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「一線越えのスカッド」~2025.4.5 プレミアリーグ 第31節 エバートン×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第31節
2025.4.5
エバートン(15位/7勝13分10敗/勝ち点34/得点32 失点37)
×
アーセナル(2位/17勝10分3敗/勝ち点61/得点55 失点25)
@グディソン・パーク

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でエバートンの4勝、アーセナルの5勝、引き分けが2つ。

エバートンホームでの成績

過去10回の対戦でエバートンの5勝、アーセナルの3勝、引き分けが2つ。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • アーセナルは104回目の最後のグディソン・パークでの試合を迎える(W32,D27,L44)。トップリーグで最も勝利を挙げているアウェイスタジアム。
  • エバートンは直近のアーセナル戦で4戦未勝利(D1,L3)。最後の勝利は2023年2月のグディソンでの1-0。ゴールを決めたのはジェームズ・ターコウスキ。
  • 12月のエミレーツではスコアレスドロー。ホームとアウェイで両方アーセナルが得点を逃せば1912-13シーズン以来。
  • アーセナルは直近26試合のマージーサイドで行われたリーグとカップ戦において3勝のみ。

スカッド情報

Everton
  • ドワイト・マクニールは4ヶ月の膝の怪我から復帰予定。
  • イリマン・エンジアイは膝の負傷でミッドウィークを欠場したが復帰。しかし、ジェスパー・リンドストロムは鼠蹊部の負傷で欠場。ドミニク・キャルバート=ルーウィンとオレル・マンガラも引き続き欠場。
Arsenal
  • ガブリエウ・マガリャンイスはハムストリングの負傷で今季絶望。
  • ユリエン・ティンバーは当日判断。ベン・ホワイトも同様。リカルド・カラフィオーリは欠場が続く。
  • ガブリエル・ジェズス、冨安健洋、カイ・ハヴァーツは長期離脱中。

Match facts from BBC sport

Everton
  • マージー・サイド・ダービーの敗戦で9試合のリーグ戦の無敗が終了。
  • 直近5試合のホームのリーグ戦では負けなし(W2,D3)。デイビッド・モイーズ帰還以降、ホームで敗れたのは就任初戦の1月15日のアストンビラ戦だけ。
  • 引き分ければ2015年以来の4試合連続ホームでのリーグ戦でドロー。
  • 自分たちよりもテーブルの上にいるチームとの対戦は直近14試合で1勝だけ。1月のブライトン戦。
  • ジェームス・ターコウスキはプレミアで通算63回警告を受けており、退場を経験したことのない選手の中ではオリオウ・ロメウと並んで最多。ただし、2017年12月のバーンリー時代に暴力行為で試合後に3試合の出場停止処分を受けた経験がある。
  • マイケル・キーンは出場すればプレミア250試合出場を達成となる。
Arsenal
  • 11月のニューカッスル戦以降、アウェイのリーグ戦では10試合負けなし。しかし、そのうち5試合は引き分けで直近2試合も引き分けている。
  • 直近20試合のプレミアにおいて敗れたのはニューカッスル相手のみ(W12,D7)
  • 先制した試合では19試合負けなし(W14,D5)。直近5試合では連勝中。
  • マルティン・ウーデゴールは直近7試合のエバートンとのプレミアリーグで5つのゴールに関与(3G,2A)。
  • ブカヨ・サカは今季公式戦では23のゴールに関与(10G,13A)。3シーズン連続でどちらも二桁を達成したのはブルーノ・フェルナンデス、モハメド・サラーに続いてプレミアで3人目。

予習

第28節 ウォルバーハンプトン戦

第29節 ウェストハム戦

第30節 リバプール戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

ダービー同様のプランで行くのならば・・・

 リーグ戦再開初戦の勝利の代償として、ガブリエウを失ったアーセナル。シーズン終了リストにまた1人名を連ねた中で迎えるのはグディソン・パーク。CL前に苦手なスタジアムでの一戦に挑むことになる。

 エバートンはモイーズの帰還というウルトラCをシーズン途中に実施。レジェンドの再就任ということももちろんそうなのだが、比較的ダイチのカラーを踏襲する形でのリレーというのはなかなかに興味深い。

 そのため、大きくスタイルは変わっていない。質実剛健の強度十分な形でシンプルなスタイルから勝ち点を増やしていく。モイーズの就任当初はまだ降格のリスクもあり得る状況だったが、すでに1ヶ月前には残留争いは脱出したと考えていい数字。一時期はローカルライバルのリバプールに匹敵する勝ち点推移となっており、ボトムハーフの中でどこの順位に着地するのか?というところまでは来たと見るのが妥当だろう。

