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「高難易度の準備に挑む1週間」~2025.4.1 プレミアリーグ 第30節 アーセナル×フラム プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第30節
2025.4.1
アーセナル(2位/16勝10分3敗/勝ち点58/得点53 失点24)
×
フラム(8位/12勝9分8敗/勝ち点/得点43 失点38)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去の対戦でアーセナルの6勝、フラムの1勝、引き分けが3つ。

アーセナルホームでの戦績

 直近10試合でアーセナルの5勝、引き分けが5つ。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • アーセナルは直近31試合のリーグにおけるホームのフラム戦で負けなし(W24,D7)。英国リーグにおいてあるホームチームが特定の相手に対する無敗記録として最長。
  • しかし、アーセナルは直近3試合のフラム戦で勝利できていない(D2,L1)

スカッド情報

Arsenal
  • ブカヨ・サカは3ヶ月の離脱から復帰の見込み。
  • ユリエン・ティンバーは病気から回復したが、代表で膝を負傷したリカルド・カラフィオーリは数週間の離脱。
Fulham
  • FAカップ後のスカッドは「打撲と疲労」のみで負傷者はいないとのこと。
  • リース・ネルソンはハムストリングの負傷で長期離脱。

Match facts from BBC sport

Arsenal
  • 直近19試合のリーグ戦で1敗のみ(W11,D7)
  • ロンドン・ダービーで20ポイントを稼いでおり、リーグで最多。
  • リーグ戦で1試合平均23.6本(シュート:13.9本、被シュート:9.7本)が生まれており、今季のプレミアにおいて最も少ない数字。
  • 公式戦で17試合のクリーンシートを達成。プレミアでも被xGが0.5を下回る試合が29試合中11試合でリーグ最多。
  • 昨季開幕からCKからの得点が27生まれておりリーグ最多。
  • 4月1日に行われるプレミアの試合では7戦全勝。トータルスコアは25-3。
Fulham
  • ブライトン戦の敗戦でアウェイでの3連勝が止まった。
  • 勝てば1シーズンにおけるロンドン・ダービーで5勝となり1931-32、1947-48、2000-01に並ぶクラブレコード。
  • マルコ・シウバ在任中はロンドン・ダービーでの平均勝ち点は1.3。プレミアで10試合のダービーを経験した監督の中では最も高いポイント数。
  • 43得点のうち13得点を交代選手が決めておりリーグ最多。
  • アントニー・ロビンソンは今季のプレミアで50のインターセプトを記録しており、リバプールのライアン・グラフェンベルフに並んでリーグハイ。

予習

第27節 ウォルバーハンプトン戦

第28節 ブライトン戦

第29節 トッテナム戦

FAカップ 準々決勝 クリスタル・パレス戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

メリハリある3バックか?オールドファッション4-4-2か?

 代表ウィーク明けにFA杯が開催するというイレギュラーな日程の影響もあり、アーセナルのシーズン最後の1か月半はミッドウィークからスタート。対戦相手は週末にそのFA杯を戦い、パレスを前に苦杯を飲んだフラム。アーセナルからすると、近年密かに苦手としている対戦相手となっている。

 今季のフラムは大勝ちも少なく大負けも少ないチームという印象。どの試合においても終盤までもつれることが多く、スコアが開いたのは直近のFA杯と明確に力の差があったレスター戦くらい。その他の試合はどこが相手でも終盤までもつれることが多く、どの試合も終盤まで勝ち点の行方がどう転がるかがわからない試合ばかりだ。

 あまり苦手な展開はなく、ジリジリとした主導権の握り合いでも我慢しながらの一刺しを狙うことが出来る。ムニスやヒメネスといったストライカーはワンチャンスを生かすための鋭さを兼ね備えている。特に強度がある相手への対戦成績が良く、ニューカッスルとフォレストにシーズンダブルをしている点は興味深い。比較的正面衝突でぶつかって殴りあったので、強度で押し切ろうとしてくる相手に強さを見せているのも特徴だ。

 冬の頭くらいから3バックがメインのフォーメーションとなっている。マルコ・シウバがフォーメーションをいじるのは珍しい。前の選手に少し負傷者が多かった影響はあるのかもしれない。3バックにおいては中央のCBに入るアンデルセンから左右に広くポゼッションをしながら、対角パスで相手に狭く守らせないのが特徴だ。

