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「Catch up J1 League」~2022.8.26 J1 第27節 サガン鳥栖×アビスパ福岡 ハイライト

■オープン上等の九州ダービー

 フライデーナイト唯一の開催となったのはJ1で2つのみの九州勢による九州ダービー。地元のライバル同士の一戦は互いに4バック同士の噛み合わせがいいマッチアップとなった。

 保持の中で意図的にズレを見出そうという意識を感じたのは鳥栖。左サイドのジエゴ、中野、岩崎というセットはサイドから陣形を押し上げることに長けている組み合わせ。特に絞る動きを見せる岩崎が顕著で、鳥栖は3トップ気味の戦い方でズレを作ろうとする。

 福岡の守備はこの鳥栖のずらし方に対して、うまく対応することができなかった印象だ。守備の基準点を作ることができず、左右にボールを動かす鳥栖に対してボールの奪いどころを見出せなかった。

 ボールを左右に動かされながら深く侵入されるという反省は福岡にとっては前節の川崎戦と一緒。望んでいない押し下げられ方をした分、苦しい戦い方になっていた。

 保持においては山岸のタメから志知が飛び出していく形など惜しい場面がないわけではない。だけども、福岡の攻撃は相対的に単発で、なかなか厚みのある攻撃を繰り出すことができない。CHの前をサリーなどショートパスから繋ぐ意思は見せたが、チームごと前に進める攻撃をするのには苦労していた。

 先制点を奪ったのは鳥栖。福岡の攻撃をミドルゾーンで岩崎がカットすると、そこから一気に攻撃を加速させる。ラストパスを出した宮代は本田にコースだけでなく力加減も絶妙なパスを通してみせた。外に流れた岩崎はボール奪取の起点になったところも含めて助演男優賞。3トップ的なセットによって、福岡のCBにインサイドを閉めることを許さなかった。

 対する福岡はセットプレーから反撃。フアンマがネットを揺らすが、オフサイドポジションの宮が相手のDFを妨害したとして、オフサイドを取られる。惜しくも同点のチャンスを逃した福岡だったが、直後に得点をゲット。ファンマのポストから逆サイドでフリーになっていたクルークスがネットを揺らして同点にする。

 ここから試合はオープンに。両チームともプレスの強度が上がり、ボールが行ったり来たりする展開になっていった。後半にかけて両チームの強度が落ちても展開は変わらず。中盤があまり存在しないような試合であり、どちらにゴールが生まれるかは読みにくい展開ではあったが、敵陣にボールを運んだ後の引き出しは鳥栖の方があるように見えた。

 福岡はルキアン、マリなどパワーを活かした交代策でオープン上等路線に舵を切る。終盤はその分、フィジカルコンタクトが増えて小競り合いがあちらこちらで起こるように。ルキアンやマリをいちいち止めていたクルークスは間違いなくいいやつである。

 鳥栖はサイドから斜めのパスを差し込むシーンがあるなど決定機をいくつか見せたがこれを決め切ることができず。同じく福岡もパワーで押し切る形では決勝点を生み出せなかった。白熱の九州ダービーはドロー。4月の対戦と同じく決着がつかないまま幕を閉じることになった。

試合結果
2022.8.26
J1 第27節
サガン鳥栖 1-1 アビスパ福岡
駅前不動産スタジアム
【得点者】
鳥栖:17′ 本田風智
福岡:26′ ジョルディ・クルークス
主審:松尾一

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