Fixture
プレミアリーグ 第27節
2025.2.26
ノッティンガム・フォレスト(3位/14勝5分7敗/勝ち点47/得点44 失点33)
×
アーセナル(2位/15勝8分3敗/勝ち点53/得点51 失点23)
@ザ・シティ・グラウンド
戦績
過去の対戦成績

過去10回の対戦でノッティンガム・フォレストの3勝、アーセナルの7勝。
フォレストホームでの成績

過去10回の対戦でノッティンガム・フォレストの4勝、アーセナルの5勝、引き分けが1つ。
Match facts from BBC sport
- フォレストは直近8試合のプレミアにおけるアーセナル戦で7敗。唯一の例外は2023年5月の1-0での敗戦だけ。
- アーセナルは昨季のこのカードで2-1の勝利。しかし、アウェイでのこのカードの連勝は1987-90の4連勝以来ない。
- フォレストは直近11試合のミッドウィークのプレミアリーグにおいて、未勝利(D1,L5)と勝利(5)を繰り返している。最後のミッドウィークは1月のリバプール戦でのドロー。
- アーセナルは直近13試合のプレミアにおけるナイターゲームで12勝。2023年12月のウェストハム戦の敗戦以降9連勝中。
- フォレストは直近6試合のプレミアのホームゲームで5勝。それ以前の20試合と同じ数(D4,L11)
- アーセナルのプレミアの無敗記録は15でストップ。連敗は2023年12月以来でその試合も1つ目の敗戦はウェストハムとのホームゲームだった。
- アーセナルは5つのレッドカードを受けており今季リーグ最多。直近2つはいずれもマイルズ・ルイス=スケリーの退場。過去にこれより多く退場を経験したのは3回のシーズンだけ。
- ヌーノ・エスピリト・サントはアーセナル戦で3連敗中(うち1つはトッテナム時代)。監督のキャリアにおいて4連敗以上を喫している相手はベンフィカ(4)とリバプール(7)だけ。
- イーサン・ヌワネリはホームのフォレスト戦で得点を挙げている。18歳になる前において、ホームとアウェイの両方で同一の相手に得点を決めたのはウェイン・ルーニー(02-03のアーセナル戦)ただ一人。
- クリス・ウッドは直近3試合のプレミアのホームゲームで6得点(5G,1A)に関与。ブライトン戦ではハットトリックを記録。3試合連続のホームでの得点は彼のキャリア史上初めてのこと。
予習
第24節 ブライトン戦

第25節 フラム戦

第26節 ニューカッスル戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
前線のつながりが左右する
ウェストハム戦とのホームゲームに2年連続での敗戦を喫し、前節縮まった勝ち点による追い上げムードは一気に沈下。1試合多く消化しているリバプールはエティハド侵略に成功し、ついに勝ち点差を2桁に乗せて逆に独走ムードを築いている。
そのアーセナルの背後の3位に立っているフォレストとの一戦が今節の対戦カード。アタッカー不在の状況で迎える最難関の試合である可能性もある一戦だ。
しかしながら、そのフォレストも2月に差し掛かるあたりから急激に不安定な戦いに終始。直近4試合においてはリーグ戦で3敗。うち2試合は4失点以上というド派手な敗戦である。ちなみにこの4試合における唯一の勝利はブライトン相手に7得点。勝つにしても負けるにしてもド派手なのが今のフォレストである。
いい時と悪い時の違いは非常にはっきりしている。大勝したブライトン戦では右サイドの連携が非常にクリティカルに機能しながら背後をとることができている。いわば連携面での勝利と言えるだろう。
その一方で悪い時は個人の打開力頼みという感がある。もちろん、それでもなんとかなる時もあるけども、個人個人の繋がりがないと威力は半減する。特にギブス=ホワイトにおいてはこの傾向は強め。ここからサイドのファストブレイクまで繋げることができれば、一気にSBの裏をとることができるだろう。前線につながりを見せられるかどうかは攻撃の精度に大きな影響を与える。
直近のニューカッスル戦では繋がりのない攻撃からトランジッションでサイドの裏を取られるという形で連鎖的に悪い流れを引き寄せていた。きっちりと構えることができれば強固なブロックを組むことができるのが今のフォレストだが、ニューカッスル戦では攻守の切り替えの点で相手に先をいかれてしまいどうにもならなかったという感じである。
その前の試合のフラム戦でもトランジッションの頻度が増えてしまうと穴が空きやすくなるなど、トランジッション勝負に追い込まれてしまうと少し苦労している印象がある。攻守の切り替えの切れ味についてはここ1ヶ月で落ちているかもしれない。
CL出場権という大目標の達成のために、ノッティンガム・フォレストにとってはここが踏ん張りどころ。追っ手の他のチームの勝ち点推移も鈍っているだけに、なんとかしてクオリティを取り戻して逃げ切りたいところだろう。
内外で揺さぶりをかけられるか?
ヌーノはおそらくアーセナルを破るという目的にきっちりプライオリティをおいてくるはず。今のアーセナルが最も嫌がるのはウェストハム戦のようにきっちりとブロックを組んでカウンターを狙う形である。エランガ、ハドソン=オドイなどの快速WGを生かすロングカウンターはローブロックでも機能する彼らの武器。この形を全面に出す形を狙ってくるだろう。
理想の話をすれば、トランジッションで上回ることで相手の守備に穴を開ける展開が理想である。得意なブロックを組む前にサイドから攻撃を仕掛けることができれば、フォレストの守備の強度はグッと下がることになる。
だがわかっていてもその攻略方法ができるかどうかは別の話である。ファストブレイクの構築という観点では今のアーセナルはなかなか心許ない部分がある。高い位置からのプレッシングもメリーノの登用でさらに機能性としては重たくなったところもあるし、ロングボールでの前進やポジトラからのカウンターから何か手応えを得ているわけでもない。勝つためにフォレストのブロックを早めに壊したいところであるが、それが実装できるかは別の話である。
ローブロックの攻略にシフトするのであれば、守備を攻略する難易度は上がる。特にトロサールと対峙するであろう右のSBのアイナは対人で攻略するのが最も難しい相手である。利用するのだとすればCHの外にフォローに行く意識の高さだろう。外へのパスをCHが外に流れるための釣りとして使うことができれば、インサイドが開くことになる。ブロックを組むフォレストを攻略するには、インサイドとアウトサイドを使い分けながら勝負を仕掛けることができるかがポイントとなるだろう。仮にフォレストが5バックを敷いてくるのであれば、よりこの揺さぶりができるかどうかはシビアになる。
守備においてはなんといってもファストブレイクを封じられるかどうか。サイドからのロングカウンターは直近の相手の中ではおそらく最強。前節の失点の仕方を考えても高い位置で食い止める守備は意識を高く臨みたいところだろう。
ただし、エランガとハドソン=オドイを併用するとサイドの守備の強度はやや下がる感がある。ロングカウンターと守備ブロックのバランスの収支は意識したい。彼らを併用してくるのであれば、5バックであろうと守備は壊し切りたい。
わかってはいると思うが、当然この試合も苦しい展開になることは請け合いだ。というか、次の試合もその次の試合も苦しい展開は続くのは確実。わずかな勝利の隙を勝ち点に結びつける必要がある。
それでも苦しいのはアーセナルだけではない。台風の目であるフォレストもそこより下のチームもリバプールでさえも勝ち点は落としている。いまやプレミアリーグは我慢比べ。守備の堅いアーセナルにとっては悪くない土俵だと思う。難所攻略でなんとかリバプールに食らいついていきたいところだ。