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「CL組の宿命」~2025.10.26 プレミアリーグ 第9節 アーセナル×クリスタル・パレス プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第9節
2025.10.18
アーセナル(1位/6勝1分1敗/勝ち点19/得点15 失点3)
×
クリスタル・パレス(13位/3勝4分1敗/勝ち点13/得点12 失点8)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年の対戦でアーセナルの7勝、クリスタル・パレスの1勝、引き分けが3つ。

アーセナルホームでの戦績

 直近10試合の対戦でアーセナルが5勝、クリスタル・パレスが1勝、引き分けが4つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • 昨季のドローを除き、アーセナルは直近6試合のパレス戦のうち5試合で勝利。
  • パレスは直近14試合のアーセナルでのアウェイゲームで1勝(D5,L8)。2019年4月のロイ・ホジソン政権下で3-2での勝利。
  • アーセナルは試合日を首位で迎えた70試合のプレミアのホームゲームで2回しか負けていない(W52,D16)。2008年9月のハル・シティ戦と2023年2月のマンチェスター・シティ戦。シティに敗れて以降、エミレーツで迎えた8つの首位でのゲームでは7勝を挙げており、合計28得点を決めている。
  • パレスは直近14試合のプレミアにおいて8つのドロー(W5,L1)。先週末のボーンマス戦も3-3のドロー。4月以降、9つの引き分けがあり他のチームよりも少なくとも3つ多い。
  • アーセナルは直近2試合のプレミアの試合において枠内シュートを打たれていない。03-04以降、3試合連続で枠内シュートを打たれていないチームは2014年の5月から8月のマンチェスター・シティただ一つだけ。
  • アーセナルは今季ここまで65本の被シュート、18本の被枠内シュート、3つの失点。全てリーグで最も少ない数字。8試合終了時の失点3は1998-99の3失点と並んで最少タイとなっている。また、アーセナルが開幕8試合で5試合連続無失点を達成したのは、このシーズンが最後。
  • クリスタル・パレスは43本のオンターゲット、xG:17.4、作ったビッグチャンスが33でいずれもリーグリーダー。しかし、xGに対する得点数のマイナスの幅(-5.4)が最も大きいチームでもあり、最も多くのビッグチャンス(22)を逃したチームでもある。
  • アーセナルはCKからの7得点とセットプレーの10得点はいずれも今季のプレミアで最多。今季のプレミアの8試合のうち、6試合でセットプレーからゴールを上げている。プレミアの歴史においてセットプレーからの得点が10に到達するのが最も早かったチーム。
  • レアンドロ・トロサールは先週末のフラム戦で決勝点。先発した直近2試合のプレミアにおけるパレス戦でいずれも得点を挙げている。得点を決めた際の無敗は21試合(W17,D4)続いており、これより長い記録を持っているアーセナルの選手はガブリエル・マルティネッリ(38)、セスク・ファブレガス(38)、ポール・マーソン(32)。
  • 直近9つのジャン=フィリップ・マテタのゴールのうち、8得点はロンドンで決めたもの。そして、直近8試合のロンドン・ダービーでは5得点。2004-05のアンドリュー・ジョンソン、2020-21のウィルフリード・ザハに次いでプレミアにおいて8戦終わった時点で5得点を決めているパレス史上3人目の選手。

スカッド情報

Arsenal
  • ピエロ・インカピエ(鼠蹊部)
  • ガブリエル・ジェズス(ACL)
  • カイ・ハヴァーツ(膝)
  • ノニ・マドゥエケ(膝)
  • マルティン・ウーデゴール(MCL)
Crystal Palace
  • シェイク・ドゥクレ(膝)
  • チャディ・リアド(膝)
  • カレブ・クポルハ(腰)

予習

第6節 リバプール戦

第7節 エバートン戦

第8節 ボーンマス戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

マイルドながらも粘り腰があるスタイルに

 中断明けの公式戦2試合はいずれもクリーンシート。アーセナルは10月も好調をキープし、代表ウィーク明けも十分な結果を残している。しかし、リーグ戦で過密日程がのしかかるのはここから。1週間休養たっぷりの相手と向き合う可能性が出てくるから。

 しかし、アーセナルが今節ホームに迎えるのはクリスタル・パレス。幸運なことにミッドウィークに欧州カップ戦を戦ったチームを引くことができている。カンファレンスリーグのパレスはリチャーズがお休み、比較的戦力の揃っているCHは入れ替えながら起用しているが、残りの7人はリーグ戦のレギュラーと言えるメンバーを起用。2日余裕がない状態で日曜日の試合を迎えることとなる。

 パレスのフォーメーションは3-4-3。就任当初はひたすら前向きでアグレッシブ。23-24のプレミアの後半戦では台風の目として暴れ回った。あれから1年半がたった今、スタイルは快進撃を遂げた頃よりは落ち着いていると言えるだろう。

