Fixture
プレミアリーグ 第25節
2024.2.15
レスター(18位/4勝5分15敗/勝ち点17/得点25 失点53)
×
アーセナル(2位/14勝8分2敗/勝ち点50/得点49 失点22)
@キング・パワー・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
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過去10回の対戦でレスターの2勝、アーセナルの7勝、引き分けが1つ。
レスターホームでの成績
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過去10回の対戦でレスターの3勝、アーセナルの5勝、引き分けが2つ。
Head-to-head from BBC sport
- アーセナルはリーグ戦のレスター戦で6連勝中。キング・パワー・スタジアムで3連勝中。
- このカードにおいてレスターは過去に公式戦7連敗を記録したことはない。
- 最後のレスターの勝利は2020年10月。ジェレミー・ヴァーディが唯一のゴールを挙げた試合。
スカッド情報
- ジェレミー・ヴァーディ、ヤニク・ヴェスターゴーア、ビクター・クリスチャンセンは負傷から復帰。
- リカルド・ペレイラ、アブドゥル・ファタウは長期離脱。
- カイ・ハヴァーツはハムストリングの負傷でシーズン絶望。
- ガブリエル・ジェズス、ブカヨ・サカ、ガブリエル・マルティネッリは長期離脱中。ベン・ホワイトは復帰。
Match facts from BBC sport
- ホームでは無得点で4連敗中。トップリーグにおいて無得点でホームで5連敗を喫した例は過去に3つだけ。1919-20のシェフィールド・ユナイテッド、1921-22のバーミンガム、2019-20のノリッチのみ。
- ルート・ファン・ニステルローイ就任以降の2試合で4ポイントを取ったが、以降の9試合で8敗。この間の得点は4だけ。
- 10月にボーンマスに1-0で勝利して以降、17試合のプレミアリーグでクリーンシートがない。
- 失点は53で24試合終了時としては1958-59以来最も多い。
- ジェレミー・ヴァーディはアーセナル戦で11得点を挙げておりキャリアで最も得点している相手。
- プレミアでは14試合無敗(W9,D5)。2010-11のアーセン・ヴェンゲル時代の16試合無敗以来の最も長いラン。
- 降格圏にいるチームに対しては直近25試合で21勝。唯一の敗戦は2年前に19位に沈んでいたエバートンとのアウェイゲーム。
- 前半の記録はリーグベスト。24試合中13試合でリードを奪っており、ビハインドは2試合だけ。レスターはワーストのレコードでリードは3試合、ビハインドは14試合。
- マイルズ・ルイス=スケリーが18歳の選手としてプレミアで8試合先発を飾ればアーセナルのDFとしてはガエル・クリシーを超えて初めてのこととなる。
予習
第22節 フラム戦
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第23節 トッテナム戦
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第24節 エバートン戦
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今季ここまでの道のり
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予想スタメン
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展望
残留レースで勝負するために・・・
ミッドウィークに行われたマージーサイドダービーにより、アーセナルとリバプールの消化試合は10節ぶりに揃うことに。アーセナルは勝ち点7差でリバプールを追うという格好になる。ちなみにリバプールは次のミッドウィークに第29節を先行開催予定であり、ここから数週間は逆にアーセナルが消化試合が1つ少ない形で上位を追う形が続くことになる。
消化試合が揃ったタイミングで対戦するのはレスター。2節前には同じくノースロンドンのトッテナムを下している。だが、前節は敗戦し、トッテナム戦の前は7連敗。降格争いにどっぷり浸かっている状態だ。例年後半戦に調子を上げていくウルブスを上回るか、より上位のチームを巻き込まなければ残留の見込みはない。勝ち点を積むペースは上げていかなければならない。
基本的なフォーメーションは4-4-2。多くの場合は前から強引にプレスをかけることはなく、ミドルゾーンできっちりブロックを組むケースが多い。すなわちバックラインにプレスをかけられないケースがあるということ。バックラインにプレスがかからないとなれば、当然相手は背後を狙うアクションが出てくる。今のレスターの最も大きな問題点は裏抜けに対するクオリティとなる。
前節のエバートン戦ではとにかく無限に裏抜けを許して決定機を作られてしまうケースが多かった。特にヴェスターゴーアは棒立ちになってしまい、背中を使うパスにリアクションすることができない形を頻発。相方のファエスがやたら広い範囲をバタバタとカバーするもどうにもならないという形で結果的に4失点を喫している。
