
強度とスキルと臨機応変さで虎の子の1点を守る
CL出場権争いへの生き残りをかけてギリギリの戦いが続いているアストンビラ。ホームに迎えるのはフラム。残留争いとは全くの無風で中位力を年々高めている厄介な相手との一戦だ。
立ち上がりに勢いよく入ったのは是が非でも勝ち点が欲しいアストンビラ。高い位置からのプレスでフラムのボール保持を阻害していく。強烈なプレスがやってきたフラムは無理にボールをつなごうとはせず、ヒメネスへのロングボールの落としをイウォビにキープさせるなど少ない手数からの確実な前進を試みる。
序盤はロジャーズのいる左サイドからのファストブレイク寄りだったアストンビラ。12分にはティーレマンスが先制ゴールをゲット。積極的な姿勢は早くもスコアに結びつく。
得点を決めたことでアストンビラは徐々に保持局面ではゆったりとした展開にシフト。GKのマルティネスを絡めたボール保持からポゼッションを増やしていく。非保持においてもハイプレスにジリっと出て行くことはやめず支配的な振る舞いを増やす。フラムのミドルゾーンにスペースが出来れば、すかさずティーレマンスがスルーパスを差し込んでいくことでさらに追い込んでいく。
フラムは大外からのバックドアで背後を取るなどブロックを一発で攻略する手段を模索する流れ。逆に言えば、インサイドにボールを付けるタイプの攻撃はうまくアストンビラに跳ね返されていたということになる。中盤ではロジャーズが攻守に粘り強さを見せつけて、球際で優位に。はねかえすところからカウンターでシャープな攻撃を繰り出し、フラムを逆に追い込んでいく。
よって、フラムは先に挙げた外循環から背後を狙う形やヒメネスへのロングボールなど安全策が中心となる。スコアも内容もアストンビラが優勢な状態で試合はハーフタイムを迎える。
後半、いきなりアストンビラはチャンス。大外の裏抜けからキャッシュがチャンスを作っていく。フラムは後半もロングボール中心の構成。デュエルでも前半以上にアストンビラと張り合う姿勢を見せる。
これを見たアストンビラは堅実さ重視のシフトに移管。ロジャーズを左のWBの位置まで下げるなど5バック気味にブロックを組むことでフラムの攻撃を受けに行く。
終盤はなりふり構わずハイプレスに出て行くフラム。だが、そこからの攻撃も含めて基本的にはアストンビラの対応は間に合っている状況。逆にスペースが浮いた時にはライン間に素早く差し込む縦パスからの陣地回復で反撃するシーンもあった。
試合はそのまま終了。前半のゴールを守り切り、ビラが逆転でのCL出場権確保に望みをつないだ。
ひとこと
基本的には何か懸かっているチームとそうじゃないチームとの差を感じる内容だった。
試合結果
2025.5.3
プレミアリーグ 第35節
アストンビラ 1-0 フラム
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:12′ ティーレマンス
主審:ロベルト・ジョーンズ