 CFの主軸となっているのはベト。キャルバート=ルーウィンとのレギュラー争いで走り出したシーズンだったが、競争相手の負傷もあり徐々にベトの出番が増えていくように。ここ1ヶ月はほんのり停滞気味であるが、それ以前には覚醒の可能性も感じさせるような素晴らしいパフォーマンスを見せていた。

 変わったのは動き出しの質量だろう。昨シーズンと比べると、ボールを動き出す引き出しが劇的に増えた上に頻度もアップ。オフサイドポジションでオンサイドになるタイミングもなくウロウロしていた昨季の姿はもうどこにもない。フィニッシュの仕事の質が上がったのは明らかに動き出しの改善によっていい形でシュートを打てるようになったからだろう。

 トップに当ててドゥクレ!という形は確かに有効ではあるが、アルカラスが入ることによって地上戦でボールを運ぶタイプのカウンターも実装された感。後方にはブランスウェイトという出し手もいるので、ライン間にスペースをくれる相手であれば問題なく前進をするケースもある。縦に速い攻撃の方が得意なのは確かだが、キャストの入れ替わりで縦に速い攻撃の中で幅が出てきている印象だ。

 守備ではプレスに出ていく姿勢とリトリートのメリハリが非常にはっきりしている。前に出ていく場合は間延びを気にせず、中盤の運動量にモノを言わせた形で一気に圧力で押し切りにくる。相手による話だが、あえてアップテンポな展開に誘うことでエバートンの得意パターンに相手を巻き込む形もよく使う手法だ。

 ただ、どちらと言えばアーセナル相手で考えればリトリートをベースに自陣を埋める形の方がイメージがつきやすい。マージー・サイド・ダービーでも同じプランだったし、SHが最終ラインの大外を埋めるなど2列目にはスペースを埋める献身性がある。

 プランはシンプル。だが、高い強度でそのプランを遂行することで勝ち点を重ねてきた実直なチームだ。

広大なガブリエウ離脱の影響範囲

 この試合の位置付けは非常に難しい。CL前ということを踏まえるともちろん戦力は入れ替えたいが、ガブリエウ不在の布陣のテストをするためには貴重な1試合。その機会を単純にターンオーバーで消費していいのか?というジレンマがある。正直、今季のアーセナルに関しては「ガブリエウかサリバがいなくならない限りは誰がいなくなっても最悪なんとかなる」と考えていたので、この離脱が痛いのはいうまでもない。

 代役で入るCBにはまずはベトへの対応が求められる。直近では確かにゴールには恵まれなくなったが、マージー・サイド・ダービーではロングボールのターゲットから独力で2回ほど大きなチャンスを作るなど陣地回復からカウンター完結までの無理は効く。

 ダービーと同じプランをエバートンが踏襲する可能性が高いことを踏まえても、まずはサリバとその相方がきっちりとロングボールを封殺できるかはキー。フラム戦では広いスペースのケアに失敗することでエラーをもたらしてしまったので、キヴィオルが起用されるのであればリベンジに挑むことになるだろう。ファーのターコウスキなど狙い所がはっきりしているセットプレー対応も守備の注目ポイントだ。

 試合の展開としてはできればわちゃわちゃしてスペースがあると想定される序盤戦で先制点を奪いたい。スペースレスなリトリートの状態にエバートンが引きこもるとアーセナルがこじ開けるのは難しいだろう。メリーノは確かにストライカーとしては成長しているが、高さをシンプルに活かすという点ではエバートンのDF陣にアドバンテージを取るのは難しいはず。

 さらにはガブリエウ不在による左サイドの押し下げが難しくなる可能性も押し込む展開に関しては懸念。後方サポート役の質はおそらくは落ちるため、マルティネッリにとっては前節よりも難しい状況になる可能性はある。右サイドのユニットが復活したことで懸念はある程度は減るが、それでもシンプルに放り込むのが難しい相手に不安要素があるのは確かだ。

 直近数試合を見ればエバートンの守備は押し込まれる展開でもボックス内にぽっかりとスペースを開けることがなくはない。とりあえず放り込むのではなく、上下に揺さぶることでスペースを作ることをサボらなければ道は開けるだろう。

 押し込めるけど困った時の救いの定番であるセットプレーでもガブリエウがいないのは痛い。ちなみにこれはここよりもレアル・マドリー戦で痛いと思う。またプレビューは作るけども、セットプレーは大きな武器になるはずだった。

 ガブリエウ不在の影響は間違いなく多岐に渡る。個人的には今季ここまでの怪我人の中で一番手痛いやつがここにきてしまったという印象だ。一線超えてしまったスカッドで何ができるかが問われる90分になるだろう。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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