一点突破での逆転劇
代表ウィーク明けの初戦はロンドン・ダービーでのスタート。トッテナムの本拠地に乗り込むのはイプスウィッチを豪快に倒したウェストハムだ。
中盤でのボールを奪い合うデュエルでスタートしたこの試合。時間の経過とともにボールを持って押し込むようになったのはトッテナム。ウェストハムはバックスにプレスをかけずに中盤のパスコースを固めつつ、跳ね返しにフォーカスする。
マディソンとクルゼフスキは当然ウェストハムにとっても懸案事項。ブロックの中ではマンツー、外に下がったら無理に追いかけないことを徹底してブロックと要人のケアを両立する。トッテナムはマディソン、クルゼフスキからの揺さぶりやソンのミドルなど、少しずつブロック外から削っていく作業にフォーカスする。
ウェストハムはカウンターから反撃。右サイドのボーウェンの突破によりファン・デ・フェンをサイドに釣りだすと、ファーサイドで余ったクドゥスに決定機を得る。
先制点もこの形。エメルソンのオーバーラップからトッテナムのDFラインを横にずらすと、トッテナムのバックスがバタバタ。その流れのままクドゥスがゴールを押し込んだ。
このままブロックを組みながらカウンターというプランに徹していればウェストハムは勝利することが出来たかもしれない。実際に先制点以後もトッテナムは脆いサイド守備を見せていた。
しかしながら、少しずつトッテナムはウェストハム陣内を侵攻する。高さで跳ね返すことはできていたが、水際という感覚があったのだろう。少しずつ前に出て行くように。オーバーラップなど攻め筋の構築も積極的だった。
だが、それが裏目に出たのが同点ゴール。エメルソンがオーバーラップしているタイミングでボールを失い、あっさり背走させられる形となったウェストハム。得点も失点もエメルソンのオーバーラップがトリガーに。クルゼフスキのミドルはさすがであった。
ロストとオーバーラップの掛け合わせで一気に苦しくなったウェストハム。試合はタイスコアでハーフタイムを迎える。
後半はハイプレスで入ったウェストハムだったが、トッテナムはこれをひっくり返す形で反撃。守備に回った時には攻め込まれていたウドジェがオーバーラップで存在感を発揮し、勝ち越しゴールを奪う。
さらにトッテナムはカウンターで追加点。ウェストハムの中盤でのロスト×SBの背後をつかれるという前半と全く同じ形でトッテナムに大きい1点を与えてしまう。
前半からの悪癖が全く治らなかったウェストハムは以降も同じ形からピンチに。試合を決める4点目もあっという間に入ることとなった。
クドゥスの退場というおまけまでつくなど踏んだり蹴ったりだったウェストハム。弱みを突き続けたトッテナムが会心の逆転勝ちを見せた。
ひとこと
一点突破にフォーカスすれば強いトッテナムにウェストハムは穴を見せてしまった。
試合結果
2024.10.19
プレミアリーグ 第8節
トッテナム 4-1 ウェストハム
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:36‘ クルゼフスキ, 52’ ビスマ, 55’ アレオラ(OG),60‘ ソン
WHU:18‘ クドゥス
主審:アンディ・マドレー