Fixture
プレミアリーグ 第7節
2023.9.30
ボーンマス(17位/0勝3分3敗/勝ち点3/得点5 失点11)
×
アーセナル(5位/4勝2分0敗/勝ち点14/得点11 失点6)
@ヴァイタリティ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でボーンマスの1勝、アーセナルの7勝、引き分けが2つ。
ヴァイタリティ・スタジアムでの成績
過去7回の対戦でボーンマスの1勝、アーセナルの4勝、引き分けが2つ。
Head-to-head from BBC sport
- ボーンマスは2018年1月の2-1での勝利が12回のプレミアでの対戦におけるアーセナル戦唯一の勝利(D2,L9)
- 12回の対戦でアーセナルは全てネットを揺らしており29得点を挙げている。
スカッド情報
- 足首をミッドウィークに負傷したドミニク・ソランケはフィットネスを評価する必要がある。
- クリス・メファム、ロイド・ケリー、アレックス・スコット、エミリアーノ・マルコンデスは全て負傷欠場だが、タイラー・アダムスにデビューの可能性がある。
- ブカヨ・サカ、デクラン・ライス、レアンドロ・トロサール、ガブリエル・マルティネッリ、ウィリアム・サリバ、ファビオ・ヴィエイラに欠場の可能性。
- 長期離脱中のトーマス・パーティとユリエン・ティンバーも欠場。
Match facts from BBC sport
- 10試合プレミアで勝利がなく、一部での連続未勝利記録のクラブレコード(D3,L7)
- 開幕から7試合勝ちがなければ、1994年の3部時代に記録した8戦未勝利以来のこと。
- ホームでのプレミアリーグで今季1得点を挙げており、これより少ないのはエバートンだけ。
- リードから8ポイントを落としており、他クラブに2ポイント以上の差をつけてリーグ最多。
- ドミニク・ソランケは14試合の出場したプレミアのゲームで9得点に関与している(5G,4A)
- ソランケが不出場の試合で最後に勝ったのは2020年2月の2-1のアストンビラ戦。ベンチに座って交代で使われなかった。
- 勝てば04-05,13-14に続きプレミアで3回目の開幕アウェイ3連勝。
- 引き分け以上で2007年以来の開幕7戦無敗。
- 直近10試合の公式戦で負けがない(W7,D3)
- 公式戦直近3試合でクリーンシートを達成している。
- ブカヨ・サカは直近7試合のリーグ戦の出場で6得点に関与(4G,2A)
- 2017年1月にプレミアに移籍して以来、ガブリエル・ジェズスはxGで予測されるゴール数(85)を実際のゴール数(70)が15下回っている。この間において実際のゴール数がxGを10以上下回っているプレイヤーはニール・モペイ(14.9)とクリスティアン・ベンテケ(12.5)だけ。
予習
第4節 ブレントフォード戦
第5節 チェルシー戦
第6節 ブライトン戦
今季ここまでの道のり
予想スタメン
展望
守備面で見せる新しい顔と充実の2列目
ノースロンドンダービーは優勢ながらも勝利を収めることができなかったアーセナル。次週はフランス遠征のCLとシティとのリーグ戦という非常にヘビーな1週間。弾みをつけるためにも今週末のリーグ戦には勝利を何としても収めたいところだ。
対するは先週というよりも今季なかなか勝てていないボーンマス。リバプール、トッテナム、チェルシー、ブライトンとすでに強いチームとの対戦を今季すでに多くこなしているが、そのいずれにおいても優位に立つ見せ場があった展開だった。だが、そのいずれもモノにできず、チームは依然未勝利のままここまで進んでしまったという印象だ。善戦止まりではない3ポイントを今節は狙ってくるだろう。
オニールからイラオラという監督交代に踏み切った今季、ベースとなるフォーメーションは基本的には同じ。4-2-3-1を基本として前任者と大きく変わらない並びを前任者に近しい序列でここまでを戦ってきている。
