
荒れ模様の90分で文字通りの痛み分け
まず、ボールを持ったのはベンフィカ。2CH+2CBの4枚からボールを動かして行きつつ、SBは高い位置を取る形でのビルドアップ。サイドはSBとSHのどちらかが大外に入り、どちらかがインサイドとレーンを棲み分ける形で高い位置でのポジションを整理していた。
IHのアウルスネスも前に入る形で絞るワイドプレイヤーにCFのパウリディスが加わり、中央は人が集まりつつ、大外はアイソレーション気味。時にはLSHのバンニャが右の大外に入るなど、それぞれのレーン移動に関しては寛容だった。
大外で深さをとりつつ、マイナスのミドルからレナト・サンチェスがゴールを狙うなどシュートまで持っていくことができていたベンフィカ。構えるボカに対して幅を使いながら攻め込んでいく。
10分が過ぎると少しずつボカがポゼッション回復。ボールを奪ったところから前向きなカウンターという手段から少しずつ落ち着いたボール保持で動かしていく。
すると先制点は21分。左サイドからのクロスに見事な飛び込みを見せたメレンティエルがオウンゴールを誘発。先制ゴールを呼び込む。
さらにはセットプレーで27分に追加点。セットプレーからファーへの折り返しを決めてボカはリードを広げていく。
以降は小競り合いが続くなどやや荒れ気味だったこの試合。前半終了間際のボカのPK献上はヒートアップした試合展開の余波を感じた。荒れ模様のまま試合はハーフタイムを迎える。
後半、ベンフィカはベロッティを前線に投入して攻撃を強化。押し込むフェーズを増やしていく。ボカはサイドの裏からのラインブレイクでひっくり返す形で縦に速い攻撃を狙っていく。
ポゼッションを確保したベンフィカは左右に揺さぶりながらチャンスを狙っていく。後方の細かいコントロールでマーカーを外すアクションは面白いが、裏に抜けるボールが合わずなかなかチャンスメイクに辿り着かない。
すると、交代で入ったベロッティが退場。これでベンフィカは数的不利に。それでも4-4-1をキープしてボールを動かしていくベンフィカ。ボールを奪い返すフェーズはやや苦しかったが、保持から押し込む機会はきっちりとキープする。
押し込むベンフィカはセットプレーから同点に。オウンゴールを献上したオタメンディがリベンジとなるゴールを決めて追いつく。
オープンな終盤戦が生み出したのはゴールではなく退場者。ボカも仲良く一発退場で10人に。結局後半も荒れ模様だった試合は文字通りの痛みわけでの決着となった。
ひとこと
主審も含めて両チームとも試合をコントロールできなかったなという感じ。
試合結果
2025.6.16
FIFA Club World Cup
グループC 第1節
ボカ・ジュニオルス 2-2 ベンフィカ
ハードロック・スタジアム
【得点者】
BOC:21′ オタメンディ(OG), 27′ バッタリア
SLB:45+3′(PK) ディ・マリア, 84′ オタメンディ
主審:セサル・ラモス