Fixture
プレミアリーグ 第38節
2025.5.25
サウサンプトン(20位/2勝6分29敗/勝ち点12/得点25 失点84)
×
アーセナル(2位/19勝14分4敗/勝ち点71/得点67 失点33)
@セント・メリーズ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績

過去10回の対戦でサウサンプトンの2勝、アーセナルの4勝、引き分けが4つ。
サウサンプトンホームでの成績

過去10回の対戦でサウサンプトンの4勝、アーセナルの4勝、引き分けが2つ。
Head-to-head from BBC sport
- プレミアにおけるサウサンプトンのアーセナル戦の勝利は8試合ともいずれもホームゲーム。直近では2022年。
- アーセナルは直近16回のサウサンプトン戦で2敗のみ(W8,D6)
- 最終節での両チームの対戦はこれで2回目。前回は00-01シーズンでサウサンプトンが3-2で勝利。
スカッド情報
- テイラー・ハーウッド=ベリスは前節の足首の負傷で欠場の見込み。
- アルベルト・グロンベークはアキレス腱の負傷に苦しむ。ヤン・ベドナレクは膝の負傷で起用が不透明。病気で2試合欠場したカイル・ウォーカー=ピータースは当日判断。
- 足首の手術に踏み切ったユリエン・ティンバーは欠場。
- ウィリアム・サリバもハムストリングの負傷で欠場。
Match facts from BBC sport
- ここまでリーグ戦で29敗。30敗になればプレミア新記録を樹立。
- リーグにおけるホームでの勝利は1つだけ。11月頭まで遡る。
- 前半に41失点を喫しておりリーグ最多。後半の43失点も同じくリーグ最多。
- 最終節での勝利は過去2回だけ(D4,L7)
- テイラー・ディブリングは先発した20試合のプレミアで未勝利(D4,L16)。これより長い未勝利ランでキャリアをスタートした例はマイケル・カイトリー、ギャレス・ベイル、ニッキー・サマービーだけ。
- 直近11試合のリーグ戦で1敗だが、うち6試合はドロー。
- 前半の14失点はリーグ最少。
- 公式戦57試合で3失点以上の試合はここまで1つもない。単一シーズンの公式戦で3失点以上の試合なしでシーズンを終えるのはプレミアにおいてはマンチェスター・ユナイテッド(07-08,17-18)に次いで2チーム目となる。
- 今季のプレミアの最多スコアラーはカイ・ハヴァーツ(9)。最多スコアラーが10得点を下回れば1923-24以来のこととなる。
- 37試合終了時点でリーグ戦の得点は昨季と比べて22少ない。
予習
第35節 レスター戦

