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「Catch up Premier League」~2022.3.12 プレミアリーグ 第29節 ブライトン×リバプール ハイライト

■持つものによる完璧な制御

 インテルという難敵を下して、CLでベスト8に駒を進めたリバプール。休む間もなく、優勝争いを繰り広げているプレミアに舞い戻り、ランチタイムキックオフでブライトンと対戦することとなる。

 立ち上がり、攻勢を仕掛けたのは意外にもホームのブライトン。この日は右のSHに入ったマーチを大外の起点にすると、このサイドから攻めいる。確かにディアスの戻りは未知数だし、狙いとしては面白かった。同じサイドのランプティが攻め上がる時間を作ることができていればなおOK。攻撃の厚みは増す。大外とハーフスペースを同時につくことでリバプールのバックスを右から抉ることができていた。

 一方のリバプールの保持。4-2-3-1気味のブライトンの守備はアンカーのファビーニョにトップ下のマック=アリスターを付ける形である。中盤の枚数を合わせることを優先した格好だ。バックラインはSBが高い位置までリバプールのWGを追いかけまわして前を向かせないように対応する。

 リバプールは右サイドの奥から徐々に盛り返しを狙っていくことに。だが、中盤ではケイタの細かいつなぎのミスが散見され、ブライトンが狙い目にできそうな隙を見せてしまっていた。

 しかしながら、ブライトンの仕組み上のミスマッチをリバプールはきっちりついてくる。中盤を噛み合わせる選択をした以上、空いてくるのはリバプールのCBである。インテル戦もこのような工夫は見せたりもしていた。

 この試合でも仕組み上、空いたマティプが決定的な働きを披露した。マークがつかないことを利用し、持ち上がると抜け出したディアスにラストパス。抜け出しから危ないコンタクトもあったが、ボールはゴールに無事に吸い込まれていった。ブライトンの守備が諦めたところから攻め入るリバプール。時間の経過とともに保持の支配力を発揮していく。

 ブライトンのSBが降りる動きについてくるならば、裏抜けはどう?みたいな揺さぶりをかけられるのが今のリバプールである。これが後出しでOK!という持つものの強みである。

 ブライトンは後半も苦しい戦いに。序盤こそ、前半を彷彿させるチャンスメイクだったが、時間とともに再びリバプールに主導権は推移。ビスマを抑えられたボール保持は幅を使うことができずに、直線的なマーチへのチャンスメイクに頼る部分が大きかった。そのため、ブライトンは5バックにシフトし、後方のズレを作ることでピッチをより広く使おうというアプローチに切り替える。

 このやり方は一定の効果はあった。だが、同点ゴールまでの道は遠かった。そうこうしているうちに追加点を奪ったのはリバプールの方。ビスマのハンドからサラーがリードを広げるPKを決めると、ここからリバプールは安全運転モード。苦労して探した攻め手も生かそうにもブライトンとしてはボールを取り上げられてしまえば何もできない。

 ここ数試合で目を見張るようになったリバプールの試合運びのうまさはこの日も健在。きっちり制御下に置かれてしまったブライトンは抵抗したが、完敗という表現が妥当だろう。

試合結果
2022.3.12
プレミアリーグ 第29節
ブライトン 0-2 リバプール
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
LIV:19′ ディアス, 61′(PK) サラー
主審:マイク・ディーン

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