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「Catch up Premier League」~2021.12.4 プレミアリーグ 第15節 ウェストハム×チェルシー ハイライト

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■修正から得た主導権が生んだ脈絡なき決勝点

 今、ロンドンで最も高い順位にいる2チーム同士の対戦。チェルシーの対戦相手になるのはアーセナルでもトッテナムでもなく、ウェストハムである。

 フォーメーション的にはチェルシーに噛み合わせた5-4-1に挑むことにしたウェストハム。しかしながら、マンマークに行くかと思いきや、プレッシングは控えめ。むしろ、遅れてプレスに行くケースが多い分、ジョルジーニョやロフタス=チークには縦にパスを入れる余裕が十分で、パスで前を進めるのは難しくなかった。

 サイド攻撃においてもハーフスペースから裏を取る形でウェストハムの最終ラインを動かしながらクロスを上げることができていたチェルシー。ウェストハムのプレスの遅れと、サイドの攻撃からラインを押し下げられたことでウェストハムを釘付けにする。セットプレーからチアゴ・シウバで先制したことも含めてチェルシーとしては理想的な展開だった。

 しかしながら、これで終わるようではウェストハムはこの順位にはいない。今年の記事でも繰り返しているように、隙あらばラインを上げられるのがウェストハムの強さである。プレッシングからジョルジーニョのバックパスを誘発すると、選択肢が消えたメンディが対応をミス。ボーウェンを倒してPKを与える。

 だが、前半終了間際にチェルシーはマウントのスーパーボレーで勝ち越し。ウェストハムはとりあえずラインを下げるという選択肢が呼んだ失点となってしまった。

 後半にウェストハムは5-3-2に変形。ロングカウンターの比率を高め、前半のような中途半端なチェイシングを減らし、メリハリのある追い方に変更する。

 実ったのはまたしても高い位置への押し上げから。アントニオへのロングボールの落としをコーファルが粘って繋ぎ、最後はボーウェンがダイナミックなゴールを叩き込む。股抜き、そしてあのスピードでなければメンディをあの位置から撃ち抜くのは難しかったはずだ。

 そこからはウェストハムがペースを握る。チェルシーはルカクが入ってから流動性が低下。PA内のパワーとスピードの上乗せができれば、収支は合うのだが、ウェストハムの守備陣がそれを許さない。

 ウェストハムはロングボールからのセカンドボール回収で主導権を握る。中盤のフィジカルで言えば、圧倒的にウェストハム。中盤の枚数を増やした分、ソーチェクが高い位置に出れるようになったのも聞いていた。

 さらに終盤、4-2-3-1に移行しクロスに飛び込む枚数を確保したウェストハムは攻勢を強める。だが、決勝点を決めたのはそんな脈絡の外側の話。ウェストハムは左の大外からメンディの虚をつくシュートでマスアクが技ありのシュートを決める。2失点目直後のアントニオもそうだけど、かなりエリアの外からシュートを狙う意識が高かったウェストハム。メンディはゴールマウスをあけた強気のポジショニングが多い!というスカウティングでもあったのだろうか。

 チェルシーは終盤にプリシッチとハドソン=オドイの左サイドからこじ開けにかかるも、これ以上は失点を許さなかったウェストハム。リバプールに続きまたしても大物食いを達成。ここ数試合の取りこぼしを吹き飛ばす会心の逆転勝利を決めてみせた。

試合結果
2021.12.4
プレミアリーグ 第15節
ウェストハム 3-2 チェルシー
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:40′(PK) ランシーニ, 56′ ボーウェン, 87′ マスアク
CHE:28′ チアゴ・シウバ, 44′ マウント
主審:アンドレ・マリナー

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