■見え始めた良化の兆し
前節のバーンリー戦は豪雪のために中止。他のプレミアのチームと異なりゲーム間隔があいているため、コンディション的には優位が予想されるトッテナム。今節は昇格組のダークホースとのロンドンダービーとなった。
試合はトッテナムの進歩が見られる内容といっていいだろう。共に3バックだが、前線の噛み合わせは微妙に違う。トッテナムが意識していたのは左サイドからの前進。ムベウモの横、オンエカの手前から前進することでオンエカを自陣側に引き寄せるトッテナム。
おそらく、トッテナムが用意した対ブレントフォードの崩しのノッチはこのIHの移動から始まるギャップのところだろう。オンエカが動けばそのスペースに前線から降りてくるソンか、デイビスによって押し上げられたレギロンが入り込む。CB起用のデイビスが1列目を越えるドリブルが出来るのもいい感じ。そうなった場合はホイビュアが低い位置に下がってバランスを取る。
この左サイドの柔軟な動きにブレントフォードは自慢のハイプレスがあまり効かない状況に。保持においても3CB+WBがかみ合わされながら外に外に誘導されて前進が難しい。高い位置を取るトッテナムのWBの裏を取れた状況はあまり多くない。セットプレー絡みで早々に点をとったトッテナムが内容もスコアもリードする展開だ。
後半のトッテナムは速攻から追加点。ケインへの長いボールの収めからサイドから裏を取り、最後はソンがゲット。速攻にはかなり屈しやすいブレントフォードの面々をアッサリ打ち破ってしまった。
全体的にみてもこの日はトッテナムの完勝だろう。まだ途上ではあるが保持における相手のプレスの動かし方や、サイドのCBの高い位置を取っての攻撃参加など、今までの路線とは違うアプローチも徐々に浸透してきている。
コンテ流が馴染みだしてきたトッテナム。欧州カップ戦後には現状の出来に不満を漏らした指揮官だったが、少しずつ兆しは見えてきている。
試合結果
2021.12.2
プレミアリーグ 第14節
トッテナム 2-0 ブレントフォード
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:12′ カノス(OG), 65′ ソン
主審:ジョナサン・モス