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「ミドルブロックを組むための前提」~2025.3.1 J1 第4節 川崎フロンターレ×京都サンガF.C. プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第4節
2025.3.1
川崎フロンターレ(2位/2勝1分0敗/勝ち点7/得点7/失点2)
×
京都サンガF.C.(17位/0勝2分1敗/勝ち点2/得点2/失点4)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近10回の対戦で川崎の5勝、京都の3勝、引き分けが2つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の7勝、京都の2勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近3試合の京都戦で川崎は未勝利(D2,L1)
  • 等々力での京都戦は公式戦4連勝のあと、直近2試合で勝利がない。
  • ホームチームの勝利が直近4試合で1つもないカード。
  • 3月開催の等々力でのリーグ戦は過去に2回あり、いずれも京都が勝利している。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • 瀬川祐輔はフルメニューを消化。
  • ジェジエウ、大島僚太もトレーニングに合流。
  • イ・クンヒョンは左膝離断性骨軟骨炎及び左膝内側半月板損傷で長期離脱中。
  • 小林悠は左肩鎖関節脱臼で離脱。
京都サンガF.C.
  • マルコ・トゥーリオは前節負傷交代。
  • 喜多壱也、福田心之助、武田将平は今季出場がない。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 直近12試合の公式戦で無敗。
  • ホームの公式戦は5連勝中。
    • うち4試合は3得点以上を記録。
  • 長谷部監督就任以降、ホームゲームではここまで失点がない。
  • リーグ戦7得点はC大阪に並んで最多タイ。
  • 公式戦で挙げた13得点のうち、10得点は後半に記録したもの。
  • 途中交代の選手はここまで3人の選手が得点を記録。リーグハイ。
    • 昨季はシーズンを通して記録した選手は4人だけ。
京都サンガF.C.
  • リーグ戦は直近7試合で未勝利。
    • 昨年の川崎戦からスタート。
  • 直近8試合のリーグ戦で複数得点がない。
  • ただし、複数失点も直近7試合で1つだけ。
  • 直近3試合の公式戦での勝利はいずれもクリーンシート。
  • 原大智は先発で出場した川崎戦では3試合負けなし。
    • 一昨年の等々力では2アシスト。
  • ラファエル・エリアスはアウェイゲーム直近5試合でゴールがない。

予習

第1節 岡山戦

第2節 浦和戦

準備中

第3節 神戸戦

準備中

展望

強力3トップに届けられるか?

 ここまでは順調な船出で来ている長谷部フロンターレ。ミッドウィークでの戦いが続く難しいコンディション調整の中で、なんとかやりくりをしながら勝ち点を拾っている。

 対する京都はここまで3試合で未勝利。前節の神戸戦では終了間際の失点で勝ち点3を逃してしまい、今季初の勝利を手にすることができなかった。ちなみに2024年の初勝利は川崎フロンターレ相手のアウェイゲーム。2年連続での同じスタジアムでの初勝利を狙ってくる一戦となる。

 京都の基本的なフォーメーションは4-3-3。なんといっても強みとなるのは前線の3枚。原、エリアス、トゥーリオの3枚のアタッカーは個々人でも違いを作れるし、互いを生かすこともできるユニットとしても厄介。エリアスのポストからトゥーリオが裏を取ったり、あるいはエリアスを囮にした原が中央で縦関係を作り出すことでボールの収めどころになったりなど、それぞれが強力な個であることを利用して連携を活用していく。

 一気に縦に進みきれない時はサイドに展開。SBを絡めたサイド攻撃からクロスを狙っていく。インサイドに迫るやり方はロブ性のクロスが軸となっており、ボックス内でのシンプルな空中戦での優位、あるいは細かいポジショニングでのズレを活用してクロスに合わせる。上から叩いたり、あるいは福岡戦のエリソンのようにマーカーがついていても駆け引きから出し抜いたりすることでヘディングを打ち込むことができる。

 要は図解すれば捕まっているように見えるのに切り拓いてシュートを打つことができるのが彼らの強み。3トップはこれができるので、サイドはフリーの選手がシンプルに上げることさえできれば問題がないという発想なのだろう。

