を全て落としたことは特段意外ではなかった。さすがに内容はもうちょっとやれたとは思うけども。

 それでも直近のリバプール戦のパフォーマンスはアモリムのユナイテッドのひとまずのスタンダートになりそうな水準といえるものだった。ニューカッスル戦の前半の絶望としか言いようのないパフォーマンスから何とか生き返り、ユナイテッドは再び前向きな気持ちになっているはず。FA杯3回戦とはいえ、前回は悪い意味で転換点になったエミレーツで勝利を鼻息荒く求めてくるに違いはないだろう。

 このような事情があるため、おそらくユナイテッドはそれ以降に続くリーグ戦の日程を加味してもこの週末に主力を投入してくると予想することが出来る。アーセナルと異なり、カラバオカップはないためこの試合の前は1週間空きがあるという状況も主力登用を後押しするはずだ。

 今のユナイテッドが機能性高くプレーするためにはまずは狭く限定して守ることが最優先。これができることがほぼ全てといってもいいくらいだ。

スポルティング時代のアモリムを見る限り、得意な守り方は5-4-1でコンパクトな陣形を組み、この陣形の中でCHが動き回りながら刈り取る形である。ただし、今のユナイテッドにはルンバ系のCHはいないので、CHがカバーする範囲が広くなるとキャパオーバーになる。

 なので、前線が中盤と挟み込めるくらいにコンパクトな守備であれば中盤での刈り取りは機能する。リバプール相手でも効くことは立証している。逆に前からの制限がかけられなかったり、プレスに無理に出て行って間延びしてしまったりすれば、相手の攻撃が自動的に中盤を通過することになる。ボーンマスやニューカッスル相手に自在に切り裂かれている。

 中盤であっさりとした通過を許してしまうとつらいのは後ろ。広い守備範囲を任されるとDFの対応は厳しくなる。特にデ・リフトなどは苦しい局面を止めることを任されてしまうとかなり分が悪い。

 もっともこの点はスカッドには伸びしろがある。右のワイドに入る機会が増えてきたヨロはより無理が効くタイプ。逆サイドのリサンドロ・マルティネスと共に高い位置から相手を捕まえに行くこともできる。コンパクトにまずはきっちりと後ろに重くという大枠は重要だが、強いチームはどこかである程度CBに丸投げするステップは踏まないといけないので、いずれヨロはレギュラーになるのではないかなと思っている。

 攻撃面ではよりマイルド。ゆったりとした保持からのコンビネーションで左のポケットを取ることでリバプールを揺さぶることに成功。1つズレを作った後の活用法が意外と整備できていたのが驚きだった。ただ、アーノルドの背後を取るだけではコナテが出てきて終わりなので、ユナイテッドはそこより先に行くことが出来ていたということだと思う。

 ヨロの項ではいずれはハイラインに!という旨を述べたが、とはいえまずは重要なのは基盤づくりである。きっちりと堅い展開に持ち込んで負けにくいチームを作るよ!という状況に持ち込めれば戦績もおのずと安定するはず。そして、テン・ハーグがそうだったようにFAカップは政権続行の手形にもなりえる。是が非でも負けたくない一戦であるはずだ。

中盤の間延びを引き出せるか

 アーセナルとしては厳しい日程となった。体調不良者が続出する中で迎えたカラバオカップではニューカッスルに主力を投入した上で敗戦している。そのカラバオカップから中4日空くとはいえ、後ろには中2日のノース・ロンドン・ダービー、さらに中2日でアストンビラ戦が待ち構えているという日程。

前にはより優先度が高い国内カップ戦があり、後ろにはライバルとのダービーが控えている。この点だけでもアーセナルは置かれている状況がユナイテッドと全く異なっている。

 個人的な意見を言えば、この試合は勝敗度外視でなるべくユースメンバーを投入してほしいところ。こればっかりは4つのコンペティションすべてを戦わなくてはいけない日程が悪い。カラバオカップを勝ち上がっているのであれば、FAカップのプライオリティはどう考えても下げざるを得ない。

 とはいえ、どんなに大盤振る舞いをしたとしても起用できるのはヘヴンとニコルスまでだろう。GKはネトが満を持して投入される可能性が高く、若い選手たちにはお鉢が回ってこないと見る。

 となれば結局中盤より前は既存のシニアメンバーで回す必要がある。ジョルジーニョ、スターリングなど明確にプレータイムが少ないメンバーに先発を託したとしても結局4枚は準レギュラークラス以上を投入しなければいけない仕組みになっている。直感で言えばこういう時のアルテタは普通に頭から戦力を投入すると思う。バックスで言えばキヴィオル、ジンチェンコを組み込む以上の冒険はしない可能性が高いと予想する。

 こんな話をしてばっかりしても仕方ない。ユナイテッドに勝つ方法はシンプルでユナイテッドに気持ちよく守らせないことに尽きる。中盤を素通りできるように間延びさせて、ライン間から進撃のルートを見つけることが出来るかが重要になるだろう。

 おそらく後ろは相手を引き延ばすための引き付ける動きができるはず。となれば後は前線がそれに応えることが出来るコンディションかどうかにかかっているだろう。ライン間でのコントロールが絶望的だったウーデゴール、背後への抜け出しのアクションも少なくワンプレーずつが雑だったハヴァーツは明確に体調不良の影響を感じる。プレーに迷いを感じるトロサール、迷いはないが精度がもう一声というマルティネッリは結果が欲しいはずだ。

 まずはきっちり後ろで時間を作ること。相手を引き付けるまで我慢。これはマストだ。どのメンバーでもできると信じている。そのうえで前線が回復していることを祈る。勝つならばこれ。後方が我慢し、前線に祈ることでリベンジに燃えるアモリムのユナイテッドを返り討ちに出来れば理想だ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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