 基本的にはトップのマテタの守備は中盤からスタート。相手のミドルゾーンを封鎖するところをきっちりとやる。後方のDFはハイラインも対応可能。ラクロワ、グエイ、リチャーズですっかりと固定されている3バックはいずれもスピードが十分。前への潰しと背後をカバーするスピードを持ち合わせているハイライン仕様のチームだと言えるだろう。

 ただ、仮にラインは下げられとしても攻撃に出ることに関しては大きな問題にはならない。彼らが誇るアタッカー陣は馬力が十分。低い位置まで押し下げられても運ぶことができるタフさと長い距離を走り抜けるスピードを持ち合わせている。

 マテタ、サールの2人はカウンターの核弾頭。彼らのファストブレイクに大外のムニョスの走り込みが間に合えば、カウンターは大外を仕上げにも囮にも使える上質なものとなる。リバプールキラーの二つ名は伊達ではないということである。

 幅を使う攻撃のタクト役として注目を集まるのは鎌田。最近は有望株のウォートンより長い時間をプレーしており、指揮官の信頼も厚い。速攻の時にも遅攻の時にも組み立ての精度は抜群。縦に急ぐ形だけでなく、幅をとりながらWBを活かす形でももちろん信頼できる。極め付けはドリブルから味方とのコンビネーションでの中央の痛撃も面白い。日本代表のレギュラー格は苦しいシーズンを送っている選手が多いが、鎌田はかなりいいシーズンの入りをしたのは間違いない。日本人としてこのまま怪我なくシーズンをやり切ってほしい。

 エゼがいなくなったところには新戦力のピノがピッタリとハマっている。最後の局面の凄みは物足りないが、狭いスペースからを前を向けるスキルと運びはエゼの退団によって失われた役割の穴埋めにうってつけである。

 一度流れを掴めば手をつけられないチームなのも面倒な話。前節にボーンマス戦は2点の不利もあっさりと跳ね返して勝ち点を確保している。粘り腰の強いチームだと言えるだろう。 CL明けのようなタフなコンディションでパレスを退治するようなしんどい思いはしたくないというのが正直な感想だ。

抉られる状況を未然に防ぐ

 とりあえずは引いて受けてくれるだろうからそこはお言葉に甘えてボールを持つ展開にしたいところ。押し込むところで狙い目にしたいのはまずはセットプレーだ。CKはゾーンベースの守備ではあるが、あまり整理されておらず、あっさりと後手に回ることも珍しくない。

 特にファーのムニョス周りは狙い目。ニアフリックでファーに1人飛び込むというフラム戦のトロサールのような形でファーで浮く選手を生かしてのセットプレーは使えるように思う。

 オープンプレーにおいてはパレスが前がかりに来て少しDFラインを上げようとしたタイミングは狙い目。パレスの3CBはいずれも間違いなく優秀であるが、最近のパフォーマンスで言えば少し右のCBのリチャーズはあっさりと裏を取られる場面が少なくない。マルティネッリであれば、瞬間的にこの背後のところを狙っても面白い。

 撤退守備に関しては大外を使いつつ、インサイドで縦方向の揺さぶりをかけることができている。セットプレーを取れればOKというマインドも含めて、今のいい流れを続けていける相手だと思う。スビメンディをはじめとする連戦組はややハードではあるが、代表明けの3連戦の最後の1試合はなんとか耐えてもらいたい。

 非保持においてはやはりパレスの強力なカウンターアタックをどこまで咎めることができるかが重要になるだろう。マテタ、サールの馬力に対してどこまで押さえ込むことができるか。特にサイドに流れた時のSBの対人守備は重要である。ピノも含めて裏に引っ張る動きよりは降りたり流れたりなどマイナス方向の動きが多い。その前提で守備の連携を確認していきたい。

 幅を使う攻撃においてはインサイドの鎌田、ヒューズ、ウォートンの3枚を抑える形が作れるか。パレスのサイド攻撃は縦突破の意識が強く、エンドライン側から切り込んでくるような抉り方をしてくる。このマイナスのスペースを作るための切り込みは非常に協力。対応するよりは未然に防ぎたいのが正直なところ。ミッチェル、サールなど利き足がサイドと一致している選手たちがフリーで駆け上がる状態で攻める形はなるべく避けたいところ。そういう意味でも供給元となるCHを抑え込むのは重要だ。

 前線の持久力は高く、深い時間帯でもゴールを決められているという成功体験から、最小失点差で終盤を迎えることになればタフな展開が想定される。連戦が続く状況ながら、プレミアでそういう足腰が強いチームと対戦するのはCL組の宿命。できれば、複数得点のリードが欲しいところだが、それでも踏ん張ることができるのが今のアーセナル。連戦が続く中で今週もいい結果を積み上げたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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