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「試練の場は欧州へ」~2025.3.4 UEFAチャンピオンズリーグ Round 16 1st leg PSVアイントホーフェン×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 1st leg
2025.3.4
PSVアイントホーフェン
×
アーセナル
@PSVスタディオン

戦績

過去の対戦成績

 過去の対戦でPSVの2勝、アーセナルの4勝、引き分けが4つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • アーセナルは直近5試合のホームでのPSV戦で無敗(W3,D2)。欧州において無敗の相手として最も対戦数が多い。しかしながら、アウェイゲームでは直近4試合で未勝利(D2,L2)。最後の勝利は2002年9月。
  • CLのノックアウトステージでの対戦はこれで2回目。前回対戦時の2007年にはPSVが突破を決めている。
  • アーセナルは直近14試合のオランダ勢との対戦で1敗だけ。2007年のPSV戦の0-1。ただし、うち8試合は引き分けであり、半分以上は勝てていない(W5,D8)
  • アーセナルは2023-24のGSにおいてCLでピーター・ボスのPSVと2回対戦しており、ホームでは4-0、アウェイでは1-1の引き分け。
  • アーセナルは直近4試合のCLで全勝しており13得点2失点。5連勝になれば準優勝した05-06シーズン以来。
  • アーセナルは今季のCLにおいて全試合の57%の時間帯でリードをしており、全チームの中で最も高い割合。ビハインドは8%に当たる65分のみ。
  • PSVはディフェンス時に相手に許すパスが平均で9本。これより少ないのはバイエルンの8.2本だけ。また、カウンターからのシュート数はPSG(30)に次いで多い(25)。
  • アーセナルは今季のCL1試合における平均被xGが0.73で最小。被枠内シュート数も2.4で同じく最小。今季のCLにおいては63%(5/8)の試合でクリーンシートを達成しており、これよりいい数字なのは77%を記録した05-06だけ。
  • 2005年3月のバイエルン戦に出場したセスク・ファブレガス(17歳309日)に次いで、イーサン・ヌワネリ(17歳348日)は出場すればノックアウトラウンドに出場したアーセナルの選手としては2番目に若い選手となる。同じく出場すればノックアウトラウンドに出場した18歳以下のイングランド人としては3人目。ジュード・ベリンガム、フィル・フォーデン。
  • ルーク・デ・ヨングはこの試合で出場すればCLで50試合目。オランダ人ストライカーとしてはルート・ファン・ニステルローイ、パトリック・クライファート、ロイ・マカーイ、ロビン・ファン・ペルシーに次いで5人目の達成者。

予習

プレーオフ 1st leg ユベントス戦

プレーオフ 2nd leg ユベントス戦

予想スタメン

展望

シティにとってのマドリー

 リーグ戦は直近2試合で無得点。2連勝したリバプールには勝ち点差を広げられてしまい、チームのムードは沈み気味。そうした中で再開するのはチャンピオンズリーグ。対戦相手となるのはここ数年ですっかり欧州の舞台で顔を合わせるのがお馴染みとなっているPSVである。シティにとってのマドリーが、アーセナルにとってのPSVということになる。

 Match factsでも触れた通り、すでにアーセナルはピーター・ボスのPSVと戦っている。ユベントスとのプレーオフ2試合をチェックしたが、大枠のところでは前回対戦の際と印象はほとんど変わっていない。自陣からのビルドアップはショートパスで相手を動かしつつ、ルーク・デ・ヨングをターゲットにした長いボールを時折織り交ぜるという感じだ。

 後方でビルドアップに関与するのはCB、CHといったセンターラインの選手がほとんど。CHは縦関係になり、片方がアンカー役として振る舞う。CBはワイドに広がるポジションを取り、後方からパスを入れ込んでいく。ボスカリの配球力は特にユベントス戦では際立っていた。

 逆にサイドの選手は高い位置でのプレーが多い。特に左サイドはSBのジュニオールが高い位置をとり、インサイドに絞るノア・ラングがライン間に浮遊。大外からの突破とライン間の崩しにトップ下のサイバリやトップのデ・ヨングが絡んでくる。

 アタッキングサードにおける崩しは逆サイドからの飛び込みが大きな武器となっている。ファーサイドで単純に背が高いデ・ヨングが待ち構える形も多いし、逆のSHであるペリシッチが飛び込むことでスコアにつながることもある。

 特にノア・ラング→ペリシッチのラインはユベントス戦でのチャンスメイクで大いに貢献。ファストブレイクにおいてはカットインからの横断から逆サイドのペリシッチにボールを届けることで貴重なゴールを生み出してみせた。縦に速い攻撃においては非常に貴重なラインとなっている。

 非保持においては上のMatch factsのスタッツを見ると少し支配的な印象を持つかもしれないが、スタイルとしてはマイルド。4-2-3-1で中盤の数を確保する方向性は強く、ここはマンツーの意識が強い。とは言ってもオールコートでマンツーということではなく、SHが列を下げて最終ラインを埋めたり、あるいはCBは相手のCFに対して余らせたりなど、原理的なマンツーというわけではない。

 前からの守備は機を見てはいくが、プレス隊が基本的には1人ということもあり、前からのプレスは特に支配的というわけではない。ただ、ライン自体は設定は高めであり、裏抜けに関してはオフサイドを取りに行く強い姿勢が目立っている印象だ。

中盤マンツーの構造を利用する

 苦しい前線のやりくりはあと4つ。CLに関してはPSVとの180分をやり過ごせばおそらくサカとマルティネッリの帰還を期待することができる。とはいえ、直近2試合はノーゴール。PSVのアウェイゲームは相性がいいわけではないので、このラウンドが楽なわけではないことは明確にしておく必要がある。

 攻撃においてはやはり中盤マンツーのズレをつく必要があるだろう。中盤ではマンツーの意識が強く、それ以外のポジションとコントラストがあるという前提を踏まえると、やはりサイドの選手がインサイドに絡みながら崩しに絡んでくることが理想になるだろう。

 前線は降りるアクションをベースにできる人が揃っているので、ここでアウトナンバーが作れれば理想。SBも当然インサイドでプレーできる選手をおいておくのが良いと思う。

 中央でプレーする選手は確保できるけども、そこから抜け出すところの馬力をもたらすことができるかどうか?がアーセナルの直近の攻撃の悩みになる。ライス、ジンチェンコなどの前線への飛び出しやティンバー、カラフィオーリといったSBのポジションから前に出ていける選手は非常に貴重である。

 守備においてはまずはルーク・デ・ヨングを抑えられるかどうか。サイドに流れながら起点を作ることもあり、CBコンビ以外とのマッチアップを作りに行くかもしれない。特にフィニッシュ局面ではSBとのマッチアップで角度のあるところから折り返しでアシストを狙うこともある。絞っての仕事という点ではペリシッチの仕事が際立つので、LSBのインサイドへの絞っての守備は非常に重要となる。

 ノア・ラングに関してはやはりドリブルでのキャリーで勢いづかせないこと。相手をぶち抜くというよりは左右を自在にコントロールしながら相手を交わして逆を取りながら自由を享受するタイプ。ここを逃がしてしまうと、PSVの速攻はスペースのあるところに逃げられてしまう。こうなると、PSVのペース。前線に雪崩れ込む状況を作られると圧力があるチームなので、まずはその状況を作らせないようにノア・ラングを狭いスペースに閉じ込めるところに注力したい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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