Fixture
プレミアリーグ 第33節
2025.4.20
イプスウィッチ(18位/4勝9分19敗/勝ち点21/得点33 失点67)
×
アーセナル(2位/17勝12分3敗/勝ち点63/得点57 失点27)
@ポートマン・ロード
戦績
過去の対戦成績

過去10回の対戦でイプスウィッチの2勝、アーセナルの7勝、引き分けが1つ。
イプスウィッチホームでの成績

過去10回の対戦でイプスウィッチの3勝、アーセナルの6勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
- イプスウィッチは11試合のプレミアのアーセナル戦で未勝利。このディヴィジョンにおいてもっと長い未勝利のストロークとなっている。
- アーセナルは1984年からの14回のリーグでのイプスウィッチ戦で無敗。直近4試合は無失点での勝利を挙げている。
- アーセナルは直近8試合のアウェイでのイプスウィッチでの公式戦のうち6勝。しかし、直近のポートマン・ロードでの試合である2011年のリーグカップの準決勝ではイプスウィッチに敗れている。
スカッド情報
- ジャデン・フィロジーンはチェルシー戦での膝の怪我でシーズン絶望。
- リアム・デラップは当日評価。オマリ・ハッチンソンとカルビン・フィリップスは欠場。
- ジョルジーニョ、リカルド・カラフィオーリは欠場するが、カイ・ハヴァーツにはシーズン終了前に復帰できる可能性がある。
Match facts from BBC sport
- 15の先制点を奪っているが、リードしている状況から落とした勝ち点は27でリーグ最多。
- 2025年にリードを得た6試合で勝利したのは1つだけ(D3,L2)
- ホームでのプレミアの試合は2025年全敗。2023年と2024年を合わせた数の敗戦をすでに記録している。1963年に樹立したホーム連敗記録に並んでいる。
- 敗れればプレミア6シーズンにおいて3回目の20敗を記録。
- ジュリオ・エンシソは加入後のプレミア8試合で4得点に関与。32試合の連続無得点をチェルシー戦で止めた。
- 1月25日のエンシソのデビュー以降、ゴール数とアシスト数で彼に並ぶのはデラップだけ。
- 直近10試合の公式戦で無敗(W6,D4)
- 11月2日以降、リーグ戦では1試合しか負けていないが、直近7試合では4試合でポイントを落としており、21ポイントのうち10しか取れていない。
- リードから落とした勝ち点は16。過去2シーズンを足したものよりも1少ないだけ。
- イースターの週の日曜に3年連続リーグ戦を迎える史上初めてのチーム。2023年にはリバプール相手に2-2でドロー、2024年にはシティにスコアレスドロー。
- 降格圏のチームとの対戦は10連勝中でAGGは30-2。最後の敗戦は2023年2月のエバートン戦。
- ブカヨ・サカは直近16試合の昇格組との試合で15得点に関与(7G,8A)。直近6試合では3得点、5アシスト。
- デクラン・ライスは公式戦44試合で16得点に関与(7G,9A)。51試合出場した去年に並ぶキャリアハイ。
予習
第30節 ボーンマス戦

