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「Catch up Premier League」~2022.10.1 プレミアリーグ 第9節 リバプール×ブライトン ハイライト

■らしさと結果を両立させた旅の始まり

 監督の玉突き人事に見舞われたブライトン。ポッターとの突然の別れを経てデ・ゼルビとの新たな旅が今節から始まることになる。始まりの地はプレミア屈指の難所であるアンフィールドだ。

 立ち上がりからブライトンはデ・ゼルビらしいボールの動かし方を見せる。変わったのは大きな展開の対角のパスが減り、バックラインと中盤を行き来する縦方向のベクトルのパスが増えたことである。

 相手を1つ目の縦パスで動かし、リターンを受けた後方の選手が1つ目のパスで動かしたところを次のパスでつく。ざっくりといえばこういう流れだろうか。パスをフリに使って本命のパスを通し、フリーの選手がターンして前を向く。そうしたメカニズムで前進していく。

 この日のブライトンにとって助かったのは対戦相手のリバプールとのかみ合わせが悪かったこと。バックラインにリバプールのWGを食いつかせることができれば、ブライトンのWBはフリーに。ブライトンはここを安全地帯としてチャレンジをすることができる。

 縦パスを通す判断の素早さはこのサッカーで最も大きな特徴といえるだろう。ブライトンの先制点はセカンドボールで粘り切った中盤はさすが。その上で、ボールを奪ってからのアタッキングサードでの加速からあっという間にシュートチャンスを迎えたのはいかにもデ・ゼルビ流というところだろうか。マック=アリスター→ウェルベックとつなぎ、最後はトロサールがゴールを決めて見せた。

 2点目はより狙いが如実に出たシーンといえるだろう。ワイドに揺さぶったウェルベックからマイナスのパスを受けたマーチがワンタッチで抜け出すトロサールに。マイナスのパスにいったんリバプールが食いつくように前がかりになったのをうまく利用したワンタッチパスだった。リバプールとしてはリアクションの良さが仇になった形になる。

 ブライトンほどでははないが、リバプールの攻撃もそこまで悪いものではなかった。チアゴ、マティプが揃っていたことで遅攻のカギはあった。ブライトンは3トップを2トップ+トップ下気味にプレスで変化することでマーカーをはっきりさせていた。

 リバプールの追撃弾はウェルバックから逃げたマティプが持ち運んだところから。プランは適切だったが、やり切ることが出来なかったブライトン。隙を突かれた形での失点となった。

 徐々に試合はテンションが上昇し、強度勝負になっていく。そうなるとペースはリバプールに。後方の選手がパスを出す余裕をもてなくなったブライトンは怪しいひっかけ方を増やし、ビルドアップに安定感を失っていく。WBへのケアも強気になっており、リバプールは前がかりのやり方がハマったといえるだろう。

 早い攻撃の打ち合いで決め手になったのはルイス・ディアス。後半から入ったディアスが同点弾をおぜん立てすると、リバプールはそこから一気に勢いに。セットプレーからウェブスターのオウンゴールを誘発し、逆転までこぎつける。

 ビハインドの切り札としてデ・ゼルビが選んだのは三笘。左サイドから対面のアレクサンダー=アーノルドを手玉に取り、投入直後から存在感を見せる。そして、同点弾もこのサイドから。左サイドから三笘が上げたクロスを決めたのは三度トロサール。見事なハットトリックで再び試合を引き戻す。

 就任初戦でいきなりらしさを見せたデ・ゼルビ。トロサールの大暴れと三笘の決定的な働きもあり、上々の船出に成功することとなった。

試合結果
2022.10.1
プレミアリーグ 第9節
リバプール 3-3 ブライトン
アンフィールド
【得点者】
LIV:33‘ 54’ フィルミーノ, 63‘ ウェブスター(OG)
BHA:4’ 17‘ 83’ トロサール
主審:アンディ・マドレー

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