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「サイドからこじ開けて楽に進めたい」~2021.12.26 プレミアリーグ 第19節 ノリッジ×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第19節
2021.12.26
ノリッジ(20位/2勝4分11敗/勝ち点10/得点8 失点34)
×
アーセナル(4位/10勝2分6敗/勝ち点32/得点27 失点23)
@キャロウ・ロード

戦績

過去の対戦成績

図1

 過去10回の対戦でノリッジの1勝、アーセナルの7勝、引き分けが2つ。

キャロウ・ロードでの対戦成績

図2

 過去10戦でノリッジの1勝、アーセナルの4勝、引き分けが5つ。

Head-to-head from BBC sport

・ノリッジは直近21試合の公式戦のアーセナル戦で1勝のみ。
・アーセナルにとってはプレミアで3回目のノリッジ戦ダブルのチャンス。

スカッド情報

【Norwich】

・オザン・カバクは復帰。だが、マティアス・ノルマンは骨盤の負傷で、ミロト・ラシツァ、グラント・ハンリー、アンドリュー・オモバミデレは欠場の見込み。

【Arsenal】

・アルベルト・サンビ・ロコンガ、パブロ・マリ、カラム・チェンバースはCovid-19で欠場の見込み。
・ピエール・エメリク=オーバメヤンについてはミケル・アルテタが出場可否を当日までに決定する。

Match facts from BBC sport

Norwich

・11月のプレミアは4戦無敗だったが、12月に入って3連敗でここまで得点がない。
・ボクシング・デーの試合はプレミアで最も悪く、過去7試合で1分6敗で通算1得点。
・11試合のリーグ戦無得点はリーグワースト。
・プレミアにおいてクリスマスに最下位だったチームが降格を回避できたのは過去に3例だけ。
・ディーン・スミスは直近4シーズンのボクシング・デーの試合で全勝。

【Arsenal】

・2016年以来のトップ4でのクリスマス。昨季は15位だった。
・ボクシング・デーのプレミアの試合は23試合で過去に2敗しかしていない(W14,D7)
・今季のプレミアの得点の52%は21歳以下のプレイヤーによって記録されている。
・オーバメヤンはボクシング・デーの出場はいずれも得点を決めている。
・オーバメヤンはノリッジとの試合で得点を記録しなかったことがない。過去3試合の出場で5得点。
・ボーンマスに引き分けたアルテタの初陣からちょうど2年。

予想スタメン

画像4

展望

■覆い隠す形で修正を狙う

 今季初めての2回目の対戦となるノリッジ戦。前回対戦した時にノリッジを率いていたファルケ監督はすでに解任。同じく、シーズン中にアストンビラの監督を解任されたスミスを後任に据えて、最下位からのカムバックを狙っている。

 前回、アーセナルと対戦してからのノリッジの歩みは実に苦難が多いものだった。保持を大事にしつつ、高い位置からプレスをかけてボールを奪い返し、攻撃に転じる。それがノリッジの理想系だった。

 だが、激戦を極める今季のプレミアにおいて、この理想はあまりにも儚いものだったと言えるだろう。高い位置から仕掛けるプレッシングは空転し、ボールを奪い返すことができない。かつ、保持においては3トップの機動力を生かした攻撃が持ち味である一方で、タメが効く選手が不在。直線的にゴールに進む方針はどうしてもすぐに自陣側にボールが返ってきてしまうという欠点と表裏一体である。

 プレスの空転に加えて、縦への速さ一辺倒という方針は陣形の間伸びを促進。ノリッジは相手の攻撃をモロに喰らってしまうという苦しい状況に陥ってしまう。3トップもキャントウェルが突如ユースでの練習を言い渡されるなど、メンバーが流動的になってしまったのも痛かった。3トップのメンバーが固まらないとなると攻撃の形がどうしても決まらなくなってしまう。

 というわけでとりあえずは自陣に引きこもって5-3-2型という新しいトライを行い、まずは守備からの立て直しを図ったファルケ。だが、撤退に偏ったスタイルはなかなか通用せず。自陣をとりあえず固めて、プレッシングをセーブする形で守るスタンスでしのぎきれるほど、ノリッジのバックスは強靭ではないし、そこから陣地回復する攻撃の手段も有していない。打開の一手が見つからないのである。

 アグレッシブに出ていってもダメ、とりあえず撤退しても苦しい。八方塞がりの状態だったのがスミスが途中就任した段階のことだった。就任後に彼が目指したスタイルはきっちりと時間をかけて保持をしていこうという形。シーズン当初に目指した直線的にゴールに進んでいこうというスタイルだけでなく、やり直しもしながらのシステムの構築に挑む。

 人選としてはスタメンから遠ざかっていたギルモアやウィリアムズといった若手を積極的に抜擢し、保持での安定感を増す試みをしている。

 守備においては撤退型の4-5-1での対応。攻守の切り替えの頻度を下げながら守備の脆さを覆い隠す試みで、まずは修正していこうという狙いが見えている。弱みを隠す形からのリカバリー。それがノリッジが目指す逆転残留の青写真だ。

■撤退守備を壊せればリズムは掴めるはず

 アーセナルからすると、ノリッジの撤退守備を破壊することができればスムーズにことが進むことになる。4-5でライン間を極端に狭める形をとっているのがノリッジの撤退守備の方針のため、ここ数試合のアーセナルが得意にしていたライン間で前を向くフリーの選手を作るというアプローチはいきなりは刺さりにくいように思う。

画像3

 その分、ノリッジの守備が手薄になるのはサイド。中央を空けたくないノリッジの守備陣は中央からはなかなかサイドにサポートに向かうアクションを起こすことがない。

 そのため、攻撃において大外に人数をかけるとアーセナル的にはかなり楽にノリッジのラインを下げることができる。ノリッジの守備は基本的にはディレイを優先して動く一方でボールホルダーをとりあえず捕まえるという意識が薄い。したがって、裏への動きを積極的に使いながら、ラインを押し下げる動きを繰り返すことができれば比較的簡単にPA付近まで進むことができる。

 ここからのクロスがまずは得点パターンとして狙えそうな部分。クロスに飛び込むスキルで良さを見せてくるウーデゴールや、逆サイドのWGが飛び込むことでなんとかチャンスをものにしたいところだ。

 守備の面では不動の地位を加入直後から築いていた冨安に不在の可能性があるのが不安要素である。バックスはCB-SBの距離が開きやすい問題がかなり顕著。レギュラーの冨安とホワイトでのこのスペースでギャップができてしまい、ピンチを招くこともしばしばである。

画像5

 その上、ホルダーを外に追いやりながら窒息させるのがうまい冨安から、ホルダーへのチェックが甘いセドリックに人が入れ替わると、攻撃側はより自由にCB-SB間のスペースを簡単に使えることになる。リーズ戦で与えたPKはこの欠点が露呈した形と言えるだろう。ここが危険に晒されればアーセナルにとっては先制点を献上し、苦しい展開になることもあり得る。

 リーズ戦の課題を露呈することなく、相手ブロックを破壊し点を取り、ノリッジが点を取らないといけない形に持っていくのが理想。前に出てくるところでゲームの強度を上げて、さらにペースを引き込むということができれば、ノリッジにとってはどんどんやりにくい展開になっていく。まずは先手をとって楽に進めたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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