■悪癖すら顔を出さない完璧な90分
首位のアーセナルを無敗で追い続けるシティ。今節の相手はやや停滞感が出てきてしまっているサウサンプトンである。
シティは中盤の配置は正三角形型。デ・ブライネはトップ下、ベルナルドはCHという形で明確に前後に縦関係になっている形になった。今季のシティのポイントはロドリのそばに誰をどれだけ立たせるか?というもの。両SBを立たせたり、カンセロだけ解放したりなどいろんなバリエーションを試している。
この試合においてはシティの配置は非常に素直。SBはSBのロールをこなし、ロドリのパートナーはベルナルドが務める形である。SBはアカンジ、カンセロと左右にキャラクターの差がはっきりしているコンビ。カンセロは左のWGロールをこなしているのに対して、右はマフレズを後方から支えるアカンジという形で役割に差をつけていた。
サウサンプトンは立ち上がりから積極的なプレスをかけていくが、シティはこれをほとんど問題にしない。相手の中盤のラインをパスで越えるとここから一気に加速。ゴールまでスピーディにボールを運んでいく。
得点パターンとして確立していたのは大外の突破である。大外から裏抜けやドリブルで突破しながら、そのままエリア内に迫っていく。サウサンプトンのバックラインはラインを下げながら鋭く飛んでくるラストパスに対応しなければいけないという非常にハードな状況。シティのダイナミックな攻撃に非常に手を焼いていた。
先制点を奪ったのはカンセロ。早い展開の中で少し抜け感のある足技から左サイドを突破すると、ここからミドルを決めて先制する。
サウサンプトンは反撃に打って出たいところではあるが、なかなかボールを前進させることができない。前に強引につけても跳ね返されるし、繋ごうとすればシティのプレスの網に引っかかる始末。前半のうちにプレスからのショートカウンターでシティは追加点を奪う。
迎えた後半もシティペース一色だ。カンセロが左サイドから奥行きを作ると、マイナスで受けたロドリから対角に抜け出す形のラストパス。マフレズがこれを沈めて後半頭にサウサンプトンの出鼻をくじく。
ノリに乗っているカンセロは4点目にも関与。ハーランドへのラストパスを決めて今季15点目をお膳立てする。
実は昨シーズン、サウサンプトンはシティ相手に負けなし。ホームもアウェイも引き分けている。しかし、今日に限ってはサウサンプトンにとっては最後まで糸口すら掴めずに吹き飛ばされた試合だった。
今季のシティはリードすると終盤緩める悪癖があるのだが、この試合ではそうした様子も皆無。選手をうまく入れ替えながらハイプレスと高いボール保持率をキープし、試合を最後までコントロール。テッペンから爪先まで全てが整った完璧な90分だったといえるだろう。
試合結果
2022.10.8
プレミアリーグ 第10節
マンチェスター・シティ 4-0 サウサンプトン
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:20’ カンセロ, 32‘ フォーデン, 48’ マフレズ, 65‘ ハーランド
主審:アンディ・マドレー