 逆に後方からのキャリーで相手を動かしながらの前進は得意ではない。3センターによる中盤での関係性作りなどは水曜日に対戦した福岡に比べればスキルは上だと思う。だが、中盤に至るまでは心許なくバックラインから相手の陣形を動かすことは苦手である。前に行けば行くほど戦える陣容であることは明白で、そこにボールを運ぶことができるかが重要なポイントになるだろう。

 非保持においては前に出ていくところと後ろで構えるところを使い分けながら戦っていく。基本的にはスコアによって戦い方は分かれている印象で、タイスコア以下のときは前に出ていき、リードをしている状況においては後ろを重くするケースが多い。

 個人的にはそれぞれの状況において京都の守り方は問題点を抱えているという印象だ。前プレは3トップが広い範囲で動きながら潰しに行くが、個々が前から追っていくことであっさりと陣形が間延びしてしまう。中盤は特に広い範囲をカバーできるファイターと言えるタイプは少ない(米本くらい?)ので、前が誘導なしにワーワー進んでいってしまい、相手が付き合ってしまうとあっさりと間延びした展開になってしまう。まさしく昨年のサンガスタジアムにおける川崎戦がその代表例である。

 非保持においては後ろに重くなる形がそこまで守備の強化になっていないというのが難しいところ。神戸戦がその象徴。6-3-1のような形で自陣を埋めた前半は結局浮いてしまうSBにWGがケアに出ていっていたので、上下動が結果的に増える上にズレもできてしまったので、あまり効果的とは言えなかった。

 その神戸戦は最終盤にアピアタウィアを投入し5バックに移行したが、そのアピアタウィアが穴になってしまい、ゲームクローズに失敗。属人的なエラーの要素も存分に含んでいるため、システム自体が悪いというわけではないかもしれないが、いずれにしても逃げ切りには失敗している。4バックでボールサイドに圧をかけながら大迫というターゲットを狙い撃ちにする守備ができている後半頭のいいリズムの守備を自ら手放してしまった感があった。

 そういう意味では試合のコントロールがうまく効いていない感がある。そういうところも含めてカラー的には良くも悪くも昨季から特に変化はないなというのが正直な感想だ。

オープンを許容しない流儀

 長谷部監督の方針としてはまずは従来の京都戦のようにワーワーした展開には持って行きたくないということになるだろう。前からの過剰なプレスをかけず、まずはある程度京都のバックラインにボールを持たせる。京都が苦手なバックラインで相手のブロックをこじ開けるという土俵を用意し、相手の得意ではない展開に誘導したい。

 その際に前提としたいのはフリーになる瞬間ができるであろうバックラインからの一撃でのロングボールで解決策を見出されないかどうかである。福岡戦の失点シーンのように奥行きと手前を使うことでDFを揺さぶられての一発回答に辿り着かれてしまうとどうにもならない。前線のロングボールを活かすためのプレーブックは豊富なチームだからこそ、ミドルプレスを成立させるための前提は満たしておきたい。

 よりローブロックの状況においては、大外から自由にクロスを入れられること自体がピンチになりうるので、きっちりサイドに追い込むことでクロスを引っ掛ける形を増やしたい。連戦の中でSHのプレスバックができるかどうかが重要になるので、早め早めの交代は意識する必要があるかもしれない。

 保持における解決策はいくつか思いつくが、まずは前プレを誘発し相手の間延びを呼び込んでから中盤を活用する形を使いたい。具体的には福岡戦のような三浦を解放した仕組みでWGの背後を取りつつ横断し、中盤に穴をあけるスタイルを押し出すのがいいのではないか。

 トランジッションで狙うのはサイドからのファストブレイク。京都の攻め筋はSBがオーバーラップする前提があるので、ここを反転させることも視野に入れられる。よりゆったりした攻め筋においても、京都はWGの裏を捕まえにSBが出てくる守備をすることが多いので、SBが背中を取られて裏街道というパターンもある。開幕戦の岡山戦はこの形から散々チャンスを作られてしまっている。岡山とはフォーメーション的に異なる部分があるので、どこまで再現できるかわからないが、ゆったりと引きつけるところと急ぐところの緩急が重要となりそうだ。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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