第36節 マンチェスター・シティ戦

第37節 エバートン戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
不発となった「経験豊富なDF陣」
コンペティティブな意味ではすでにアーセナルの今季のプレミアリーグは終了。ほぼ確実な2位の座は、残りの勝ち点1で間違いのないものになる。
そんなアーセナルの最終節の相手は最下位に沈むサウサンプトン。今季のコンペティティブな意味でのプレミアは4/6に終焉。今季どころか7試合を残すという過去最速のスピードで降格が決まってしまった。
やはり、降格のポイントとなってしまったのは失点の多さだろう。チャンピオンシップですら60失点台を記録している守備ではプレミアを渡り歩くのは難しく、そういうチームが引きこもったところで先は見えてしまっているので、ショートパスでの繋ぎからポゼッションを回復しようと試みると、こっちも立ち行かなかったというのが簡単に言えば今季のサウサンプトンである。
フォーメーションは3-4-2-1の形が多い。バックラインに強引にプレスをかけることは稀で基本的には相手の中盤が守備のスタート地点。陣形をコンパクトにしつつ、なるべくラインを高くすることで対抗していくスタイルだ。
しかしながら、このコンパクトさを維持することが出来ないのがサウサンプトンのつらいところ。特にシャドーが前に出て行ったときにWBがフリーズするケースが多く、ここでギャップが空いてしまう。
ここからバックラインが背後を取られてしまうと一気にサウサンプトンの守備陣は棒立ちになる。プレミアを戦い抜くには経験豊富なDF陣が重要!というのは月並みな話であるが、ベドナレクやステーフェンスといった経験豊富な選手やハーウッド=ベリスという現役代表CBがいても棒立ち人任せになるのだから如何ともしがたいところがある。
跳ね返りやこぼれたところに詰める一歩が鈍く、ここでいつも相手に先手を許してしまう。ラムズデールは後半戦は相当パフォーマンスを伸ばしてはきたが、彼が孤軍奮闘しようと跳ね返りをクリアしてくれるDFがいないのだから失点は減るはずもないのがつらいところだ。
そんな彼らだが、直近のシティ戦では乾坤一擲のパフォーマンス。バックラインはまるで全員が生まれ変わったかのような高い集中力でクロス対応にフォーカス。相手の単調な攻撃をことごとく跳ね返し、見事勝ち点1を確保するという今季ベストゲームを達成。この形を年間通して出すことが出来ればという悔やまれる出来だった。
攻撃においては前半戦好調だったディブリングと入れ替わる形でスレマナが後半戦は台頭。左サイドからの馬力のある仕掛けて単独でゴールかラストパスにたどり着く形を引き寄せてカウンターを一手に引き受けた。
タワー系CFとしてのオヌアチュの魅力も高いが、終盤戦はアーチャーやフェルナンデスといったアジリティが十分のアタッカーが優先して起用された感がある。スレマナの速い攻撃に合わせるのであれば彼らが適任だろう。
一方でWB、特にウォーカー=ピータースが高い位置で攻撃に絡むことが出来れば面白いのだが、小兵とスピード系アタッカーでそうした選手たちが上がる時間を稼げないという問題もある。いずれにしてもポゼッションの安定感のなさではCFが時間を作るところまではいかなかったかもしれないが、最後まで攻撃は武器を生かし切れずにチャンピオンシップに沈んでしまった印象だ。
成長の跡を見たいヌワネリ
この試合でアーセナルにとって最も大事なことは怪我をしないこと、次に退場をしないこと。最後まで11人に健康で試合をするというのが一番の目標というのはうれしいような、2位という現状を踏まえれば悲しいようなという感じだろうか。
というわけでメンバーもコンディションや花道を飾るための選手が多く起用されることになるだろう。そういった部分は予想しにくいので、シンプルにサウサンプトンを倒すためのプランについてここではいつも通りに話をすることとする。
前の項でも触れた通り、まずズレを作るきっかけとしたいのは相手のシャドー。開いたCBでシャドーを釣りだし、後方との距離を空けるのが理想だ。
この時にWGはきっちりと大外に張ることで相手のWBをピン留めする形を作りたい。まぁ、相手がついてこないのならばWGが降りてきて自分で反転しても問題はないが、より相手についてくるか迷わせるという意味ではWGは立ち位置を守り、SBもしくはIHが大外でシャドーとWBの間に入る形が望ましい。

この形を作ることが出来ればサウサンプトンのCHやCBはどこまでついていこうか迷うことになるだろう。こうした判断が続くとサウサンプトンの守備は簡単に崩れて行ってしまう。特にバックラインを釣りだすことが出来れば理想的。空いた穴のところから前線は裏抜けを狙うことが出来る。

アーセナルは特に控えの前線になると足元にボールを要求するケースが多く、そうなってしまうと状況は停滞する。ヌワネリあたりはシーズン中盤で成長を見せたオプザボールでの輝きを今一度この舞台で見せてほしいところだ。
守備においては左サイドのスレマナをどう止めるか。アーチャーやフェルナンデスは相手の守備の穴を見つけるのがうまいアタッカーなので初動を止めることができないと、結構深いところまで進まれる可能性はある。早めに攻撃の芽を摘んで決着を長引かせないことが重要。
サリバの状態はよくわからないが、無理をさせる意味もないので、おそらくはキヴィオルとカラフィオーリが引き続きスターターとなるだろう。ニューカッスル戦の後半と同じように彼らが落ち着いて臨めば十分に張り合える相手だ。
いろいろあったプレミアもあと90分。せっかく余裕を持って最終節を迎えられるのだから、激しくつばぜり合いを繰り広げるCL争いを横目にのんびりと楽しめるラストゲームにしたい。そのためには負傷者と退場者を出さないことが何よりも大事だ。