では昨季と異なる部分はどこだろうか。真っ先に思い浮かぶのは守備における積極性である。以前のボーンマスであれば、4-2-3-1からなかなか守備を動かすことができなかった。しかしながら、今季のボーンマスは前からプレスに出ていく。
それどころか、リバプールやトッテナムのように腰を据えてボールを回すことに取り組むことを決めたチームには、その心算を試すように容赦無くハイプレスで挑んでいきながら序盤戦の主導権を握った。こうしたアグレッシブな守備はこれまでのボーンマスにはなかったテイストである。
バックラインもトップのプレッシングについていくスタイルを守っているのは特筆すべきポイント。手綱を緩めつつ、スイッチが入った瞬間に襲いかかるというコンセプトであるブライトン戦におけるプレスは前方との連動が見事。コンパクトに守るというテーマは高い位置にラインを上げての守備においても継続している。
ボール保持においてはある程度自陣からボールを持ちつつ、プレッシャーをかけられたらロングボールを蹴っていく。ここは昨シーズンとは大きくは変わっていない。ソランケはややボールを収めるところが甘く、好調だった昨シーズンの終盤に比べると8割くらいに割引きの印象があるし、ビリングはポジションを下げたことでロングボールとしての的としての役割を果たす機会は多くはない。よって、ロングボールの脅威は昨シーズンと比べるとやや落ち着いていると言えるだろう。
充実度が高いスカッドになっているのは2列目だ。ワッタラ、クリスティ、セメンヨ、トラオレ、タヴァニア、ブルックス、シニステラとプレミアで爪痕を残すことができる選手たちをゆうに2セットは抱えている。
この面々の中でも存在感を放っているのがクライファート。右に比べると少し物足りない感があった左サイドにすっぽりとハマると、カットインからの仕上げにおけるアクセントに。プレミアの強度への適応は問題はなさそうだ。連携面はもう一歩という印象。ソランケやケルケズと連動した動きができるようになれば激戦の2列目争いから頭ひとつ抜け出す可能性もある。
いずれにしても2列目のポテンシャルは高い。難しい序盤戦からチームを救う起爆剤となりうるセクションだ。
サカの引力が活用できれば・・・
アーセナルはまずは初手のプレスで面食らわないことが重要だ。GKのラヤをビルドアップの経由点として積極的に使いつつ、プレスを引っ掛けない状況を作りたい。できれば、プレスを引き込むことができればなおいい。
特にボーンマスの中で引き込んでいきたいのはSH。バックラインにボーンマスのSHに引き寄せることができればギャップを作ることができる。SBとSHのつながりは中央に比べると薄い。
仮にサカが復帰できれば彼の引力は活用できるだろう。高い位置にサカがSBをピン留めし、バックラインがSHを引き付けられればその間にはギャップができる。ライスやウーデゴールがその位置を取ることができれば、ここから前進することは難しくないだろう。
これができればアーセナルは2トップとSHの片方を自陣側に引き寄せて、後方を4-3ブロックに分離することができる。こうなればだいぶ攻略はしやすくなる。
ボーンマスのバックラインは前からのプレッシングについていくことには忠実ではあるが、後方をカバーしたり、広いスペースでのスピード勝負は得意ではない。特に前からプレスに出てきていて重心が前線に向いている時は前線は背後を巡る駆け引きを積極的に行いたい。仮にWG色の強い選手を起用できないのであれば、縦への揺さぶりは尚更重要だ。
要はアーセナルが狙うべきは今季のボーンマスの特色であるハイプレスをひっくり返すこと。怪我人だらけで苦しいのは間違いないが、3-2型にこだわらずに形を崩すことでプレスの狙いを外すビルドアップの耐久性をきっちりと証明したい。リバプール、トッテナムが打ち勝ったプレスに屈するわけにはいかないだろう。保持型チームとしての先をいくプライドを示す一戦にしたい。