押し込む側の恩恵は終盤に
立ち上がりはフォレストがバックラインにプレスをかけなかったこともあり、ウルブスのペースで進む。バックラインがまったりボールを持ち、CHが縦関係を形成するといういつものスタイルを尊重してくれたことはウルブスにとってはありがたかったはずである。
しかしながらそこからの攻め手が多かったわけではないウルブス。ボールは持てるが、アタッキングサードの攻め手がない状態が続き、なかなかクリティカルなチャンスを作り出すことが出来ずに苦しむ。
一方のフォレストも押し込まれてしまってはいるものの、カウンターからボールを運べる状況は作れているので悪くはない。ボールを持つことが多いウルブスだが、受けるほうに回るとスペースをコンパクトに維持できない欠点が露呈。中盤の運動量が乏しいことも含めて、ライン間を積極的に使いながら攻略していきたいフォレストにとっては好都合だった。
試合はどちらのチームも悪くないという手ごたえを感じる一進一退の攻防に。25分くらいからはウルブスがクロスの本数を増やしながら相手のゴールに迫っていくが、先制点を手にしたのはフォレスト。左サイドから中央のダニーロが入れ替わることで逆サイドの展開に成功すると、右のジョンソンがゴールを決めてリードを奪う。脆い中盤というウルブスの弱点を突いたダニーロが確実に得点源にチャンスの供給をしたシーンだった。
リードを奪われたフォレストは後半保持から仕切り直し。フォレストはカウンターからオープンな状態で一撃を狙うのを待ち構える展開になる。
ボール保持が基本線とは言え、オープンな形に乗っかれるときは乗っかるウルブス。トラオレやポデンスなどはむしろこうした展開が活きる。得点の可能性が両チームとも感じられる展開に試合は突入していく。
その展開に待ったをかけるのは当然リードをしているフォレストだ。ワローを入れて5バックに移行。慎重なスタンスに移行しつつ、カウンターに狙い絞ってる追加点を狙っていく。
しかし、終盤にウルブスは押し込む側の恩恵を受けることに。交代で入ったコスタのポストからネトがミドルを放つと、こぼれ球がポデンスのところに。これを仕留めてウルブスは終盤に同点に追いつくことに成功する。
以降は少し荒れ模様な試合になったが、これ以上はスコアは動かず。勝つこと以上にライバルに3ポイントを与えたくない残留戦線において、フォレストの浮上を食い止めたウルブスにとっては大きな引き分けとなったことだろう。
ひとこと
コスタ、ネトという負傷が長いコンビがようやく得点に間接的に貢献した。特にネトは計算できるようになれば百人力。早い段階でフォームを戻し、スタメンに名を連ねたいところだ。
試合結果
2023.4.1
プレミアリーグ 第29節
ノッティンガム・フォレスト 1-1 ウォルバーハンプトン
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
NFO:38′ ジョンソン
WOL:83′ ポデンス
主審:クリス・カバナフ