第31節 ウォルバーハンプトン戦
準備中
第32節 チェルシー戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
Optaによれば100%
サンチャゴ・ベルナベウでの一戦はガブリエル・マルティネッリの決勝点により2レグともに勝利。レアル・マドリーの天敵という称号と16年ぶりのベスト4の座を手に入れるという満足度の高いミッドウィークを過ごしたアーセナル。
しかしながら、日程的に一息つくことが出来るのはまだ先。アーセナルにはまだまだ連戦が待ち受けている。パリ・サンジェルマンとのCL前に迎えるのはイプスウィッチとクリスタル・パレスとの連戦だ。
イプスウィッチに関しては一応残留争いの真っ最中ではあるが、望みはほとんど消えてしまったといっていいだろう。Optaによれば降格の可能性は100%。ちなみに同じく数字上の望みはなくなっていないアーセナルの優勝の可能性は0.14%となっており、イプスウィッチの残留に比べればまだ可能性があるというのがOptaの見立てである。
イプスウィッチは保持では4-2-3-1、非保持では5-4-1を使い分ける。保持ではSHに入るベン・ジョンソンは非保持ではWBにスライド。シーズン序盤のイケイケのプレスに比べれば、ローブロックで相手を迎え撃つこともやぶさかではない形にシフトしようとしている。
保持でのルートを考えれば理にはかなっている。左右に流れるデラップは無理が効く存在、2列目も前を向くことが出来れば馬力のある選手が揃っており、深い位置からでも攻撃に打って出ることができる。プロセスは違ってもフォレストのようなトランジッションの鋭さはある。
その一方で試合を落ち着かせる状況において簡単なミスで相手に流れを渡してしまうことが多いのが勝ち点を積み上げられない要因だ。自陣での深い位置でのミスが多く、そういったミスが失点に直結するケースが少なくない。
例えば、5-4-1で守るのであればまずはポケットへのアタックに関しては咎められるのがプレミアレベルの守備の水準。サウサンプトンもそうだが、5バックなのにシンプルなポケット突撃にバタバタしてしまうなど非保持でおとなしく試合をハンドリングできないというのが苦しいところとなっている。
さらには前線の代えが効かない選手が多く、引っ張ることが多いからか、試合中盤にダレる時間ができるのが特徴。終盤は結構また息を吹き返すので、60~70分あたりに訪れる凪の時間で押し込まれてミスが出て失点というケースはよく見られるように思う。
エンシソの補強ややや主力のコンディションが怪しいことによるメンバーの入れ替えでフレッシュさを保とうという努力はしているが、終盤にブーストをかけられるジョーカー的な交代策の正解にはまだたどり着いていない。後半に垂れてしまうという問題点は30節が過ぎても未解決のままだ。
前節のチェルシー戦は彼らの戦い方を象徴しているといっていいだろう。押し込まれる中でツーチャンスから2ゴール。だが、押し込まれる中で耐えきれずに内容の良くないチェルシー相手に勝ち点を落としてしまうという今シーズンのまとめのような90分だった。
もっとも、変な意味ではなく今回はプレミア勢の胸を借りる一年と割り切る側面もあるかもしれない。「残りのプレミアを楽しむ」というマッケンナ監督のコメントを考えれば、残留の可能性は関係なく、ホームでアーセナルに全力で向かってくるだろう。
尖ったカウンターを抑えられれば…
アーセナルにとっては難しい一戦になる。緊張感の高い舞台の後に続くリーグ戦というのは未経験の部分。そして、リーグ戦においても完全に安心というわけにはいかないのがプレミアの怖いところ。ちなみにOptaによればアーセナルがCL出場権を確保できる可能性は99.97%。現状は逆転優勝の方がCL出場権を逃すよりは確率が高いという計算結果となっている。
さて、確率遊びはここまでとしてイプスウィッチは多少アーセナルが調子を落としても勝たなければいけない相手である。まずはロングカウンターへの防衛ができるかどうか。メンバーを入れ替える可能性はなくはないが、おそらくはキヴィオルとサリバにスタートから休みが与えられることはないだろう。この2人を軸にイプスウィッチの速攻を止めることが出来るかが大きなポイントになる。
レアル・マドリーを止められたのだから!となるのが普通だけども、プレミア特有の縦へのシャープさはマドリーとは別物。イプスウィッチはそういう尖り方を瞬間的に見せられるチーム。それによって生み出されたチャンスをきっちりと得点に結びつけられてしまったら厄介なことこの上ない。
逆に言えばそこを凌げればチャンスは十分。今季、リーグでのクリーンシートは2つだけというイプスウィッチ相手に得点を獲るのは難しくはない。たとえ、引きこもるプランを敷いてきたとしても丁寧に一つずつずらすことが出来れば必ず穴が空く相手。この点ではイプスウィッチはプレミア中位勢とは明確なクオリティの差があると断言できる。その差がないならば、今この勝ち点でこの順位にいるチームではない。まだウルブスは残留の心配をしなければいけないはずだ。
主力組は後からというプランは刺さる可能性がある。ベンチに控えたメンバーが投入される時間とイプスウィッチのパフォーマンスが落ちるタイミングは比較的近い。相手の出力が落ちたタイミングで仕留めにかかるというプランもプレータイムのマネジメントを含めた運用として悪くはないように思える。
Optaによればいろんなことが確実になっているシーズン終盤。本来ならば一息つきたくなる日程でもきっちりと目の前の相手に向き合うのが今のアーセナルらしいと思うし、その日常の積み重ねがマドリー撃破に繋がっている側面もある。苦しい日程ではあるのは明白だが、パリ戦につながる日常の積み重ねをこの試合でも行ってほしい。