 サイドアタッカーに1on1で勝負できる選手がいれば、アンデルセンの配球は深く刺さるかもしれない。大外型のWGは今のスカッドの起用可能な選手のなかではあまりいないし、オーバーラップで無双していたロビンソンは一時期の無双モードに比べるとやや落ち着いた印象になる。ここでできる選手がいない分、もう1つ自陣からのポゼッションで迫力が出ない印象がある。

 3バックはローブロックの際もなくはないが、基本的には後方を余らせている分、CBが前に潰しに行きやすいという意味合いが強く、ラインを下げるためというよりはCBの迎撃性能を生かしやすい環境づくりのように見える。特にこの点でバッシーは素晴らしいパフォーマンス。降りる選手をしつこく追うことで相手の起点となる動きを封じてくる。

 もちろん、ローブロックにおいては低い位置でサイドを埋めることもある。そういう意味では従来のミドルブロックをキープする4-4-2のフラムに比べると、スタンスにメリハリがあるように思える。

 ただ、要注意なのは直近2試合においては4-4-2で組んでいること。ウィリアンが復帰したこともあり、どことなくオールドファッションな4バックに回帰している感がある。どちらのシステムを基本線とするのかはやや予想が難しいが、もしかすると前回対戦のように4バック+上下動できるSH(例えばイウォビ)の組み合わせでの5バック化という中間のような解を出してくるかもしれない。

 難敵相手に上積みを狙う

 アーセナルにとって大きいのはもちろんサカの復帰である。大外で勝負することが出来る彼のカムバックはもちろん個人としてのクオリティが上がるうえに、前線の枚数が増えることによるオプションの模索も進む。代表ウィーク&SDの就任により、巷では新しいストライカーの話が渦巻いてはいるが、まずは残り1ヵ月半のCF不在の状況でどこまでクオリティを上げることができるか?を模索する必要がある。

 メリーノのCFはポイント起用としては悪くない働きを見せることが出来ている。左右に流れてのポストのクオリティなど徐々に本人のパフォーマンスも上がっているように思う。

 ただ、レアル・マドリーに勝つことを意識するのであれば、個人的にはサカのCFをテストしてみてほしい思いがある。戦力的な話で言えば、右でヌワネリとマルティネッリといったほかの選手の起用の目途が立ちつつあることが理由の1つ。サカが通常のクオリティに戻ればもちろん彼が右WGの第一人者にはなるだろうが、必ずしも彼を右のWGに置く必要はないのが今のアーセナルだと思う。

 サカにはメリーノにない部分も求めることが出来るだろう。1つ目はプレスの機動力。マドリー相手にハイプレスに出て行くプランを残すのであれば、メリーノではややチェイシングの迫力と範囲に物足りない部分がある。

 裏への駆け引きもサカの方がメリーノよりも期待できるだろう。背後をめぐる動き出しの良さはサカがデビューした時に自分が魅力的だと感じた部分の1つ。背後に押し下げる動きはマドリー相手には必須なように思う。CFに本職のいない今であれば、ヌワネリとの併用を模索するという意味も込めてこのタイミングでできることをテストするのはありだと思う。

 フラム、エバートンという相手に勝利を収めつつ、新しいオプションを装備する。これがこの1週間のテーマということになるだろう。正直、今の手札にもう1つ幅が広がるプランを装備できないとCLではどこかでつまずいてしまうような感覚がどうしても拭うことが出来ないのである。

 フラム戦に話を戻す。保持面においてはサカの復帰に伴い、テスト的な起用も模索することになる一方で非保持ではそのトライを支えるシャープさが必要となる。おそらくはアーセナル側が押し込む展開となるとは思うが、非保持の状況で我慢を続けてワンチャンスを生かして仕留めるというのはフラムの得意パターンであり、今季のアーセナルが勝ち点を落とすパターンでもある。前半戦のフラム戦でも一瞬のスキをヒメネスに使われた結果、同点ゴールを献上することになってしまった。

 CLを見据えた話はいつもよりも多くはなったが、もちろんフラム戦は「CLのシミュレーション」ではなく「リーグ戦の本番」である。苦手な2つの相手に対して結果を出しながら、上積みをもたらす。高難易度な準備が求められるシビアな連戦にアーセナルは挑むこととなる。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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