セインツに引き摺り込まれるレスター
勝てば最下位を脱出することができるサウサンプトン。今節の相手のレスターを3連敗で残留争いに引き摺り込むことができるおまけ付きというシチュエーションである。
立ち上がりから勢いに乗った攻撃に打って出るサウサンプトン。サイド攻撃から縦に早く侵入する。左サイドはウォーカー=ピータースが前節アーセナルにメタメタにやられてしまったテテと対峙する。逆サイドではメイトランド=ナイルズが足の長いノックオンドリブルでボールを前方に運んでいた。
一方のレスターはWGを軸にボールを運んでいく。前節は悔しい思いをしたテテだったが、相手が変わることで当然どこまでできるかは変わる。アーセナルほど支配的ではないサウサンプトンに対して十分に攻撃の起点になることが出来たといえるだろう。
よって、試合は激しいサイドでのデュエルをベースにしたものとなる。基本的にはサイドアタックはどちらがボールを持つにしても攻撃側が優勢であり、ボールを持たれた側は比較的苦戦が続いていたといっていいだろう。
そうした中で試合は意外な形で動く。エリア内でのハンドを犯してしまったのはレスターのカスターニュ。現代のサッカーにおいてはあまりにも軽率といえる類のハンドを取られてしまい、サウサンプトンにPKが与えられる。稀代の名手であるウォード=プラウズを前に絶体絶命だったレスターだが、ウォードがこのPKのセーブに成功。レスターは事なきを得る。
しかし、そんな安堵もつかの間、レスターは3分後に失点を喫することに。最終ラインの裏に抜け出したアルカラスに対してアダムスからボールが通ると、そのままゴールを決めて先制。これまで右足でチームを助けて来たウォード=プラウズのミスをチームメイトが助ける形で先制点を奪う。
リードを奪われたレスターはここからガンガン。休まらない直線的で一本調子な早い攻撃でサウサンプトンに迫る。もう少し、落ち着かせてもいいかな?と思ったけどもなまじイケてしまうため、そうした部分が邪魔をするのだろう。
後半はレスターはもう少しボールを持って落ち着く。CB、CHの4枚はボールを回しながら、ポゼッションから攻撃を始めていく。
なお、リードしているサウサンプトンは特に先制したにも関わらず試合を落ち着かせる気配はなさそうな感じ。むしろ、アップテンポな状態に持ち込んで、速い展開に立ち返る形で序盤のような勢いのある状況をつくりだしていく。
レスターはプラートの投入から攻撃を徐々に活性化。左サイドをフリーで駆け上がる彼からゴールに迫る状況に。しかしながら、この日はイヘアナチョが振るわなかった。前半から訪れるチャンスをことごとく逃してしまい、決定機をフイに。どうも彼の日ではなかったようである。
ヴァーディ投入後も最後までピッチに残してもらったイヘアナチョ。しかし、彼がネットを揺らすことは最後までなし。アルカラスの決勝点を守り切ったサウサンプトンが残留争いをさらに混沌とさせる3ポイントを確保した。
ひとこと
ここで勝ったら面白いな!というタイミングできっちり勝つサウサンプトン。レスターに対して降格の恐怖を現実的に突きつける大きな1勝を手にした。
試合結果
2023.3.4
プレミアリーグ 第26節
サウサンプトン 1-0 レスター
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
SOU:35‘ アルカラス
主審:ロベルト・ジョーンズ