エバートン戦の後半やFA杯のマンチェスター・ユナイテッド戦ではヴェスターゴーアの代わりにオコリが入って程度はマシにはなったが、SBを含めたラインコントロールによる裏抜けへの対応は今のレスターの大きな課題と言っていいだろう。
また、ロングカウンターの迫力不足も気になるポイント。往年であればレスターはヴァーディを軸としたカウンターの推進力が攻撃の形の中心。ただ、やはり年齢を重ねていることもあり長いカウンターを打つことができる頻度やキレはいずれも低下傾向にある。
どちらかといえば保持面で繋ぎながら押し込む方のがレスターの目指す方向性となっている。今の昇格組は何らかの理由で保持から逃げられない!というチームが多い感じがする。レスターであればロングカウンターのシャープさがない!がその理由に該当する。
バックスの繋ぎの不安定さは否めず、後ろから動かしていくスタイルが盤石かどうかは難しいところ。ただ、前に人数をかけることができたときは攻守にいい流れを作ることができている。中盤が高い位置から即時奪回に移行できれば、バックラインの守備の不安定さは解消しやすいし、ショートカウンターであれば精度は高い。
ボックスの中という範囲に限れば、ヴァーディの脅威は健在。相手のマークを抜け目なく外してクロスに飛び込むところに関しては抜群のクオリティを持っている。
要はヴァーディのクオリティを出しつつ、自軍のバックスの脆さを隠せる展開としてポゼッションを活用できるかがレスターの重要なポイント。アーセナル戦がというよりも残りのシーズンを戦う上でここのクオリティがレスターの残留レースを左右すると言っても過言ではない。
逃げちゃダメだ
前回のプレビューを書いた時からアーセナルの状況はさらに変化。マルティネッリとハヴァーツを失ったことで、レスターへの対策が云々というよりは、もう自分たちの戦い方をどうするねんという状況ではあるのは確かだ。
一応、レスターという相手を念頭に置いた話をすると、やはり最も効果的なのは最終ラインをつっつくやり方だ。DFラインの判断にばらつきがあるせいであっと驚くような背後の取られ方をしてしまうので、前後に駆け引きしながら少ない手数でラインを破るのが一番いい。
だが、長いボールで駆け引きするということに関してはハヴァーツ、サカ、ジェズス、マルティネッリと得意な人が上から順に削られてしまっている感じ。この点ではなかなか勝負するのは難しいだろう。今スカッドで起用可能などの選手を9番においても降りるアクションはできても背後を取るアクションで優位を取るのはイメージがつかない。自分が降りるアクションからトロサールなどに背後を使ってもらう方がまだイメージがつく。
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というわけでアーセナルがここから先に直面するであろう困難はマクロな意味での陣地回復の手段確保だと思う。長いボールで逃げるということをそこまで効果的には使えない。となると、ショートパスで繋ぐことから逃げられなくなる。
もちろん、今のアーセナルに繋ぐことはできなくはないけども、逃げ道がある中で繋ぐこととは事情も心持ちも変わってくると思う。だけども、繋ぐことから逃げても前進はできないのだから仕方がない。
ハイプレスに関しても敵陣に押し込む手段の1つではあるが、前線の交代カードの不在とハヴァーツ、ジェズスという核弾頭がいないことを考えれば、こちらも頼りすぎるイメージは湧かない。やはり、繋ぐことから逃げてはならない!ということになると思う。だからこそ、先制される展開はなるべく避けて自軍に相手のプレスを引き寄せることを意識していきたい。
自分は他のサポーターに比べるとアーセナル絡みの事象に対して感情をぶつける頻度は少ない。たとえば、審判への怒りをポストする頻度は明らかに低いと思う。それでも見過ごせないことは今季数回あったけども。そういう属性の上に他のチームも見たり書いたりするからかよく「アーセナルファンではない」と言われることがある。
まぁ、そういう話は人が決めることではないと思うので、そういう意見を受けても本当に何とも思わないのだけども。何が言いたいかというと、多くのプレミアファンはハヴァーツの負傷を受けて「アーセナルの優勝はなくなった」とか思っている状況の中で、自分にはまだこのチームにはチャンスが残されていると考えているということ。
審判にいちいち怒らないけども、このチームが優勝のために足掻くことはまだできると思っている。「プレミアファンとしてなるべくバイアスを排除した見解を述べよ!」というのならば、こういう見解を述べる人は不適格なのかもしれない。そりゃ自分だってこれだけ人がいなければアーセナルの評価は下げざるを得ない。そこは嘘はつけない。
だけども、今季現段階で優勝に関してどこのチームに思いを馳せるかに関してはプレミアファンであることよりもアーセナルファンであることを優先させていただきたい。まだこのチームにやれることはある。目標への距離は変わっていない。そのようにファンを奮い立たせるという観点でも重要な90分になるだろう。